ボスマネジメントとは?
ボス・マネジメントという言葉を聞いたことはありますか。その言葉が示すように上司(BOSS)をマネジメントするという考え方です。一般的マネジメントの概念との差は、部下の目標達成のためにその上司の働き方をも動かすという方法論です。
部下が能動的に働きかけながら、仕事の進捗をスムーズにすることで、上司とのコミュニケーションや環境を改善していきます。
ボスマネジメントの意味
通常の会社組織では、上司に不満があったとしても不祥事が発覚しない限り、そう簡単に人事異動などはありません。不条理な態度の上司とも付き合っていくしかないという現状です。そこで最悪な事態に陥らないよう、ボスマネジメントという考え方が生まれました。
ボスマネジメントは上司を管理するというよりも、上司の生態を利用しながら、自分の仕事効率を向上させるテクニックと言えます。
ボスマネジメントのポイント5つ
ボスマネジメントを行う際には、自分の上司がどのような性格であり行動様式があるのかを観察しながら、自分にとって最適な行動を採用するというのが主旨になっていきます。つまり上司を有効活用するという新しい方法です。
そこでボスマネジメントを取り入れる際は、次の5つのポイントを押さえておくことが大切です。
ボスマネジメントのポイント1:的確な「報・連・相」
上司とは信頼関係を築くことが第一優先です。普段より密なコミュニケーションを取りながら、業務状況を把握していくことです。必ずしも上司のご機嫌を取れということではなく、具体的に報告や連絡、相談などの基本を忘れないように確認しあっていく体制を整えていくことです。
本来から言われている「報・連・相」の基準を上司に対して怠らない気配りこそが、ボスマネジメントを行う上での大事なポイントです。
ボスマネジメントのポイント2:上司の好みを知っておく
ボスマネジメントとは、上司の命令に言いなりになってその場しのぎすることではありません。自分から積極的に働きかけることでもあります。これは上司に限ってのことではなく、人間関係を築くための原点だと言えます。あなたのボスだって人の子です。
当然好みというものがあります。仕事上にて提案やアイデアを練るような機会があったら、あらかじめ上司の好みや傾向から本筋を考えておくのも必要です。ボスマネジメントは、上司からの信頼を勝ち取るための方法です。
ボスマネジメントのポイント3:相手の状況を汲む
ボスマネジメントのポイントとして普段から心がけておくことは、上司の日常のルーティーンを配慮してみるという点です。誰にでも都合があります。何かを話しかけたくとも手が離せないような状況もあり得ます。
そのような時に自分の一方的な相談事を投げかけてしまったら、上司も感情的になってしまう可能性も高いと言えます。ボスマネジメントでは、忙しい上司の行動様式を観察し、可能なかぎり配慮しながら伺うということです。
ボスマネジメントのポイント4:言い訳をしない
ボスマネジメントにて重要なポイントとなるのが、当事者意識の高さです。失敗を外部の仕業にする人は言い訳をしてしまいます。言い訳をする部下に対して、大概の上司はいい気分はしないはずです。
もしそれが仮に自分の仕業ではなくても、関係のない誰かに責任を押し付ける表現をしてはなりません。その後あなたへの心証を害する要因に繋がりかねません。そうならないためには、前向きな意見や提案を日常から示すようにしましょう。
ボスマネジメントのポイント5:コミュニケーション
ボスマネジメントでは部下の側である自分から能動的に働き掛け、アプローチを変えていく柔軟さが大切です。これらはすべて人間関係構築に欠かせないコミュニケーションの手法です。
苦手で嫌いな上司を避けたい思うはずです。しかし避けることばかり続けているとその感情が上司にも伝わってしまいます。かえって関係を悪化させることになりかねません。上司を戦略的に活用し組織全体を最大化するのがボスマネジメントの視点です。
ボスマネジメントのチェックリスト3つ
それではさらにボスマネジメントを深く理解するために、各ポイントの中から厳選しチェックリストを確認するという段階に入っていきます。ボスマネジメントを成功させるための、さらなる具体的な策と言ってもよいでしょう。
以下では、大きく3つの項目で、ボスマネジメントの特徴や方法をご紹介していきます。
ボスマネジメントのチェックリスト1:上司を知る
お互いの関係を正しく構築させるには、上司と自分との違いを知っておくことが大切です。その違いを理解するには、以下のポイントを参考にしてみることをおすすめします。
ボスマネジメントを成立させるためのチェックポイントの一つめは、自分の上司がどのような人物なのかを分析して理解するということです。上司にも個性があるので、それに見合った振る舞いを自分も心がけると良いでしょう。
上司の目標や目的
あなたに会社内での立場や取り組みがあるのと同じように、上司にだって存在意義があります。それを偶々、目標や目的といった表現をしています。
最終的にはその企業の社会的役割や成果に繋がることではありますが、上司という立場を考慮した場合には、ボスマネジメントの試みがなされていきます。自分には自分の目標があり、上司には上司の目標もあるということです。
上司の強みや弱み
上司には仕事上での立場があり、さらにマルチタスクを常に抱えていることから、強みと弱みの双方を感じていると思われます。売上数字や取引先関係、社内での会議やさらに上の役職者との関わりも含め多岐に渡っています。
それらの環境から上司が感じていることが何かを把握するというのが、ボスマネジメント実行のための重要なステップです。
上司のワークスタイル
上司には仕事を動かす権限が発動されています。事業拡大の決裁権など若手社員から見ると魅力的なポジションでもあります。ボスマネジメントを行うには、自分がやりたい仕事を実現させてくれる上司のスタイルを理解することで成立します。
上司にも色々なタイプがいると思われますが、いつもどのような働き方や業務へのポリシーを持っているのかを知っておきましょう。
ボスマネジメントのチェックリスト2:自分を理解する
上司と自分との性格や立場の違いを漠然とさせるのではなく、具体的に知ることが大切になってきます。上司と自分の違いを理解して、感情的な誤解をなくすためにボスマネジメントを活用するということです。
ここでは、自分を理解することでボスマネジメントするという観点でご紹介します。
自分の強みや弱み
自分の強みと弱みを知っておくことで上司との関係構築にも響いていきます。誰しも自分の強みを活かすことによって満足感を得ます。その逆で、弱みがあればストレスを感じてしまうか、反抗的な態度になってしまいがちです。
そこである程度の強みと弱みを事前に知り補い合うこと、それがボスマネジメントとしても成立していきます。
自分のワークスタイル
自分の働き方のスタイルを確立している場合に、それが順応していて上司も認めてくれていることが理想です。そのような良好な状態ならば、ボスマネジメントも活きていると思われます。
一方、自分の働き方のスタイルが職場で合わず、スピード感や居心地が悪いというようなら、ボスマネジメント以前に、その業務が自分に相応しいかどうかを洗い直す必要性も出てきます。
自分の上司に対する依存傾向
同じ職場で顔を合わせている限り、上司との関係性は常に持ちつ持たれつということになります。いい部分も悪い部分もお互いに人間同士であると理解しなくてはボスマネジメントも成立しません。
自分の仕事がうまくいってない時に上司がフォローするのも当然ですが、それが恒常化している状態ではありませんか。仕事への取り組み方が依存傾向になっているようなら、もう一度足元を見直して効率的なやり方を考えなくてはなりません。
ストレスポイント
自分が仕事を行う上で、どのような点にストレスを感じているのかを理解しておくことは重要です。人は誰しも得手不得手があります。どうしても業務上なので贅沢なことは言えないからと、無理して嫌な仕事を続けていることが、無意識なうちにストレスを溜めてしまいます。
かえって業務に悪影響を及ぼしかねません。ボスマネジメントを発揮する場合、上司とも相談することを公平な立場でできるので、ストレスを抑える最適な判断も仰げることになります。
やりがいを感じる仕事
ボスマネジメントが確立されているような職場であれば、そこにいるスタッフは覇気がある動きを見せ、常にポジティヴな空気感が漂っているはずです。
それは無理に押し付けているような威圧的なことではなく、各人が心から仕事に従事して納得している環境であることが言えます。上司を有効活用し自分も期待に沿った行いをするという循環が成されています。
ボスマネジメントのチェックリスト3:関係を構築・維持する
上司と部下の上下関係には普通は溝があります。なかなか会社の方針ややり方について部下の不満を吸い上げることは難しいとされています。なぜなら表面化しないで言葉を押し殺してしまう部下が多いからです。
そのような劣悪な環境を放置しておくと、思わぬ落とし穴にハマってしまいます。ここではボスマネジメントを通じての関係性構築とその維持についてご紹介します。
上司に絶えず情報提供する
これは前述にもあるように、上司への報告業務の一環である「報・連・相」をしっかりと行うという内容にも関連しています。業務上での些細な動きは逐一上司へ伝える、必ず情報共有をしていくという習慣を忘れてはなりません。
自分が今行っている仕事の進捗状況、その中で生じた疑問や問題点は、上司にその都度聞いてみることです。その上で適切なアドバイスを受けることを繰り返すだけでも、立派にボスマネジメントは成立します。
お互いのワークスタイルを尊重しあう
上司の働き方と自分に働き方との類似点や違いを把握しておくのも良い方法です。やはり上司の側からすれば、自分のやっていることを手本にしてくれる部下がいると嬉しいと感じるはずです。
良さげと思えるポイントは即採用して、自分でも仕事に活かすような姿勢、ワークスタイルを尊重してあげることはボスマネジメントにおいても活かされていきます。上司の立場からも、部下の働き方を尊重することで関係性が高まっていきます。
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ボスマネジメントのおすすめ書籍5選
以下では、ボスマネジメントに関して書かれている関連性のある書籍をご紹介します。全部で5冊ありますが、どれもビジネス関連の実践性がある内容のものですので、もしご興味あれば手に取ってみてはいかがでしょうか。
おすすめのボスマネジメントの書籍1:上司に「仕事させる」技術
どうしても職場に嫌いな上司がいて、その対応や付き合い方に悩んでいるという方などにおすすめするのがこの本の目的です。MBAなどでも採用されているボスマネジメントについての詳細を知ることができます。
上司を動かす「7つの機能」を活用し、キャリアデザインに必須なボスマネジメント力が身につく書籍です。
上司に「仕事させる」との発想は全く無かった。知り合いからのおススメで軽い気持ちで読んでみたが、だいぶ仕事に対しても一人で抱えず、上司とはいい仕事でのビジネスパートナーとして見ることができてきたと思う。
おすすめのボスマネジメントの書籍2:苦手で嫌なタイプの上司の部下になったら読む本
ボスマネジメントとは、会社内の上司とのコミュニケーションのことだけを言うものと思われがちです。しかし上司だけに限らず、苦手な顧客や取引先、先輩や同僚、先生、近所付き合い、家族といった、色々な共同体の中でも応用ができる内容になっている本でおすすめです。
苦手なタイプの部下の指導育成のコツ-課長の虎の巻を購入してから、待ちに待った待望の出版でした。読んで実際のシチュエーションに使える良書です。
おすすめのボスマネジメントの書籍3:部下こそ上司にリーダーシップをとれ
世の中の多くの上司が無能だという切り口から、どのように這い出ていかべいいのかに焦点を当てている本です。
そのためには、部下がリーダーシップを発揮するということ、部下が上司やチームそのものを導いて好転させるための「下からのリーダーシップ」を発揮するコツやスキルアップ方法を紹介する本です。
ぐちぐち言っては、何も変わらないと諦めてすごしていたけど、前向きになれる、建設的なアドバイスが詰まっています。挑発的な題名だけど、読後は謙虚な気持ちを持てます。
おすすめのボスマネジメントの書籍4:上司徹底活用マニュアル
もっと効率のある仕事をしたい、自分の目標があり人生で本当にやりたいこと、なりたい自分に近づいていきたいと考えている方へ、そのヒントをちりばめている仕事術マニュアルのシリーズです。
ボスマネジメントにて職場にいる上司やスタッフと円滑な環境を作り上げるためのノウハウが満載です。ボスマネジメント入門書としても最適です。
バイトでも、正社員でも、中間管理職でも、会社という組織で沢山の人達の中で働く場合、必ず上司がいるはず。人間関係でやり辛い事があった時、上司に不満に感じた時、この本を読むと冷静に、またどのように解決していくことが賢明かを教えてもらえます。
おすすめのボスマネジメントの書籍5:教わる力 すべての優秀な人に共通する唯一のスキル
タイトルの「教わる力」とは、自分の判断軸で取捨選択ができる能力を意味しています。自分だけの判断軸を完成させていく方法を明らかにしていくための指南書です。
上司からの忠告や教えについて、新しいスキルを学べるという判断に切り替えられるビジネスパーソンになることを目指しています。他にも受験生、アスリートなど、自己成長を目指す方々にも役立つような内容です。
結局、量は質を上回るって事でした。40後半になって新たな道へ進みはじめたので、寄り道はできません。全力疾走しようと思います。
ボスマネジメントのポイントを掴もう
以上、ボスマネジメントの概要としてご紹介しました。ボスマネジメントを成功させるコツとは、顧客のように上司も意識することです。同じ視点に立って先回りした言動を繰り返すことがポイントです。
上司の表情を意識して、常にお互いがフェアな立場でいられるよう考えて行動するのがボスマネジメントです。気持ちを切り替えてみれば、次第に上司は信頼を寄せるはずです。