WELL認証とは?
WELL認証とは、Well Building Standrdのことで、2014年に米国で開発されたオフィスに与えられる認証です。WELL認証とは従業員の健康・ウェルネス・快適性について保証するものです。
オフィスは社会人が大半の時間を過ごす場所です。ただ仕事ができる環境があるだけではなく、働く人にとって健康的で快適性が感じられる空間であるべきです。WELL認証は日本でも推奨され始めています。
WELL認証の審査項目7個
WELL認証をしてもらうための基本的なコンセプトである審査項目は7個ありますので、それらを詳しくご紹介していきます。
WELL認証は高度な技術を有する医師や科学者などの専門家が集まり、7年間の研究を経て開発された審査項目に、その会社のオフィス環境がどれぐらい当てはまるかを確認して行われます。
以下に提示する7個の項目はWELL認証の基本となるコンセプトで、細かく分類すると100個に分かれています。
WELL認証の審査項目1:Air(空気)
WELL認証の項目であるAir(空気)には29項目あります。
空気質基準、効率的な換気、VOC低減、空気ろ過、湿気の管理、換気量の増加、置換換気など、空気を清浄に保てているかどうかを審査します。表面の抗菌、清掃しやすい環境、清掃用具など、清掃環境もWELL認証の審査項目に含まれています。
他にも有害物質の低減、強化された材料安全性、建設段階の汚染管理、建築物の安全性も考慮された項目が選ばれています。
WELL認証の審査項目2:Water(水)
WELL認証の項目であるWater(水)には8項目あります。基本的な水質、無機汚染物質、有機汚染物質、農薬汚染物質、上水添加物、定期的な水質検査、水処理、飲料水摂取の促進です。
オフィスの利用者が良質で汚染のない安全な水を摂取できる環境が整えられているのかどうかが、WELL認証で審査されます。バルセロナ大学が発表した、体内の水分が2%減少すると認識力が低下するという研究結果が背景となっています。
WELL認証の審査項目3:Nourishment(食物)
WELL認証の項目、Nourishment(食物)には15項目あります。
果物と野菜、加工食品、手洗い、食品の汚染、人工的原材料、栄養成分表示、食品広告、安全な調理器具、一人前の分量、特別食、責任ある食品生産、食品の保管、食品生産、心豊かな食事です。
オフィスの社員が健康的な食事を簡単にとれる環境が整っているのかどうかが審査の焦点となっています。そのための取り組みが重要視されています。
WELL認証の審査項目4:Light(光)
WELL認証の項目であるLight(光)には12項目あります。
ビジュアル照明デザイン、サーカディアン照明デザイン、人工光のグレア制御、太陽光グレア制御、低グレアワークステーション設計、色の品質、表面デザイン、自動遮光と減光制御、昼光を受ける権利、昼光モデリング、採光窓です。
オフィス環境に自然光を取り入れて人間の自然な体内リズムを取り戻し、精神状態をリラックスさせて安定させることを目的としています。
WELL認証の審査項目5:Fitness(フィットネス)
WELL認証の項目であるFitness(フィットネス)には8項目あります。
屋内のフィットネスとしての動線、活動へのインセンティブプログラム、体系的なトレーニングの機会、外部空間の活動的なデザイン、運動スペース、アクティブ通勤への支援、フィットネス器具、アクティブな家具什器です。
WELL認証では健康だけでなく集中力改善のためにも、エクササイズマシーンの設置などの運動環境の設備が推奨されています。
WELL認証の審査項目6:Comfort(快適性)
WELL認証の項目であるComfort(快適性)には12項目あります。
アクセシブルデザイン、エルゴノミクス:視覚的および身体的事項、外部騒音の侵入、内部発生騒音、温熱快適性、嗅覚の快適性、残響時間、サウンドマスキング、吸音面、遮音、個別温度制御、輻射による温熱快適性です。
職場環境の快適性はストレスの軽減や働きやすさに繋がり、従業員の健康維持に効果があります。臭い・騒音対策なども考慮されています。
WELL認証の審査項目7:Mind(こころ)
WELL認証の項目であるMind(こころ)には17項目あります。
健康とウェルネス意識、インテグレイティブデザイン、美しさとデザインⅠ、バイオフィリアⅠ-質について、適応性に優れた空間、健康的な睡眠のポリシーなどです。
オフィスの環境が精神的なサポートに適しているかどうかをWELL認証で審査します。ストレスの少ない職場作りがされていて、産休なども取りやすい状態であることが望ましいとされています。
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WELL認証を受けるまでのプロセス5つ
WELL認証を受けるまでのプロセスをご紹介していきます。
WELL認証には、文書レビューと性能検証というプロセスが必須になります。現場を訪れたWELL認証の担当者が、提出された文書を確認しながら必要な検査などの性能検証を行うからです。プロジェクトの規模によっては性能検証に数日を要する場合があります。
WELL認証を受けるまでのプロセス1:WELLへプロジェクトを登録する
WELL認証を受けるために、まずはWELLへプロジェクトの登録をする必要があります。
ネットを使って基本的な情報を送信してください。プロジェクトの基本的なスペースのタイプと範囲を示して評価方式を宣言します。登録後はプロジェクトの文書を提出して、期限内に性能検証のスケジュールを立てる必要があります。
WELL認証を受けるまでのプロセス2:コーチング担当者と話し合う
WELLのコーチング担当者と集団でやりとりをしながら意見を出し合い、技術的な問題や項目への回答を話し合います。
WELL認証のコンサルタント会社の担当者が、認証に関わる業務全般を支援してくれます。
WELL認証を受けるまでのプロセス3:資料作成・書類審査
WELLオンラインを通して必要な資料・文書を作成し、アップロードしてください。
提出した書類にもとづき、WELL認証の本部で書類審査が行われます。WELL認証に必要な項目と条件を満たしていれば、プロジェクトの次の段階へ進むことができます。また、書類に不備がある場合はWELL認証の本部から通知が届きます。
WELL認証を受けるまでのプロセス4:現地審査
書類審査に通ったプロジェクトの元へ、WELL認証の担当者が来て性能検証を行います。
すべての項目にWELL認証の条件が当てはまるかどうかが、現地で審査されます。規模が大きいプロジェクトの場合は数日掛けるか、または事前に認証された検査機関に試験を委ねる形で実行されます。
WELL認証を受けるまでのプロセス5:認証
評価項目ごとの査定がされているWELLレポートを経て、認証が行われます。
WELL認証は点数に応じて段階が決定されます。IWBIからWELL建物認証パッケージが送られてきます。
WELL認証について詳しく知ってみましょう
人々の間でまだ認識の低いWELL認証ですが、今のうちに内容をよく把握しておきましょう。
オフィス環境をあらゆる項目から見直してみるWELL認証は、働き方改革の一環として注目されています。
人材不足と多様性が考えられるこれからのオフィス環境造りに大いに影響を与えてくれるWELL認証を早い段階から取り入れて、離職率の低減と従業員の健康づくりに役立てていきましょう。