交換した名刺、どのように管理していますか?
膨大な量の名刺は、紙のままでは有効活用することが難しいでしょう。結果、引き出しにしまったままになってしまったり、ファイリングしてもそのままになってしまったり、情報を眠らせたままにしてしまっている人も少なくないのではないでしょうか。
紙のままでは活用しにくいうえ、保管も大変。そこで、近年は名刺データをデジタル化して保存する人が増加しています。
名刺データをデジタル化できるサービスを提供している「連絡とれるくん」と「Eight」。今回は、このふたつのサービスの内容の特徴を紹介し、比較していきます。
連絡とれるくんとEightの特徴
まずは、「連絡とれるくん」と「Eight」の特徴を紹介します。
「連絡とれるくん」とは
「連絡とれるくん」は、クラウド上で一元管理できるWeb電話帳を主にするサービスです。紙にまとめられている内線番号や、社員個人が持っている名刺情報、スマートフォンに登録されている連絡先を一元管理できます。登録された連絡先は、スマートフォンやパソコン、タブレットなど、マルチデバイスで検索・閲覧可能です。
主な機能は「Web電話帳」と「名刺管理」、「着信表示」の3つ。着品表示とは、「連絡とれるくん」に登録されている電話番号からかかってきた着信であれば、スマートフォン端末に登録されていない番号であっても、発信元が表示される機能です。
利用する人ごとにライセンスを発行し、利用には最低5IDの発行が必要です。また、追加で利用できる有料オプションも充実しており、より一層業務効率を向上させられます。
「Eight」とは
「Eight」は、名刺情報をデジタル化し、ネットワークとして活用できるアプリサービスです。法人向け名刺管理サービスSansanが提供しています。「Eight」は無料で利用することができる個人向けサービス、「Sansan」は企業ごとに見積もりを出して契約する法人向けサービスです。
Sansan同様、AIと手入力とを組み合わせることにより、名刺情報を正確にデータ化することができます。
一度「Eight」でつながっておくと、相手が転職や昇進により名刺が変わった際に通知が届きます。紙の名刺では、立場や職種が変わったことを知るすべがなく、場合によっては縁が途切れてしまうことも。「Eight」では、一度得た人脈を維持できるのがメリットです。
名刺情報を整理保管できるだけではなく、「Eight」上にあるメッセージ機能を使い、より気軽に連絡できる機能もついています。
連絡とれるくんとEightの比較
前章では、「連絡とれるくん」と「Eight」の特徴をそれぞれ紹介しました。
ここでは、「連絡とれるくん」と「Eight」とを項目ごとに比較していきましょう。比較する項目は以下の6つです。
- 導入企業数
- 名刺管理機能
- 名刺管理以外の機能
- セキュリティ
- 料金
- その他アプリ、ツールとの連携
導入実績
導入企業数は、「連絡とれるくん」「Eight」ともに数字を明示していません。特に、「Eight」はどちらかというと個人向けサービスであり、法人は同じ会社が提供している「Sansan」を導入するケースが多いでしょう。
「連絡とれるくん」は、1企業あたり5ID以上から利用できるライセンス制です。公式では、ライセンス数を974,000数と発表しています。また、「連絡とれるくん」を運営している「株式会社PhoneAppli」のサービスをYahoo!ジャパンやKDDI、花王、SBI証券など、多くの大手企業が導入していることから、安心して利用できるサービスだと言えます。
名刺管理機能
「連絡とれるくん」、「Eight」ともに名刺管理機能サービスがあります。しかし、双方のサービス内容はまったく同じではありません。
「連絡とれるくん」は、スマートフォンのカメラの他、スキャナー、一部メーカーの複合機からも名刺情報の読み取りが可能です。
「Eight」は1枚ずつ撮影してスキャンする「連続スキャン」の他、複数枚の名刺を一気に撮影してスキャンする「クイックスキャン」のいずれかで名刺情報をデータ化・登録できます。相手が「Eight」ユーザーである場合、撮影した直後にすぐつながれる点が特徴です。
名刺管理以外の機能
「連絡とれるくん」と「Eight」の名刺管理以外の機能を、以下の表にまとめました。
サービス名 | 機能 |
---|---|
連絡とれるくん | Web電話帳・着信表示 |
Eight | メッセージ機能 |
「Eight」は、メッセージ機能により、メールや電話よりも簡単に相手と連絡が取れる点が特徴です。一方、「連絡とれるくん」はWeb電話帳機能や着品表示機能など、さまざまな便利機能がついています。
セキュリティ
名刺管理サービスは個人情報を扱うもののため、気になるのがセキュリティ対策です。
「連絡とれるくん」は、すべてのデータがクラウド上にあるため、端末を紛失した際の情報漏洩を防止できます。
「Eight」は、読み取ったデータをすべて暗号化して保管しているのが特徴です。また、データを保管しているデータセンター自体も、セキュリティ審査機関より認定されているものを使用しています。
料金
「連絡とれるくん」はライセンスごとに料金が発生する料金体系です。一方、「Eight」は無料で利用できます。ただし、「Eight」には無料版とプレミアム版があります。無料版とプレミアム版との違いは以下です。
- スピーディーなデータ入力
- 名刺データのダウンロード
- お礼メール
- 画像メモ機能
- 連絡先アプリとの連携
- PFU社製スキャナー「ScanSnap」連携用ソフトウェア「PC用 Eight scan β版」の利用
- 企業向けプレミアムへの参加、同僚への名刺のシェア
「連絡とれるくん」との価格の比較は以下です。
サービス名 | 料金 |
---|---|
連絡とれるくん | 1ユーザーあたり月額300円・最低5ユーザーから利用可能(別途初期費用50,000円) |
Eight無料版 | 無料 |
Eightプレミアム | 月額480円または年額4,800円 |
その他アプリ、ツールとの連携
その他アプリやツールとの連携は、「連絡とれるくん」の方が充実しています。
- Webex Meeting
- Zoom
- Cisco Jabber
- Skype for business
- LINE WORKS
- Chatter
- Sansan
- MicrosoftOffice365
- AzureAD
一方、Eight(無料版)には特に連携できるものはありません。ただ、プレミアム版であれば、端末の連絡先アプリとの連携機能がついています。
連絡とれるくんとEightはこんな人におすすめ
「連絡とれるくん」と「Eight」の特徴を比較してきました。あらためて、それぞれのツールがどのような人におすすめなのか紹介します。
連絡先の管理を充実させたいなら「連絡とれるくん」
連絡先の管理を充実させたいのであれば、「連絡とれるくん」がおすすめです。名刺情報だけではなく、さまざまな形態で保管されている連絡先情報を一元管理できるため、非常に利便性がいいでしょう。
ただし、「連絡とれるくん」の利用は最低5IDからです。そのため、個人で使うことは不向きだといえるでしょう。
社内で連絡先をシェアしたい場合におすすめのサービスです。
SNS感覚でビジネスマンと繋がるなら「Eight」
「Eight」は、個人で名刺を管理したい人向けのサービスです。そのため、会社員だけではなく、自営業やフリーランスの人も活用できます。連絡先を複数名で共有できるわけではないため、名刺情報をシェアしたい場合は、「連絡とれるくん」や、「Eight」と同じ会社が提供している「Sansan」を利用しましょう。
また、「Eight」の特徴のひとつが、SNS感覚でビジネスマンと繋がれることです。一度名刺を交換し、「Eight」上で繋がっておけば、相手が転職したり昇進したりしても、情報が常にアップロードされていきます。名刺が変わるたびに交換する必要がなくなるといえるでしょう。
メッセージ機能もついているため、メールや電話よりも手軽にやり取りできるのもメリットです。
利用目的に合わせてツールを選ぼう
5人以上で使うことを想定している「連絡とれるくん」と個人向けサービスの「Eight」は、それぞれの利用目的に合わせた機能が搭載されています。どちらを利用するか考える際は、まず企業に導入するか、個人で利用するかを明確にしておきましょう。
そのうえで、情報管理に特化したいのか、SNSのように相手と繋がりやすい環境を整えたいのかによって、適したサービスは異なります。利用目的に合わせて、適したツールを選ぶことが大切です。