日雇い労働の雇用契約時に注意すべきポイント6つ|日雇いで働くメリットは?

働き方改革

日雇いとは

労働者の雇用契約形態の1つに日雇い労働があります。日雇い(日雇労働者)とは、その日その日で雇われる場合(者)、または30日以内の期限を定めて雇われる場合(者)をいいます。

日雇いの労働者は、1960年代の高度成長期以降増加し続けました。現在は減少傾向にありますが、建設業を中心に一部の業種で雇われています。

日雇いの総数

日雇いの労働者が減少傾向にあることをお伝えしましたが、調査報告書によると、2017年に68万人だった日雇いの労働者が、2018年には19万人にまで減少しています。日雇いの労働者が減少し、臨時雇いの労働者が増加しています。

臨時雇いの労働者とは、雇用契約において1カ月以上4カ月未満の期限を定めて雇われる者をいいます。日雇いより長い期間での雇用契約で働かれる方が増えたことになります。

日雇いと一般の労働者の違い

一般労働者とは、通常の正規雇用契約による労働者などを指しますが、労働者の法律である労働基準法では、日雇いと一般労働者は明確に定義されてはいません。しかし、日雇いと一般労働者で適用される法律が違うなど、区別がされています。

雇用契約形態である派遣では、日雇い派遣が原則禁止されているなど、一般の労働者との違いがあります。

日雇いで働く際の雇用契約について知っておきたいポイント6つ

日雇いの労働者が多い地域、少ない地域があるため、身近に日雇いの労働者がいないことも多いのではないでしょうか。ただし、一般の労働者と比べて、日雇いの労働者の場合の方が良い面もあるので、1つの雇用契約形態として、日雇いについて知っておくことには意味があります。

そこで、ここからは、日雇いで働く場合のメリットや実際に雇用契約を結ぶ場合に知っておきたいポイントを6つご紹介していきます。

日雇いの雇用契約のポイント1:適用されない法律がある

日雇いであっても、一般労働者と同様に雇用契約は必要です。しかし、日雇いで働き始めの頃は、一般労働者に適用される解雇予告は適用にならないため、注意が必要です。

一般労働者の解雇は、30日前までに予告が必要であったりと、即時解雇ができなくなっていますが、日雇いでは労働基準法21条に基づき可能となっています。

有期労働契約においては、契約期間が過ぎれば原則として自動的に労働契約が終了することとなりますが、3回以上契約が更新されている場合や1年を超えて継続勤務している人については、契約を更新しない場合、使用者は30日前までに予告しなければならないとされています(「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」<厚生労働省告示>)。

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou…

第21条  前条の規定は、左の各号の一に該当する労働者については適用しない。但し、第1号に該当する者が1箇月を超えて引き続き使用されるに至つた場合、第2号若しくは第3号に該当する者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至った場合又は第4号に該当する者が14日を超えて引き続き使用されるに至つた場合においては、この限りでない。日日雇い入れられる者2箇月以内の期間を定めて使用される者季節的業務に4箇月以内の期間を定めて使用される者試の使用期間中の者

https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%8A%B4%E5%83%8D%E5%9F%BA…

日雇いの雇用契約のポイント2:手当について

日雇いの労働者の場合、一般労働者のような家族手当、住宅手当などが付与されないことが多く、通勤手当も企業により付与されたりされなかったりします。つまり、アルバイトの雇用契約と同様に、時間給であったり、日当給であったりすることが一般的です。

日雇いの定義である日々雇い入れられることや非常に短期間での勤務となることを考えると、その日雇いの労働者に、各種手当まで優遇することは企業側にとって難しいと言えます。

日雇いの雇用契約のポイント3:労働条件通知について

一般労働者の場合には、雇用契約を結ぶときに必ず文書や口頭で説明しなければならない労働条件が存在します。この労働条件の通知は、日雇いの労働者にも、当然必要となるため、必ず労働条件通知書をもらい、可能であれば雇用契約書をもらいましょう。

労働条件通知書は、契約期間、賃金、業務内容、働く場所や働く時間など、どのような労働をするのかがわかる文書になるので、雇用契約において非常に重要な書類です。

(労働条件の明示)第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search…

日雇いの雇用契約のポイント4:健康保険について

一般労働者の場合に加入の必要性が出てくる、健康保険や年金について、日雇いの労働者はどのようになっているのでしょうか。加入の必要性は、雇用契約における労働時間などにより判断されます。

具体的には、健康保険は、一般労働者の4分の3以上の時間勤務している場合に加入することになりますが、日雇いの労働者の場合には、日雇特例被保険者になれるものの厚生年金の適応はありません。

(2)厚生年金保険厚生年金保険は、労働者が高齢となって働けなくなったり、何らかの病気やけがによって身体に障害が残ってしまったり、大黒柱を亡くしてその遺族が困窮してしまうといった事態に際し、保険給付を行う制度です。厚生年金保険適用事業所は、健康保険と同様[1]国、地方公共団体または法人の事業所あるいは[2]一定の業種(※)であり常時5人以上を雇用する個人事業所では強制適用となっており、適用事業所で働く労働者は加入者となります(パート、アルバイトでも、1日または1週間の労働時間および1か月の所定労働日数が、通常の労働者の4分の3以上あれば加入させる必要があります)。また、保険料は、事業主と労働者が折半で負担します。

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou…

被保険者とならない方次に掲げる方は、雇用保険法の適用を受けませんので、適用事業に雇用される方であっても被保険者になりません。(1)季節的に雇用される方で所定労働時間の短い方  季節的に雇用される方で同一事業所に雇用される通常の労働者に比べて、1週間の所定労働時間が短く、かつ、30時間未満の方。(2)日雇労働者  日雇労働被保険者の要件に該当しない方。

https://jsite.mhlw.go.jp/hokkaido-hellowork/list/sapporo/…

日雇いの雇用契約のポイント5:その他各種保険について

健康保険以外にも一般労働者には、労働者災害補償保険や雇用保険などの保険がかけられています。労働者災害補償保険は、業務上でケガや病気になった場合に補償される性質のもので、通勤時も該当になります。

雇用保険は、退職後において失業しているときに手当の支給や、何か仕事に関する教育を受けたときなどに補助してくれます。日雇いの労働者であっても労働者災害補償保険は適用になりますが、雇用保険は適用になりません。

日雇いの雇用契約のポイント6:育児休業や介護休業について

一般労働者には育児介護休業法に準じて、育児に関連する制度には産前産後の休業、育児休業や子の看護休暇、転勤に配慮してくれるものなどがあり、介護に関連する制度には、介護休業や介護休暇の取得が可能です。

制度改正により、労働者が利用しやすい条件となり、育児や介護で働けない状況を少なくしています。しかし、この育児介護休業法で取得できる制度すべてが、日雇いの労働者には適用になりません。

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日雇いで働くのメリット5つ

一般労働者と比べて、いろいろな違いがある日雇いでの労働は、悪いことばかりでメリットがないと思われている方も多いのではないでしょうか。

実際には決して、そのようなことはなく、日雇いならではのメリットもあるため、ここからはそのメリット5つをご紹介します。

日雇いで働くのメリット1:当日支払いが多い

日雇いで働くことのメリットの1つ目は、通常のアルバイトの雇用契約における給与支払いと違い、日雇いの場合は、働いたその日に、その日の労働分の給与がもらえる場合があることです。

通常のお給料は、月末締めの翌月払いなど、働き始めた月の翌月までもらえないことが多いため、働いた労働の対価をすぐもらえる日雇いは魅力的です。ただし、日雇いであっても、週払いや月払いの場合もあるので、事前に確認しましょう。

日雇いで働くのメリット2:好きな時間に働ける

日雇いの定義は、日々雇い入れられる者であることから、シフトという概念がありません。したがって、自分が仕事をしたいと思った好きな時間に働くことができるところが日雇いで働くメリットの2つ目です。

もちろん、働く場所があってのお仕事のため、必ず働きたい日時や場所に、日雇いの求人があるとは限らないので、注意が必要ですが、オンとオフをどちらも楽しみたい方には、魅力的な働き方です。

日雇いで働くのメリット3:人間関係のしがらみが少ない

日雇いで働くメリットの3つ目は、業務内容的に、人間関係を構築するまでの関係性が必要ではないことが多く、人間関係のしがらみが少ないことです。与えられた仕事をひとりでこつこつと進めたい方には魅力ある働き方の1つでしょう。

日雇いで働くのメリット4:未経験でも可能

日雇いで働くメリットの4つ目は、業務内容は単純作業が多く、かつ、覚えこまないとできないような仕事ではないため、未経験でも可能で、すぐに作業が開始できます。

これは、日々雇われることを含め短期間でしか働かないことがはっきりしているため、複雑なお仕事を依頼しにくいという状況があるためです。覚えるのに時間がかかるなど、覚えることにストレスを感じる方には、魅力的な働き方といえます。

日雇いで働くのメリット5:採用までのプロセスが簡易

日雇いで働くメリットの5つ目は、採用までのプロセスが厳しくないことです。通常の採用にあるような、筆記試験があったり、事前見学が必須だったりすることはありません。

さらに、履歴書が必要ではない場合もあるため、簡単な面接で採用が決まる場合がほとんどです。ただし、採用までのプロセスが簡易であっても、雇用契約は労働条件をしっかり確認した上で、結びましょう。

日雇いの雇用契約について知識を深めよう!

日雇いでの労働は、「好きな時間に働くことができる」「その日に給与が手に入る」「日々、違う仕事ができる」ところが魅力です。このように、その日その日で移り変わる状況であっても、労働条件の説明をうけ、納得をしてから雇用契約を結びましょう。

また、日雇いならではの法律や決まりがあるため、一般労働者との違いを理解した上で、日雇い労働での雇用契約を結びましょう。

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