コンプライアンスとは?
「コンプライアンス(Compliance)」は、直訳すると『法令遵守』となり、法令や規則、社会的規範や倫理などを遵守することです。
コンプライアンスにはさまざまな種類がありますが、日本においては「企業コンプライアンス」を指すことが多く、企業が内規などの基本的ルールを守って活動することを指します。また、法令に限らず企業倫理(モラル)や社会的規範も含む場合もあります。
コンプライアンス対策が重要視されている理由
コンプライアンス対策が重要視されている理由は、2000年に入ってから立て続けに起こった大企業の不祥事や不正行為の発覚などにあります。
コンプライアンス違反は、企業の業務拡大や利益優先の風潮が原因となっている場合が多いため、対策を行うことは、企業のリスクマネジメントの一つとして捉えられています。
コンプライアンス違反が企業にもたらすデメリット
コンプライアンス違反が企業にもたらすデメリットは、企業が信頼を失い、最悪の場合は倒産するなどして、経営が続けられなくなることです。
また、その企業の倒産によって、取引先や顧客にまでダメージが及ぶ可能性があり、日本経済にとっても深刻な状況につながりかねません。
コンプライアンス遵守が企業にもたらすメリット
コンプライアンス遵守が企業にもたらすメリットは、社会からの信頼を得られたり、知名度を上げられるということがあります。
コンプライアンスは単に法律を守ることだけでなく、企業の社会的責任を果たすという意味でもあり、こういった取り組みは企業イメージを上げることにもつながります。
コンプライアンスに関する課題8つ
コンプライアンスに関する課題は、大きく分けて「法令遵守」に関するものと「社会的要請への適応」に関するものの2つあるといわれています。
つぎに、それらの課題を8つのポイントにまとめ、以下に詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
コンプライアンスに関する課題1:違反しやすい組織体制
コンプライアンスに関する課題1つ目は、「違反しやすい組織体制」です。
違反しやすい組織体制とは、なれ合いが進み同質化することで自浄作用が働かないこと、お互いに牽制し合い監査によっても自ら律することができなくなった状態をいいます。
また、悪影響を与える不適切な人物や企業との交流を断つことも課題として挙げられます。こうした癒着や談合など違反しやすい状況を作り出す機会を作らないことも大切です。
コンプライアンスに関する課題2:どこまでが違反かを把握していない
コンプライアンスに関する課題2つ目は、「どこまでが違反かを把握していない」です。
違反を把握していない状態では、知らず知らずのうちにコンプライアンス違反をしてしまっている可能性があります。
コンプライアンスの意味は広く、分かりにくい面もあるため、定義を正しく理解することや社内に対策室を設けたり、従業員向けにセミナーを行うなど、周知を徹底することが課題解決には必要です。
コンプライアンスに関する課題3:違反確認がおざなりになっている
コンプライアンスに関する課題3つ目は、「違反確認がおざなりになっている」ことです。
違反確認がおざなりになっている状態では、企業がコンプライアンス違反を見過ごしていたり、未検証のため違反を把握できていないという課題があります。
企業には、社内のみならず顧客、取引先などそれぞれの関係において守るべき法律や遵守すべきルールがあるので、都度、コンプライアンス違反がないか検証することが必要です。
コンプライアンスに関する課題4:「コンプライアンスが形だけのものなっている」
コンプライアンスに関する課題4つ目は、「コンプライアンスが形だけのものなっている」です。
企業としては法令や基準などコンプライアンスを満たしているものの、従業員にその趣旨が浸透していなければ、決められているから従うという形だけのコンプライアンスになるという課題が残ります。
さらに何か問題が起きた場合、「記録上は問題ないが、実際に調べたら違反行為を行っていた」ということにもなりかねないでしょう。
コンプライアンスに関する課題5:「従業員が声を上げづらい」
コンプライアンスに関する課題5つ目は、「従業員が声を上げづらい」ということです。
従業員が声を上げづらい原因は、職場でコンプライアンス違反が横行している場合など、異論を唱えたり会社に通報したりすると職場に居づらくなるという恐れがあるからです。
したがって社内にコンプライアンス違反を相談できる窓口を設置したり、通報することで不利益にならないことなどを伝えておくことが課題解決の鍵となるでしょう。
コンプライアンスに関する課題6:「従来のやり方への固執」
コンプライアンスに関する課題6つ目は、「従来のやり方への固執」です。
「従来のやり方への固執」とは、時代とともに変化する社会の常識や法律に、企業の意識が追いつけずに「今まではこれでうまくいったから」「これがうちの会社のやり方だから」などと、問題を見過ごしてしまうことです。
外部のチェック機関に相談するなど、第三者における冷静な判断を仰ぐことが課題解決には必要でしょう。
コンプライアンスに関する課題7:「内部統制に偏りがある」
コンプライアンスに関する課題7つ目は、「内部統制に偏りがある」ということです。
本来コンプライアンス違反をチェックするために必要な内部統制(経営者による組織業務を効率よく進めるための社内統制する仕組み)に偏りがあることで、上手く機能しないことがあります。
内部統制においても偏りなど不備がないかチェックすることで、不正が起こりにくくなり、職場環境の改善にもつながります。
コンプライアンスに関する課題8:「外部からのチェック機能がない」
コンプライアンスに関する課題8つ目は、「外部からのチェック機能がない」ということです。
企業の問題点を冷静に判断する第三者の目がないということは、人間関係が複雑になりがちな小規模の会社においては、特にコンプライアンス対策が遅れる原因の一つとなります。
労務関係なら社会保険労務士に依頼するなど、できれば外部の機関に判断を委ね、しっかり対策することが課題解決につながります。
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コンプライアンス対策に関するポイント4つ
過度な労働や健康被害、ハランスメントなど、会社の規模に限らずコンプライアンス対策は急務となっています。
これから会社で取り入れたいと考えている方のために、コンプライアンスに関するポイントを4つご紹介します。
コンプライアンス対策のポイント1:行動基準を作成する
コンプライアンス対策のポイント1つ目は、「行動基準を作成する」ことです。
「行動基準」とは、従業員が遵守すべき法令などの他、企業が目指す経営理念や方針などの行動規範をより具体的に記したものです。
行動基準を作成し、顧客、取引先、従業員などへの姿勢や責任を具体的・明確にすることによって、何か問題が起きた場合でも迅速な対応をすることが可能となります。
コンプライアンス対策のポイント2:風通しの良い職場作り
コンプライアンス対策のポイント2つ目は、「風通しの良い職場作り」です。
風通しの良い職場作りをすることによって、正確な情報が部下から上司に上がるようになり、ハラスメントなどのコンプライアンスリスクも防ぐことができます。
そのためには、上司と部下とのコミュニケーションのあり方について見つめ直すことも必要となります。
コンプライアンス対策のポイント3:社員研修の実施
コンプライアンス対策のポイント3つ目は、「社員研修の実施」です。
中堅社員や幹部社員が会社を守るために違反に手を染める事例もあることから、社員研修の実施により、コンプライアンスの基本やリスクなど正しい知識や意識を高めることが必要です。
また、研修は新人時代に行うことも重要で、社会に出て間もない頃から企業コンプライアンスの重要性を教育することが必要です。
コンプライアンス対策のポイント4:コンプライアンスの周知の徹底
コンプライアンス対策のポイント4つ目は、「コンプライアンスの周知の徹底」です。
たとえコンプライアンスの研修を行っていても、従業員がただ漠然と理解しているだけでは周知の徹底がされていることにはなりません。
実際に問題が起こった時(起こりそうだった時)や、大きな法改正や社内でのルール変更時など、都度、企業の特色や仕事内容に即したタイミングで周知の徹底を図ることが必要です。
コンプライアンスに関する課題を知ってリスクを回避しよう!
コンプライアンスについて取組むことは、その企業が法令を遵守し、社会的責任を果たしながら健全な経営を行っていることの証明でもあります。
もし、あなたの会社で何らかの問題を抱えている場合は、近い将来それが表面化して企業としての信頼を失うことにつながりかねません。
会社を守るために、コンプライアンスに関する課題を知ってリスクを回避しましょう。