ノー残業デーの概要
ノー残業デーは、残業をせず定時で退社することを推奨する取り組みのことをいいます。
ノー残業デーと聞くと、どのようなイメージがわくでしょうか。オフの予定を入れることができて、気分が明るくなるという人もいれば仕事が残ってしまい次の日が憂鬱になるという人もいるでしょう。
本記事ではノー残業デー導入効果5つのメリット・デメリット、形骸化を防ぐ7つの対策について紹介していきます。
ノー残業デーができた背景
まずはじめにノー残業デーができた背景について見ていきましょう。
ノー残業ができる前は、「残業するのは当たり前」という残業を行程するような考え方が主流となっていました。これは高度経済成長期であった日本の経済発展のために尽力した人達からきた考え方です。
しかし、近年では働きすぎや過労死の問題が取り上げられ、残業について社会的な問題として捉えられたことから「残業しない日を設けよう」という動きが広まりました。
ノー残業デーの目的
ノー残業デーの目的は、社員のオフの充実をはかること、そして業務を効率化していくために仕事に対する見直しを図るためです。
社員のオフの充実をはかる理由としては、オフ時間によって精神的なゆとりが生まれオン(仕事)とのめりはりを設けることができます。
また、ノー残業デーがあることで「残業せずに定時に帰るにはどうすればいいか」という意識が高まるため、業務が効率化が推進されるでしょう。
ノー残業デー導入効果の5つのメリット・デメリット
2019年4月から本格的な働き方改革が始動しましたが、この中でノー残業デーは、厚生労働省が推奨している取り組みの一つとして注目を浴びています。
次はノー残業デー導入効果の5つのメリット・デメリットについて紹介していきます。週に一日残業をしない、という日を作るだけでも1年を通せばそれなりの日数になり、良い効果や悪い効果がでてくることはあるでしょう。
ノー残業デー導入効果のメリット
世界で有数といっていいほど仕事熱心な日本人ですが、ノー残業デーがはいってくることでメリットとしては、どんな効果がでてくるでしょうか。ここでは、ノー残業デー導入効果のメリットとして、主に5つの効果を紹介していきます。
ノー残業デー導入効果のメリット1:残業代などの経費削減
ノー残業デー導入効果のメリット1として、残業代などの経費削減があります。
以前は残業することは肯定的でしたが、過労死が取りざたされた事で労働者の体調面などを考慮し、月60時間を超える所定外労働時間に関しては、25%から50%以上に引き上げるなど、政府が長時間労働抑制に力を入れています。
また、社員が帰宅することによってオフィスの光熱費なども削減することができます。
ノー残業デー導入効果のメリット2:労働生産性アップ
ノー残業デー導入効果のメリット2として、労働生産性アップがあります。残業可能な状態の場合、気のゆるみからかだらだらと仕事を行ってしまうということはありませんか。
ノー残業デーが導入されることで、退社時間が決まっているので、できるだけ効率よく仕事をこなし、時間内に終わらせようとする意識が強まるでしょう。
ノー残業デー導入効果のメリット3:社員のスキルアップ
ノー残業デー導入効果のメリット3は、社員のスキルアップです。ノー残業デーになった日を英会話や新しい技術の習得など習い事に通ったり、仕事に関わる勉強の時間として活用すれば社員のスキルアップにつながります。
ノー残業デー導入効果のメリット4:リテンション効果
ノー残業デー導入効果のメリット4は、リテンション効果です。リテンション効果とは、優秀な人材を自社に確保しておくための対策のことをいいます。
ノー残業デーができたことで、社員の健康を損なうことなく、働きやすい職場環境が形成されていくことで、会社で中核を担う人材や将来的に戦力になる若手の流出を防ぐことができるでしょう。
ノー残業デー導入効果のメリット5:社員間のコミュニケーション
ノー残業デー導入効果のメリット5として、社員間のコミュニケーションがあります。普段残業に追われる毎日の場合、社員同士で飲みに行く機会も減ってしまいますが、ノー残業デーがあることで飲み会を行いやすくなり、社員間での交流も盛んになるでしょう。
同僚と会社を離れたところでコミュニケーションをとることによって、自然な信頼関係が生まれる機会が増え、組織の活性化にもつながるでしょう。
ノー残業デー導入効果のデメリット
次はノー残業デー導入効果のデメリットについて紹介していきます。ノー残業デーは働き方改革の流れからメリット的な部分が取り上げられていますが、デメリットとなる部分も存在します。
せっかく導入したのに、これからあげるデメリット面が浮き彫りになり、良い効果が発揮されないのは、国としてあげている働き方改革が失敗になっているということでもあるでしょう。
それでは、デメリットとなる5つの効果をみていきましょう。
ノー残業デー導入効果のデメリット1:そもそも時間内に仕事が終わらない
ノー残業デー導入効果のデメリット1は、そもそも時間内に仕事が終わらないという問題です。
職場によっては「ノー残業デー」といわれても、実際毎日仕事が山積みで、急いでやらなければならない案件ばかりというケースもあるでしょう。
そのまま退社していいということであれば仕事を放棄した形で帰宅することになり、業務的に問題が出てきます。
ノー残業デー導入効果のデメリット2:他の日に仕事が回ってしまう
ノー残業デー導入効果のデメリット2は、他の日に仕事が回ってしまうことです。業務が効率化できない場合、ノー残業デーを設けても別の日に仕事がのっかてしまい、実際のところ残業時間が減らない問題があります。
社員にとっては残業したい日がノー残業デーであれば、残業したい日にやりたい業務を行えない状況が生まれてしまい、ノー残業デーがあるほうが憂鬱ということも出てくるでしょう。
ノー残業デー導入効果のデメリット3:予想外の事態に対処ができない
ノー残業デー導入効果のデメリット3は、予想外の事態に対処ができないことでしょう。仮にノー残業デーに予想外の仕事が出てきてしまった場合、すでに担当者が帰宅していて対応できないという状態が生まれます。
予想外の仕事がクレーム的な対応の場合、会社の評価が悪くなってしまうことにもつながってしまうことがあります。
ノー残業デー導入効果のデメリット4:管理職に適用されない
ノー残業デー導入効果のデメリット4は、ノー残業デーが管理職に適用されないとしている企業があることでしょう。
管理職以外の社員がノー残業デーで帰宅したことによって、残った仕事を穴埋めしなければいけない事態が発生してしまうことがあります。
会社の中で管理職こそハードワークで、過労につながってしまうケースは多いです。ノー残業デーの適応に管理職が含まれないことで、さらに過労につながる危険性が生まれます。
ノー残業デー導入効果のデメリット5:顧客の理解
ノー残業デー導入効果のデメリット5は、顧客の理解です。顧客からの仕事の依頼は会社の利益に直結するため、ノー残業デーが導入されたからといって、断るのはハードルが高いでしょう。
顧客の視点からすると、対応できない日が増えてしまう企業よりは、より対応力があるところを利用したいといわれてしまうデメリットがあります。対応力以外で信用度をあげていくしかありません。
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ノー残業デーを形骸化させないための7つの対策
ノー残業デーを形骸化させないために、企業側ではどのような対策をとることができるでしょうか。
ノー残業デーを作ったとしても、ノー残業デーの意味が社員に浸透していない限り、「ただ早く帰る日」「ノー残業デーの日で翌日の残業が増えてしまう」などの認識で終わってしまうことがあります。
最後にノー残業デーを形骸化させないための7つの対策について紹介していきます。
ノー残業デーを形骸化させない対策1:ポスターを作る
ノー残業デーを形骸化させない対策1は、少しでもノー残業デーという意識を高める為に社内ポスターを作ることです。
職場によってはノー残業デーといわれても、今までの残業=評価されること、定時退社=悪いこと、という認識が浸透し、定時に帰る社風ではないという会社もあります。
会社側がノー残業デーのポスターを作ることで率先して定時退社を促し、退社しやすい雰囲気を作っていきましょう。
ノー残業デーを形骸化させない対策2:定期的なアナウンス
ノー残業デーを形骸化させない対策2として、ノー残業デーについて定期的なアナウンスを行うという対策があります。
残業をしないで帰宅するという行動を実際に取ってもらうには、ノー残業デーの日を意識してもらうことが大切です。
朝礼的なものがあれば、そこで上司が発表したり総務からメールで社員に一斉に伝えるという方法をとるのもノー残業デーを認識させる効果があるでしょう。
ノー残業デーを形骸化させない対策3:強制力を持たせる
ノー残業デーを形骸化させない対策3は強制力を持たせることです。強制力がなければ残業する人が出てしまい、ノー残業デーを謳っていても形ばかりのものになってしまいます。
定時になったらオフィスの空調や照明の電源を落とすなど、半強制的に仕事ができない状態を作りノー残業デーを実行する方法も考えましょう。
ノー残業デーを形骸化させない対策4:評価の対象とする
ノー残業デーを形骸化させない対策4は、ノー残業デーでコストを削減できた分を評価の対象とするという方法もあります。
コストカットできている意味で残業時間の少ない部署を表彰したり、賞与を出すなどして残業しないことを評価する仕組み作りも同時に行いましょう。
より成果を出すために残業をする人がいますが、それではノー残業デーは名ばかりになってしまい、機能していきません。
ノー残業デーを形骸化させない対策5:有数ダウンで推進
ノー残業デーを形骸化させない対策5は有数ダウンで推進することです。有数ダウンとは、木構造の上位から下位に向かって段階的に処理する手法のことをいいます。
上に立つ人からノー残業デーを取り入れることで、経営戦略と関連づけて実践し、部下となる社員に何を期待しているか示すことが大切になるでしょう。
経営陣が残業が良いことという古い考え方を持っていると、どうしてもノー残業デーが広まらない傾向にあります。
ノー残業デーを形骸化させない対策6:自らノー残業デーを設定
ノー残業デーを形骸化させない対策6として、自らノー残業デーを設定するという方法も良いでしょう。
会社から急に「毎週○曜日がノー残業デーです」といわれても、残業をしないで退社するという行動になれていない職場です、同僚がなかなか上がっていないと周りの目を気にして帰れないという状況が生まれやすいです。
自分でノー残業デー設定すれば「この日は定時に帰ります」ということで、帰りづらさを改善することができます。
ノー残業デーを形骸化させない対策7:業務のペースを鑑みて実施
ノー残業デーを形骸化させない対策7としては、業務のペースを鑑みて実施することが大事になります。
例えば、ノー残業デーを行うにしても丁度繁忙期にあたってしまうと、定時で退社することは実態に合わず、現場の反感を買うことになります。
繁忙期と閑散期で実施日を調整したり、業務のペースによって交代制でノー残業デーを設けていくなど、柔軟な対応が必要になるでしょう。
ノー残業デーを推進しましょう!
ノー残業デー導入効果5つのメリット・デメリット、形骸化を防ぐ7つの対策について紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
働き方改革の影響もあり、ノー残業デーは最近では多くの企業が取り入れている方針の一つです。仕事と私生活のバランスを保ち、良い効果を得た形で仕事に取り組んでいけるよう、ノー残業デーを推進していきましょう。