ドイツは労働時間が短く生産性が高い理由5つ|ドイツ企業と日本企業の違い

働き方改革

16の州から成るドイツ連邦共和国(Bundesrepublik Deutschland)

ドイツには16の州があります。州により習慣や文化は多様です。日本の大手企業は本社を東京に置く傾向がありますが、ドイツの大手企業は本拠地を州に分散させています。

企業は個性に合った州を選択し、また州も将来性がある企業に支援を行います。また学生のインターン制が取られているドイツでは、企業が分散することにより、豊富な人材の確保が可能です。このような仕組みがドイツの生産性の向上に影響を与えています。

ドイツ人と日本人の年間労働時間の差は354時間

ドイツ人と日本人、どちらも真面目で勤勉な印象があります。しかし、両国の労働に対する意識は大きく異なります。

OECD (経済協力開発機構)の調査によると、2017年における年間労働時間は、ドイツ人が1,356時間。OECD 加盟国の中で最も短いです。

これに対して日本人は1,710時間。この差は、354時間もあります。約2週間分も、日本人は長時間働いています。長時間労働により日本の生産性が低いと言えます。

ドイツ人の労働時間が短い理由

ドイツでは一日の労働時間は原則8時間、長くても10時間と定められています。日本でも一日8時間労働、1週間に40時間を超えてはいけないという制度はあります。

しかしドイツではこの労働時間を、法律で厳守させています。長時間労働を課した場合、企業に罰金を払わせるという徹底ぶりです。仮に8時間を超える残業をした場合、後日相殺することが求められます。労働時間の短さにより、生産性も必然的に上がります。

仕事は生活の糧を得る手段に過ぎない

日本人は「仕事をさせてもらっている」と集団の中の自分を捉えます。上下関係や会社内での交友関係、結びつきが仕事の一環のように大切だという意識が強いです。

しかしドイツ人の考え方は全く異なります。仕事はあくまでも生きるための手段であり、企業の中でも個人を尊重します。同僚が仕事を抱えていても、自分は定時で帰る。相手もそれが当然と考えます。余計な気遣いを省く事が生産性の向上に繋がると言えます。

ドイツ人は効率性を非常に重視する

日本人は労働において「和」の考え方を大切にします。社員が同時に出勤し、同時に休憩を取り、同時に退社することが当たり前のように考えられます。オフィスのデスクで仕事をしていないと、周囲からサボっていると思われます。

これに対しドイツ人は効率良く個人がしっかりと仕事をしていれば、定時に出社しなくてもコーヒーを飲みながらでも、自宅で音楽を聴きながらでも良いです。効率を上げることが生産性向上に繋がります。

過剰なサービスとは無縁

日本には細やかなサービスがあります。飲食店に入れば店員が水を出し、注文を取りに来ます。これはドイツではありえません。

労働に金銭が発生すると考えるドイツ人は、無償のサービスを行いません。むしろ日本の生産性の足を引っ張っているのは、この「過剰なサービス」と言えます。

日本人はお金儲けより、社会貢献を大切にします。対してドイツ人はお金儲けに忠実です。この意識はドイツの生産性の高さに直結すると言えます。

ドイツは労働時間が短いのに生産性が高い理由5つ

ここまでお読み頂いて、ドイツ人と日本人の労働に対する考え方の大きな違いに驚かれた方も多いでしょう。そしてドイツ人は、ただ労働時間が短いだけではなく、そこには生産性の高さも伴っています。

では、この短い労働時間の中で、どのようにして生産性を向上させているのでしょうか。ドイツ企業の生産性の高さ、その理由を5つご紹介します。

ドイツは労働時間が短いのに生産性が高い理由1:勤務時間は仕事以外禁止

ドイツでは勤務態度よりも大切な事は仕事だと徹底しています。日本では、職場の雰囲気や人間関係を円滑にするために、雑談を交えたり上司が労いの言葉をかけたりします。出張から戻ればお土産を配るなど「ちょっとした気遣い」をすることが当然です。

しかしドイツでは仕事上での人間関係は二の次で、仕事が優先です。雑談は無く、定時に帰宅するために昼休憩を抜くこともあります。無駄の排除が生産性の向上に影響すると言えます。

ドイツは労働時間が短いのに生産性が高い理由2:手段より目的だから率直なコミュニケーション

日本人は、回りくどい言い方をします。「例の件、お忙しいところ恐縮ですが本日14時ごろまでにお返事頂けましたら幸いです。」これがドイツ人の場合「例の件、本日14時までに返事が必要です」となります。

また日本では、大事な商談の際は直接会う事が当然ですが、ドイツではその時間を無駄と考え、メールで済むなら、会う必要は無いと判断します。この率直なコミュニケーションが生産性の向上につながると言えます。

ドイツは労働時間が短いのに生産性が高い理由3:オン・オフのメリハリが効いている

ドイツ人は仕事とプライベートをしっかり分けています。また日本人が有給休暇獲得率50%に対し、ドイツでは約63%が全て使いきります。残りの37%も有給休暇の9割を消費します。

さらに日本では、病気による欠勤に有給休暇を当てる人が多いです。この点でもドイツ人は、有給と病欠を厳密に区別しています。

休暇を取ることに罪悪感を感じる日本と違い、ドイツは休暇を取ることによって生産性を高めていると言えます。

ドイツは労働時間が短いのに生産性が高い理由4:企業が子育てを支援

ドイツでは「両親休暇制度」という「育休」の仕組みがあります。国から支給される金額は、親の最近の12か月間の平均純所得の65%です。父親が休暇を取る場合は父親の所得、母親の場合は母親の所得で計算します。

子供一人当たり最大3年間の育休を取ることができます。日本では原則1年、最大でも1年6か月です。また育児期間中はパートタイムで働くことも可能です。この充実した制度により安心して休暇が取れます。

ドイツは労働時間が短いのに生産性が高い理由5:個人生活を重視する国民性

ドイツは一人当たりのGDP (国内総生産)が日本より高いですが、ドイツ人は「仕事を増やして高額の給料を得よう」と考えていません。「プライベートを充実させられるなら、収入が減ることも厭わない」という価値観が主流です。

また会社の人間と社外で会う事は滅多になく、SNSなどでつながることもほぼありません。お互いのプライベートに介入しないマナーです。個人生活の充実が、生産性の向上につながると言えます。

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ドイツ企業と日本企業の違い

ドイツ企業と日本企業は、どちらもまじめで丁寧な仕事をするイメージがあります。ドイツ企業も専門性の高い職人気質なところがあり、また人材を育てる風土が根付いているため、日本企業と社風が近いです。

しかし、日本とドイツには労働時間の差や生産性の大きな違いがあります。それは企業にどんな違いがあるためなのでしょか。

会社における組織構造意思決定のプロセス

ドイツ企業と日本企業の最も大きな違いは、会社における意思決定のプロセスと言えます。一つの案件において、組織のどこに決定権があるかと言う事です。この違いが、両国の生産性の違いにも影響を与えていると言えます。日本とドイツのそれぞれのプロセスを見てみましょう。

組織構造意思決定のプロセス:日本

日本では、各仕事に対しての責任者(担当者)が存在します。その仕事の窓口、管理は決められた人間が対応する責任があります。

しかし、いざ大きな決断や変更を行う際に、その担当者一個人だけでは決定権がありません。担当者は自分の上司にお伺いを立て、場合によってはさらに上の人間の許可、承諾、対応を待たなければいけません。

有数による意思決定、または集団の意思決定が基本の概念となります。

組織構造意思決定のプロセス:ドイツ

ドイツ企業では、顧客や取引先との相手はあくまでも企業となります。一個人に責任を負わせること無く、同じチームの人間すべてが対応できる仕組みになっています。

さらに、物事の意思決定は、その仕事を割り当てられてる個人の判断に委ねられます。このように会社組織における意思決定のスピード感が、ドイツ企業特徴であり、生産性を高める一つの要因と言えます。

ドイツ的企業は学生にも人気

このように、個人の働き方を優先する企業、個人生活を重視するドイツ企業は、現代の日本の若い世代に大変人気があります。就職活動を行う学生たちに、人気のある企業とそうでない企業の特徴を見てみましょう。

人気のある企業の特徴

人気のある企業の特徴としてあげられたのは「楽しく働きたい」「個人の生活と仕事を両立させたい」でした。集団を大事にする日本企業より、個人を尊重するドイツ企業に考え方が近いと言えます。

人気のない企業の特徴

人気のない企業の特徴としてあげられたのは「職場の雰囲気が暗い会社」「ノルマがきつそうな会社」「休暇が取りにくそうな会社」でした。

上記から見ても、個人生活を大切にしたい気持ちが強いです。ドイツ企業の考え方に近いと言えます。

ドイツの生産性が高い理由について理解を深めよう!

今回はドイツ企業が、労働時間が短いのになぜ生産性が高いのかについてご紹介しました。

法律により、労働時間が守られている事やプライベートの充実によって、短時間に集中して仕事が行える事、また職場での人間関係における「無駄」を省く事など理由は多々あります。

これから迎える少子高齢化社会には、生産性の向上が欠かせません。日本人の良いところは残しつつ、改善点を見つめなおし、日本企業の生産性を高めていきましょう。

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