サバティカル休暇のメリットと注意点5つ|そもそもサバティカル休暇とは?

働き方改革

サバティカル休暇とは?

昨今の日本では、休暇をとることに対する考え方が変わり、政府や多くの企業も積極的に休暇をとることを促しています。そんな中、新しい休暇の制度として注目されているのがサバティカル休暇です。

サバティカル休暇は、企業にとっても従業員にとってもメリットがある休暇制度です。サバティカル休暇のメリットと注意点を理解し、上手く活用しましょう。

サバティカル休暇の起源

日本人にとっては真新しく聞き慣れない言葉ですが、実はその起源は古く、旧約聖書に出てくる安息日(サバティカス)に由来します。ヨーロッパでは古くから大学教員などに対し研究のための長期休暇として与えてきた歴史があります。

休暇制度としては、ヨーロッパでは1990年代頃から仕事より家族やプライベートが大切にされ、人材流出が相次ぎ、その防止策として使途が自由な長期休暇であるサバティカル休暇が誕生しました。

サバティカル休暇の注目の理由

最近日本では、プレミアムフライデーや有給休暇取得の義務化など、積極的に休みをとってプライベートを充実させようという機運が高まっています。そんな中、新しい休暇の制度として、サバティカル休暇を導入する企業が増えています。

ヤフー株式会社や株式会社リクルートテクノロジーズなどで導入され、ニュースや新聞で取り上げられて話題になりました。

経済産業省の有識者研究会がまとめた報告書でも、導入が呼びかけられました。

サバティカル休暇取得の条件

サバティカル休暇は、一定の長期間勤務した従業員に付与される1カ月以上の使途が自由な休暇です。

日本の企業で導入されるようになったのは最近のことですが、実は大学教員が研究に専念するために長期休暇がとれるサバティカル制度は、日本でも以前からありました。研究休暇や在外研究などと呼ばれることもあります。

サバティカル休暇は法律上の権利や義務ではないため、名称もさまざまで、運用も企業の裁量に委ねられています。

サバティカル休暇のメリット5つ

欧米では既に普及しているサバティカル休暇ですが、さまざまなメリットから、日本国内でもサバティカル休暇を導入する企業が増えています。

まずはサバティカル休暇のメリットについて、見ていきましょう。

サバティカル休暇のメリット1:長時間労働の削減

欧米では拡大しているサバティカル休暇ですが、これには労働者の長期休暇を取得可能な職場があることが前提となります。サバティカル休暇が導入されることで、企業の職場環境の見直しや整備が促されます。

労働者一人に仕事が偏らないようにすること、代替要員の採用、仕事の進捗管理など、長期休暇を取得可能な職場にすることは、長時間労働削減の取り組みと重なり、長時間労働の削減の効果も期待されます。

サバティカル休暇のメリット2:介護や育児による離職を防ぐ

介護休暇や育児休暇の制度が整備されてきたとはいえ、介護離職や、出産・育児のために女性が退職することは珍しくはありません。サバティカル休暇を利用すれば、離職することなく、まとまった休暇を介護や育児の時間に充てることができ、離職を防ぐことができます。

また自身が病気になり入院手術が必要になることも考えられなくはありません。そんな時にも治療に専念することができ、職場復帰も約束されているので安心です。

サバティカル休暇のメリット3:業務効率の向上

サバティカル休暇は何と言っても長期休暇であることが特徴です。これを利用して海外ボランティアや海外留学へ行ったり、国内外の大学院や専門学校へ通うこともできます。

見識を広げることや、専門知識を身につけることで個人のスキルアップにつながるのはもちろんのこと、業務効率が向上することで企業へも還元されます。

経済産業省の有識者研究会がまとめた報告書では、「学び直し」の機会として企業に導入を呼びかけています。

サバティカル休暇のメリット4:心身のリフレッシュ

基本的にサバティカル休暇は使途に制限がありません。レジャーに行くもよし、家でゆったりと過ごすもよしです。普段の休暇では行けないような海外旅行も、サバティカル休暇を利用すれば行くことができます。

ゆっくりと休日を満喫して、心身ともにリフレッシュすることができます。

良い気分転換になり、仕事に対するモチベーションも高め、労働意欲の回復にもつながり、労働者だけでなく、企業にとってもメリットであるといえます。

サバティカル休暇のメリット5:企業のイメージアップ

求人率がここ何年も上昇を続ける人材不足の中、就職活動中の人や転職しようと考えている人は、企業選びの際、福利厚生は必ずチェックするポイントです。

サバティカル休暇の制度を導入し、実際に活用している企業があれば、従業員の福利厚生に関心が高く、職場環境の整備にも力を入れている様子が伺えて、企業の評価につながります。

サバティカル休暇を導入している企業は日本ではまだ少なく、大きなアピールポイントになります。

サバティカル休暇の注意点5つ

多くのメリットがあるサバティカル休暇ですが、もちろん注意すべきこともいくつかあります。実際にサバティカル休暇をとろうとする時や、企業が導入する際の注意点を見ていきましょう。

サバティカル休暇の注意点1:認知度が低い

サバティカル休暇の認知度はまだまだ低く、上司や同僚の理解が得られなかったり、そもそも制度を知らないということも考えられます。とりたいと思っても、言い出せない雰囲気があっては、せっかくの制度が有名無実になってしまいます。

サバティカル休暇とはどのような制度か、従業員と企業双方にメリットがあるということや、導入した目的などを企業側は広く周知し、休暇をとりやすい職場の雰囲気を作る必要があります。

サバティカル休暇の注意点2:長期休暇をとる人が少ない

欧米では広く普及しているサバティカル休暇ですが、そもそも欧米では有給消化率が高いです。日本では欧米に比べ有給消化率が圧倒的に低く、日本人は有給休暇の取得に後ろ向きだといえます。最近では有給休暇取得が義務化されることになりました。

そもそも1日単位の有給休暇をとる人も少ないのに、1カ月以上もの長期休暇をとれるという制度があっても、実際に活用する人は少ないのが現状です。

サバティカル休暇の注意点3:職場復帰への不安

職場復帰しても休暇中の業務が山積みになっていたり、業務についていけないことがあってはサバティカル休暇をとるメリットがなくなってしまいます。

休暇中の人員配置や業務分担に配慮したり、あるいは職場復帰のサポート、仕事の引継ぎなど、企業のバックアップ体制が整っていることが重要です。

また職場復帰に対する不安を払拭することで、休みをとりたい人も、その周囲の人も、サバティカル休暇を快く受け入れることができます。

サバティカル休暇の注意点4:使途に制限がある場合もある

一般に使途が自由なサバティカル休暇ですが、日本では使途に制限をかけることができます。サバティカル休暇を取得してバカンスを楽しもうと思っても、そういった用途では使えなかったり、取得するためのプランや目的をはっきりさせておく必要がある場合もあります。

サバティカル休暇は取得条件や休暇の長さ、休暇の目的も含め、運用は全て企業の裁量に委ねられています。同じサバティカル休暇でも企業によって違いがあります。

サバティカル休暇の注意点5:休暇中は無給となる

企業の裁量によって、有給にすることもできますが、基本的には無給です。手当金や支援金という形で支払われることもありますが、収入は減ってしまいます。

また、休暇中でも社会保険は継続しているため保険料が発生しています。無給となる場合にはどのように対応するのか、その他の給与天引きとなっているものも含め、あらかじめ確認しておきましょう。

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サバティカル休暇の導入のポイントは?

ここまでご紹介したサバティカル休暇ですが、制度があるだけでは意味がありません。導入にあたっては、職場環境を整えることが重要です。

業務の効率化、仕事が一人に偏らないようにする、有給休暇を取得しやすい環境づくりなど、まずは職場環境を整えましょう。環境が整っていなければ、導入しても誰も使わない制度となってしまいます。

また、どのような制度なのか周知を徹底し、休暇取得について理解が得られる環境にしましょう。

サバティカル休暇について知ろう

ここ数年で日本人の仕事に対する価値観や働き方に対する意識はだいぶ変化してきました。テレワークやサテライトオフィスを導入する企業も増え、ワークライフバランスの実現は当たり前のことになりつつあります。休むことが当たり前になる時代もすぐそこです。

欧米では既に普及しているサバティカル休暇ですが、今後日本でも導入する企業は増えていくでしょう。メリットと注意点をよく理解して、サバティカル休暇を活用しましょう。

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