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2019年10月16日

裁量労働制とは|裁量労働制の管理職がチェックすべき3つのポイント

本記事では、裁量労働制とは何か、裁量労働制の管理職がチェックすべき3つのポイントについて紹介していきます。「管理職だから残業代は出ない」と会社から説明されて、残業代を払ってもらっていないという方、裁量労働制で契約をしていても規定を超過していれば請求できます。

裁量労働制とは|裁量労働制の管理職がチェックすべき3つのポイント

裁量労働制とは

裁量労働制という制度を知っていますか。裁量労働制とは、事前に労使間で定めた時間分を労働時間と位置づけ賃金を払う、雇用者と労働者が結ぶ労働形態の1つです。

裁量労働制の場合、出退勤時間の制限が無くなり、実労働時間に応じた残業代は発生しないという特徴を持っています。

本記事では、裁量労働制とはどんな制度か、裁量労働制の管理職がチェックすべき3つのポイントについて紹介していきます。

認められている裁量労働制の2種類

裁量労働制度は全ての業種に適用できるものではありません。では、裁量労働制が認められている仕事にはどのようなものがあるのでしょうか。

裁量労働制度が適用される対象の仕事は、設計者や技術者など法律が認めた業種に限ります。ここでは、認められている裁量労働制、専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制の2種類について紹介していきます。

この2種類は対象業務が違い、それぞれ異なるルールで運用されています。

種類1:専門業務型裁量労働制

裁量労働制の種類1つ目は、「専門業務型裁量労働制」です。専門業務型裁量労働制の対象は、デザイナー・新聞記者・建築士・弁護士などの専門的職種など、全部で19種と限定的です。

そのほか対象となっている業務には、放送番組や映画などの制作事業におけるプロデューサー・ディレクター業務、ゲーム用ソフトウェアの創作業務、学校教育法に規定する大学の教授研究業務、などがあります。

主な業務例:新商品・新技術の研究開発

専門業務型裁量労働制の主な業種例として、新商品・新技術の研究開発をする業種があります。

例えば、IT業界であれば、新商品の開発は既存の技術を用いて新たなツール・アプリケーションの開発、研究開発は、スマホやタブレットなどで利用される高速通信技術、自動車の自動走行技術、人工知能関連の技術開発などがあるでしょう。

主な業務例:人文科学・自然科学の研究

専門業務型裁量労働制の主な業種例として、人文科学・自然科学の研究をする業種があります。

人文科学は人類の創造した文化を対象として研究する学問です。哲学・文学・史学・語学などの研究者が専門業務型裁量労働制の対象になります。

自然科学は、自然現象を対象とする科学です。自然界において本質的に重要な現象を見出し、現象を支配する法則を発見する仕事に就いている人も専門業務型裁量労働制の対象です。

種類2:企画業務型裁量労働制

裁量労働制の種類2つ目は、「企画業務型裁量労働制」です。

企画業務型裁量労働制は、特定の事業場に対象業務がある場合の制度です。対象となる業務は、企業における経営に関与する部分での企画、立案、調査及び分析の業務になります。

また、その業務に携わるだけではなく、労働者の団結擁護・労働関係の公正な調整企図を目的とする行政委員会である労使委員会を設置し、5分の4以上の多数決を決議する必要があります。

管理職が気をつける裁量労働制のポイント3つ

ニュースなどで「管理職だから残業代は出ない、払わなくてよい」という問題が起こっている内容を見ることがありますが、これは多くの場合、間違いといわれています。裁量労働制の管理職であっても、適切に払われる残業代として請求できることがあります。

ここでは、管理職が気をつける裁量労働制のポイント3つについて紹介していきます。

管理職が気をつけるポイント1:要件を満たさなければ残業代を請求できる

管理職が気をつけるポイント1は、要件を満たさなければ残業代を請求できることです。

この要件とは、労使協定のことであり、労使協定とは労働者と使用者との間で締結される、書面による協定です。労働者の代表が会社の経営者との間で労使協定を締結していなければ、裁量労働制は無効であり残業代を請求できます。

社員が労働基準法を知らないことをいいことに「労使協定がある」と言い、裁量労働制を不当に適用する会社があります。

管理職が気をつけるポイント2:固定残業代も規定を超過すれば請求できる

管理職が気をつけるポイント2は、固定残業代も規定を超過すれば請求できるということです。

協定みなし時間が法定労働時間を超える場合、法定労働時間を超える分の割増賃金を会社側に請求することができます。

例えば、残業時間は1日8時間・週40時間と法定労働時間として定められていますが、協定みなし時間が12時間と定められている場合、4時間分の給与を請求できるということになります。

管理職が気をつけるポイント3:一般従業員よりも給与が高いかをチェックする

管理職が気をつけるポイント3は、一般従業員よりも給与が高いかをチェックすることです。

管理職になったことで裁量労働制となり、それまで残業代としてもらっていた分がみなし残業となり、一般労働者よりも給与が下回るようなケースが発生する問題があります。

管理職が給与は高くなる制度が一般的なので、人事に賃金制度の見直しを求めたほうが良いでしょう。管理職への昇給を断る社員が増えてしまい企業にとってもマイナスです。

裁量労働制に認定される管理職とは

「管理職」とは、企業内で管理業務をする人たちの総称を示す言葉であり、その定義は企業が独自に決定している部分が大きいところがあります。

そのため、裁量労働制に認定される管理職と、裁量労働制に認定されない名ばかり管理職が存在しています。

では、裁量労働制に認定される管理職とはどのような特徴があるのでしょうか。次は、裁量労働制に認定される管理職について紹介していきます。

経営に関する決定権や指揮監督の権限がある

裁量労働制に認定される管理職には、経営に関する決定権や指揮監督の権限があります。

経営者と一体的な立場で職務を遂行することを前提に、部下の労務管理に関する責任と権限を与えられた従業員が、裁量労働制に認定される管理職です。

現場での決定権があり、リーダー的立場にいる「管理職」であっても、採用や労働条件の決定権限が経営者や人事部にある場合は、裁量労働制に認定される管理職には該当しません。

労働時間について裁量権がある

裁量労働制に認定される管理職には、労働時間について裁量権があります。裁量労働制に認定される管理職は、勤務形態に関して会社から拘束を受けることがありません。

就業規則上で定められた始業時刻での出社が義務付けられていたり、上司の許可を得た上で出退勤の時刻を決めているという立場であれば、裁量労働制に認定される管理職には該当しません。

管理監督者の地位とふさわしい賃金がある

裁量労働制に認定される管理職には、管理監督者の地位とふさわしい賃金があります。

裁量労働制に認定される管理者とは、正しくは「管理監督者」という立場であり、経営者と同じく、労働時間等の規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な職務内容を有する立場の者のことをいいます。

重要な立場であるため、残業代なども支払われない代わりに、最初からそれなりに高い収入であり、一般の労働者と比較して高い待遇を得ています。

裁量労働制を学ぶ!おすすめの書籍3冊

裁量労働制について説明していきましたが、労働法など関わってくる法律を含めて、もう少し詳しく制度の内容を知っておきたいと思う方も多いのではないでしょうか。

最後に、裁量労働制を学ぶために、おすすめの書籍『新版 新・労働法実務相談・トラブルを防ぐ! パート』『アルバイト雇用の法律Q&A』『最新版 労働法のしくみと仕事がわかる本』の3冊について紹介していきます。

新版 新・労働法実務相談

裁量労働制を学ぶためのおすすめの書籍、1つ目は『新版 新・労働法実務相談』です。

こちらの本は、社会保険労務士や弁護士などの専門家が、具体的ケースに合わせた回答を最新の法令、裁判例、行政解釈に基づいてわかりやすく解説しています。

労働基準法を学んでいても、民法など他の法律にまたぐ内容の事例が発生してしまうことがあります。このような場合も踏まえて解説されているので、心強い一冊です。

労働基準法を学んでいる者にとって、精緻に見ても解釈が微妙であったり、民法など他の法律にまたぐ内容の事例が多くある。
これらの事例を詳細な解説をつけて述べているところは大変心強い。

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トラブルを防ぐ! パート・アルバイト雇用の法律Q&A

裁量労働制を学ぶためのおすすめの書籍、2つ目は『トラブルを防ぐ! パート・アルバイト雇用の法律Q&A』です。

実際に起こっているパート・アルバイト雇用についての解説書です。近年は簡単にSNSで広められてしまうため、些細なことが大きなトラブルを生む事件に発展する時代です。

こちらの本は、経営者・店長が抑えておきたいトラブル防止や雇用のルールを、書式とチャートを用いてわかりやすく解説されています。

パートやアルバイトを雇う場合の、
注意点が書いてある。
雇用のルールをきちんと作っておくことが
大事なようだ。
法律だけでなく、パートやアルバイトの方のモチベーションを
高めるのはどうすればいいのかにも触れていて、
役立つ本である。

出典: https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R3HRED0YIFCS... |

最新版 労働法のしくみと仕事がわかる本

裁量労働制を学ぶためのおすすめの書籍、3つ目は『最新版 労働法のしくみと仕事がわかる本』です。

2019年4月からスタートした働き方改革の内容を含んだ労働法について書かれている一冊です。裁量労働制を深く理解するには、労働法を理解しておく必要があります。

有給休暇の強制取得、残業時間の罰則付き上限規制、同一労働同一賃金の導入やパワハラ、メンタルヘルスなど労働問題が起こりやすい部分について書かれています。

初心者向きで、わかりやすい内容です。会社の人事担当者にピッタリです。

出典: https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R1EVR7O0S0OI... |

裁量労働制の管理職も法律に守られている

裁量労働制とは何か、裁量労働制の管理職がチェックすべき3つのポイントについて紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

多様な働き方が広がる中、特にクリエイティブ業界は裁量労働制を採用している企業も多いです。裁量労働制の管理職は、チェックすべき点についてなどはしっかりと確認しておきましょう。

裁量労働制の管理職も法律に守られているので、サービス残業にならないよう請求できる残業代はきちんと請求しましょう。

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