辛くない育児と仕事の両立ポイントは周りの理解
これから育児との両立を始めるお父さん、お母さん、ご出産おめでとうございます。両立生活は大変なこともありますが、やってよかったと思うことも多いもの。ぜひ前向きに両立を考えてみてください。両立する人の多い会社であれば、周りの先輩方に聞いてスムーズに育休から復帰しやすいですが、うちの会社では、もしくはうちの部署では初めての育休復帰、という場合はどうしていいかわからなくなりますよね。
特に育児との両立は、どんなに事前に準備をしていても、予定外のことが出てくるもの。無理せず両立する一番のポイントは、周りの人の理解と協力をどれだけ得られるかです。育休中から準備をしておきましょう。
育休から復帰する際の挨拶のマナー
周りの人の理解を得るためには、復帰の際の第一印象も大切です。まずは復帰する際の挨拶から考えてみましょう。
挨拶は復帰した朝からしっかりしよう
まずは育休復帰の挨拶のタイミングです。朝会社に行ったら、上司やお休みの間にお世話になった人などにお礼と復帰の挨拶を一言だけでもしましょう。また、朝礼の際などに、「今日から○○さんが育休から復帰するので一言お願いします。」と言われることも多いと思いますので、挨拶を用意しておくといいかもしれません。
挨拶も事前準備をしておこう
長い人だと1,2年間お休みしていると思います。挨拶の内容ですが、どんな点でお世話になったのか、誰にどの仕事をお願いしたのかを、しっかり思い出しておきましょう。そういったポイントなどを一言添えて挨拶できると素敵ですね。さらに、引き継いだ仕事が、知らない間にさらに別の人に引き継がれている、などの情報が帰ってくる可能性もあります。スムーズな引継ぎのためにも重要です。
挨拶周りをする際に手土産でお菓子などを持っていくのもオススメです。賞味期限が近くない日持ちするお菓子がいいですね。
挨拶は育休のお礼と復帰後のサポートについて
挨拶の内容ですが、まずは長いお休みをいただきありがとうございますと伝えましょう。そして育休中に自分の仕事をしてくれた人にはそのお礼。自分の仕事を引き継いでくれた人以外でも、何かと手伝ったりしていることもありますし、気にかけて配慮してくれたこともあると思います。そういったお礼もきちんといいましょう。
一番大切なのは、お礼をいうことだけではなく「これからご迷惑をおかけするかもしれません」と話をすることです。一年休むと、以前のような勘や技術や知識を取り戻すのに時間がかかることもあります。また、育休前と復帰後に同じように働けるというケースは珍しいです。しかし、長期の休業や両立を経験したことがない人々にとっては、それすらもまったくの予想外で、驚いたり、腹をたてたり、腑に落ちなかったりすることがあります。理解の難しそうな人には、事前に「病児保育などの準備はしてありますが、子どもの急な発熱などで遅刻や早退をしてしまう可能性もあります。ご迷惑をおかけしないように努力はいたしますので・・・」など具体的に伝えておくことも必要です。
育休から復帰する準備
復帰をしてからは、忙しい時期が始まります。時間の使い方に悩む方も多いので、事前に準備をしておきましょう。
育休中の会社訪問
1年という長期にわたってお休みされる方は、育休中に何度か会社訪問しておくことをお勧めします。備品の位置が変わっていたり、担当者が変わっていたりすることもあります。復帰の時に初めて変化に気付くよりもスムーズに復帰できます。
また、あまり理解のない会社の方々を理解させるためには、2回行くことがお勧めです。1度目は休業半ば、ママらしい服装で子連れ訪問してみましょう。母親になったことを理解してもらいます。言葉で出産しましたと聞くよりも、目で見たほうが周りの理解は深まります。2度目はしっかりした社会人の服装で、復帰前の打ち合わせ訪問。これからしっかり仕事をしますと、やる気を見せる訪問です。母親でもあり社会人でもあるという2つの顔を持つことを、目で見て理解してもらうという方法です。
預け先は最低2個用意
子どもの預け先は複数用意しておくと、周りに迷惑をかける機会が減ります。保育園に通う年齢の子どもはすぐに熱をだします。一般的には37.5度を超えると保育園では預かれませんので、お迎えに来てくださいと電話がかかってきます。発熱する回数の多さは子どもによりますが、そのたびごとに早退や欠勤をしていると、フォローしてもらう機会が増えていき、申し訳ないという気持ちが大きくなって辛くなります。「1か月ほとんど出勤できなかった」「1週間休んでしまった」というのは最初のうちはよくある話です。
ですので、熱が出た時の預け先を用意しておきましょう。自分の両親や友人。各市町村にあるファミリーサポートセンターや、病児保育サービス、ベビーシッターサービス。情報はいろいろなところにあります。市町村の窓口やママ友、インターネットなど、積極的に探してみましょう。
会社の人との打ち合わせは丁寧に
保育園が決まったら、事前に会社の人と打ち合わせをしておきましょう。法律では、育児中の人が使える制度がたくさんあります。勤務時間を短くできる短時間勤務制度や、残業や深夜業をなしにしてもらうことなど、どれを使ってどれを使わないのかを話し合いましょう。
また保育園の場所や送り迎えにかかる時間、預かることが可能な時間や曜日も事前に伝えておくとスムーズです。子どもの発熱の際の対応方法、準備していることなども伝えておくと、お互い安心できます。
復帰するまでの流れ
1:保育園を決める
待機児童問題が深刻な地域の人は、早めに市町村の窓口で相談して情報を得ましょう。
2:保育園以外の預け先を探しておく
熱が出た時の預け先などを探しておきましょう。
3:両立をイメージして少しずつやってみる
保育園が決まる前からすることもお勧めですが、両立をイメージして一日のスケジュールを組んでみましょう。家事の時短方法を探したり、時短料理を覚えておいたり、夫や両親が家事や育児をできるようにしておくのもお勧めです。とにかく両立すると時間が足りないと感じる方が多いので、時間の密度を意識して過ごす練習をしておきましょう。
4:会社の人と打ち合わせをする
保育園が決まってからの方がスムーズに打ち合わせができます。
5:慣らし保育
保育園が決まったら、1日から1週間程度、慣らし保育期間があります。保育園によって異なるので事前に確認しましょう。一般的には午前中だけの保育になるので、この間は出勤せずに、ゆっくり休んだり復帰後の準備をしたりしましょう。挨拶の際に配るお菓子を買うのもこの時期がいいでしょう。
6:復帰、挨拶
挨拶のマナーに気を付けて、復帰しましょう。
7:復帰後に気を付けること
復帰しても、すぐにすべてうまくいくわけではありません。どうしてもうまくいかずに退職してしまう人もいます。退職を検討する前に、何度か会社や周りの人に相談をして、無理せず続けられるように工夫していきましょう。
育休から職場復帰しないことは可能?
育休中に、やはり復帰はしないと決める方もいると思います。職場復帰すると言っておきながら、やめていいのかと不安になる方もいらっしゃいますが、やめることは可能です。とはいえ、会社側も戻ってくると思って予定をたてていますので、早めの報告をしましょう。現在は求人を出してもなかなか人を雇うのが難しい時代ですし、新しく入った人が仕事を覚えるのにも時間がかかります。そういったことを考慮し、時にはサポートもしつつ、きちんと挨拶をしましょう。
辞める?辞めない?考えるべきポイント
復帰をせず退職した場合、また雇ってくださいと戻るのは難しいです。どちらにしようか迷っているのであれば、とりあえず戻ってみることをお勧めします。育休は1年という長期間休むことになりますので、復帰の際に大きな不安を抱く人はとても多いです。その不安から悪い方向に悪い方向に考えてしまうこともあります。思い切って復帰してみると、そこまで悩むことでもなかったと思うかもしれません。
また、一度退職してしまうと、新しく仕事を探すのが難しくなるかもしれません。自分が一生涯に稼ぐ、生涯賃金を一度考えてみるのもお勧めです。
時短勤務は可能?
3歳未満の子を育児する人は、時短勤務を選ぶことができます。法律上は1日6時間にすることができます。会社は6時間勤務にしたいと言われた場合断ることができません。5時間にしたいというのは断ることができます。会社によっては4時間や5時間でも働けるように、独自の制度を設けているところもありますので、確認しましょう。
パートやアルバイトに切り替わるわけではなく、基本的には、休業前のお給料を時給換算して計算したお給料がでます。たとえば1日8時間で16000円もらっていた場合、6時間で12000円になります。パートになれと強要してくるのは法律違反ですので、事前に知っておきましょう。
困ったら周りに相談を
スムーズな復帰のポイントをお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。復帰の際はみなさんいろいろと悩まれますが、みんなが通る道です。何かあった際に相談できる人を見つけて、無理しすぎずに乗り切りましょう。ときには理解されないこともありますが、時代の変化に追いついていない人の意見と割り切って聞き流すのも1つの方法です。今、日本には育児と仕事の両立をしている仲間がたくさんいて、みんながみんな、それぞれの両立の仕方をしています。人と比べ過ぎず、参考になるところは参考にして、自分らしく育児も仕事もしてくださいね。