賞与とは
賞与とはボーナスとも呼ばれ、月給などの定期給とは別に労働者に支払われる、特別な給料のことです。
特別配当や報奨金の意味合いが強く、定期給と異なり企業側に法的な支払い義務はないため、賞与がない企業や、年に1~3回支払われる企業などさまざまなケースが見られます。
賞与の額は企業の業績や個人の実績などによって決められます。
賞与額は経営状態に左右される
一般的な企業では、その企業の業績や従業員の実績に対する査定、労働組合との交渉状況などを考慮して、6月と12月の年に二回支給されることが多くみられます。
しかし、前述したとおり企業側に法的な支払い義務がないため、新入社員は最初の賞与がほとんど支給されなかったり、時期によって賞与額が変動することがあります。
月給などの定期給は変動が少なくても、賞与額は企業の経営状況・景気変動によって大きく影響される企業も見られます。
賞与の3つの査定基準
賞与額を決めるには、個人の業績や能力を評価する査定が行われます。
査定には、業績評価・行動評価・能力評価の3つの評価基準があります。それぞれ意味合いが異なり、基本給や賞与、昇進・昇格などに影響をおよぼします。
それぞれの内容を把握し、自分の業務に対する意識や態度を見直してみましょう。
基準1:業績評価
業績評価は、事前に設定された目標がどれぐらい達成できたかが評価されます。
業績評価は、概ね数値化された目標を設定するので、査定する側が客観性・公平性を持った評価をすることができます。
また、具体的な数値目標は従業員本人だけでなく、上司と相談しながら決めます。そして、目標難易度はその人の現在の能力、役職、期待度などにより設定されます。
業績評価はもっとも賞与額に反映されやすい傾向にあります。
基準2:行動評価
行動評価は、積極性・協調性・責任感の強さなどが評価されます。そして、結果や能力は切り離されて考えられます。
行動評価は普段の業務態度などに着目した評価基準で、もっとも査定側の主観が入りやすいのが特徴です。査定側にも客観的な視点が求められ、直属の上司の意見などを参考に評価を下すこともあります。
行動評価は基本給に反映されやすい傾向にあります。
基準3:能力評価
能力評価は、仕事に対する積極性や上昇志向を表す姿勢・行動が評価されます。能力評価は会社によって定義が異なりがちで、評価の仕方も違いますが、たとえば仕事のために獲得したスキルや資格・能力などが評価されます。
業績や売上結果とは関係なく、結果を出せていない従業員でも難易度の高い仕事に取り組んでいれば、能力評価は高評価になるでしょう。
能力評価は昇級・昇格に反映されやすい傾向にあります。
賞与アップの方法
会社の業績や日本全体の景気が悪ければ、賞与額のアップも期待できないでしょう。しかし、自分だけが賞与額が上がらない場合などは、何かできることがあるはずです。
小さな努力で賞与額やそれにつながる基本給のアップ、昇進などの可能性が上がります。
賞与アップにつながる小さな努力を紹介しますので、今の自分の姿勢や意識を見直し改善してみましょう。
会社の評価制度を確認
多くの企業では、透明性を保つために評価制度の基準は明文化されています。人事部や上司などに評価制度の詳細を確認してみましょう。
また、仮に自分の会社が明示していない場合は、ホームページなどで評価項目を公開している企業もあるため、同職種の企業の評価項目を参考にすると良いでしょう。
評価制度に沿った行動をする
人事部や上司などに評価制度の詳細を確認したら、その基準に沿った行動をするようにしましょう。例えば、数値目標が達成できなくても、積極性や協調性を行動で示すことで、評価が上がります。
また、それらの行動で賞与額アップは実現できなかったとしても、基本給アップや昇格などにつながる可能性もあります。
上司に直接質問する
上司に直接質問したり、相談するのも良いでしょう。
特に、普段自分をよく見ている上司であれば、賞与額アップにつながる適切なアドバイスをもらえたり、会社がどの評価項目に重点を置いているかが分かります。
また、そのように相談することにより、積極性の評価につながることがあります。
行動評価を下げないようにする
前述したとおり、行動評価とは、積極性・協調性・責任感の強さなどを評価するものです。
人見知りで会話が少ない人が同僚への声がけを増やしたり、遅刻が見られた人が早く出勤するなど、ちょっとしたことで低評価だった項目を上げられることがあります。
小さな失点は取り返すのも簡単です。行動評価を下げない努力を惜しまないようにしましょう。
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査定側の注意点
査定は一般的に人事部や管理職、経営者、社長が行います。査定は従業員の賞与額だけではなく、果ては個人の人生まで変えてしまうものです。
個人的な感情や利害のために理不尽な査定をすれば、不当査定と言われかねません。査定は慎重に行う必要があります。
査定理由を合理的に説明できるようにする
多くの企業は評価基準が明文化され、しっかりと項目化して管理されているため、査定基準・査定理由が合理的に説明できるようになっています。
しかし、小さな企業ほど経営者、社長自らが査定を行う傾向にあり、評価基準が明確に決まっていない場合も見られます。
従業員が少ない家族的な企業であっても、査定基準・査定理由を明確にしておく必要があるでしょう。
法律上のルールを把握
前述したとおり企業側に法的に賞与の支払い義務はありません。しかし、就業規則で支給方法や算定の条件が定められている場合は、企業はその内容に従って支給する義務があります。
査定する側は、就業規則や労働組合との間で結ばれる労働協約、従業員との間で取り交わされる労働契約などを頭に入れておく必要があります。
個人の感情に左右されない
査定される従業員に近しい人ほど感情的に評価しがです。そのため、すべての従業員を同じ距離感で査定できるよう人事部などが一律に行う会社も多く見られます。
査定する側は客観的に冷静に査定をする必要があります。
賞与の査定基準を知りやる気をアップさせよう
賞与の額は曖昧なようで実は明確に評価項目が決められ、しっかりと査定されている企業がほとんどです。
基本給に比べて賞与の額は大きく、アップすれば仕事へのモチベーションも上がります。賞与の査定基準を知って、今一度自分の会社での行動を見直してみましょう。