損益計算書の書き方5ステップ|損益計算書の3つの要素

財務・資金

損益計算書の目的とは

損益計算書は、その会社の収益や費用、利益を示した表です。別名は「P/L(Profit&Loss Statement)」とも呼ばれていて、決算の時に作られる決算書のひとつとなっています。

この書類は、その会社の経営状態をわかりやすく表記した書類で、大企業では決算時に作られるものです。前年1月から12月までの間にどれだけ利益があったのかを調べる事ができ、併せて収益と費用(経費)も調べる事ができます。

損益計算書の書き方

損益計算書の書き方について説明をしていきます。

最初に損益計算書を書く目的などについて考えて、「収入」や「経費」といった仕分けを行います。次に、仕分けしたデータを「総勘定元帳」へと転記します。そしてその次に「試算表」を作成するという書き方の流れがあります。

最後に試算表の内容を見て損益計算書を作成する、という書き方の流れで表を作成をしていきます。書き方の手順をひとつひとつ追って見ていきましょう。

1:取引を認識する

一番最初に、どんな取引があったのかについて区別をしてから、帳簿へと記帳を行います。取引の内容について、記帳するために分類した科目を「勘定科目」といいます。そして、勘定科目を記載し、科目毎の増減を記録するT字型の表のことを「勘定」といいます。

勘定については左側が「借方」、右側が「貸方」となっており、勘定科目を記載をしていきます。これは複式簿記の帳簿で、表を作る時のきまりごとになっています。

勘定科目の書き方の例

決算時に必要になる損益計算書で扱われる、主な勘定科目の書き方には次のようなものがあります。

◇貸方・売上、雑収入

◇借方・仕入、旅費交通費、通信費、水道光熱費、消耗品費など。

仕分けをしたデータでそのまま決算書を作り、直で損益計算書も作ることができますが、今回は簿記の規程に沿った書き方を解説します。そのため、まずは今回の取引がどのような勘定科目に当たるのかについて調べ、知っておくようにしましょう。

2:仕分けをする

仕分帳へと仕分けを行います。仕分帳へと記載をしていきますが、日付順に、勘定科目と金額とを記載していきます。仕訳帳のルールでは「収益が右側(貸)」で、「費用を左側(借)」という書き方のきまりを知っておくのがポイントです。

収益とは「資本(金)を増加させる取引」で、費用とは「資本(金)を減少させる取引」です。どのような書き方で記入していいか迷った場合には、ネットで書き方や仕分け例を参照してみましょう。

仕分け表の書き方の例

仕訳帳への記入例をあげると下記のようになります。

100万円売上げがあった時
◯月×日 (借)現金 100万円 (貸)売上金 100万円

借入金が200万円あった時
◯月×日 (借)現金 200万円 (貸)借入金 200万円

売掛金10万円を回収した時
◯月×日 (借)10 万円 (貸)売掛金 10万円

3:勘定に転記する

仕分けを行ったデータを参照しながら、勘定へと転記していきます。勘定というのは、仕訳帳で記載されている勘定科目ごとにまとめた表になります。勘定への転記が終わったら、次は「総勘定元帳」へと転記していく作業を行います。

総勘定元帳とは、これも複式簿記で用いられる帳簿の事で、取引をすべて勘定科目ごとにまとめ、記録した帳簿です。総勘定元帳のデータを元に、決算書は作り上げられています。

勘定の書き方の例

勘定科目の「現金」は現金の表でまとめて、「売掛金」は売掛金の表でまとめます。仕訳帳で左側へ書いたものは勘定でも借、そして仕訳帳の右側(貸)は勘定でも同じ様に貸、という書き方で作成します。

勘定への転記がすべて終わったら、総勘定元帳へとまとめて記載をしていき、よりまとまった複式簿記の帳簿にします。この総勘定元帳も、さきほどの仕分帳や勘定のまま、借へ記入していたものは借、という書き方にします。

4:試算表に集計する

総勘定元帳を作ったら、次は試算表を作成します。この試算表というのは、総勘定元帳の各勘定残高を集計してまとめた表の事です。

試算表を作成する目的には次の2つがあり、記帳ミスがないかを確認し、決算書を作りやすくするために作成します。

◇試算表を作成する目的
・仕分けや、総勘定元帳への転記処理が間違っていないかどうかを確認する。
・この次に作成する決算書や、財務諸表を作成するのに必要な書類となるため。

試算表の書き方の例

試算表を細かく分類すると、「合計試算表」「残高試算表」そして「合計残高試算表」の3種類があります。試算表は、上記の帳簿での転記作業に間違いがないかどうかを確認する目的と、そして決算書の作成しやすくします。

合計残高試算表は、合計試算表と残高試算表とを1つにまとめたものになります。試算表では各勘定の「貸方」や「借方」とを集計しているため、必ずそれぞれの合計金額が等しくなるようになっています。

5:試算表を使って損益計算書を作成する

作成した試算表を使って、損益計算書を作ります。試算表の内容を参考にしながら、損益計算書と賃借対照表との「決算書」を作成する事ができます。

試算表では、移記した内容を間違いなく記録できているか確認できているので、後は損益計算書を書くために必要な情報をピックアップして記載していきます。きちんとした決算書が完成していれば、決算期に確定申告を行う時にも、青色申告で申請を行う事が可能になります。

損益計算書の書き方の例

試算表からは、収益と費用に関連する勘定科目を抜き出しして、損益計算書に転記を行います。転記する際の書き方の例ですが、収益に分類される勘定科目は「売上」、費用の項目として分類される「仕入」「給料」…と複式簿記の書き方に習って記載します。

最下部に記載している「当期純利益」については、「収益の合計から、費用の合計を引いて算出」します。この他の項目については賃借対照表に関わっている項目になります。

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損益計算書の要素

損益計算書に記入されている内容は、「売上高」(収益)から「費用」を差し引いて、「利益」を算出するという内容でまとめています。ここで記載されている収益、費用、利益について、それぞれの概要を詳しくわけて紹介していきます。

例えば単純に収益とはいっても「売上高」「営業外収益」「特別利益」という区分へ分ける事ができます。損益計算書に含まれる「3つの収益」「5つの費用」「5つの利益」について解説をします。

1:3つの収益

収益は3つの種類に分けて表記を行っています。一つは「売上高」、二つ目は「営業外収益」、そして三つ目は「特別利益」に分けて記入していきます。

売上高は、本業で得た収益のことで、「経費を差し引きしない売上金」にあたります。営業外収益というのは、営業活動で得た収益以外の収益になります。三つ目の特別利益というのは、経営とは関係なく、臨時に発生した収益として分類します。

2:5つの費用

次に、「5つの費用」ですが、こちらは主に経費、活動して使ったお金という意味を持っているものです。5つの費用には「売上原価」「販売費及び一般管理費」「営業外費用」「特別損失」「法人税など」があり、いずれも主に仕事をするためにかかった費用という意味です。

なお、「法人税など」という科目については、ここでは費用として区分をしました。課税される法人税などがあった場合に表記します。

3:5つの利益

最後の「5つの利益」についてですが、これは仕事で儲ける事ができたお金のことです。5つの利益には、「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」とがあります。

前者の3項目は、仕事の分野ごとで生み出された利益です。そして後者の2項目については、税金が引かれる前の利益と、最終的な利益という意味です。それぞれに記述してから、利益をまとめる「損益計算書」を作成できます。

損益計算書を作成して利益額を弾き出す

複式簿記の手順で損益計算書の書き方を紹介しました。帳簿の使い方や意味、書き方のルールなどを覚えるのは大変ですが、実際に仕分けが必要になった時に、仕訳帳を作成してから損益計算書までを作成し、書き方の練習をしてみましょう。

数多くの仕事の仕分けをいきなり処理するのは難しいので、簡単に仕分けができるものを揃えて練習しながら実践経験を積む事が上達のポイントです。

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