オーケストラ平均年収ランキング10位|指揮者の業種別年収と給与体系

財務・資金

オーケストラ団員の年収って?

今回は、プロのオーケストラ団員と指揮者の年収についてご紹介いたします。「職業としての音楽」という視点からみた情報として参考にしていただけたら幸いです。

皆さんの中にはプロの音楽家を目指して日夜レッスンに励む音大生の方、あるいは音大入学を目指す中高生の方がいるでしょう。そしてそれを支えているご家族、それぞれの夢に向かって努力なさっている皆さんはぜひ参考にしてみてください。

オーケストラ団員の給料の現状

オーケストラ団員の平均年収は、楽器購入、レッスン、有名教授への師事、音大入学、卒業後の留学などこれまでの出資を考えると、決して十分とはいえない現状にあります。

オーケストラの給与体系は、「完全固定給与制」「基本給+演奏会数や時間に応じた歩合を上乗せ」「演奏会や録音などの収入があったときだけ歩合制」の3つに分けられます。

完全固定給与制では、給与は正団員であれば出演回数に関わらず基本的に同じです。

オーケストラ平均年収ランキングTOP10

現在、日本オーケストラ連盟に加盟のプロオーケストラは全部で33団体あります。ここでは、団員の平均年収がTOP10に入ったオーケストラを紹介します。

オーケストラの設立時期とその状況、現在の指揮者陣の紹介、寄付金などの支援状況、そして平均年収の順番でご紹介します。特に、設立状況と支援状況については、団員の平均年収に大きく関わっています。ぜひ今後の進路の参考にしてください。

第10位:関西フィルハーモニー交響楽団

1970年、阪神間に住む若い弦楽器奏者達25名により「ヴィエール室内合奏団」として発足しました。大阪市港区を本拠地としています。通称「関フィル」です。

指揮者陣は、音楽監督オーギュスタン・デュメイさん、首席指揮者藤岡幸夫さん、桂冠名誉指揮者飯守泰次郎さんです(2019現在)。

関西フィル友の会、後援会の他一口3000円からの寄付金を募集しています。年収は特別契約などを除いて40.9歳で220万円です。

第9位:日本フィルハーモニー交響楽団

1956年に創立し1985年からは自主運営の財団法人となりました。東京都を中心に年間約160回の公演を行っています。

指揮陣は、首席指揮者ピエタリ・インキネンさん、桂冠指揮者兼芸術顧問アレクサンドル・ラザレフさん、桂冠名誉指揮者小林研一郎さん、正指揮者山田和樹さん、ミュージック・パートナー西本智実さんです(2019現在)。

オンライン寄付を呼び掛けています。団員の平均年収は約300~400万円です。

第8位:神奈川フィルハーモニー交響楽団

1970年に発足し1978年に財団法人になり2014年に自治体などの寄付を受け公益財団法人に認定されました。

指揮者陣は、常任指揮者川瀬賢太郎さん、特別客演指揮者小泉和裕さん、名誉指揮者現田茂夫さん、桂冠芸術顧問團伊玖磨さん、桂冠指揮者山田一雄さんです(2019現在)。

神奈フィル・ブルーダル・サポーターズ、 森のハーモニー、などによる支援を呼び掛けています。団員の平均年収は400~500万円です。

第7位:広島交響楽団

広島県広島市を本拠地とするオーケストラです。理念を「平和貢献」「地域に根ざした楽団」「世界に通用する楽団」としています。

指揮者陣は、音楽総監督下野竜也さん、首席客演指揮者クリスティアン・アルミンクさん、終身名誉指揮秋山和慶さんです(2019現在)。

個人正会員、法人正会員、サポート会員、個人賛助会員、広響支援自動販売機、などを設け支援を募っています。団員の平均年収は年収は400~500万円です。

第6位:名古屋フィルハーモニー交響楽団

愛知県名古屋市を本拠地とするオーケストラです。東海地方の音楽界をリードし続けており、「名フィル」の愛称で親しまれています。

音指揮者陣は、楽監督小泉和裕さん、正指揮者川瀬賢太郎さん、桂冠指揮者小林研一郎さん、名誉指揮者モーシェ・アツモンさん、名誉客演指揮者ティエリー・フィッシャーさんです(2019現在)。

寄附金、賛助会員、特別協賛などで支援を募っています。団員の平均年収は500~700万円です。

第5位:京都市交響楽団

1956年に日本唯一の自治体直営オーケストラとして創立し、2009年に京都市の直営を離れ財団法人京都市音楽芸術文化振興財団の運営となりました。

指揮者陣は、常任指揮者兼ミュージックアドヴァイザー広上淳一さん、常任首席客演指揮者高関健さん、常任首席客演指揮者下野竜也さん、桂冠指揮者大友直人さんです(2019現在)。

京響友の会は支援を募るものではありません。団員の平均年収は年収は500~700万円です。

第4位:大阪フィルハーモニー交響楽団

1947年朝比奈隆さんを中心に「関西交響楽団」という名称で創立されました。1960年に改称。創立から2001年までの55年間朝比奈隆さんが音楽総監督・常任指揮者を務めました。

指揮者陣は音楽監督尾高忠明さん、指揮者角田鋼亮さん、桂冠指揮者大植英次さん、創立名誉指揮者朝比奈隆さんです(2019現在)。

会員制度はありますが支援を募るものではありません。団員の平均年収は500~700万円です。

第3位:東京都交響楽団

1964年の東京オリンピックの記念文化事業として、1965年に東京都が財団法人として設立しました。本部は上野の東京文化会館に置かれています。

指揮者陣は、音楽監督大野和士さん、首席客演指揮者アラン・ギルバートさん、終身名誉指揮者小泉和裕さん、桂冠指揮者エリアフ・インバルさんです(2019現在)。

TMSOサポーター制度、法人協賛などで支援を募っています。団員の平均年収は500~700万円です。

第2位:読売日本交響楽団

1962年、読売新聞社、日本テレビ放送網、読売テレビのグループ3社を母体に設立されました。

指揮者陣は、首席客演指揮者コルネリウス・マイスターさん、山田和樹さん、桂冠指揮者シルヴァン・カンブルランさん、名誉指揮者テミルカーノフさん、名誉客演指揮者尾高忠明さん、特別客演指揮者小林研一郎さんです(2019現在)。

個人賛助会員 法人賛助会員による支援を募っています。団員の平均年収は700万円以上です。

第1位:NHK交響楽団

1926年に新交響楽団が結成。その後日本交響楽団を経て1951年にNHKの支援を受けNHK交響楽団となりました。

指揮陣は、首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィさん、名誉音楽監督シャルル・デュトワさん、桂冠名誉指揮者ヘルベルト・ブロムシュテットさん、桂冠指揮者ウラディーミル・アシュケナージさん、正指揮者 外山雄三さん、尾高忠明さんです。

特別支援 賛助会員からの支援を受けています。団員の平均年収は958万円です。

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指揮者の業種別年収

プロの指揮者は、所属するプロオーケストラの公演に出演する他にもアマチュアオーケストラや大学のオーケストラを振ることがあります。

これから示す業種別年収は、例えば「プロオーケストラだけに1年間出演した場合の金額」ということです。

また、同じプロ指揮者でも認知度や実力などによって1回の出演料が違ってきます。海外コンクールに入賞した若手指揮者で1回約20〜30万円です。有名指揮者で最低でも50万円以上です。

プロのオーケストラ:650万円

現在、日本オーケストラ連盟に加盟しているプロオーケストラは全部で33団体あり、これらのオーケストラが平均して年間約130回の演奏会を行っています。プロオーケストラに出演した指揮者の平均年収は、約650万円です。

アマチュアのオーケストラ:400万円

団員が所属団体に雇用されていない形態のオーケストラ団体を、アマチュアオーケストラといいます。市民オーケストラ、大学オーケストラ、高校オーケストラ、ジュニアオーケストラがその典型です。アマチュアオーケストラに出演した指揮者の平均年収は、約400万円です。

オペラ団:550万円

プロフェッショナルなオペラ団体としては、藤原歌劇団、日本オペラ振興会、東京二期会、新国立劇場オペラなどがあります。また、その他にも、ご当地オペラとも呼ばれる市民オペラ団があります。オペラ団に出演した指揮者の平均年収は、約550万円です。

音楽大学:650万円

東京藝術大学、桐朋学園大学などをはじめとする音楽大学にはオーケストラがあります。各大学では、年間を通じてオーケストラの演奏会が開催されており、そのたびにプロの指揮者を招聘することが多くあります。

音楽大学オーケストラに出演した指揮者の平均年収は、約650万円です。

オーケストラの給与体系3つ

オーケストラの給与体系には、大きく分けて「完全固定給与制での支払い」「基本給+演奏会の数や時間に応じて歩合を上乗せ」「演奏会や録音などの収入があったときだけ歩合制」の3つの形があります。ここでは、その現状を見ていきます。

オーケストラの給与体系1:完全固定給与制での支払い

日本のプロオーケストラでは完全固定給制が多いです。オーケストラにはさまざまな楽器がありますが、ハープやテューバなど出演回数が少ない楽器でも、正団員であれば基本的に給与は同じになっています。しかし、最近では完全固定給制は非常に減ってきたとされています。

オーケストラの給与体系2:基本給+演奏会の数や時間に応じて歩合を上乗せ

日本のプロオーケストラでは、基本給に演奏会の数や時間に応じた歩合を上乗せするケースもあります。

歩合上乗せ制は、基本給に、年間の演奏会の数、演奏時間を時給換算で計算して、歩合で報酬を上乗せする形です。

それまでの終身雇用制が廃止され、2年契約の有期雇用になり、給与も月額6万円の固定給に加えて演奏会出演ごとの歩合給となったオーケストラもあります。

オーケストラの給与体系3:演奏会や録音などの収入があったときだけ歩合制

この完全歩合制は、基本給もなく、演奏会やスタジオ録音などでオーケストラに収入があったときだけの歩合制です。オーケストラのチケット収入・コンサート収入あるいは録音による収入を歩合制で受取ります。

日本の今のオーケストラの現状を知ろう

オーケストラ団員の年収は、それぞれの実力に応じてどこのオーケストラに入団したかによって違ってきます。また、楽器の購入やメンテナンスなどの経費を考えると、演奏収入だけでは賄えず、音大・音楽教室などで講師をしている方も多いと聞きます。

日本のオーケストラの現状について、ご理解いただけましたでしょうか。狭き門のオーケストラ団員をめざして、日々努力している皆さんのご健闘を祈ります。

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