給与変更を通知するときのポイント5つ|減給を通知する際の注意点3つ

財務・資金

給与変更の通知とは

働き方改革の運用が始まり、雇う側の企業と雇われる側の従業員における現状の温度差が拡大しています。最低賃金が上がることは雇われる側にとっては嬉しいことですが、雇う側にとっては死活問題へと発展しているケースも出始めました。

パート・アルバイトなどの時間給のみならず、固定給である正社員など人件費を抑えるために給与を変更する場合には、従業員に通知が必要になります。

就業規則範囲内であれば同意は不要

労働者の法律で身近なものに労働基準法がありますが、その労働基準法では、雇い入れ時には労働条件の1つである賃金について書面で通知することが定められています。しかし、雇い入れ後の給与改定などのときまで、書面で通知することは求められていません。

本人が知らないうちに勝手に変更しても良いわけではありませんが、就業規則で決められている範囲内での給与変更であれば本人の同意は不要となります。

減給時は細心の注意が必要

通常、就業規則に給与変更の増減について詳細に載せてあることは稀です。就業規則の範囲内での給与変更は昇給などの規定によるベースアップが一般的で、これに同意が必要がないというのは納得できるのではないでしょうか。

一方、減給の場合は、従業員に通知せずに勝手に行ってしまうとトラブルに直結することが多く、就業規則の範囲内としても本当に減給に該当しているのかどうかを含め細心の注意が必要になります。

給与変更を通知するときのポイント5つ

それでは、ここからは、雇う側の立場としての、給与変更を従業員に通知するときのポイントを5つご紹介します。このことは、逆に考えると、雇われる側である従業員が知っておくことで、不当な給与変更に対応できることにつながります。

給与変更時のポイント1:就業規則や賃金規定を変更する

給与変更時のポイントの1つ目は、給与の決め方のルールである就業規則や賃金規定を変更することがあげられます。

従業員が10名以上の企業では必ず就業規則を規定しなけばならず、変更の場合には労働組合がある企業では組合の意見、組合がない企業では労働者の過半数を代表する人の意見を聞く必要があります。

そして、この就業規則を変更した場合には、その意見書を添えて労働基準監督署に届け出る必要があります。

給与変更通知時のポイント2:給料の改定案を作成する

続いて給与変更通知時のポイント2つ目は、給与変更の決め方である給料の改定案を作成する方法があげられます。雇う側である企業は経営が厳しい場合は別として、闇雲に給与変更をしたいわけではなく、成果に見合った給与を支払いたいという思いがあります。

そこで、給与体系を新制度にするなど従業員間のアンバランスを是正すべく給料の改定を行い、減給となる従業員への説明が必要になってきます。

給与変更通知時のポイント3:改定前と改定後の給料詳細を説明する

続いて給与変更時のポイント3つ目は、給与改定の前と給与改定後の給料を比較して給与変更となった詳細を説明することになります。

これは、曖昧にせず確実に違いを通知しておくことが後々のトラブルを回避できます。さらに、その給与変更となった改定理由を通知することも忘れないようにしましょう。

給与変更通知時のポイント4:各社員から同意書をもらう

続いて給与変更通知時のポイント4つ目は、給与変更の対象となる各社員から同意をもらうことです。口頭での同意ではなく書面での同意書をもらいましょう。

使用者側の強要にならないように細心の注意を払った上で十分な通知を行い、社員一人一人から同意書をもらうことが必要になります。この同意がない中で無理やりに給与変更をしてしまうとトラブルに発展してしまいます。

給与変更通知時のポイント5:変更する合意的な理由を開示する

給与変更通知時のポイントの最後は、総合的な内容になりますが、給与変更をする合意的な理由を開示することになります。

最終的な通知では、給与変更内容に業務上の必要性が認められた上で合理的な考え方に則ったものであり、押しつけにならないように合意的な理由であることが重要です。

繰り返しになりますが、その際、十分な説明を行い従業員からの同意を取ったうえで、給与変更の通知を行いましょう。

給与変更で減給を通知する際の注意点3つ

ここからは、実際に給与変更を行った場合で、減給を通知する場合の注意点をご紹介します。従業員にはそれぞれの生活がありますので、減給となる給与変更を行う場合には、相当の理由と適正な通知を行うことが求められます。

減給を通知する際の注意点1:給料を下げる理由を説明する

減給を通知する場合の注意点1つ目は、給料を下げる根拠となる理由を説明することです。何も理由がない場合の減給は、明らかに個人攻撃となってしまう恐れがあります。

明らかに減給となる理由がある場合でも一度の失敗などで判断するのではなく、注意喚起や失敗しないためのアドバイスや配置転換など、対策をしてもなお状況が変わらないときなど、従業員も減給となった理由が理解できることが望ましいです。

減給を通知する際の注意点2:就業規則によって社員の同意を得る必要がある

どのような内容もそうですが、従業員にとって不利になる条件への変更には注意が必要です。特に給与変更による減給は、従業員および家族の生活を脅かす可能性があるため慎重な対応が必須で、減給通知に対する同意を得る必要があります。

これは不利益変更への同意と言われるもので、同時に就業規則も変更しておきましょう。就業規則の変更には同意まで求められてはいませんが、後々のトラブルを回避するためにも同意を得ましょう。

減給を通知する際の注意点3:現状の給与水準を維持する期間を設定する

従業員に減給を説明し同意を得たのであれば、実際に減給となる具体的な時期を通知する必要があります。

いつの給与までが現状の給与で、いつから減給後の給与となるのかを明確にすることになります。会社の都合もあるでしょうが、できる限り現状の給与水準が維持できるように配慮しましょう。

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給与を変更する際の給与計算に必要な項目4つ

ここからは給与を変更する際の給与を計算するにあたり、必要な項目を4つご紹介します。不利益を被った上に、渡された給与が間違っていたとしたら、会社の従業員い溝が深まり、心から納得していなかった従業員から訴訟を起こされる原因にもつながります。

そのような会社にとっても従業員にとってもマイナス要因となるようなことにならないよう、確実な給与計算が行える項目となっています。実際に見ていきましょう。

給与変更する際の給与計算に必要な項目1:就業規則・給与規定の作成

給与を変更する際の給与の計算において必要な項目として、通常、就業規則の別表として付属する給与規定を作成する必要があります。

就業規則の内容は多岐に渡っていますが、その中で賃金に関するものが給与規定で、この規定を元に給与が決定しますので、給与変更のベースとなりますので重要です。

給与変更する際の給与計算に必要な項目2:従業員の詳細情報

給与変更する際の給与計算において、従業員個々の詳細情報が必要になります。これは、給与変更(特に減給者がいる場合)には、他の従業員と比較したときの納得のいく差異を示すことが重要です。

通常は、勤続年数や年齢、その業務の経験年数などが考慮され給与を決定します。このために個々の従業員の状況の詳細がわかると差異を示しやすくなります。

給与変更する際の給与計算に必要な項目3:保険の加入

続いて給与変更する際の給与計算では、パートから社員になることや勤務時間が長くなることにより、法的に決められた保険に加入する必要があります。

保険に加入した場合には、従業員が負担するものや会社が負担するものなどさまざまありますので、忘れずに計上しましょう。

代表的なものに、社会保険や雇用保険や労災保険などがあり、所得額によって金額が変わるものや会社と折半のものや会社が全額負担することになります。

給与変更する際の給与計算に必要な項目4:勤怠管理

最後に給与変更する際の給与計算に必要な項目は、勤怠管理です。この管理を怠るとサービス残業などのブラック企業と化す場合があり、注意が必要です。

法定労働時間を超えた労働には割増賃金が、法定休日に勤務した場合には休日割増賃金が必要となりますので勤怠管理は欠かせません。

給与変更の通知をする際のポイントを知ろう!

給与変更の通知は慎重に行うことが重要ですが、ポイントを押さえて通知することで、通知後のトラブルを回避できます。特に生活に直結する給与を減給する場合には、押さえるべきポイントを必ず外さないことが重要です。

これらポイントを知ることは、会社の立場でも従業員の立場でも重宝すること間違いなしです。

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