研修による出張は日当が出るのか?
会社で仕事をしていると、研修という形で出張に行かなければいけないことがあります。研修と言うのは基本的に勉強をする機会ですので、こちらが授業料を払わなければいけないと考えている会社の社長もいますが、会社の命令であれば日当を支給しなければいけません。
では、研修による出張の場合、会社は従業員に対してどれくらいの日当を払わなければいけないのでしょうか。これから順番に説明していきます。
日当は人件費ではなく営業費
研修にかかる日当は、人件費ではなく営業費にあたります。人件費とは、その会社で規定時間拘束されて支給される時間給や月給などのスタイルがありますが、早い話が支給される給与です。
営業費とは、その会社の商品などを知ってもらうための営業活動をするための費用です。人件費は個人個人の扱いになりますが、営業費は誰と決まっているわけではありません。そのため、絶対的な拘束力はありませんし断ることも可能です。
研修への日当支給は「労働時間」かどうかがポイント
研修への日当支給は、その研修が労働時間に相当するかどうかがポイントになります。例えば、研修だからと言って会社になんの連絡も入れずにサボってしまえば当然ですが日当支給はありません。
逆に会社に出勤して、その日に研修に行くように言われた場合は、移動する時間も労働時間に該当する場合があります。このように研修の日当支給は条件により変わってきます。
労働時間と認められる場合とは?
研修で日当が支給される労働時間と認められるのは、どのような場合なのでしょうか。こちらでは研修が労働時間と認められ日当が支給される条件についていくつかご紹介させていただきます。
会社によっては研修で日当を支給しない場合もありますが、労働時間になっている場合は正当な権利となりますので会社に交渉してみましょう。研修が日当支給になるかどうかの判断が難しい場合には、労働基準監督署に相談してみましょう。
会社の指揮命令で行うもの
研修を会社の指揮命令で行う事があります。入社して間もない新入社員が行う新人研修の合宿などがこれにあたります。会社の命令で行くのですから、基本的にすべて会社持ちです。
また、管理職の研修などで現地の飲食店を視察する場合、食事代も日当として支給される場合もあります。会社の指揮命令で行う研修は、どのような内容で支給金額も会社によって違いますが日当が支給されます。
参加が強制されるもの
会社から任意の研修を受けた場合、これは個人で申し込んだものとみなされますので日当は支給されません。しかし、会社の命令で断ることができない研修は日当が支給されます。
特に普通休日に参加が強制された研修の場合は、日当だけではなく休日出勤手当をもらえる可能性もありますので、会社側と確認しておきましょう。
一定の場所に一定の時間拘束されるもの
研修というものは講師が来て勉強会をするものだけではありません。どこかの場所で、一定の時間拘束されるものも研修にあたります。特に労働時間と同じくらい拘束された場合は、研修出張ということになりますので日当が支給されます。
グループ会社で他の店舗などにヘルプで訪問した際、日当はおろか交通費も出ないという場合がありますが、それは就業規則によっても違ってきますので確認しておきましょう。
会社が日当を支給するときの注意点4つ
研修を受ければ日当が支給されるというのは働く側からすれば嬉しい事ですが、会社側としては注意しなければいけないことがいくつかあります。こちらでは、会社が研修で日当を支給する際に気を付けなければいけない事を4つ説明させていただきます。
日当を支給するときの注意点1:規定をあらかじめ作成しておく
会社が研修で日当を支給する際の注意点の1つ目は、どういった条件で支給するのかという規定をあらかじめ作成しておく必要があります。
会社には新人もいればベテランもいます。研修内容も初心者向けのものから、将来の役職に向けたものまであります。すべて一律金額の日当であれば内容によっては不満が出る事もあります。そうならないために、あらかじめ支給の規定を作っておきます。
日当を支給するときの注意点2:日当の金額は高すぎないこと
日当を支給する時の注意点の2つ目は、支払う日当の金額を高すぎないようにすることです。これは日当目当てで研修を受けるスタッフを出さないようにするためです。
日当が高すぎると、余ったお金で遊びに行ったり自分のために使う人が出てくることがあります。研修はあくまでも勉強ですので、勉強したことを会社で生かさなければ意味がありませんし無駄遣いになってしまいます。
日当を支給するときの注意点3:出張の記録を取っておく
日当を支給する時の注意点の3つ目は、出張や研修に行った際は記録として残しておくことです。これは研修に行ったスタッフの報告書と言う形でも良いですし、経理担当者が記録していてもかまいません。
最終的に誰がどのくらいの金額を研修で使用したのかがわかれば、次に同じ研修を受ける人の参考になりますし、会社としてどれだけ使ったのかという経費の計算にも役立ちます。
日当を支給するときの注意点4:支給は継続して行う
日当を支給するときの注意点の4つ目は、一度研修や出張で日当を支給した場合、会社の経営状況などもありますが継続して行うようにしましょう。
ある年の新入社員は研修に出たら日当が支給されたけれど、別の年の新入社員の研修は何もなかったということがあれば、モチベーションが下がってしまいます。特に古い社員に日当が支給されなかったのに新入社員に支給されると不満で辞める人が出てくる場合もあります。
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日当の計算方法
研修で支給される日当ですが、実際にはどのように計算すれば良いのでしょうか。一般的に研修を受ける人は、その会社の正社員であることが多いですので、通常の給与にその日の時間内の食事代と研修手当として寸志が加えられた金額であることが多いです。
また、授業料などが発生する研修の場合、参加したスタッフが立て替えておき、後で清算と言う形で戻ってくる場合はプラスマイナスゼロですので日当ではありません。
旅費の精算方法
研修の際の旅費は、あらかじめ会社からチケットなど必要なものが支給されるのが一般的です。宿泊先のホテルなども会社が手配している場合がほとんどです。
研修を受けるスタッフは、必要な荷物のみを持って行けば良いですが、食事代や洋服代などは支給されないことがほとんどですので自前で準備します。研修内容によっては食事代から研修に必要な洋服代まですべて支給してくれる会社もありますので事前確認をしておきましょう。
交通費の精算方法
交通費は会社によっても違いますが、その日にかかった分を立て替えておき後日清算する場合とあらかじめ乗車チケットを支給される場合があります。
乗車チケットの場合は、ワンランク上の車両に乗る際に自腹を切らなければいけないこともありますので会社に確認しておきましょう。
経理での処理について
経理での処理は、基本的に経理部門に領収書を提出します。この際、研修先で行った場所では必ず会社の名前で領収書をもらうようにしておきましょう。研修内容によっては、研修の経費ということで認められる場合があります。
チケット制の交通費の場合は、直接チケットを渡されますので領収書は必要ありませんが、ワンランク上の席にして自腹を切った場合には領収書をもらっておきましょう。
研修による日当は会社全体で周知することが重要
研修による日当は、会社によっては不公平感があるものもあります。しかし、研修を受けられるという事は、勉強をさせてもらって日当がもらえるのですからキャリアアップできることに感謝しましょう。
基本的に研修を受けて日当がもらえるというシステムは、その会社が社員教育に力を入れているという事でもあります。研修を受ける受けさせる日当をもらうもらわないというのではなく、会社そのものの成長という観点をもちませんか。