倒産のしくみ
会社を経営していくことは簡単ではありません。もし、会社経営をしていて経営不振に陥ったら、最終的には倒産の道を選びます。実際に倒産はどれ位の件数があるのでしょうか。
全国企業の倒産件数
負債額1000万円以上で倒産した企業は、2019年5月度で695件です。ここ数カ月の倒産件数は減少傾向にあります。件数は少なくなってきていますが、負債総額が増えており、前年の5月と比べると30億6600万円増になっています。
倒産する企業の中には人手不足関連が増えています。求人が難しく倒産を選択した企業も存在します。人手不足による倒産件数はこれから増加していくと考えられるでしょう。
利益があっても倒産する!
企業の経営が赤字続きであっても経営を続けていければ倒産はしません。反対に黒字経営だと利益が出ている状態なので、安心できそうに感じますが支払い不能に陥ることがあります。
それは、企業によっては現金取引をしていないケースがあり、売掛金や買掛金によって処理しています。
このような掛け取引をしている企業は黒字倒産する可能性があります。仕入れから回収するまでの間を繋ぐ資金を潤沢にすることで黒字倒産は防げます。
倒産の2つの種類
倒産の種類には2つに分けることができます。事業を清算するか再建するか、裁判所を通した法的手続きをするかによって種類が異なります。再建型の種類には、債権者を巻き込んで進める「民事再生」と裁判所を利用しない方法があります。
清算型の手続きには「破産手続き」と「特別清算手続き」があります。一般的に倒産をイメージした時は清算型の方を思い出すでしょう。それぞれの種類について詳しく解説します。
倒産の種類1:清算型
会社をたたむ種類にはいくつかあります。会社法には解散や清算と言う手続きが定められていますが、それぞれ決定するには段取りを踏むことになります。債務超過によって会社をたたむとき、「破産」ともうひとつの種類「特別清算」があります。
それぞれの種類はどのようなやり方になるのか調べてみましょう。
破産
倒産の種類に破産があります。破産手続きが認められる時は、「支払い不能」と判断された場合です。支払い不能と認められるには、信用などを駆使しても支払いを継続的に行えない場合です。つまり、資金繰りが尽きた状態です。
破産法では取引先のリスクを最小限に抑えるため支払う不能になる前の段階にあたる債務超過の段階で破産手続きが行えます。取引先などの迷惑を最小限にするためにも早めに対応をしましょう。
特別清算
特別清算の種類は、株式会社を解散した上で清算人が処理する方法です。特別清算を行うには、株主の協力など条件が揃うことで実行できます。債務超過の状態で倒産をする場合は、破産の方法を選択する事が多いでしょう。
清算型の種類を選んだ場合でも、赤字続きの事業だけを切り離して譲渡し事業を存続させるケースもあります。どの種類を選ぶことがベストなのか考えて、決断を下すことになります。
倒産の種類2:再建型
倒産には再建して新たにスタートする種類もあります。再建型には「民事再生」「と「会社再生(更生)」があります。会社再生の場合は、株式会社のみを対象にしていますが、民事再生法人や個人問わず利用できます。
それぞれメリットやデメリットがありますから、よく比較して会社にとってベストな方法を選択しましょう。「会社再生」と「民事再生」の種類について解説します。
会社再生
会社再生法とは、経営破綻した会社を倒産させることなく事業を継続しながら再建する方法です。株式会社の再建手続きで選ばれることが多い種類です。大企業の再建方法として利用されることが多いでしょう。
少し前になりますが、日本航空が経営危機に陥った時、会社再生法を適用して再建しました。会社再生法を利用するには条件があります。適用されると専任の更生管財人が調査を行い、再建への道を探します。
民事再生
民事再生をする時は、民事再生法に基づき裁判手続きをします。経営する事が困難になった企業は、減経営者が支合をして会社債権者などの利害関係者の同意をもとに再生事業を策定します。
民事再生手続きを利用すると、無担保債権者の権利のみを制約します。再生計画は無担保債権だけをカットする事ができます。民事再生法と比べると手続きの効力が弱いですが、金額が少ないケースでは迅速に行えるメリットがあります。
倒産した際の手続き方法2つ
会社を倒産させると決める時、どのような種類を選択するか悩みます。倒産する時はまず「私的整理」か「法的整理」のどちらを選ぶか決めます。
どちらの種類も良い点と悪い点があります。会社の規模や状況にあわせて選択すると良いでしょう。専門家の意見もしっかり聞いて決定します。それぞれの特徴について調べてみましょう。
倒産した際の手続き方法1:私的整理
倒産を決断した時、破産法などの法的手段を利用しない方法を「私的整理」と言います。この種類の倒産は、債権者と債務者の合意によって債権や債務を処理する手続きを進めて行きます。
裁判所は介在しませんから、弁護士や司法書士を介して話し合いが行われます。法人の場合は、事業の継続をする再建型の手続きと会社を解体する清算型の種類に分けられます。比較的安価に倒産ができますが、悪質な整理屋に介入されないようにしましょう。
倒産した際の手続き方法2:法的整理
法的整理の倒産は、裁判所の管理下で債務整理をします。引き続き事業を継続を目指す会社更生法や民事再生法、清算する破産や特別清算があります。法的整理の種類は、法律で定められたルールに基づいて話し合いがされるため、不正が入り込みにくく債権者に対して公平に判断されるメリットがあります。
しかし、手続きがとても複雑で時間が費用がかかります。倒産を公表する事になり倒産企業として広く知られてしまう事にもなります。
自己破産のメリットとデメリット
倒産の種類に「破産」があります。倒産する時、事業を殊る要する清算型と再生型があります。事業を生産して終わらせる種類に「破産」があります。最も一般的な倒産方法なので、破産について知っておくと良いでしょう。
また、社長個人が会社の債務の連帯保証人になっている場合、倒産後は自己破産する事も避けられないケースがあります。今回は連帯保証人になってしまい自己破産する場合のメリットデメリットについて考えてみましょう。
自己破産のメリット
会社が自己破産すると、会社は清算されて法人格は消滅します。全ての負債は消滅するので、経営者は毎月の支払から解放され再出発の準備ができます。会社が多くの負債を負う場合でも会社破産と同時に個人の破産手続きを行う事で経営者個人も負債を免れることができます。
きちんと破産手続きをすることで、債権者は適切な処理を行うことができるようになり、不要な迷惑を押さえる事ができます。
自己破産のデメリット
会社破産の種類を選ぶと、本来支払うべき債務を支払わず会社を消滅させることになるので、会社や経営者の社会的信用が落ちてしまいます。会社の財産や連帯保証人になっている事で経営者個人が自己破産した場合は、必要最低限の物を除いて失う事になります。
財産を守りたいと考えて、法的清算を先送りしてしまうと債権者や従業員などへの被害を拡大する事になります。築いた財産は無くすことになりますが、再び信頼を築く一歩になるでしょう。
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本から学べる!倒産対策におすすめの本5選
安定している大企業でも上層部の判断を間違えると経営は失敗します。倒産するとは思わなった企業が倒産へ追い込まれています。ノンフェクションで書かれている倒産本はリアリティがあります。経営の参考にしたい人はぜひ読んでみてください。
倒産対策におすすめの本1:なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則
発売1カ月で3万部を超えるベストセラーになった倒産本です。倒産した23社の失敗事例が紹介されています。どの企業も110~100年の歴史があり年商も10億から100億ありました。順調に成長していた企業がなぜ倒産するのでしょうか。
一社あたりの内容はコンパクトにまとめられており、読みやすい構成になっています。実例から失敗パターンを学び、仕事や経営に活かせる一冊です。
倒産対策におすすめの本2:倒産寸前から25の修羅場を乗り切った社長の全ノウハウ
メインバンクから見放された、倒産寸前だった企業が再生していく様子が紹介されています。
経営者の考え方や覚悟を持った経営で会社はプラス成長に転じて行きます。信頼していた人から裏切られ、証券を損失してまで諦めなかったことは何か。ある企業の社長が書いたサクセスストリーです。
実際に同じような行動をできるかは疑問ですが、役に立つ一冊でしょう。経営に悩んでいる人や企業で幹部として働いている人たちにおすすめです。
倒産対策におすすめの本3:倒産前夜の経営者が再起するたった一つの方法
売り上げ不振や人材不足に悩んだ結果、思い浮かんだのが倒産です。しかし、従業員や個人資産を手放すわけにはいかない。思いついたのが「第二会社方式」による再生法です。旧会社から新し会社へ移管する事で立て直す、思い切った行動を解説しています。
人は窮地に立った時、どのような方法で再生していくのか、役立つ打開策が満載です。倒産から這い上がった再起する方法を学べる本です。
倒産対策におすすめの本4:巨大倒産 「絶対潰れない会社」を潰した社長たち
そごう、ミサワホーム、セゾングループなど誰もが知っている大企業は潰れない会社といわれていました。しかし、倒産や解体へ追い込まれていきます。有数の判断を間違えると企業はどのようになっていくのか書き綴られています。
引きつけられるような内容でサクサク読める倒産本です。過去に起った倒産の事実を詳しく知ることで、これからの企業変化にいち早く気付くことができるでしょう。
倒産対策におすすめの本5:あの天才がなぜ転落 伝説の12人に学ぶ「失敗の本質」
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人は選択ミスをすると失敗します。もし、天才たちが成功への道を選んでいたらどうなっていたのか、そんな視点で読むとまた違った感想が生まれるでしょう。
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倒産しないために万全な対策をとろう
会社を経営していると責任があります。経営が上手くいかなくても倒産だけは避けたいと考えるでしょう。しかし、多くの従業員やスポンサーなど会社経営を支える人たちの事を考えると、倒産のタイミングは失敗できません。
何度も倒産を繰り返しなれている人は少ないです。専門家の意見を良く聞き相談をして倒産を決定しましょう。