ROEとROAとは?相違点3つと組み合わせパターン4つについて解説

財務・資金

決算資料で見かけるROEとROAとは

ROEは自己資本利益率、ROAは総資産利益率のことです。決算資料で見かけるROEとROAは、企業がどれだけ利益を生み出したかを表す指標ですが、基準となる項目が異なります。

自己資産を使って利益をどのくらい出したかという割合をROEは表していて、ROAは総資産を使って利益をどのくらい出したかという割合を表しています。

ROEとは

ROEとは、自己資本利益率のことです。ROEとはReturn on Equityといって、自己資本利益率のことです。企業がどのくらい効率よく自己資本を運用して、利益を生み出したのかを表す指標がROEです。

指標となるROEが高い会社は、自社が投資したお金を使って効率よく利益を生み出していると考えられます。ROEの目安として、一般的には10~20%程度が優良企業と判断できるといわれています。

ROAとは

ROAとは、総資産利益率のことです。ROAとは、Return On Assetといって、総資産利益率のことです。企業が総資産を運用して、利益を生み出しているかを表す指標がROAです。

指標となるROAが高い会社は、総資産を運用して効率よく利益を生み出していると考えられます。ROAの目安として、一般的には5%を超えていると優良企業と判断できるといわれています。

ROEとROAの相違点3つ

ROEとROAには、相違点が3つあります。ROEとROAはどちらも利益率を表す指標ですが、大きな相違点が3つあります。資産の違いや利益の違い、財務レバレッジの有無など、ROEとROAの相違点についてくわしくご説明します。

ROEとROAの相違点1:資産の違い

ROEは純資産、ROAは総資産を使って生み出した利益を表す指標です。

ROEの計算式は以下です。
ROE=当期純利益÷純資産

ROAの計算式は以下です。
ROA=当期純利益÷総資産

ROEは分母が純資産で、ROAは分母が総資産です。

ROEは出資された資産をもとに利益を生み出しているため、異業種でも比較基準になります。ROAは総資産に対しての利益率のため、異業種間を比較する基準には適していません。

ROEとROAの相違点2:利益の違い

ROEは純資産を使って利益を生み出していて、ROAは総資産を使って利益を生み出しています。ROEもROAも利益率を表す指標です。しかし、計算の基準となっている分母がROEの場合は純資産、ROAの場合は総資産という違いがあります。

ROEやROAは利益率を表す指標ですが、自己資本の金額の違いや、借入金による負債によって、会社の利益は大きく異なります。

ROEとROAの相違点3:財務レバレッジの有無

財務レバレッジとは、負債の活用によって収益性を高めることです。財務レバレッジとは、負債をどのくらい有効活用しているかを示す指標です。財務レバレッジの倍率が高くなると、負債が大きくなっていると判断できます。

ROEの計算式は、分解することができます。
ROE=売上高純利益率×総資産回転率×財務レバレッジ

ROEは上記のような計算方法に分解することができる点が、ROAとは異なります。

ROEとROAの組み合わせパターン4つ

ROEとROAは企業の利益率や経営について判断する指標です。ROEが高い場合と低い場合、ROAが高い場合と低い場合、それぞれを組み合わせると4つのパターンが考えられます。ROEとROAはの4つの組み合わせパターンによる、それぞれのポイントをご説明します。

ROEとROAの組み合わせパターン1:ROEが高くROAも高い会社

ROEが高くROAも高い会社は、収益性が高い会社です。ROEが高くROAも高い会社は、収益性が高く財務レバレッジも有効に活用している会社だと考えられます。事業資金を多く必要としない業種の場合は、ROEとROAがともに高くなる傾向にあります。

ROEとROAの組み合わせパターン2:ROEが高くROAは低い会社

ROEが高くROAは低い会社は、効率よく収益をあげていますが、負債も大きい会社です。ROEが高いため、効率よく収益を上げていると考えられます。

しかし、ROAが低いということは、負債が大きいことが挙げられます。ROAが低い原因として、設備投資や借入金などの負債が大きい可能性があります。

ROEとROAの組み合わせパターン3:ROEが低くROAは高い会社

ROEが低くROAが高い会社は、借金などの負債はないけれど、資金を有効に活用できていない会社です。ROEが低い場合には、資金を活用して利益を得ることができていない可能性があります。しかし、ROAが高いため、借入金などの負債は少ないと考えられます。

ROEとROAの組み合わせパターン4:ROEが低くROAも低い会社

ROEが低くてROAも低い会社は、資金の有効活用が困難で、資産と使った収益性も低い会社です。ROEが低いため、資金を有効に活用して利益をあげられていないと考えられます。また、ROAが低いことは、多くの商品を大量に販売して利益を上げている会社の可能性があります。

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ROEとROAで異なる改善方法

ROEとROAは利益率を表す指標ですが、改善方法も異なります。ROEとROAの改善方法は、どちらも当期純利益を上げることは共通しています。しかし、ROEは純資産を、ROAは総資産を減らすことでも、ROEやROAを改善することができます。

ROEを改善する方法

ROEを改善する方法は、収益性・効率性・財務レバレッジを高めることです。ROEの計算式である、分子の部分の当期純利益を上げるか、分母にあたる部分の純資産を下げる方法があります。

当期純利益を上げることを優先するのが、望ましいと考えられています。しかし、自社株買いなどを行って純資産を減らす方法は、早くROEを高めるためには有効です。

ROAを改善する方法

ROAを改善する方法は、当期純利益を上げる・総資産を減らすことです。ROAの計算式である、分子の部分の当期純利益を上げるか、分母にあたる部分の総資産を減らすことで、ROAを改善できます。

当期純利益を上げることを優先するのが、望ましいと考えられています。また、現在持っている総資産を見直して減らす方法も、ROAを改善するためには有効だと考えられています。

ROEやROAを活用した経営を心掛けよう

決算資料で見かけるROEとROAは、企業がどれだけ利益を生み出したかを表す指標です。ROEは自己資本利益率、ROAは総資産利益率のことです。

ROEとROAの相違点を理解して、企業の利益や経営について判断するための指標として利用しましょう。また、ROEとROAを指標として活用し、より安定した経営を心掛けましょう。

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