黒字倒産を防ぐキャッシュフロー改善策4つ|メカニズムを学ぼう

財務・資金

キャッシュフローとは何か

キャッシュフローとは現金収支の流れのことです。会社の利益を知ることができる損益計算書とは違い、キャッシュフローは「現金の収支」のみを表します。

損益計算書が、売掛金などのまだ手元にない収入も記載するのに対して、キャッシュフローは手元に入ってきた、今現在持っている現金がどのくらいあるのかを示します。

キャッシュフローを考える上で大切なこと

企業の経営でも家計でもお金のやりくりは、非常に大切なことです。手元にあるお金をしっかりと把握し、使えるお金を管理しなければ家計も企業経営も成り立ちません。

キャッシュフローからはお金の流れ、すなわち「手元に残るお金」がわかります。キャッシュフローを考える上で大切なことは、常にキャッシュフローの数字を意識して事業を進めることです。

意識することで経費にかけられる金額をしっかりと理解できます。

黒字倒産のメカニズム

企業の売り上げは順調で利益も上がっているのに倒産する事例を黒字倒産と言います。黒字倒産の原因は、「現金が足りないこと」です。

例えば手元に100万円しかない、でも売掛金として200万円あるという状況があります。売掛金は月末に入金です。しかし、15日に150万円の支払いがあった場合、50万円現金が足りずに倒産してしまう、というのが黒字倒産のメカニズムです。

黒字倒産を防ぐキャッシュフロー改善策4つ

キャッシュフローをきちん把握することで黒字倒産は防ぐことができます。黒字倒産は現金が足りない場合に起きるので手元に現金がどのくらいあるのか、キャッシュフローを常に意識する必要があります。

ここでは黒字倒産を防ぐ4つの改善策をご紹介します。

黒字倒産を防ぐキャッシュフロー改善策1:売掛金を削減する

黒字倒産を防ぐ手立てとして、売り上げを早めに回収することが最も重要です。企業間では売掛金にて取引を行うことが多いですが、売掛金を回収するには時間がかかります。

この売掛金を回収するタイムラグが黒字倒産を引き起こす場合があります。

売掛金は将来的には現金化されますが、手元にはすぐに入らないお金です。売掛金が少なくなればキャッシュフローは増えます。黒字倒産を防ぐには売り上げを早期に回収する必要があります。

現金小売にする

売掛金を削減する方法として、現金小売にする方法が一番簡単な方法です。現金小売とは現金取引のことで、売り上げの回収がその場ですぐに終わります。

もちろん金額が大きくなると難しい方法です。しかし、小売の場合には有効な手段の一つでしょう。

手形での支払いは手形期日まで支払いが伸びるため注意が必要です。もちろん手形の割引など現金化する手段はありますが、割引料がかかります。

前受金を払ってもらう

前受金とはいわゆる「手付金」のことです。商品を納入する前に、代金の一部もしくは全額を受領する場合にこの勘定科目を用います。

前受金は「負債勘定」に計上されますが、商品やサービスを提供する前に現金を受け取れるため、最も早く売り上げを回収する方法です。

途中支払いの契約をする

契約から商品引き渡しまで時間を有する場合があります。そのような場合には、契約が終了しても現金は手元に入ってきません。制作系の現場などではよくある事例です。商品はできていなくとも、人件費や電気料、原材料費などの経費は作業中も発生します。

契約から支払いが完了するまでの期間が長い場合には、契約段階で工期途中の中間金の支払いを明記したり、前受金などを支払ってもらうことで売り上げ金を早く回収できます。

黒字倒産を防ぐキャッシュフロー改善策2:買掛金を増加させる

買掛金を増やすこともキャッシュフローを増やすことにつながります。買掛金は「将来支払わなければいけないお金」です。支払いを延ばすことで手元に現金が残り資金繰りも安定します。

支払い期日を延ばす方法は、買掛金の他にも、期日の長い支払手形を発行するという方法もあります。しかし、この方法を取るためには、取引先との交渉することが必須です。

仕入れた商品を販売した代金で仕入れ代金を払うことが理想的です。

黒字倒産を防ぐキャッシュフロー改善策3:回収と支払いのバランスを調整する

売り上げの回収と支払いのタイミングのバランスも、黒字倒産を防ぐキャッシュフローを改善するために必要です。売り上げの回収期限と仕入れの支払い期限が良いバランスで行われると資金繰りは安定します。

バランスを取るためには回収ルールの策定し、支払い期限もある程度統一させることが重要です。支払い期日を伸ばして、売り上げ代金で仕入れ代金を支払うようにするだけでキャッシュフローは改善されるでしょう。

黒字倒産を防ぐキャッシュフロー改善策4:キャッシュを増やす

現金を増やすことは黒字倒産を防ぐために有効です。キャシュフローはお金の流れを表すものですので、現金を増やせば自ずとキャッシュフローは改善されます。

黒字倒産は資金が不足することで起こります。運転資金は流れが悪くなると資金ぐりの悪化から倒産につながります。

在庫を削減する

在庫を削減することは現金を増やすことに非常に有効な手段です。在庫を持つということは支払いしなければならないのに、収入がないことと同じことです。

特に不良在庫はそれを持つだけでも負債になります。不良在庫を持つことで、余分なスペースを取られる他、保管料や維持管理料も発生する可能性もあります。

資金調達をする

資金を調達することは企業活動において重要なことの一つです。資金がなければ仕入れはもとより営業もできません。資金は、銀行から融資を受けたり、株式を発行しそれを売ることにより調達することもできます。

銀行からの借り入れは一時的には元手は増えますが、それに伴い支払利息の発生や返済による支払金の増加などが発生するので、そのことを念頭において融資などを検討しましょう。

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フリーキャッシュフローとは

フリーキャッシュフローは自由に使える現金がどれだけあるかを示しています。会社が事業を行い、事業維持のため経費を差し引いたものがフリーキャッシュフローに当たります。

フリーキャッシュフローが多ければ黒字倒産には陥ることはありません。フリーキャッシュフローが多いということは余剰資金が多いということで、事業拡大のための投資や株式の配当金などに充てることができます。

フリーキャッシュフローが多いと経営状態は良好

フリーキャッシュフローが多いということは余剰資金が多いということで経営状態が良好であるということを表しています。フリーキャッシュフローが多いと黒字経営には陥りません。

また、フリーキャッシュフローは会社の価値を表します。自己資本が多く、銀行融資に頼ることのない投資ができます。自己資本で企業活動を支えられるため、財務の健全性が上がります。

黒字倒産を防ぐキャッシュフローを実施しよう

黒字倒産は現金が手元にないために起こる企業の終わりです。キャッシュフローさえきちんと把握していれば防ぐことができる黒字倒産は、企業のずさんな経営状態を表すと言っても過言ではないでしょう。

会計上の損益は非常に大切ですが、現金の流れがわかるキャッシュフローも同じくらい考慮する必要があります。キャッシュフローを把握していれば、現金が不足することで起こる黒字倒産を防ぐことができます。

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