福利厚生の現状
福利厚生の現状は、社会そして働き方に応じて大きく変わりました。ユニークな福利厚生も増えており、さらに福利厚生をアピールポイントとして活用している企業もあります。
しかし、社会保険料などの法定福利費が増加しているため、福利厚生を削減する企業も増えています。厳しい環境のなかでも、従業員のニーズに応えた福利厚生を充実させることが、企業にとっての付加価値となります。
財形貯蓄制度とは?
財形貯蓄制度は、企業が導入する福利厚生の1つです。企業が毎月の給与から一定額を金融機関に送金をする、会社を通じて貯蓄を行うことが目的です。財形貯蓄制度を利用するのは任意なので、必ず利用しなければいけないということではありません。
個人で財形貯蓄制度を利用することはできないので、勤務している会社で財形貯蓄制度を導入しているかを確認する必要があります。
一般財形貯蓄
一般財形貯蓄とは、使用する目的が設定されていない制度です。車の購入や結婚、旅行での活用、また入院や大きな病気をした際の出費など幅広く自由に使うことができます。
目的が限られていないので、とりあえず貯蓄したいという場合に有効です。積立期間は原則3年以上で、1年経てばいつでも好きな時に払い出せます。貯蓄の習慣をつけるためにも若い世代からスタートすることがおすすめです。
財形住宅貯蓄
財形住宅貯蓄は、自身が住む家の購入やリフォームにかかる資金を貯めることが目的の貯蓄です。そのため、原則としてそれ以外の用途では利用できません。将来マイホームを持つのが夢で、そのために資金を確実に貯めたいという方に向いています。
結婚出産・マイホーム取得に備え、最も貯蓄に力を入れることができるので、中堅世代におすすめです。
財形年金貯蓄
60歳以降年金として受け取ることを目的としています。資金用途は年金と決まっています。住宅財形貯蓄と合わせて元利合計550万円(生命保険・損害保険等については元本385万円)まで利子等に税金がかかりません。
老後の生活費の月平均は20万円ほどと言われています。国からの年金だけで生活費を賄うことは難しくなりました。早くから始めるも良し、老後の資金形成について具体的に考えている世代にもおすすめです。
財形貯蓄制度のメリット5つ
ここからは、財形貯蓄制度のメリットを5つ紹介します。財形貯蓄という名前は聞いたことあるけど、具体的なメリットを知らない方も多いでしょう。
先ほど説明したように財形貯蓄制度は自由に使えるものもあれば、目的に応じて決まっているものもあります。目的を持つことで明確に貯蓄ができたり、さらには税制優遇を受けることもできます。それぞれのメリットを知り、財形貯蓄制度の理解を深めてください。
財形貯蓄制度のメリット1:給与から天引き
現在、多くの企業で税金や社会保険料は毎月の給与から天引きで支払われています。天引きだからこそ支払いがしやすく、1年分まとめて支払うとなれば大変です。財形貯蓄制度もこの良さを利用して、知らず知らずのうちにお金が貯まる方法として採用されています。
財産づくりは短期間には実現しません。時間を味方につけて長期間貯蓄できることが魅力です。企業側もコストをかけず、社内融資制度を図ることができます。
財形貯蓄制度のメリット2:住宅ローンの融資が利用できる
財形貯蓄制度(一般・住宅・年金のいずれか)に加入していれば利用できる融資制度、いわゆる財形住宅融資があります。住宅の新築、マンション購入やリフォームなどに融資が受けられます。
財形貯蓄制度を1年以上継続しており、融資申込み日の残高が50万円以上あれば低利な財形住宅融資を受けることができます。そして、融資金額は財形貯蓄残高の10倍以内、最高4000万円までです。
財形貯蓄制度のメリット3:税的優遇措置
一般財形貯蓄は、利子に20.315%能力分離課税が課せられますが、住宅・年金財形は伏せて550万円まで利息が非課税となる税の優遇措置があります。ただし、途中解約や払い出しなどの要件違反があると追加徴税されます。
非課税枠は住宅・年金財形それぞれにあるわけでなく、預入金と利息トータル550万円となります。また、福利厚生で奨励金を受けられる企業もあります。企業側も社員の財産づくりを協力することができます。
財形貯蓄制度のメリット4:目的によって貯蓄を分けられる
住宅財形と年金財形はあらかじめ目的が決まっており引き出すのも手間がかかるので、引き出す頻度が低くなり結果的に貯まる仕組みとなります。
自分で管理するのが難しい、煩わしいという方にはあらかじめ目的が決まっている方が貯蓄をしやすいです。自分で口座を分けて○○用と貯蓄を分けるのは手間になります。財形貯蓄制度を使えば、給与から天引きして自動的に積み立てていくのでストレス無く貯蓄ができます。
財形貯蓄制度のメリット5:転職しても継続できる
財形貯蓄制度は、一度退職し転職した際も継続することができます。退職時には財形貯蓄制度を解約してしまう人が多いですが、もったいないです。
退職後、2年以内に再就職をし再就職先の会社に財形貯蓄制度があれば、継続することができます。この場合、再就職先での手続きが必要となるため財形貯蓄制度を導入していない企業の場合は継続ができず、解約せざるを得ないので注意が必要です。
財政制貯蓄制度の知っておくべきこと3つ
ここでは、財形貯蓄制度のポイントを3つご紹介します。財形貯蓄制度を使いたいけど今勤めている会社に制度はあるのか、今からでも活用できるのかなど確認しておきたいポイントがあります。
今後転職を考えている方も参考にしてみてください。注意してほしい点もあるのでそちらも説明していきます。
財政制貯蓄制度の知っておくべきこと1:求人を確認しておく
財形貯蓄制度はどこでも使える制度ではありません。従業員の資金づくりの支援を目的とした福利厚生の一つです。厚生労働省の勤労者財産形成促進法に基づき導入されています。
就職・転職する際に財形貯蓄制度が導入されている求人であるかを確認する必要があります。転職の際、仮に今の会社で財形貯蓄制度を使い貯蓄していても、転職先で制度が導入していなければ解約をしなければいけません。しっかりと求人を確認しましょう。
財政制貯蓄制度の知っておくべきこと2:契約時の年齢が関係する
一般財形貯蓄は年齢制限がありませんが、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄の契約年齢は満55歳未満です。なぜならば、財形貯蓄制度は長期の貯蓄を目的としており、仮に定年間近に契約をしてもメリットはあまり得られません。
職業の種類や雇用の形態に関わらず事業主に雇用されていれば利用することができます。アルバイトやパートタイマーも長期の雇用が認められていれば利用できます。
財政制貯蓄制度の知っておくべきこと3:退職後2年以内に手続きが必要
財形貯蓄制度を継続したい場合は退職後、2年以内に制度を導入している企業へ再就職をし諸手続きをすれば継続することができます。
転職先がすぐに見つからなくても2年以内であれば、元の金融機関に保管しておくことができます。2年以内に再開できない場合は非課税の優遇措置が無くなり、課税扱いとなります。転職をする際にも退職をする際にも注意が必要です。
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財形貯蓄制度のメリットは?
自分でお金を貯める場合、一つの口座に貯めていくことが多いでしょう。欲しいものがあったり急な出費の際もその口座から引き出します。その結果、目的が曖昧になる可能性があります。
マイホーム購入のため、結婚資金のためなど自分では目的があっても預金口座にあり、簡単に引き出せれば使ってしまうことが多いです。財形貯蓄制度は、目的別に貯蓄ができることや税制優遇など多くのメリットがあります。
福利厚生を整えるメリット4つ
福利厚生の充実は企業の評価項目の一つです。就職・転職する際の決め手にもなります。
働き方の多様化やライフスタイルの変化など世の中は大きく変わっています。仕事と家庭の両立、自分の時間を確保したいなどワークライフバランスの実現をしやすい企業で働きたいと考えている人も多いです。
福利厚生の在り方が変わっている現在、整えるメリット4つを紹介します。
福利厚生を整えるメリット1:従業員満足
福利厚生を整えれば従業員満足度も向上します。福利厚生は従業員本人と家族の生活をサポートするしくみなので、会社が自分や家族のことを考えてくれているということが安心感、満足度に繋がります。
職場風土の改善や、女性社員の継続就業支援などの福利厚生が整備されておれば、従業員も働きやすく長く働きたいという気持ちになります。満足度が向上すれば離職率も低下し、従業員のモチベーションもアップします。
福利厚生を整えるメリット2:社外評価アップ
福利厚生が充実すれば、社外からの評価も受けられます。社員満足度にも関係しますが、社員のモチベーションアップが業績の向上につながり、さらに離職率の低下により職場定着率が上昇すれば社会から評価されるでしょう。
福利厚生を整備することで従業員を大切にする企業としてみられます。また、ユニークな福利厚生制度を導入することで企業が話題となりアピールにつなげることもできます。
福利厚生を整えるメリット3:優秀な人材の確保
企業の成長に、人材の確保は欠かせません。会社に付加価値を与えてくれる人材を確保する必要があります。福利厚生を整備する事で入社意欲を喚起させ、優秀な人材を確保することができます。
福利厚生の充実などの待遇は入社を決めるポイントにもなります。さらに、この企業に入社すれば自分の理想の働き方が実現できると考えることができます。
福利厚生を整えるメリット4:会社の決め手になる
福利厚生は、現在働いている従業員だけでなく将来入社する人々にもとても重要な点です。現在、入社した理由として上位を占めているのは待遇(給与・福利厚生)が良いことです。福利厚生の充実は、企業の魅力に直結し、企業選びの大きなポイントとなっています。
就活生や転職希望者は、休暇の取りやすさやフレックスタイムなど働きやすい環境を求めています。福利厚生を充実させることで採用力の強化につながります。
福利厚生で財形貯蓄制度を上手く活用して安心できるライフプランを構築できる
今回は、財形貯蓄制度の種類と活用する際のポイントを説明しました。財形貯蓄制度は将来の安心を自分で積み立てることができます。財形貯蓄制度は給与天引きや税制優遇など多くのメリットがあります。
現在、貯蓄ができる金融商品はさまざまです。自分に合ったもの、始めやすいものからスタートしてみましょう。それぞれライフプランに合わせた貯蓄方法を考えてみてはいかがでしょうか。