確定申告の際の所得税の控除とは?
確定申告に適用される控除には、所得金額から控除される「所得控除」と、所得税額から控除される「税額控除」があります。
確定申告により、総合課税される所得については所得額から「所得控除」を差し引きます。
確定申告により、分離課税される所得については、それとは別に個々に税額を計算します。
確定申告に適用される控除には、以下のようなものがあります。
基礎控除
医療費控除
社会保険料控除
生命保険料控除
地震保険料控除
小規模企業共済等掛金控除
雑損控除
寄附金控除
障害者控除
寡婦控除(寡夫控除)
勤労学生控除
配偶者控除
扶養控除
次に、確定申告により控除される代表的な控除を見ていきましょう。
基礎控除
すべての納税者に38万円が控除されます。
配偶者控除
納税者と生計を一にする、合計所得が38万円以下の配偶者がいる場合は、38万円が控除されます。(老人控除対象者の場合は48万円が控除されます。)
配偶者特別控除
合計所得金額が1000万円以下の納税者に、生計を一にする合計所得金額が、38万円超76万円未満の配偶者がいる場合は、配偶者の所得に応じて、3〜38万円が控除されます。
扶養控除
納税者と生計を一にし、合計所得が38万円以下の親族がいる場合は、以下の通り控除される。
扶養親族 16〜18歳 38万円
28〜70歳未満 38万円
特定扶養親族
19〜23歳未満 63万円
老人扶養親族(70歳以上)
同居老親等以外 48万円
同居老親等 58万円
障害者控除
納税者本人や控除対象配偶者および扶養親族が障害者の場合、障害者1人につき27万円(特別障害者の場合40万円、同居特別障害者の場合75万円)が控除されます。
寡婦(寡夫)控除
納税者本人が寡婦または寡夫の場合に、27万円(特定の寡婦の場合35万円)が控除されます。
勤労学生控除
納税者本人が「特定の学校」の学生であり、合計所得が65万円以下の場合、27万円が控除されます。
雑損控除
納税者本人または生計を一にする親族(総所得金額が38万円以下)が保有する資産が災害、盗難、横領等で損害を受けた場合、次の①、②うち、多い金額までが控除されます。
① 差引損失額—(総所得金額等の合計額)×10%
② 差引損失額のうち災害関連支出の金額—5万円
その年に生じた雑損失の金額のうち、その年分の控除しきれない金額は、その年の翌年以降3年間に渡って繰越し、繰り越された年分の課税標準の計算上控除することができます。
寄付金控除
国や地方公共団体に寄付をした時や、政治献金、震災関連の寄付をした時に以下の金額が控除されます。
「特定寄付金額-2000円」または「所得金額の40%(震災関連寄付がある場合は80%)-2000円」
医療費控除
納税者本人または生計を一にする親族のために1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合、「(医療費—給付金で補填された金額)—10万円」が控除されます。ただし、総所得金額が200万未満の場合は、所得金額の5%を超えた分が控除されます。
医療費の範囲は、病状などに応じて一般的に支出する水準を著しく超えないものです。美容整形の費用や、人間ドックの費用は除かれます。ただし、検査によって疾患が発見されたものは医療費に含まれます。
医療費控除の適用を受けるためには、確定申告の際、医療費の金額等の明細書や領収書などを添付または提示しなければなりません。
社会保険料控除
納税者本人または生計を一にする親族の社会保険料を支払った場合、支払った保険料が全額控除されます。
小規模企業共済等掛金控除
小規模企業共済の掛金、個人型および企業型の確定拠出年金の加入者掛金を支払った場合、支払った掛金全額が控除されます。
生命保険料控除
生命保険契約等の保険料を支払った場合、支払った保険料の額に応じて控除されます。控除されるのは、平成24年以降の契約は、一般の生命保険、個人保険、介護医療保険に区分し、それぞれ最高4万円です。また、平成23年以前の契約の場合は、一般の生命保険、個人年金に区分して、それぞれ最高5万円です。
地震保険料控除
地震保険料を支払った場合、支払った保険料の全額または最高5万円まで控除されます。
住宅借入金等特別控除
住宅を新築、取得、増改築した場合に一定の要件を満たすと10年間にわたり、住宅借入金等特別控除を受けることができます。
配当控除
総合課税により確定申告している配当所得については、配当控除の適用を受けることができます。控除額は、配当所得の金額×10%です。ただし、配当所得を含めた課税総所得金額が1,000万円超の場合、1,000万円超の部分については配当所得の金額の5%です。
確定申告に必要な書類
源泉徴収票
社会保険料控除関係書類
小規模企業共済等掛金控除関係書類
生命保険料控除関係書類
地震保険料控除関係書類
寄付金控除関係書類
確定申告で賢く控除を受ける
いかがでしたでしょうか。
社会人の方は、毎年のことですが、意外と知らなかったこともあるのではないでしょうか。
賢く控除を受けて、自分へのご褒美に当ててみるのも良いかもしれません。
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