ぶら下がり社員とは
昨今話題となっている、「ぶら下がり社員」の特徴や、対処法についてご紹介します。ぶら下がり社員とは、指示された仕事はきちんとこなしますが、それ以上もそれ以下の仕事はしないタイプの社員のことをいいます。
自発的に行動することがなく、ぶら下がり社員という名の通り、会社にぶら下がっているだけということでつけられています。ぶら下がり社員が増加すると、会社の経営にも関わる事態となります。
特徴
ぶら下がり社員の特徴は、自主的に仕事をせず、与えられることを待っています。仕事への意欲も薄く、スキルアップや向上心にかけています。できる限り、労力を使わずに会社から給料をもらえればよいという考えの方もいるほどです。
ぶら下がり社員は、言われた仕事はきちんとこなすため、一見、真面目で会社にとっても良い人材にみえます。しかし、仕事というよりかは作業という内容しかせず、会社の発展には貢献となりません。
背景
ぶら下がり社員が急増している現代の社会には、ぶら下がり社員を増やしている原因があります。景気がよかったときの日本は、頑張れば頑張るほど自分へのコミッションも多く、評価されていました。その分、収入が多くなるためやる気にもつながっていました。
しかし、近年では、成績がよくても個人への金銭的評価も少なくやる気を損なってしまったことも原因の1つです。また、上司とのコミュニケーション不足も関係しています。
ただ乗り社員との違い
ただ乗り社員とは、ぶら下がり社員と違い、与えられた仕事すらこなさない社員のことをいいます。別の言い方では、「サボリーマン」ともいわれています。
営業に出かけたふりをして遊んでいたり、自分の給料以下の仕事しかししない社員が、ただ乗り社員です。働くということに対して非常に意識が低く、意識の低さを改善しようという意思もありません。
ぶら下がり社員の特徴
ぶら下がり社員の5つの特徴をご紹介します。気づかないうちに自分もぶら下がり社員になっている可能性もあります。あてはまる項目がないか、チェックしてみましょう。
ぶら下がり社員は会社の中でもうまく馴染んでおり、問題も起こすことなく過ごしています。遅刻したりさぼったりすることもなく、ただ平凡に過ごしているケースが多いです。では、ぶら下がり社員の特徴を確認していきましょう。
特徴1:一見真面目
ぶら下がり社員の特徴の1つとして、見た目が真面目であることです。目の前の仕事はきちんとするため、悪目立ちすることもなくただ真面目な社員という印象です。
気性も穏やかで、苛立っったり悔しがったりなどと感情をみせることも少ないです。裏返せば、自分ができる仕事しかせずに、チャレンジすることがないというふうにもとれます。
特徴2:環境の変化を嫌がる
ぶら下がり社員の特徴として、環境の変化を嫌がる性質があります。環境をかえることで、業績のアップや効率化をはかろうとしていても、ぶら下がり社員は自分の環境重視のため、労働が厳しくなったりすることに抵抗を感じます。
今の状態でよいという考えが強く、現状をキープするだけということは、スキルアップにつながることは期待できません。真面目であるが、自己中心的な考えの方が多いです。
特徴3:昇進を嫌がる
昇進するということは、一般的に嬉しいものだと捉えがちです。しかし、ぶら下がり社員にとっては、昇進は避けたいと考えていることが多いです。昇進を嫌がる要因としては、現状維持を望んでおり、これ以上の責任や権限などを必要としていないことにあります。
昇進を望まないぶら下がり社員が増えることにより、中間管理職などのポジションが少なくなります。組織としての構成に影響がでてくる結果に陥ります。
スキルアップなどの成長をしない
昇進を望まないということは、人の上に立つことや、年齢と共に感じる責任感を持たないということでもあります。仕事に対してもスキルアップを望まずに、今以上に仕事ができるようになりたいという願望も薄いです。
このような考えであれば、成長することはなく、長く勤務していいてもいつまでたっても新入社員と同レベルです。個人の成長が止まることは、企業の成長が止まることにもつながります。
特徴4:自主性がない
ぶら下がり社員は自分で考えて、次は何をすべきかという自主性に欠けています。仕事は与えられるものという考えが強く、仕事を与えなければ仕事をしない傾向が強いです。
自主的に行動するということが、本来の仕事になります。社員一人一人が会社にとってどのように貢献できるかという意識を持つことが望ましいです。
言われたことしかやらない
ぶら下がり社員は、言われたことしかやらない特徴が強いです。言い換えると言われたことはしているため、これで満足しています。自分で考える力が弱いため、言われたことが本当に正しいのか、もっと効率のよい方法があるのではないかという考えも働きません。
まるでロボットかのようなぶら下がり社員は、全てにおいてインプットしてあげなければ、アウトプットをすることはありません。
特徴5:私生活を重視
ぶら下がり社員の特徴として、私生活を重視する傾向が強いです。私生活といっても、特に趣味があるわけでもなく、何かに没頭するためというわけではないことが多いです。
ただ、仕事は定時で終わり、自宅に帰り家で時間を過ごすということがほとんどです。私生活重視というよりかは、定められた時間以外は会社にいたくないという印書が強いです。
休日出勤・残業を避ける
仕事をしていると、どうしても繁忙期など通常よりも忙しい時期が発生します。取引先にあわせて、臨機応変に対応しようとすると、休日出勤も避けられないこともあります。
しかし、ぶら下がり社員にとっては、自己中心的な考えが強いため、会社の利益よりも自分の主張をする社員が多いです。他の社員が残業していても、自分の仕事さえ終われば自分は退社することもあります。
ぶら下がり社員による悪影響
ぶら下がり社員が急増すると、それが社員の平均的な考えとなり、会社にとってあらゆる悪影響を及ぼします。企業は社員のよって支えられており、その社員が機械のようにしか動かなくなると、新たな発想や会社の戦略も落ち込んでいきます。
ぶら下がり社員による具体的な悪影響をご紹介しますので、ご参考にしてください。ぶら下がり社員の増加がいかに危険かわかります。
悪影響1:企業の成長の妨げ
ぶら下がり社員が増加することによって、そうでない社員もぶら下がり社員に染まっていく傾向があります。ぶら下がり社員でも同じ給料をもらえるのであればという考えになりがちです。
ぶら下がり社員が急増すれば、会社の改善や発展に繋がることが少なく、結果的に、企業の成長の妨げになってしまいます。こうなれば、企業は他の企業に置き抜かれ低迷してしまいます。
悪影響2:管理職人材が育たない
ぶら下がり社員が急増し、役職を持ちたくない社員が増えると、管理職が減っていく一方です。管理職は会社にとって必要であり、一般社員を管理するにも、企業の成長にも大切な役割を果たしています。
仮にもぶら下がり社員が管理職に任命されたとしても、一般社員はついていかず、会社での有数ダウンやトライアングルが狂ってしまいます。
悪影響3:ぶら下がり社員の増加
ぶら下がり社員が増えることで、ぶら下がり社員い影響されて、さらにぶら下がり社員が増加する傾向になります。自発的に仕事をする方が、会社の中で浮いてしまい、居場所を失い、本来必要な人材が退職してしまうということがあります。
ぶら下がり社員が増加することは企業として最も避けたい事態です。
ぶら下がり社員の対処法
ぶら下がり社員が急増しているなか、どこかで対処をしなければ、ぶら下がり社員は増える一方です。ぶら下がり社員を減らすためには、ぶら下がり社員の意識を改善することが大切です。
では、ぶら下がり社員を減らすための対処法につていご紹介します。人材育成などに取り組むことで社員の意識改革に成功している企業もあります。地道に行うことで、ぶら下がり社員を減らすことは可能です。
対処法1:人材育成に力を入れる
企業の永遠の課題となる人材育成について見直してみましょう。人材育成は時代の移り変わりにおいて方法を変化させる必要があります。時代の変化で人の考えもかわり、世代によっても考え方が異なります。
目の前の仕事を教えることも大切ですが、人材育成の根本的なところは仕事への取り組み方や姿勢が重要です。
対処法2:コミュニケーションを見直す
ぶら下がり社員が増えているなかで、懸念されていることの1つとして、上司や周囲とのコミュニケーション不足です。会社の理念や方針は、有数ダウンにより受け継がれていくことがあります。
しかし、社内でのコミュニケーションが不足することで、本音も話せず仮面的な同僚関係になってしまいます。その結果、お互いに意見を出せず、分かり合えなくなり、仕事に影響がでてしまう結果となります。
対処法3:会社全体の問題として対処する
ぶら下がり社員による問題は個人で解決することは難しいです。会社全体の問題として受け入れ、全社員で取り組む必要があります。
一部だけで取り組んでも、会社の色や雰囲気をかえることは至難の業です。ぶら下がり社員も会社の流れに乗ることが多く、会社の雰囲気をかえることで対処できることがあります。
対処法4:自発的に動くことを意識させる
仕事をする上で自発的に行動するには、日々の意識改革が必要です。本人の意識がかわらない限り、いくら自発的に行動するべきと口で言っても、人はそう簡単にかわりません。
通常の業務をするなかで、少しずつ自分で考えさす仕事の振り方をすることで、意識を変化させることもできます。
対処法5:人事評価制度の改善
ぶら下がり社員が会社のなかで評価されていると、その他の社員も同じようにぶら下がり社員になっていきがちです。そのため、会社自体の人事評価を見直し、作業ではなく仕事をする人への評価を高くしましょう。
人事評価は実際にその部下を見る、直属の管理職が判断すべきです。直接関りが薄い管理職の場合、社員の本質をきちんとみれていないことがあります。
対処法6:上司と部下の信頼関係を築く
ぶら下がり社員になる人は、会社や上司に不満を抱き、結果的にぶら下がり社員になることがあります。これは、普段から上司との信頼関係に欠けてことが原因であるケースが多いです。
会社の中でのコミュニケーションはもちろんのこと、定期的に飲みニケーションなどを行うことで信頼関係の構築ができることがあります。
ぶら下がり社員を放置しないようにしよう
ぶら下がり社員の5つの特徴とぶら下がり社員の対処法のご紹介はいかがでしたか。ぶら下がり社員に気づいたらそのまま放置せずに、すぐに対処することが懸命です。手遅れになる前に、歩み寄る精神を持ち、改善に向かいましょう。