社長とは
社長とは会社を代表する役職であって、会社内部に対しては業務執行について責任者として指揮をする役割を持ちます。一般的には株式会社では、代表取締役か代表執行役を社長としています。
これにより、社長の法的根拠のある権限を確保し、可能な限り業務執行権限を委任しています。他方、持分会社では代表社員を社長とすることが多くなっています。社長の肩書きは会社が定める職制で、会社法には社長の設置他の規定はありません。
社長の組織的立場・役割
社長の組織的立場・役割ですが、社長はその企業の顔としての役割があり、企業を成功に導くための組織内の頂点に位置しています。
しかし、社長に求められるものの一つに成功した場合には、社会に会社が上げた利益の一部を還元して、市民生活の向上や学術・文化・芸術の発展他に寄与することが求められます。
そして、成功した社長の多くは立派な経営理念や人生への考え持ち、人として指示する社員の手本になることが必要とされます。
代表取締役と取締役の違い
株式会社では、1人または2人以上の取締役を置くことになっています。株式会社においては、所有と経営の分離がなされていますので、業務執行を担い経営する者として、取締役は株主総会において選任されます。
取締役の任期は原則2年で、取締役の具体的な役割は会社ごとに違います。複数の取締役がいる場合は、一人が代表取締役に選任されて株式会社を代表します。なお、法人や成年被後見人などは、取締役になることはできません。
社長って?社長の主な役割10
社長の役割はいくつもあり、大きな役割は会社の方針や戦略を決めることです。他にも会社の状態をマクロで管理することや、スムーズな業務の仕組みを作ること、そのうえで社員をそれぞれの能力に合わせた部署に配置します。
社長は会社に関する全ての責任を持ちますが、そのうえで会社の未来を継ぐ後継者を育成することも大事な役割です。組織の構築と維持をして、公的行事や交流会へ代表として出席することなどの役割があります。
1:会社の方針や戦略を決める
社長は会社の有数なので、その会社の経営に責任を持ち、会社の進むべき方向を決め、収益を伸ばしていくための、経営戦略を立てる役割があります。そのため会社の運営方針は社長が決めていくことになります。
しかし、社長だけでは判断がつかない場合には、他の会社上層部の役員や、重役などの役職者に相談していくことになります。社長は会社の未来を決める大事な決断を行う能力を持ち合わせている必要があります。
2:会社の状態をマクロで管理する
社長は会社の状態をしっかり把握して、会社がうまく機能するようにしなければなりません。しかし、社長が細かいところまで自分で指示していては、時間に追われて大事なところを見逃してしまう危険があります。
そのため、各部署の責任者から報告をまめに受けることで、会社の状況を全体としてマクロで把握していくべきです。こうすることで会社の経営に必要となる改善点を見つけてアドバイスをすることができるようになります。
3:スムーズな業務の仕組みを作る
会社の現場で業務を進める役割を担っているのは社員になりますが、その社員がいくら頑張っても会社の方に効率的に業務を進められる仕組みが無ければ、業務遂行に無駄な時間と労力がかかってしまい収益が減ることになります。
社長の役割の一つとして、会社の業務の効率的な仕組みを作ることがあります。社長は会社にいる社員が、スムーズに仕事を進めることができるシステムを作るとともに、見直して再構築する役割を持っています。
4:社員をそれぞれの能力に合わせた部署に配置
会社は多くの社員で構成されていますが、それぞれ性格や素質が異なっています。もちろん得意な分野や不得意な分野が社員ごとに違っています。
一人ひとりの社員が得意な分野で力を発揮できるように、適切な人事配置を行うことでスムーズに仕事が運営されるようになります。社長は積極的に人事にかかわることで会社の運営をよくする役割を持っています。
人事がうまくできている会社では、社員が能力を十分に発揮することができます。
5:会社に関する全ての責任を持つ
社長は会社を代表するとともに経営にあたる有数の役職になっていますので、会社の運営ほかに対して一番重い責任を負うことになります。特に会社が起こした不祥事は、部下である社員の過失でも責任を持って謝るのは社長の役割です。
どんな小さな会社でも起業して社長になることを希望している人は、社長はそれだけ大きな責任をもつ役割であることを認識して、十分以上の覚悟を持った上で会社を起業をしていく必要があります。
6:会社の未来を継ぐ後継者を育成する
会社の収益を増すために責任を持って運営していくのが社長の役割ですが、社長としていつまでもいられるわけではなく、人生にも限りがあります。しかし、会社は長く存続していくのですから、社長の役割には後継者を育てることがあります。
特に社長がある程度の年齢になっていた場合は、自分に何かがあって社長の役割ができなくなってしまい社員が困らないようにするために、自分の後継者の育成には力を入れる必要があります。
7:組織の構築と維持
会社の経営の有数として、より多くの収益があげられるようにしていくのが社長の役割ですが、会社の収益向上のためには組織をしっかりと構築して、組織が十分に機能できるようにする必要があります。
その役割を担うのが社長ですので、組織が機能しているかを社長自らがしっかり確認している必要があります。さらに、社会の変動や経営状況の変化に対応して組織をよりよく変革して維持していくことも大事な役割になっています。
8:公的行事や交流会への出席
社長は外部の公的行事に呼ばれた場合に参加することも役割の一つになっています。さらに社長は他の成功者に学び、経営姿勢や人間としての生き方についても知っていくことが大事です。
このために、交流会やセミナーや講演会に参加することは一つの方法です。社長がこれらの行事に参加することは、見識を広げることや知識を高めること、そして人脈を広げていくことにつながり、社長が会社の方針を決めていくのに役立ちます。
9:渉外活動の実施
社長は公的行事や交流会へ出席することが役割の一つになっていますが、出席することで人脈を広げることができます。社長の人脈が広がることで、社長自らが営業先・取引先・提携先を開拓するために役立ちます。
このように社長が多くの人や企業とつながっていることは大きな財産になり、社長以外にも部下に紹介することで会社の渉外活動を進めることに大きく役立ちます。社長の指示で渉外活動を行うことで分野開拓につながります。
10:重大な危機への対応
会社の危機にその対応に当たるのは、社長の当然の役割です。しかし、会社の危機には経営上の危機もあれば、自然災害による危機もあります。そのためには災害時のBCP(事業継続計画)を策定させることも社長の役割です。
災害発生時には状況により社長が不在になってしまう場合もあるので、危機管理では災害の結果起こる事について、会社の事業の中断が最小になる、自動的に事業継続計画が遂行されることが必要になります。
社長に必要な資質5つ
社長に必要な資質として、会社の財務・経理に関する知識を持つことがあります。これにより社長の役割である資金管理ができるようになります。他にも部下へ確実に自分の指示を伝えるためのコミュニケーション能力も社長に必要な資質です。
また、社長の資質には将来を読む先見性も必要ですし、会社の進路を決めるための判断力・決断力が要求されます。さらに、仕事に対する向上心を持っていることも社長に必要な資質です。
1:会社の財務・経理に関する知識
会社の中でも中小企業で財務部長などの財務担当者を置かない場合は、社長の役割には会社の財務をつかむ役割が必要ですし、経理についても経理担当者が正しい業務を行っているかを知る知識が必要です。
会社の経理は日々の会計取引を記帳し、帳簿にまとめることで、損益計算書や貸借対照表などを作成する業務になります。そして財務は、経理のまとめた帳簿や決算書を使って会社の資金繰りや資金管理の計画を行うことになります。
2:コミュニケーション能力
社長は会社の有数として会社の経営方針を決めて、その目標に向けて部下に指示していくのが役割ですが、その指示を伝えるためにコミュニケーション能力が必要になります。
部下とのコミュニケーションにあたり自分の経営ビジョンを正確に伝えるためには、上から目線でなく相手の立場に立った言葉にして指示することが必要です。これにより部下に同じ感覚のイメージとした経営に関する指示を与えることが可能になります。
3:将来を読む先見性
社長の役割として将来を読む先見性があります、2~3年先の近い将来だけでなく、10年先や20年先のような遠い将来を見越して、その状況での自分の会社が将来どうあるべきかを考えていく必要があります。
どのような社会となり、その時に会社の存在意義はどうあるべきか、そのためには会社はどのような事業展開をしているべきかを読んでいきます。さらに、その時に必要となる商品やサービスについても考えていく必要があります。
4:判断力・決断力
社長に必要な資質の一つに判断力・決断力を持つことがあります。会社の経営方針を決めるために、どのような方向性を持たせるか判断する能力を持つことが必要です。その判断は会社経営の成功か失敗かを左右することになります。
さらに、会社の方向性を決めた後に、その方向に会社を進めるために決断することも必要です。会社の社長は経営者ですから、会社経営を成功させるために判断し決断することはとても必要な資質になります。
5:向上心
今の時代は情報が多く、しかも新しい技術がどんどん生み出されていますので、同じことを繰り返していては取り残されていることと同じになってしまい、会社の収益も右肩下がりになる恐れがあります。
会社の社長の役割は会社の収益を上げる事業展開をすることですので、常に向上心を持ち新しい情報や技術を取り入れるために努力する必要があります。そうしていく中で会社の新たな事業展開のアイデアも生まれてくることになります。
社長の役割を理解しよう!
会社は利益を上げていくことで社員も給料をもらえ、社長についていく信頼が生まれることになります。社長にはそのための経営力が求められますので、その役割を果たすための勉強や交流会へ参加するなどの向上心が必要です。
また社長の役割として、他にも現場を知ることと会社経営へのすべての責任を持つことが求められます。さらに、社長は社員へ生きがいを与えることや、外部に対して有益な行動をすることも求められます。