間接部門とは|7種の間接部門の役割|間接部門の5つの課題

組織・人材

間接部門とは

会社での仕事と言えば、商品を販売する営業が大きくクローズアップされることが多いですが、実際には会社の良し悪しは、間接部門がいかに効果的に会社全体を最適化しているかによるところが大きいといえます。

間接部門のスタッフは、その業務のプロフェッショナルが多く、さまざまな専門知識を持っています。実際には、どのような業務があるのか、詳しく紹介します。

間接部門の意味

直接、間接という言葉は何に対して使われているかを考えると、間接部門の役割がはっきりとしてきます。直接会社の業績に係わる業務を担当しているのが直接部門であり、その直接部門をバックアップしているのが間接部門です。

間接部門は直接売り上げなどに貢献することはありませんが、円滑に売り上げを伸ばしていくために必要となるあらゆる業務を受け持っています。

直接部門との違い

会社の業務としては直接部門と間接部門の2つに分けられます。直接部門は、売上や利益を上げるために、顧客との交渉や販売など直接的な業務を行います。また、商品を製造したり、開発をする部門も直接部門に含まれます。

一方、間接部門は会社の業績に直結する業務ではなく、総務や経理といった会社自体を運営するための業務を行ったり、営業支援や品質管理のように直接部門を後ろからバックアップする役目を担います。

7種の間接部門の役割

間接部門にはどのような役割があるのでしょうか。企業によってそれぞれ組織の作り方は違いますが、間接部門を役割分担で見てみると大きく7つに分けられます。

それぞれの役割はお互いに影響を受けあっていますが、独立した機能を持っていますので、業務分担ははっきりとしています。

1:人事部門の役割

人材に係わる業務を行うのが人事部門です。人材は重要な経営資源のひとつですから、その業務の責任は大きく、さまざまな専門知識が必要になります。

人事業務でまず浮かぶのが採用業務です。新卒者を中心にしたリクルーティング活動はもちろんですが、中途採用での即戦力の確保も重要です。また、採用以外に人事異動や昇進、退職といった組織に係わる諸手続き、給与や人事評価の管理なども行います。

2:労務部門の役割

労務部門は、労働に関する事務処理を主に行います。会社組織は経営側と雇用者に分かれます。労務部門では、会社に雇用されている従業員が働く際の環境を整えます。

労務部門の業務内容としては、労働契約の管理、社会保険や労働保険の手続き、就業規則や給与計算、年末調整などの事務手続きがあります。また、定期的に行うことが義務付けられている健康診断や、職場環境の管理も労務部門の業務になります。

3:総務部門の役割

総務部門は、会社のあらゆる業務を総合的に扱っている、いわば間接部門の中心的な存在です。オフィスの管理、備品、文房具などはもちろんのこと、来客に出すお茶の手配から、電話線などまで、総務部門に聞けば、会社のなにがどうなっているのかがすぐにわかります。

福利厚生や定期的に行われる防災訓練、地域交流なども総務部門がとりしきっています。快適に働ける労働環境は、働き方改革につながる経営戦略にもなっています。

4:経理部門の役割

売上などの収入と仕入れなどの原価、交通費などの経費といった会社が業務を行っていく中で発生する経費をまとめて、決算書などの資料するのが経理部門の役割です。

月次に行われるレポートはもちろんのこと、最終的には年次決算書の作成まで行います。ここで報告される試算表や損益計算書などは、経営報告書の中心になるレポートです。

5:秘書部門の役割

役員などの秘書を担当するのが秘書部門です。秘書の業務は、担当している役員が職務に専念できるように細かいところまで配慮して補助することです。特に気にするのは情報の秘密性を守るということです。

秘書業務は、担当の役員に変わり細かな事務業務を代行すること、スケジュールを管理し調整すること、突発的な予定が入った場合に既存の予定とのプライオリティ付けを行い柔軟に対処することなどが挙げられます。

6:監査部門の役割

間接部門における監査部門は、他部門とは一線を画しています。

会社に対して外部の組織が行う外部監査が不正などを発見することを目的にしていることに対し、監査部門が行う内部監査は、会社が不正を行うことを未然に防いだり、業務の効率化が正しくおこなわれているかをチェックします。

各組織の仕事内容と役割、内情を知ってはじめてどのような監査を行うかを考えチェックしていくことができます。

7:情報システム部門の役割

今やITはどの企業でも業務のツールとして利用されています。これらのITツールを快適に使えるようにサポートしているのが、情報システム部門です。

情報システム部門では、IT戦略をたて、システム企画を行います。その結果決まった企画に基づき、基幹システムやインフラを構築し、運用と保守をします。また、普段の業務の中でシステムを利用した際のサポートも行っています。

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間接部門の5つの課題

間接部門では、直接部門とは視点の異なる課題があります。間接部門ならではの課題は、業務の効率化の面からも早急に解決すべきです。ここでは、特に解決したい5つの課題について説明します。

グローバル化による業務縮小

国内だけでなく海外をターゲットした企業は、事業の多角化が進みます。それにより間接部門は、よりスリムになり、効率の良い業務をしなければならなくなりました。

この結果アウトソーシング やシェアードサービスといった方法で、より効率を高めることができています。このことは、逆を言えば間接部門自体が行う業務が縮小することにつながります。

AI技術の台頭

技術の進歩により、間接部門でも積極的に取り入れることが増えてきました。AI技術もそのひとつです。AI技術は間接部門の業務のシステム化を加速することが期待できます。

間接部門の課題になっている属人化は、AI技術によって、システム化し自動化も可能です。細かい作業や定期業務など自分たちで行っていた業務を、AI技術によりAI化させて、最終的なチェックのみで済むようにすることは業務効率化へつながります。

定量化された目標設定

直接部門とは異なり間接部門は目標設定が難しい業務が多く存在します。生産性や評価が見えにくく、定量化できません。会社全体から見ると、直接部門と間接部門の比率で、間接部門の割合を少なくしていくことで、合理化が進んでいくようにとらえることができます。

このようなことから、間接部門は、自分たちの業務の効率化を定量数値で表す必要が出てきています。

生産性の向上

間接部門の業務の生産性を向上させようとすると、個人の能力が大きく影響をおよぼします。生産性の向上は間接部門にとっては重要な課題ですが、業務の属人化がなかなかスムーズな改善をさせてくれません。

生産性を向上させるためには、まず業務の見える化を実施することが大切です。そのうえで仕事量や進行具合を必要に応じて管理し、もっとも最適化された業務フローにしていきます。これによって生産性が向上します。

効率化の推進

生産性の向上を行うと同時に、効率化を考えることで、間接部門の業務は大きく改革されます。そのために、まず現行で行っている業務を棚卸し効率の悪いものを洗い出します。次に効率をよくするためには、どのような解決方法があるのかを判断し、それを実行することになります。

しかし、日々の業務に追われ、効率化を推進することは難しいという現実があります。そのため、間接部門は意識して効率化を推進していくと良いでしょう。

間接部門の実態を把握した体制構築をしていきましょう

間接部門は、会社の経営を行っていくうえで、重要な情報を提供したり、社員の環境を最適にするといった役割を持っています。ですが、その一方で日々の業務に追われ、改善をすることが難しい部門でもあります。

まずは、間接部門の実態を把握しましょう。そのうえで、どのような体制でどのような業務を行っていけば良いかを考えていきます。これによって、より効率的でスリムな間接部門になります。

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