大使って?大使の主な仕事内容10個|求められるスキル6つ

組織・人材

大使とは

みなさんは、大使の仕事についてご存知でしょうか。実際に大使に会ったことのある人はそうそういないでしょう。

大使は我々にとって決して身近な存在ではありませんが、日本人が海外で生活する上で、大使からさまざまな間接的なサポートを受けています。

「大使の仕事について知りたい」「将来大使になりたい」という方のために、この記事では知られざる大使の仕事内容についてご紹介していますので、ぜひご覧ください。

大使館で働くには?

そもそも、大使館で働くのは大使だけではありません。大使を含め、通訳や研究員などさまざまな人々が大使館に勤めています。

大使館の職員として働きたいならば、多くの場合、大学の学士号に加えてその大使館がある国の言葉に精通している必要があるでしょう。

日本の大使館で勤務するためには外務省の公募に応募するのが普通ですが、日本にある外国の大使館の場合、その大使館が直接求人をしていることもあります。

絶対必要な資格

では、外国にある日本の大使館で職員として勤務するためにはどのような資格が必要なのでしょうか。

在外日本大使館の正規職員として勤務するためには、必ず公務員試験をパスし、外務省の職員として採用されることが必須です。

国家公務員の試験にパスするのはなかなかの至難の業ですが、日本国の代表として海外の大使館で働きたいという夢を持っているならば、大学の学部時代から試験対策に徹底して取り組みましょう。

どんな仕事してるの?大使の主な仕事内容10個

ドラマや映画の中に描かれる大使の姿に憧れを抱いている方も多いのではないでしょうか。しかし、大使が実際にどんな仕事をしているのかはよく知らないという方も少なくないことでしょう。

大使の仕事は、滞在している国によって、またその国の状況や日本との関係によって異なってきますが、基本的な仕事内容に関してはさほど変わりありません。ここからは、大使の主な仕事について詳しく見ていきましょう。

1:滞在先に在住している邦人の保護

大使の最も重要な仕事として挙げられるのが、滞在先に在住している邦人の保護です。大使は、邦人が不当な扱いを受けないように、また安全な生活を送れるように、相手国に要請し、そのためのやり取りを行います。

テロや災害が起こった時に、大使はまずその国に滞在・在住している日本人の安否情報を確認するものですし、安心してその国で生活できるように、安全情報についても収集を行い、それを周知する活動にも取り組んでいます。

2:滞在先国での日本広報活動

滞在先国で日本に関する広報活動を行うということも、大使の重要な仕事のひとつです。漫画など文化コンテンツに代表されるソフトパワーは日本の国際的な地位や威信を高めるのに非常に効果的なツールです。

そのためには広報活動を通じて外国の人々に日本のことを知ってもらい、日本を好きになってもらうことが必要です。

また、親日知識人を増やすために、日本への留学に関する広報活動にも取り組んでいます。

3:外交・政治や経済

大使の仕事内容として、滞在国との外交・政治や経済関係を維持するということも挙げられるでしょう。

大使館があるということはその国と国交が結ばれているということであり、両国が円滑な外交・経済関係を維持できるように、滞在国の政界・経済界の要人などとコミュニケーションを取る必要があります。

また、両国の政治・経済関係が悪化した場合には、その改善のために真っ先に取り組むのも大使の仕事です。

4:外交面などの情報を収集する

滞在国の外交や経済に関する政策や政府の方針などについての情報を収集するということも、大使の重要な仕事のひとつです。

日本政府が相手国と円滑な関係を維持し、また日本国の有利となるような施策を講ずるためには、相手国政府の方針や国内情勢を熟知している必要があります。

大使は日本政府がよりよい施策や方針を決定できるように、外交や経済に関する情報を収集する仕事にも取り組んでいます。

5:各国の代表や大使などの相手国の有数と会談・協議

各国の代表や大使などの、相手国の有数と会談や協議を行い、日本国と相手国の関係を良好に保つということも大使の重要な仕事として挙げられるでしょう。

とりわけ首脳会談を行う際には必ず事前に、相手国政府との綿密な協議や擦り合わせを行っておくものですので、そのようなものを取り仕切って行うのが大使の仕事になります。

条約締結や二国間交渉の際にも、大使を中心にして事前に相手国と協議を行うのが通常です。

6:その国の発展を支援するために開発協力を行う

滞在国の発展の支援のために開発協力を行うということも、大使の仕事内容のひとつとして数えられるでしょう。

滞在先が発展途上国だった場合、その国の経済や福祉の発展のために大使館を通じて日本が支援活動を行うことによって、両国の結びつきを強めると同時に、国際社会における日本のイメージを向上させることができます。

このような目的のために、大使が率先して開発協力を取り組むことになるでしょう。

7:その国の人が日本へ行くとき、必要な査証(ビザ)を発給する

日本入国時にビザを免除される国もありますが、多くの場合、日本に行く際にはビザが必要です。

大使は、滞在国の国民が日本入国時に必要なビザ(査証)を発給するという仕事も受け持っています。

ちなみに、大使によるビザ発給の仕事というと、在リトアニア大使として第二次世界大戦中に現地のユダヤ人をナチスの迫害から救うため、日本入国のためのビザを発給し続けた杉原千畝のことを思い起こす人も多いでしょう。

8:被害にあった人を助けるための活動

海外で邦人が思いもよらぬ事故や事件に巻き込まれることもあります。滞在国にいる邦人が被害に遭った場合、迅速にその人を救助できるように活動を行うのも、大使の重要な仕事のひとつです。

テロや自然災害、事件などに遭った場合だけでなく、パスポートの窃盗被害に遭った邦人を助け、日本にスムーズに帰国できるようにサポートをするのも大使が行う仕事内容になります。

9:途上国におけるODA(政府開発援助)の推進

発展途上国に大使館を置いている場合、その大使は重要な仕事のひとつとして、ODA(政府開発援助)の推進を行うことになります。

ODAを通じて滞在国の経済や福祉の発展をサポートすることで、滞在国との関係を良好に維持することができるだけでなく、国際社会に対する貢献を行い、日本の国際的な地位をさらに向上させることにもつながります。

大使は途上国のためでなく日本国の対外イメージのためにも、ODAに取り組みます。

10:知的財産保護支援・日本企業支援

大使の仕事内容として、知的財産保護支援や日本企業支援も含まれていることをご存知でしょうか。

日本企業が積極的に海外進出をしてそこで円滑な経済活動ができることや、日本の知的財産が正しく海外でも保護されることは、日本経済の成長にとって不可欠です。

大使館に設置された日本企業支援窓口を通じて、日本企業の活動をサポートすることも、大使の重要な仕事のひとつだと言えるでしょう。

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大使の仕事に求められるスキル6つ

以上では、大使の主な仕事内容について簡単にご紹介してきました。大使と一口に言っても、赴任先の国内情勢やその国の日本との関係によって仕事内容も変わってきますが、いずれにせよ、大使の仕事は多岐にわたるということがお分かりになったでしょう。

では、日本国の代表として幅広い仕事をこなす大使になるためには、どのようなスキルが必要なのでしょうか。ここからは、大使の仕事に求められるスキルを解説していきます。

1:高い語学力

大使の仕事に絶対に欠かすことのできないスキルとしてまず挙げられるのが、高い語学力です。日本を代表して赴任先の国の要人と会談を行い、日本国や現地の邦人に不利のないように協議を進めていかなければならないため、ネイティブ並みの語学力があることは大使の最低条件と言えるでしょう。

国際公用語とも言うべき英語に加えて、赴任先の公用語を流暢に話せることが、大使の仕事を遂行する上で不可欠です。

2:情報発信力

情報発信力も、大使の仕事に欠かせないスキルとして挙げられるでしょう。

大使は日本を代表する存在であり、赴任先の国で日本政府の政策の正当性を周知したり、あるいは日本の対外イメージを向上させるための広報活動を行わねばならないので、適切な形で情報を発信できる能力が必要です。

そのためには、情報収集能力に長けていることやコミュニケーション能力が高いことも求められるでしょう。

3:判断力

大使の仕事に求められるスキルのひとつとして、判断力も挙げられます。赴任先の国でテロや自然災害などが起こった時に、大使は適切かつ迅速な判断を行って邦人の保護・救出をすることが必要になるでしょう。

邦人の命を守るためには、判断力を持っていることが欠かせません。また、相手国との円滑な関係を維持するための有数クラスの協議においても、同様に正しい判断力は不可欠だと言えるでしょう。

4:異文化への深い理解

異文化に対する偏見がなく深い理解力があることも、大使の仕事に必須のスキルと言えます。国が違えば当然文化も習慣も異なるので、日本国の代表たる大使は、赴任先の国の文化を理解し、相手国の国民感情にも配慮した対応を取ることが求められます。

もしも相手国の政治文化や習慣を理解できなければ二国間協議もスムーズにいかなくなりますし、その国民感情を刺激してしまう恐れもあるでしょう。

5:柔軟な交渉力

大使の仕事を遂行する上で、柔軟な交渉力も欠かすことができません。大使は赴任先の国の政界・経済界・言論界など、あらゆる分野の要人と会談や協議を行うため、状況や相手に合わせて臨機応変に交渉ができなければなりません。

柔軟な交渉力があってこそ、日本国の有利な形で協議を進めることができるでしょう。

6:意思力

意志力も、大使に求められる素養のひとつです。大使は日本国を代表する公的な存在であり、日本のイメージを左右する責任ある存在でもあるので、日本と邦人のために尽くすという強い意志を持って仕事にあたることが必要です。

また、日本と滞在国との関係が悪化した場合には、混迷した現場で粘り強く交渉や情報収集に当たらなければならない大変な仕事でもあるので、それを遂行するための意志力は必須だと言えるでしょう。

大使の仕事を理解しよう!

今回は大使の仕事について特集してきましたが、いかがでしたでしょうか。我々日本人が安心して海外に旅行や出張、留学ができるのも、全ては大使館を通じて安全情報を得たり、邦人保護のためのサポートを受けられるからです。

ぜひこの機会に、邦人のために陰ひなたに働いている大使の仕事について、きちんと理解しましょう。

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