労働組合に必要性はあるか?
社会人として働いていると、労働組合という言葉を耳にする機会もあります。しかし、実際に労働組合と関わる機会は少ないという方も多く、その必要性に疑問を感じている方も少なくないとされています。
労働組合は、労働者が結束して結成される組織です。企業別に結成されるものもあれば、業界別に結成されるものもあり、さまざまな種類が存在しています。
今回は、そんな労働組合の必要性について、考察・ご紹介していきます。
日本の労働組合の特徴
日本の労働組合の特徴として、いくつかの種類が存在している点が挙げられます。企業別に結成される労働組合のほか、企業が別でも同じ業界や職種の労働者同士で結成される産業別の労働組合などもあります。
また、日本の労働組合のまとめ役として、連合も存在しています。
労働組合がない企業に勤めている方でも、本人が希望をすれば、どこかしらの労働組合には所属できる点も、日本の労働組合の特徴と言えそうです。
労働組合の必要性とは?労働組合を理解するポイント11
労働組合がどのような組織なのか理解したところで、続いては今回の本題でもある、労働組合の必要性について考察していきます。
労働組合の必要性について考えるにあたり、特に重要な11個のポイントをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
1:労働組合は働く環境をよくするためにある
組織である企業に対して、個人である労働者は弱い立場にあると言われています。企業の提案や決定には、労働者は従わざるを得ない一面もあり、いわゆるブラック企業などの場合、劣悪な環境や条件で働かされる労働者も存在するとされています。
労働組合は、労働者による労働者のための組織のため、働く環境や条件を良くするための活動をしています。ですから、労働組合の必要性として、労働環境の改善や向上も挙げられそうです。
2:賃金の向上を実現するためにある
現在、労働者の賃金は最低限の金額が法律で定められていますが、仕事内容や労働時間に見合わない賃金で働かせられている労働者も、少なくないと言われています。
労働組合では、賃金の向上の実現も活動内容の1つとして行っており、仕事内容や労働時間に見合った賃金で多くの労働者が働けるようにしている点も、労働組合の必要性だと考えるでしょう。
3:労働条件の向上を実現するためにある
企業によっては、労働者が不利な条件で労働を強いる場合もあり、労働条件に苦しんでいる労働者も少なくないと言われています。
そのため、労働条件の向上を訴えるために労働組合が動くこともあり、労働者がより良い条件で働けるように訴える役割もまた、労働組合の必要性や存在意義だと言われています。
4:労働者を解雇させないためにある
時には、理不尽な理由や企業側の都合で、労働者が不当に解雇されるケースもあります。企業側の方が労働者よりも力が強いケースも多いため、不当な理由での解雇であっても、労働者は泣き寝入りをするしかない場合もあると言われています。
労働組合は、労働者の不当な解雇などを阻止するよう、訴える力もあるとされ、企業が好き勝手に労働者を解雇できないようにするための抑止力としての必要性もあると考えられます。
5:労働者と会社が対等に交渉するためにある
上記でも述べたとおり、労働者は個人のため、組織である企業よりも弱い立場になりやすく、対応に交渉したり要求したりすることが難しいと言われています。
労働組合は、そんな弱者になりがちな労働者が結束して結成される組織です。労働組合に入ることで、労働者側の組織として、企業と対等交渉などができることもあると言われています。ですから、労働者が企業と対等な立場になれるという点も、労働組合の必要性と言えるでしょう。
6:春闘に意味があるのか?
「春闘」とは、春頃に労働組合が、賃上げや雇用維持などの要求を一斉に行う動きを意味する言葉です。
大手企業の労働組合から春闘が始まり、その年度の労働条件や賃上げの内容が決定し、その内容を基準にして中小企業の労働組合も賃上げ要求を行うというのが、一般的な流れです。
近年は、賃上げだけでなく、育児支援の要求なども行っている労働組合が多いことから、春闘で企業に訴えかける必要性や意味は、大いにあると言えるでしょう。
7:労働組合の組織率は下がっている
労働環境などの改善で活躍する労働組合ですが、労働組合の組織率は、下がりつつあると言われています。年々、各企業における労働組合員の割合が低下していると言われています。
労働組合の組織率の低下という観点からも、労働組合の必要性を疑問視する人が、増えてきていると考えられそうです。
8:労働組合はブラック企業に対抗できるか?
労働組合の必要性として、ブラック企業などの劣悪な環境で労働者を働かせる企業に対する、抑止力としての役割が考えられますが、実際に労働組合はブラック企業に対抗できるのか、気になるところです。
労働組合がブラック企業に対抗できるかどうかは、条件やその労働組合の組織力などによっても差がありますが、個人としてブラック企業に対抗するよりは、労働組合で組織として対抗した方が、行動しやすいでしょう。
9:労働組合の団結権は憲法で保障されている
労働者が、労働組合に加入する権利や、労働組合を自由に結成する権利は、憲法で保障されています。日本では、労働組合に関する「労働組合法」も制定されているのです。
そのため、企業側が、労働者に労働組合への加入をやめさせたり、労働組合の結成を阻止したりすることは、基本的にはできないと言われています。
10:労働組合の必要性は下がっているのか?
上記でも述べたように、近年は労働組合の組織率も下がっているため、労働組合の必要性も下がっていると考えられがちです。
しかし、現実ではまだ、ブラック企業と呼ばれる企業も存在しているため、労働組合という抑止力がないと、さらに劣悪な環境で労働させられる労働者が増える危険性も考えられます。
ですから、労働組合の在り方については考える必要がありそうですが、必要性は今後もあると考えられるでしょう。
11:非正規雇用は労働組合に関係ないのか?
パートやアルバイトなどの非正規雇用の場合も、労働者であることにかわりはないため、労働組合に加入する権利があると言われています。
非正規雇用者だけで労働組合を結成した例もあると言われていますが、正社員とともに雇用形態の枠を越えて働組合に加入している非正規雇用者も少なくないとされています。
あなたの会社に仕事の生産性をあげる「働き方改革」を起こしませんか?
名刺が多すぎて管理できない…社員が個人で管理していて有効活用ができていない…そんな悩みは「連絡とれるくん」で解決しましょう!まずはこちらからお気軽に資料請求してみてください。
労働組合の必要性はある?労働組合に相談できる主な内容4つ
続いては、具体的にどのような内容の相談を労働組合にすることができるのか、考察していきます。
相談できる内容を理解することで、労働組合の必要性について考えるヒントが見つかる可能性も、あると考えられるので、ぜひ参考にしてみて下さい。
1:不当解雇やリストラ
労働組合では、理不尽な理由や企業側の都合による不当な解雇について、訴えることも可能です。そのため、結婚や妊娠などを理由に不当に解雇された場合などに、労働組合に相談することも可能だと言われています。
単なる解雇やリストラだけでなく、退職を強制する企業側の動きや強要などについても、労働組合に相談することができます。
2:セクハラやパワハラ
近年、「○○ハラスメント」という言葉をよく耳にしますが、セクハラやパワハラについても、労働組合に相談することができます。
職場で上司にパワハラを受け、働き続けることが苦痛な場合などに、労働組合に相談することで、労働条件の改善などを企業に訴えることができる可能性も考えられます。
他人に相談しづらいセクハラやパワハラについて相談できるという点も、労働組合の必要性と言えそうです。
3:残業に関して
労働基準法などに違反しない範囲での残業は、仕方がないと考えられますが、あまりにも残業が多かったり、残業代が支払われなかったりする場合は、労働組合に相談することができます。
残業時間や残業代を巡って、企業と労働者が揉めるケースは多いと言われているため、残業に関する問題で労働者の味方になる組織という意味でも、労働組合の必要性は高いと考えられそうです。
4:給与について
給与の未払いや労働時間・仕事内容に対する給与の金額などについても、労働組合に相談できると言われています。
しっかり労働をしているにも関わらず、給与が支払われなかったりあまりにも安かったりすると、労働者は生活すらままならなくなります。ですから、労働者が給与について気軽に相談できる存在としても、労働組合の必要性は大きいと言えそうです。
労働組合の必要性を理解しよう
いかがでしたでしょうか?今回は、「労働組合の必要性」について、考察・ご紹介しました。
労働組合は、個人である労働者が組織である企業と対等に接するための組織でもあり、その必要性は大きいと言われています。
近年は、労働組合の必要性に疑問を抱く人も多いと言われていますが、ブラック企業などが多い現代だからこそ、労働組合は必要だと言えそうです。