着替えは労働時間に入る?着替え時間を運営上で工夫する方法3つ

組織・人材

労働時間とは

労働時間とは、労働している時間帯すべてを言います。つまり、職場に入った瞬間から労働時間は始まると言っても過言ではありません。しかし、現在の日本では、仕事を開始するためにはそのための準備が必要であり、事前準備は労働時間に含まれないという会社がほとんどです。

なかには労働時間の30分前に会社にスタンバイしておくようにという職場もあります。社会人としてあたり前という人もいますが、実際はどうなのでしょうか。

着替えは労働時間にあたるか

実際の所、着替え時間は労働時間にあたるのでしょうか。職場によっては制服が決められており、その制服ではないといけないという事もあります。また、私服でも大丈夫という会社もあります。

実は会社のシステムによって、労働時間になるかどうかは変わってきます。私服の場合、残念ながら着替える必要がありませんので労働時間には含まれません。しかし、制服や所定の服を着ることが義務づけられている場合、労働時間になります。

着替え時間を運営上で工夫する3つの方法

着替えが必要な職場の場合は、着替え時間も労働時間に含まれます。では、実際の運営上で着替え時間を労働時間に入れるためにはどのような工夫が必要なのでしょうか。

例えば、労働時間になるからと始業時間の1時間前に来て着替えるのは、ただの時間稼ぎにしかなりません。また、始業時間を過ぎるまで着替えをしていたら労働時間にも影響が出ます。そうならないための工夫を3つご紹介します。

方法1:着替える時間を一律にする

着替え時間を運営上で工夫する方法の1つ目は、着替える時間を一律にします。これは労働時間開始前に全員を同じ場所で着替えさせるという方法があります。しかし、シフト制などの場合に始業時間がバラバラになので、着替えの時間そのものを決めてしまいます。そうすることで、出勤時に着替えやすい服装で来るスタッフも増えます。

着替え時間は個人差があり、早い人もいれば遅い人もいます。着替え時間は遅い人に合わせましょう。

方法2:始業時刻は仕事以外の時間にする

労働時間は始業時刻から終業時刻までを指します。その中で最初から最後までずっと仕事をしているという人はほとんどいません。時々休憩をしたり、食事をしたりする場合もあります。

絶対にこの時間は仕事じゃなければいけないという以外の時間に、着替えの時間を作るという方法があります。つまり、始業時刻から実際に仕事をスタートするまでの間に着替えを済ませます。

方法3:タイムカードに着替え時間を加える

労働時間は基本的にタイムカードで記録されることが多いです。一般的には、着替え終わってからタイムカードを押すようにという会社もあります。しかし、着替え時間は労働時間に含まれますので、まずタイムカードを押してから着替えるのも運営上の工夫の1つです。

着替え時間を入れる場合の注意点

労働時間に着替え時間を含める場合、注意しなければいけないことがいくつかあります。こちらでは、労働時間によって変わってくることについてそれぞれ説明します。自分の考えだけで労働時間に着替え時間を入れてしまうと、最終的に会社に迷惑をかけてしまう場合もあります。該当する労働条件がある場合には注意しましょう。

労働時間が一日8時間未満の場合

労働時間が8時間未満の場合、休憩時間の長さが労働基準法で決まっています。これはアルバイトやパートの場合でも同じです。6時間以上8時間未満の場合は45分の休憩が必要ですし、8時間を超える場合には1時間の休憩が義務付けられます。

つまり、7時間50分の労働時間だった場合、もし着替えに10分以上かかってしまえば1時間の休憩を取らなければならなくなります。

所定労働時間と法定労働時間の違い

労働時間には所定労働時間と法定労働時間があります。所定労働時間とは、その会社で決められた働く時間の事で、法廷労働時間とは労働基準法で決められている時間です。

例えば、7時間勤務の所定労働時間の場合、1時間残業をしたとしても残業ではなく普通の時間給で計算される場合があります。法廷労働時間が8時間以上の場合に残業代を上乗せして計算するようにしているからです。

超過時間残業代取り扱いについて

前述のとおり、法廷労働時間で超過勤務があった場合には、残業代を支払う義務が発生します。着替え時間が労働時間に含まれますので、所定労働時間が8時間の場合、着替え時間がを含めて8時間以上になると超過時間として残業代を支払わなければいけなくなります。

ただし、所定労働時間で労働時間に変則があり、週の労働時間が40時間未満の場合には残業代が発生しない場合もあります。

労働者へ確実な周知を行う

所定労働時間や法定労働時間について、経営者側は知っていても労働者側が理解できていない場合もあります。特に残業時間いついては、労働者側が法定労働時間についてあまり知らず経営者側とトラブルになってしまう場合もあります。そうならないためにも、着替え時間と労働時間の関係などをしっかりと周知しておきましょう。

あなたの会社に仕事の生産性をあげる「働き方改革」を起こしませんか?

名刺が多すぎて管理できなかったり、社員が個人で管理していて有効活用したくてもできないなんて悩みは「連絡とれるくん」で解決しませんか。まずはこちらからお気軽に資料請求してみてください。

会社が労働時間と認めない場合の対処法

着替え時間が労働時間に含まれるという事が法的に認められていると言っても、会社が労働時間と認めない場合があります。日本の職場では、着替えを労働時間に入れない会社も多いのでそれがあたり前になっており、逆に怒られてしまう場合もあります。

服装自由の職場なら、言うだけ無駄ですしそもそも制服がないのですから着替え時間も何もありません。会社に強制的な制服があって、着替え時間が派生する場合の対処法をご紹介します。

上司や人事に相談

信頼できる上司や人事部に、制服を着替える時間を労働時間にできるかどうか相談してみましょう。場合によっては、着替える必要がないスーツ通勤などの場合、却下されることもあります。また、人によっては制服で通勤する人もいますので、論外で終わってしまう場合もあります。

しかし、絶対に着替える必要がある場合は、エプロン1枚を着用するだけだとしても会社の仕事として必要なことであれば労働時間にカウントされます。

労働局に相談

会社自体が長年そうしているからという理由で、着替え時間を労働時間にしない場合があります。新しい会社でも立ち上げる前の会社がそうだったからと引きずる人もいます。会社が理解してくれない場合には、労働局に相談してみましょう。いろいろな労働条件の相談に乗っていますので、着替えが労働時間になるかの有無を判断してくれます。

また、着替えが労働時間にならない場合でも、どのような条件であればそうなるのかをチェックしておきましょう。

弁護士に相談

会社か会社の立場で動きますし、労働局も実例がないと動かなかったり、あまり関わりたくない会社だとあたりさわりのない事しか言わない場合もあります。そのような時には、弁護士に相談してみましょう。特に労働条件を専門にしている弁護士は、いろいろなケースを経験していますので、着替えを労働時間に入れるための方法を教えてくれる場合があります。

ただし無料で相談してくれることは少ないので予算を確保しましょう。

過去の判例をチェック

会社は変える気がないし労働局もおよび腰で弁護士はお金がかかるという時には、過去の判例をチェックしてみましょう。判例とは、実際の裁判で行われた事案について勝訴だったか敗訴だったかなどを記載しています。最近では、インターネットなどでも判例を調べられるページがありますので、時間はかかりますが納得のいく判例が見つかるまで調べてみましょう。

数分の着替え時間も労働時間にあたる

数分の着替えだからと、労働時間についてあまり考えない人もいます。しかし、1日数分でも1週間1ヶ月と続けていけばかなりの時間になります。会社が納得しない場合には、弁護士や労働局に相談するのも1つの方法です。着替えを労働時間にするのは仕事をする上で正当な権利です。自分らしく働くためにも、権利をしっかりと主張してみませんか。

タイトルとURLをコピーしました