転職市場の現状|有効求人倍率・完全失業率2つの計算方法

組織・人材

転職市場の現状と将来性

日本の市場は時代や人工分布の変化により、ビジネスの需要も変化を遂げています。日本国内においては少子化と高齢化が叫ばれる中、2020年のオリンピック需要も含め、転職市場は売り手市場となっています。

特に「介護」や「建築」といった職種の需要が高く、一時的な需要過多になっていることから将来性のある仕事か不安に思う方も少なくありません。まずは転職市場の現状と将来性についてくわしく見ていきましょう。

転職市場の現状

有効求人倍率の指数が「1」以上を示す現在の転職市場は売り手市場と呼ばれています。団塊世代が多い日本人の人口分布の中、現代の企業では若手の人材不足やグローバル化に伴う即戦力の高い人材が特に求められています。

2019年は来年に控える東京オリンピックの特需もあり、建築関連の求人も増加傾向にあります。また営業職やIT関連での人材募集も多く、転職者にとっては転職活動のしやすい時期であるといえるでしょう。

転職市場の将来性

東京オリンピック開催に伴う問題の1つが、オリンピック終了後の雇用問題と言われています。オリンピック関連の仕事は期間限定の特需であると言われていますが、職種やビジネス分野によって必ずしも一時的な需要とは言い切れません。

オリンピック需要でさまざまな設備や施設が建設されるほか、日本国内におけるグローバル化が進みます。時代ともにさらに変化を遂げることで新たなビジネスチャンスを生み出すことも可能です。

有効求人倍率・完全失業率2つの計算方法

有効求人倍率の計算方法とは、有効求人者を有効求職者数で割って計算します。また完全失業率の計算方法は、完全失業者を労働者人口で割り、100を掛けて計算します。有効求人倍率と完全失業率の計算方法はそれぞれ異なり、対象者となる労働者の対象も異なります。

転職市場の指数となる有効求人倍率と完全失業率の計算方法についてくわしく見ていきましょう。

1:有効求人倍率とは

有効求人倍率の計算方法とは、有効求人者を有効求職者で割った計算式で数値を求めます。有効求人倍率とは、「1」を基準にしており、1以上の数値になると求人数が求職者よりも多く「売り手市場」と呼ばれる数値を示します。

また「1」を割った数値の場合は求人数よりも求職者の方が多いため仕事を求めていても雇用先が見つからないという問題が発生する可能性が高いことを示しています。

有効求人者数

有効求人数とは、新卒や学卒の方を除き仕事の求人を行っている数のことを意味します。有効求人倍率の計算方法に使用される「有効求人者数」は就労サービスなどを提供するハローワーク(公共職業安定所)が捻出する求人データに基づき数値化されたものがベースとなっています。

ハローワークにて前月に繰り越された求人と新たなに求人募集を行っている件数を合わせたのが「有効求人者数」と呼ばれる数値です。

有効求人数

現在の有効求人倍率は1以上で高い数値を示し、売り手市場と言われています。有効求人数は平成22年には約120万人を超え、平成30年に向けて右肩上がりに増加傾向にあります。

平成30年の有効求人数は約260万人を超え、仕事を探している人にとっては「売り手市場」と呼ばれる状況はここ数年続いている状況です。特にIT関連や建築関連の仕事の求人が多く、少子高齢化に伴い介護関連の求人も年々増加傾向にあります。

有効求人倍率の計算方法

有効求人倍率の計算方法とは、有効求人数を有効求職者で割って計算します。この有効求人倍率の計算方法で使用する数値はハローワークで取得したデータを使用して算出しています。

この計算方法で算出した有効求人倍率は「1」を基準に指数の幅を示しており、1よりも大きいと求人募集の方が求職者よりも多いことを意味します。また1より低い数値になると、仕事をしたくても求人数が少ないため仕事を見つけにくいことを示します。

2:完全失業率とは

完全失業率の計算方法は、労働者人口に完全失業者の人数を割り数値を算出します。完全失業率とは、仕事をしていない人ということではなく、仕事をしたいけど仕事が見つからない人も含まれています。

完全失業率は有効求人倍率の計算方法と異なり、労働者人口に対する失業者率を計算する算式を意味します。それでは、完全失業率の計算方法や数値の意味についてくわしく見ていきましょう。

完全失業者数

完全失業率の計算方法は、労働人口を完全失業者で割って計算します。では完全失業者数とはどのような範囲の人のことを意味するのでしょうか。完全失業者とは、年齢は15歳以上の方で仕事に就きたくて求職活動していたけど仕事についていない人が対象となります。

2019年における完全失業者は約170万人程度とされており、数年前までは完全失業率5%の時もありましたが、現在は2~3%の間を推移しています。

労働力人口

完全失業率の計算方法の数値として使用される「労働人口」とは、国の総務省がまとめた労働者人口の全体の人数を意味します。2019年における労働者人口約6600万人となっており、近年は求人募集も増加傾向にあることから労働者人口も増えています。

労働者人口は日本経済の成長を表す数値としても注目されている数値で、東京オリンピックが開催される2020年までは増加するであろうと予想されています。

完全失業率の計算方法

完全失業率の計算方法は、労働者人口を完全失業者で割って算出します。2019年度3月の完全失業率は2.5%となっており、2019年に入ってから2%台をキープしている状況です。

この計算方法で算出された完全失業率は年代別でも算出されており、年代別に見ると「25~34歳」で3.6%を示しています。2.3%以下は35歳以上の年齢で、全体的に見ても比較的安定した数値を推移しています。

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求職者が企業に応募するポイント

有効求人倍率や完全失業率の計算方法で使用される数値でも表されているように、求人数は高いもののいまだ仕事に就けていない人が全体の2%近く存在します。

有効求人倍率が高いにも関わらず求職者は仕事に就けない理由はどういったところにあるのでしょうか。次は求職者が企業に応募する際のポイントや懸念材料となっている項目をいくつかご紹介いたしましょう。

長く働けるか

有効求人倍率が高い理由の1つが「雇用契約における条件」です。求職者の多くはできる限り長く働きたいと願う方も多く、契約社員ではなく正社員の登録が可能な企業を選ぶ方も多い傾向にあります。

また最近では定年過ぎてからの雇用体系を気にする声も多く、定年後も継続して働ける企業や退職後も関連会社で仕事が続ける仕事を選ぶ方が増えています。

未経験者が働くことができるか

転職や中途採用における求人の条件にあるのが「未経験者不可」と記載されている場合です。求人数は多くても前職と同じジャンルの仕事が求人しているとは限りません。

また未経験者も可能とされている場合でも専門性が高く、入社してからさまざまな知識を自ら勉強して身につけなければならない場合もあります。新しい仕事に就く場合はある程度その仕事をしっかり勉強する意欲を持って望むことが必要です。

待遇が整っているか

求職者が企業に応募する場合にチェックする項目の1つが待遇面です。たとえば、厚生年金や福利厚生費などの対応がどういったものであるか、また保険料の支払いや休暇取得の規則など、働く上で企業側にサポートしてもらう項目が数多くあります。

働きたい企業が見つかったとしても、待遇面で優遇されていない場合は求職者も働きにくいと感じ、就職することをためらう可能性が高いといえるでしょう。

年収・給与

求職者が企業に応募する上で必ず知っておきたい項目なのが「給与面」です。たとえば、固定給にプラス歩合制の給与が組み合わさった給与システムのところもあれば、年俸制で年間の給与があらかじめ設定されている場合もあります。

また企業によってボーナスの有無も重要な項目の1つです。企業の利益や業績によってボーナスの金額が変動する場合もあれば、一律の場合もあります。

ネットの口コミ

最近の求職者に多いのが企業に応募する前に該当する企業の口コミをネットでチェックするという点です。企業によっては2チャンネルなどの口コミサイトが設けられている場合もあり、現在その会社で働いている従業員が企業の良い部分や悪い部分などを自由に書き込みしています。

ネットでの情報はあくまで参考とし、実際の労働条件や労働環境などは面接時に直接質問するといいでしょう。

残業・休日休暇

最近では残業をなくす「ノー残業デー」という日を設けている企業も多い傾向にあります。残業は1か月何時間までなどあらかじめ労働条件として定められているかもしっかりチェックする必要があります。

また休暇の取得方法についても、実際入社して見たら仕事を休める状況ではない場合もあります。会社で休日休暇の取得がしっかり義務付けられているかもしっかりチェックし、休暇取得できる体制を整えているかもチェックしましょう。

求人情報

インターネットが普及した現代は、インターネットを使用すればさまざまな求人情報を閲覧することができます。ハローワークなどの職業安定所では、あなたの希望労働条件や能力などを考慮しながら適切な求人情報を提案してくれます。

また現在は数多くの人材会社があり、人材会社に登録するとあなたの条件にあった求人先をいくつか提案してくれます。有効求人倍率も参考しながら市場の動きにも注意するといいでしょう。

仕事内容

企業に応募する場合は書類選考の後、面接試験へと進むのが一般的です。企業の求人情報では大まかな情報しか記載されていないので、あらためて面接時に仕事内容の詳細や仕事をする上で気になる点は面接官に質問するようにするといいでしょう。

仕事の内容は有効求人倍率の数値にも大きく影響する内容の1つです。有効求人倍率の計算方法にあったように、不当な仕事の求人があっても求職者が集まらないということも考えられます。

会社の雰囲気

企業に応募し面接試験を行う場合は、ほとんどの場合オフィス内の1室で行います。入社する前に受付での対応や通路ですれ違った社員の雰囲気など、会社の雰囲気をあらかじめチェックしておくのもおすすめです。

面接のときは人事部の方が担当しているため、人事担当の印象はよくても、会社の雰囲気が陰気で暗いという可能性もあります。

ブラック企業でないかどうか

最近日本以外でも問題視されているのが「ブラック企業」の存在です。ブラック企業とは、不当に残業をさせたり、休みを取得できないような業務を課すなど、さまざまな問題のある企業です。

企業に応募する場合は、企業のホームページはもちろんのこと、企業のイメージや雰囲気などを周囲にヒアリングしておくのもいいでしょう。ブラック企業が多く存在すると必然的に有効求人倍率も高くなります。

有効求人倍率・完全失業率2つの計算方法を理解しましょう

有効求人倍率の計算方法とは、有効求人数を有効求職者数で割って算出します。また完全失業率の計算方法は、労働者人口を完全失業者で割って算出します。どちらの計算方法で算出された数値は日本における経済成長を予測する上で重要な数値です。

これから転職をしようと考えている方は、有効求人倍率の計算方法の意味を理解した上で。事前に応募する企業の労働条件などをチェックするといいでしょう。

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