請負業務とは|現場管理責任者の主な業務内容10個

組織・人材

請負における現場管理責任者とは

請負事業における管理責任者とは、請負業務全般の指揮命令、作業者の安全・衛生を含む労務管理、発注先との連絡・調整などを行う現場の管理責任者をいいます。

そのため、請負業務の現場管理責任者は日常的に現場を適宜巡視し、人員配置の適正化や作業の効率化を図ると共に作業改善や技術指導などの業務を行わなければなりません。

いかなる事情があっても、管理責任者の不在や管理責任者の権限行使を怠れば「偽装請負」となります。

請負業務とは

請負業務とは、民法上の「請負契約(納期・成果物)」に対して報酬が支払われる契約方法いいますが、特段の取り決めが無い限り「仕事の手段や方法」は問われません。

そのため、委任契約のように途中経過の報告義務がありません。また、例えばソフトウェアー開発やデザインなどの業務で見られるように、請負業務の一部を第三者に委託することも問題がありません。請負業務の契約は、納期を守り成果物を納品することが大事です。

現場管理責任者の主な業務内容10個

請負業務における管理責任者は、関係法令や規則に則り適切に労働者の監視指導を行わなければなりません。

請負業務を円滑の行うため、事業者や労働者の果たすべき義務や責任について就業規則などで可視化すること重要ですが、とりわけ管理責任者は大きな影響力を持っています。

その意味において、請負業務の管理責任者の恣意的な権限行使を抑止するため、職務分掌や職務権限規程などによって責任や権限の明確化が必要です。

1:請負業務の労働者に対する業務上の指揮命令

請負契約においては請負労働者の身分を保護することを目的とし、職業安定法の施行規則で「受注者の責任の下で管理責任者を配置し作業を執り行うこと」と規定されています。

請負契約においては、発注者が請負業務の作業者に対し直接的に指示命令することは禁じられていますので、仮に発注者側の提供する職場で業務を行う場合であっても、管理責任者が常駐あるいは適宜に巡回し業務の指揮命令を行わなければなりません。

2:技術的な指導や個々の労働者の能力評価・査定

請負業務において、管理責任者が発注者から独立して自己の業務として処理する要件を満たす場合は、発注者側から以下のような技術指導や能力評価を受けることは差し支えありません。

1.発注者から新たな設備や装置などの借用にあたって操作手順の説明を受ける場合

2.新製品を製造着手する際、仕様や作業手順などの注意点の説明や実習を受ける場合

3.業務上の労働安全衛生に関し、緊急的な対処が必要な指示や指導を受ける場合

3:労働時間等の管理と決定

請負業務における勤務時間(始業・就業・休憩)や休日の決定は、請負事業者が自らの意思で文書化し、管理責任者や作業者などに周知しておく必要があります。

請負業務においては発注者の意思や都合によって、請負事業者の管理責任者を通じて作業時間などを指示を行うことは違法行為(偽装請負)に当たります。

また、請負業務における作業者の勤務状態などの把握および管理は、管理責任者の責任の下で行わなければなりません。

4:労働時間や労働時間の管理

請負業務における出勤・欠勤・遅刻・早退および休暇・病欠など勤務状態の管理は、請負事業者(管理責任者)が自らの意思や手段によって行わなければなりません。

請負業務において、発注者側が受注者側(請負事業者)の従業員に対し、直接的あるいは管理責任者を通じて間接的に勤怠管理上の承認や否認および指示命令をすることはできません。なお、管理責任者が日々の勤怠状況を発注者側に報告することは、特段問題はありません。

5:時間外や休日労働の必要性の判断や労働者への指示

請負業務における時間外労働(早出や残業など)や休日労働(休日振替や代替休日を含む)の必要性が生じた場合は、専ら請負業者の管理責任者が判断し作業者に指示しなければなりません。

管理責任者が不在であっても、発注者側の事業者が直接請負側の作業者に対し時間外労働や休日勤務の要請や教唆あるいは指示命令などをした場合は、偽装請負の違法行為に当たりますので注意が必要です。

6:請負業務に必要な制服等の準備と着用の徹底

請負業務において、請負作業に必要な制服(作業服・靴・ヘルメット・名札など)は、請負事業者(管理責任者)の責任において支給し着用させなければなりません。

請負作業において、発注者側の制服(作業服など)を管理責任者に対して無償で貸与することは請負契約の観点から適当では無く、ましてや発注者が制服の着用を管理責任者に強要したり義務づけたりすると、偽装請負の可能性を指摘される可能性があります。

7:労働者の人数・配置・人選、その変更等の決定

請負業務において、作業に必要な作業者の人数・配置・人選およびそれらの変更については、請負事業者の責任において決定しなければなりません。

請負業務の基本は、飽くまで請負契約に基づいて成果物を引き渡すことにあります。そのため、請負業務における作業方法や人員配置などについては、発注者の意思に従ったり指示を受けることは偽装請負になりかねませんので、管理責任者の工夫によって利益の最大化を図ることが重要です。

8:請負業務の事業運営に必要な免許や資格の維持管理

請負業務において、事業運営に必要な各種の面鏡や資格の維持管理は、請負事業者(管理責任者)の責任において行う必要があります。

例えば、マイホームの建築工事で工務店と請負契約を締結した場合、請負事業者の責任において「大工」「電気工事」「給排水工事」「ガス工事」などを行いますが、現場の管理責任者はそれらの工事に必要な資格や免許の有効性を確認しなければ、違法建築工事として処罰されることになります。

9:法令事項の遵守および管理

請負業務においては、労働基準監督署の立ち入り検査で「偽装請負」の疑いを持たれた場合は、正直に実態を申告し是正勧告に従う必要があります。

仮に、請負事業者が労基局の立ち入り検査などで「虚偽申告」が発覚した場合は、厳しく処罰されることになります。そのため、請負偽装だけで無く作業者の安全衛生管理などについて、日常業務の中で「法令遵守(コンプライアンス)」の意識を徹底することが大事です。

10:請負業務に必要な資機材等の準備・調達

請負業務を行うに当たっては、請負事業者が使用する原料・材料および道具・工具などについて、基本的に自ら手配・調達することが必要です。

請負契約の発注者から原材料などを調達する場合、あるいは業務に必要な機械や設備などを借用する場合は、請負契約の正当性の根拠とするために別個に原材料の売買や機械などの借用に関する双務契約を締結することが原則です。

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生産性に関する維持管理および改善活動

業務の生産性を維持するためには「作業の標準化」が不可欠ですが、言い替えると業務の生産性を改善・向上するためには「作業の標準化」が必須条件です。

作業の標準化で最も基本的なことは、作業マニュアルを作り「作業フロー」と「作業手順」を統一することです。つまり、現行作業の「ムダ」「ムラ」「ムリ」が明らかになれば、自ずから改善への道筋が見えてきます。

生産量の確保と品質保証

品質保証とは、製品企画・設計・製造・流通・販売・アフターサービスなど一連の組織が連携した体系的活動をいい、顧客満足度を追求する継続的な活動です。

昔の大量生産では「品質が良いもの」が目標でしたが、昨今の多品種少量生産では「顧客が望むもの」が目標です。その意味から、顧客ニーズを抽出する市場調査の重要性と請負業務の活用を含めた機動的な生産体制の構築が課題です。

経営資源の効率を上げる

生産量の確保には生産性の向上が必要ですが、生産性を向上するためには「生産効率の改善」が不可欠です。

生産効率の改善とは、経営資源(経費・人件費・原材料費など)のムダ・ムラ・ムリを継続的に排除するための「P・D・C・Aサイクル」を意味していますが、象徴的な活動テーマとして「機械のスピードアップ」「切替時間の短縮」や「不良率の低減」などがあります。

部下の育成と管理

部下の育成にとって重要なことは、仕事に対する意欲を持つための動機付けと情報を共有するためのコミュニケーションです。

仕事を教える際、よく自身の経験則を押し付ける上司がいますが、上手な仕事の教え方は「ノウハウ(どうやるのか)」ではなく、「ノウホワイ(なぜやるのか)」に徹することです。

つまり、課題解決の結論を導き出すためには、論理的なアプローチの仕方を身に付けることが部下の育成にとって重要です。

現場責任者の改善に対する期待・要求事項

請負業務の管理責任者に対する改善に係る期待と要求事項には、以下のような項目があげられます。

1.三現主義(現場・現物・現実)に徹すること。
2.多角的な視点からアプローチすること。
3.客観的な立場を維持すること。
4.組織的な活動を尊重すること。
5.革新的な知識を重視すること。

常に現場を見ること

管理責任者として問題点の把握や課題の解決を図るためには、現場に足を運び・現物に触れてみて・現実を認識する「三現主義」が極めて重要なことです。部下の報告に頼り切った判断は、時として重大な失敗を犯す危険性があります。

広い視野で見て全体的に判断すること

管理責任者として重要な判断や決断を行う場合は、一方向から得られた所見に頼るだけで無く、多角的な観点から考察した総合的な判断が必要です。

物事の本質的な解決にとって、肯定的な思考と否定的な思考あるいは演繹的な思考と帰納的な思考など、多面的なアプローチが重要です。

ラインに入り浸りにならない

管理責任者が現場に入り浸ると、作業者の目線と一体化し客観的で合理的な判断ができなくなる危険性があります。また、管理責任者が職場に入り浸ると、職場規律が乱れたり指揮命令の機能低下につながります。

よく部下を統制・指導すること

管理責任者の第一の任務は、部下の仕事に対する考え方や進め方を指導したり、必要に応じて統制することです。管理責任者としての指導・統制の機能を果たすためには、報・連・相をとおしたコミュニケーションが重要です。

知識・技術の革新を怠らない

請負業務において、新規業務を獲得するためには革新的な知識の吸収や技術の獲得が極めて重要なことです。特に業務改革を行うためには、情報通信機器を利用した新規技術の導入や業務システムの構築が不可欠です。

請負における現場管理責任者の業務内容を理解しましょう

請負業務における管理責任者は、請負業務の掛る「人・物・金・情報」など全ての経営資源の管理を担うキーマンです。

管理責任者の言行は、常に「偽装請負」と紙一重の関係性に置かれていることから、広範な知識だけでなく強靱な自主自律の精神が求められます。

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