組織マネジメントの基本・組織の7S|必要な管理職の能力

組織・人材

組織マネジメント

企業は、さまざまな経歴、さまざまなスキルを持ち、そして組織に求める関心もそれぞれ異なるメンバーにより構成されます。この多様性を背景としたメンバーが一つの共通の目標達成のために協働するのが企業という組織体です。

組織体のメンバーが互いに密接な関係を保ちつつ、仕事のレベルを最高に発揮して組織目標を達成する必要があり、そのための組織運営(マネジメント)がとりわけ大切になります。

組織を円滑に運営するために必要なマネジメント手法

企業活動は、会社に託されたヒト、モノ、カネ、情報などの経営資源をマネジメントサイクルの各プロセスで効率的・計画的に運営する必要があります。そのためには、組織の円滑な運営に役立つ組織マネジメント手法が重要になってきます。

組織の円滑な運営は企業の生命線です。組織が活性化し、より効率的・効果的な企業活動が可能になる組織のフレームワークを見直し、現状の的確な把握と問題の迅速な解決がとりわけ大切になります。

組織マネジメントの必要性

組織マネジメントは、設定された目標に向けた共通のプラットフォームにメンバーを集めることにより、現場での綿密な計画と管理によって人的リソースを最大限に活用することができます。

共通の目標と共通のプラットフォームは、メンバーに的確な方向感覚を与え、それぞれが自分の役割と責任を自覚し、組織内で何をすべきかを理解します。また、組織マネジメントの効果的運営により会社に確かな収益をもたらします。

リーダーシップとの違い

「組織マネジメント」は、会社組織を円滑に運営するために必要な管理手法を意味し、マネジメント運営にかかわる各層の管理者がマネジメント各機能のつながりと相互作用を見極めるシステム思考が求められます。

「リーダーシップ」とは、メンバーを管理し、その仕事の最高レベルを引き出すスキルを意味し、効果的なリーダーシップはメンバーを共通の目標に向けた単一のユニットとして協働させます。

組織マネジメントの基本・組織の7S

「組織の7S」とは、マッキンゼー・アンド・カンパニーが提唱した概念で、組織運営上必要不可欠な7S(経営資源)をソフトとハードの2つの領域に区分し、その現状を的確に把握して本質的な問題の解決を図ることを目的としています。

ソフト領域の4Sは価値観が絡み恣意的に短期間に変更することは容易でないとされます。ハード領域の3Sは戦略やシステムなど意思決定や実行プランがあれば、短期間でも変更が可能です。

組織の7Sのハード3S

「ハードの3S」は、戦略・組織・システムに区分されます。ハードの3Sは、企業という組織体の基礎的なフレームワークを形成する要素で、他の要素である人材・スキル・スタイルにも大きな影響を及ぼします。

ハードの3Sは、ビジネス環境の変化などに応じて、組織運営上の必要性から経営者の意思決定や実行プランにより容易に変更が可能で、その性格上、プライオリティーは戦略、組織、システムの順番となります。

組織の7Sのハード3S:戦略(Strategy)

「戦略(Strategy)」は、競争優位の事業ビジョンを実現するための中長期的な準備・計画・運営などの方針や方向性を意味します。組織運営上根幹となる戦略は部門を超えて情報共有がされることが大切です。

戦略策定では、経営資源(ヒト、カネなど)を最終ゴールに最小コストで到達させるため、その効率的な配置や配分が大切です。発生が危惧されるリスクを最小限にする事前のリスク管理も組織運営上の必須項目となります。

組織の7Sのハード3S:組織(Structure)

「組織(Structure)」は、目標に向けた共通のプラットフォームにメンバーを集め、その集団が高いパフォーマンスを発揮できるように構成された形態を意味します。

組織には有数から現場までの階層距離が短く容易に意思疎通できる柔構造が必要で、柔構造により顧客対応力や組織活力などの機能が活かされます。

また、組織における権限委譲や責任体制の明確化により、それぞれのメンバーが自分の役割と責任を自覚します。

組織の7Sのハード3S:システム(System)

「システム(System)」は、構築された企業戦略の達成や構成された共通のプラットフォームが円滑に機能するように、運用や管理など効果的なシステムマネジメントを図るための仕組みや制度を意味します。

システムの運用にあたり、情報の適時的確な伝達が可能なインフラの整備、情報の戦略的管理(結果情報だけでなく、課題解決の進捗状況、リソースの状況などを活用管理する手法)や評価の透明性の確保などが求められます。

組織の7Sのソフト4S

「ソフトの4S」は、スタイル、スタッフ、スキル、価値観に区分されます。ソフトの4Sは価値観が絡む要素のため慣性が働き、容易に短期間で変更することは難しいとされています。

組織風土や組織文化などは企業のルーツともなっており、企業のスタイル・社風・価値観を変えて定着させることは相当な時間と労力が必要となります。また、スキルの習熟や人材の育成も一朝一夕に完遂することはできません。

組織の7Sのソフト4S:スキル(Skill)

「スキル(Skill)」には、メンバー個々が保有する技術力だけでなく、組織が保有する製品やサービスの販売力・営業力・開発力・マーケティング力なども含まれ、これら資源の目的意識を持った活用が大切です。

競争優位の事業ビジョンを実現するため、コアなコンピタンスを開発・獲得する努力を積み重ね、他社が追随できない独創的な価値創造を果たして差別化を図るのも企業戦略上必要と言えます。

組織の7Sのソフト4S:人材(Staff)

「人材(Staff)」は、組織の価値観を共有するメンバーを意味し、個々の能力が仕事レベルで最大限に活かされるとともに、チームとしての組織運営にシナジー効果を生み出すものでなければいけません。

他組織との競争優位を確保する組織運営の観点から、異なるものの見方・考え方や価値観の差異など個人のさまざまな多様性を人事マネジメントに活かすダイバーシティ・マネジメントが注目されています。

組織の7Sのソフト4S:スタイル(Style)

「スタイル(Style)」は、企業の組織風土や組織文化など企業のルーツを基盤とした社風・経営姿勢・企業価値観・職場環境などを意味し、組織運営上重要な要素となります。

企業のスタイルは、メンバーのビジネスマインドを規範するとともに、組織に貢献する意味合いを考えた意欲的行動を触発します。働きやすい環境は、メンバーのモチベーションや目標達成意欲を高め、結果として組織全体の業績向上につながります。

組織の7Sのソフト4S:価値観(Shared Value)

「価値観(Shared Value)」は、企業理念や企業としてのミッションを意味し、組織の7Sフレームワークの中心的な部分を占めます。価値観は組織運営において意思決定を行う際の判断の基本軸になります。

企業理念やミッションをバックグラウンドとした目標設定はメンバーに組織貢献意識を扶植し、自己の責任や役割を自覚しながら目標を達成する意欲を生み、企業活動に自分たちが欠かせない存在であることを認識させます。

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組織を運営・管理していくために必要な管理職の能力

ここまでで組織を運営していくために必要なマネジメント法をお伝えしてきました。ここからは方法ではなく、組織をマネジメントしていく管理職としての能力についてご紹介していきます。

いくらマネジメント方法を知っていたからといって、それを実行できる管理職の人間がいなければ、組織は円滑に運営できません。

目標管理・人材マネジメント力

組織運営をする管理職の本分はメンバーを介して仕事をやり遂げることで、その成否を左右するのが最初の段階の目標や期待値の設定です。目標値を高めにすることにより、メンバーにほどよい緊張感と達成感を与えます。

人材マネジメント力の基本は部下を知ることです。部下の技術力・資格・経験など基礎的データを活用し、その適性・能力にあう仕事の配置や動機づけを行い、部下のモチベーションを高めることができます。

高度なコミュニケーション能力

組織運営にあたる管理職は、メンバーを介して部門や組織の目標を達成します。メンバーがよく働き組織に付加価値をもたらすためには、メンバーとの効果的なコミュニケーションが大切です。

毎日の部下とのコミュニケーションを習慣化し、相手の理解度を高めるため、言葉づかい(言葉の選び方)、発話(話し方:声のトーン、速さ、声の大きさ)、視覚(ボディーランゲージ、表情、目の動き)に配意します。

推進・支援行動力

グローバル化などビジネス環境の激変するなか、より少ないリソースでより多くの成果を挙げるため、管理職がメンバーの責任範囲を広げ、より自発的に働けるように支援することが求められています。

管理職のメンバーに対する推進・支援行動は、メンバーがやるべきことを教えるよりも、問題の解決策を考え出す作業を手伝うスタイルで、メンバーを支援していくコーチングの形をとります。

組織の7Sについて理解を深めて運営・管理しよう!

日進月歩の技術革新の現代では、企業が提供する製品・サービスのライフサイクルは短くなり、競争優位を獲得するための差別化や顧客満足の獲得などをコアにした組織運営が求められます。

組織の有効性を左右する7Sをよく理解し、7Sを相互に同期をさせてバランスを図るとともに、ビジネス環境の変化などに対応した7Sのプライオリティーの見直しなど、進化した組織戦略により効率的・効果的な組織運営に努めましょう。

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