人材ポートフォリオとは?人材ポートフォリオのメリット3つ

組織・人材

人材ポートフォリオとは?

人材ポートフォリオとは、会社内の事業達成に必要となる「人材」を明確にし、会社組織の人的資源を分析する手法のことです

会社組織内では人材の採用や育成といったことから、人材をどこに配置すれば良いかという人材配置にも活用できる手法です。最近は働き方も多様化している社会において、人材という大切な資源を全体的に最適化できる手法だということで注目され始めています。

携帯用の書類入れから生まれた言葉

ポートフォリオの元々の意味は「携帯用の書類入れ」で、ここから生まれた言葉と言われています。

ポートフォリオは携帯用の書類入れから生まれた言葉ですが、元々は有価証券の保管や携帯をするために使われていました。

それが進化し現代ではプロジェクトや情報システム・製品などに広がりを見せて人材の部分でも使用される言葉となり、人材の構成や配置などの分析に役立つ手法で現代に定着し使用されるようになっています。

企業の人的資源の構成内容を表している

人材分野でのポートフォリオは人的資源がどのような人材で構成されているかを示しているツールです。

人材分野でのポートフォリオとは、会社組織の中でどのような人材がどのような場所に配置されるべきかを分かりやすく明確化しているものであり、人材ポートフォリオの設計は会社には必須です。

経営戦略や事業戦略における人材ポートフォリオ設計は本当に必要な人材の可視化に向いており、採用・育成などの人材配置に活用されます。

人材ポートフォリオのメリット3つ

それではここから人材ポートフォリオのメリット3つについてご説明します。

適正な人材採用と育成・多用なキャリアの道筋立て・適材適所の人材配置の3つに分けて1つずつご説明していきます。

1:採用や人材育成の分野で戦略を立てやすくなる

経営側が人材余剰や人材不足の把握をすることで経営戦略が立てやすくなります。

まず1つ目のメリットは、人材マネジメント分野で人材が有効活用されることです。事業目標に必要な人材が可視化されることによって、どの部門で人材が余っているかどの部門で人材が不足しているか分かります。

経営側は、ポートフォリオを元に新規の採用計画や今いる人材のスキルアップ研修を行いやすくなるので、結果として事業が成功しやすくなります。

2:社員それぞれに多様なキャリアの道筋を示しやすい

人材ポートフォリオ設計による分析を活かした多様なキャリアへの道筋を社員に示すことができます。

2つめのメリットは、人材ポートフォリオ分析を活かした社員向けの新たな技術の習得過程です。ポートフォリオによって分けられた人材が、何が得意で何が不得意かを経営側が把握できますので、その人材にあったキャリアアップの道筋を提示しやすくなります。

社員も自分が得意な分野のスキルアップだとモチベーションも上がります。

3:適材適所の人材配置を図れる

人材ポートフォリオの分析によって適材適所の人員配置がスムーズにいきます。

3つめのメリットは会社組織の中にあるさまざまな部門に合った最適な人材を配置できることです。人材ポートフォリオによって分析された人材を適材適所に配置できれば、会社にとって大きなメリットになります。

その時その時に必要な人材を投入して最大限スキルを活かせることができれば、会社にとって難しい事業計画をこなしていく原動力になります。

人材の分類方法4つ

ではここからは人材ポートフォリオによる人材の分類方法について説明します。

人材ポートフォリオによる人材の分類は「クリエイティブ・マネジメント・エキスパート・オペレーション」の4つに分けられます。

1:クリエイティブ人材

クリエイティブ人材とは、高い専門スキルを持った人材のことです。

一般的な者より突出した専門的な技術や知識を持った人材のことで、会社内のさまざまな業務のどこにでもあてはまる人材ではありませんが、自身の持つ高度な専門性を駆使して会社の業績向上に貢献するタイプの人材です。

会社経営の元となる技術や専門知識を持っている者も少なくないため、役職を付けて雇っている企業も数多くあります。

2:マネジメント人材

マネジメント人材とは、働く社員の能力を見極め職場に活かすために、社員の強みを引き出す能力を持った人材のことです。

人材ポートフォリオにおけるマネジメント人材とは、人材の適切な管理を行える人材という大きな意味がありますが、管理の中には評価や分析も含まれています。人をまとめる能力が高いマネジメント人材が1つ1つの部門にいることで、各部門の仕事効率が良くなります。

マネジメント人材も会社に必ず必要な人材です。

3:エキスパート人材

エキスパート人材とは、ある特定分野に特化した能力・スキルを持つ人材のことです。

専門家や熟練者と呼ばれていますが、会社業務の中には当然専門的な分野が含まれていますので、専門分野に特化したエキスパート人材は無くてはならない存在です。

エキスパート人材は1つの分野に特化していることが多いので、会社内で上手く活用させるためにはしっかりとしたマネジメント人材の配置を行う必要があります。

4:オペレーション人材

オペレーション人材とは事業遂行のための道筋を正しく現実的に進めていく人材のことです。

どれだけ優れた企画や計画書も現実性がなければ意味がありません。オペレーション人材に求められる能力は会社の事業目標を達成させるために、事業企画や計画を運営・推進していく手順を定め示せることです。

作業を行う者に手順を定めて示してあげたあとは、手順に沿って1つずつ実施できているかを確認していくことが重要です。

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人材ポートフォリオの設計方法2つ

人材ポートフォリオの設計方法とはどういったものがあるのかを知りましょう。

人材ポートフォリオの設計には、経営戦略や事業計画を明確化するということと、人材を職能・職種に分けていく人材分類の2つのステップがあります。では今から1つずつご説明させていただきます。

1:経営戦略や事業戦略を明確化する

人材ポートフォリオの設計には経営戦略や事業戦略を明確化しておく必要があります。

元となる経営戦略や事業戦略がしっかりとできていなければ、人材を活用できません。そのために経営側は会社の元となる経営戦略や事業戦略を誰が見てもはっきりとわかる形に仕上げておく必要があります。

経営戦略や事業戦略が明確化されていれば、適材適所に人材を投入することができ事業の遂行もスムーズに行えます。

2:人材分類を設定する

経営戦略や事業戦略が明確化されたら、人材分類の設定を行っていきます。

人材を職種や職能に分けていき、さらにさきほど説明した4つの人材分類パターンにあてていく作業です。人材分類の方法は会社ごとに異なりますが、大きな部分の分類はどの会社も同じです。

人材をしっかりと分類しておかないと適材適所に必要な人材を配置できなくなり、会社の事業計画がスムーズに進行しなくなります。

人材ポートフォリオを設計する際の注意点2つ

人材ポートフォリオの設計において注意しておくポイントがあります。

ポイントの2つをご説明します。失敗しない設計を立てていただくために覚えておいて欲しいポイントです。

1:分類するための軸作りや分類に伴う制度設定に負荷がかかる

人材ポートフォリオのベース作りは会社全体に影響するため、通常の業務に支障が出てしまいます。

人材を分類する際の軸作りは基本的に能力軸・職務軸・役割軸といったものに分けられます。これらは会社の実情に合わせて作らなければなりませんし、分類に伴う会社の制度設定もしなければなりません。

これらの設計に手間や時間をかけないために、あまり色々な条件を付けずに基本的な条件を最小限にすることが求められます。

2:人材分類に伴った制度が適切に運用されないと人件費の上昇や社員の不満につながる

人材分類を行って人材を分けても、その制度の運用を誤れば会社運営にダメージを与えることになります。

人材分類を行ったのに、適材適所に人材がいくような適切な運用がされなければ社員からのクレームは避けられません。それどころか間違った運用をすることでかえって人件費が嵩んでしまったということも起こり得ます。

そうならないためにも設計段階から社員にしっかり制度説明を行い適切に運用されるよう努力が必要となります。

人事戦略に活かすためのポイント3つ

人材ポートフォリオは人事戦略に活かすことができます。

ここからは、人材ポートフォリオを人事戦略に活かすためのポイントについてご説明させていただきます。どれも重要なポイントですのでしっかりと覚えていただきたいです。

1:順位付けや優遇に使わない

順位付けや優遇に利用すると社員のモチベーションに影響を及ぼすことになります。

人材ポートフォリオの分析結果を元に特定の社員に優遇を行ったり社員ごとの順位付けを行ってしまうと、それが元で会社内に亀裂が生じてしまいます。

優遇されていない社員などのモチベーションに影響を及ぼすということは、最終的に会社の事業計画遂行の足かせになってしまいますので、順位付けや優遇には利用しないように注意が必要です。

2:全ての雇用形態の社員を対象とする

雇われている全てのスタッフに対して公平に評価と分類を行うことが、正しい分析に繋がります。

会社で事業計画を遂行するのは基本的にチームプレイです。指揮をとる社員や特定の技術者、アルバイトスタッフの方も含めた全てがチームですので、社員や特定のスタッフだけを人材分類の対象にしたりしないことが人材ポートフォリオにおいては求められます。

会社に貢献している従業員全体で人材ポートフォリオを設計するのは基本です。

3:企業側だけでなく社員の志向も分類に反映する

経営陣だけの考えで人材ポートフォリオを設計すると、社員の考えとズレが生じてしまいます。

実際に現場に立って仕事を遂行しているのは社員を含めた従業員たちです。現場を知っている社員の志向(考え方や気持ちの方向性)も考慮されたポートフォリオ設計による人材分類は、より現実的なものになり適切に人材を配置できることにつながります。

経営側と現場サイドの考え方の集約も、ポートフォリオ設計に必要不可欠な要素です。

企業の保有する限られた人的資源を全体最適化することができる

企業が持つ貴重な人材という資源を最大限に活かし最適化することが人材ポートフォリオ最大のメリットです。

いかがでしたか、人材ポートフォリオの必要性やその効果・設計の方法などを学んでいただける結果になったことでしょう。

企業にはたくさんの人的資源がありますが、その貴重な資源も才能が眠っていたり活躍する場が無くては意味がありません。この記事があなたの会社の人材ポートフォリオ作りのお役に立てれば幸いです。

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