労働力人口の減少による問題3つ|労働力人口減少への対策4つ

組織・人材

労働力人口

労働力人口とは、15歳以上の人口のうち収入が発生する仕事に1時間以上ついた「就業者」と、求職中あるいは仕事が見つかればすぐに就くことができる「完全失業者」を合わせたものを指します。

一方で、15歳以上の人口のうち就業者と完全失業者以外のものを非労働力人口といいます。

労働力人口とは、その国に働く意思や能力を持った人の総数なので、国の経済力を表す一つの指標になります。

労働力人口の調査・計算方法

前述したように、労働力人口とは働く意思や能力を持った人の数で、これには働く能力はあっても意思がない者(主婦、主夫や学生など)や働く能力がない者(老齢者や病弱者など)は含まれていません。

では、この労働力人口はどのように調査をし、計算しているのか、以下で詳しくご説明します。

労働力人口の計算方法

労働力人口は、15歳以上の人で、働く能力と意思を持った人の数を計算しています。

学生や主婦(主夫)などの働く能力はあるけど家事や学業のために働けない人、老齢者や病弱者などの働きたいけど働く能力がない人は含まれていませんが、主婦(主夫)をしながら空いた時間にパート、学校に行きながらアルバイト、在宅で内職をしているなどは労働力人口として計算されています。

労働力人口の調査方法

労働力人口の調査方法は、総務省が毎月実施している労働力調査によって調査されています。

これは、全国で無作為に選ばれた4万世帯の世帯員のうち、15歳以上の者、約10万人を対象としたもので、就業しているか就業していないかなどで統計を取っています。

都道府県知事が任命した調査員が調査票を配布、回収をして労働力の調査をしています。

生産年齢人口との違い

生産年齢人口とは生産活動をしうる人口のことを表しており、つまりは15歳以上65歳未満の人口を指しています。これには働く意思、能力は関係ありません。この生産年齢人口は1990年代がピークで、それ以降は人口減少しています。

労働力人口は生産年齢人口のように年齢の上限がないだけでなく、働く意思や能力によって人口の総数が左右されるという点で違いがあります。

労働力人口の減少による問題3つ

少子高齢化社会が進んでいる日本では、近い将来、労働している層の人口減少が問題になるでしょう。今働き盛りの年代もそのうち高齢となり、能力的にも体力的にも仕事に就けなくなります。

その上、日本における子どもの層は人口が少なくなっているので、働き盛りの年代が引退した後は、働ける人口自体がかなり少なくなることが予想されています。

こうした労働力人口減少によって、どのような問題が起こるのかご紹介します。

労働力人口の減少による問題1:働き手の不足

現在では、女性の社会進出や高齢者の雇用などで労働力人口は増加していますが、いずれは人口は減少していきます。

上述したように、少子高齢化が加速していくことが予想されていますので、長い目で見ると、これからどんどん働き手が不足するでしょう。

働き手が不足するということは、労働市場の縮小や経済規模に直結し、国内総生産は下がる恐れがあります。国内総生産を上げるためには、労働生産性を上げるしかありません。

労働力人口の減少による問題2:介護離職の増加

これから超高齢化社会を迎える日本では、高齢者の割合が急激に増えます。そこで介護サービスの需要はさらに増えますが、自宅で家族による介護を余儀なくされる人も多くなります。

つまり、親などの介護をしないといけなくなったために退職せざるを得ない、介護離職者が増加するでしょう。

それに加え、上述した働き手が少なくなっていることもあり、日本の労働力人口減少はさらに加速すると考えられます。

労働力人口の減少による問題3:経済の停滞

働き手が少なくなると、GDP(国内総生産)が下がる可能性があります。

労働力人口減少が必ずしもGDP低下に繋がるわけではありませんが、人口減少により需要自体が少なくなるため、供給する量が減るだけでなく、税収も少なくなるため国民を支えるための費用が不足し、さまざまな問題が発生するでしょう。

このように、労働力人口減少は経済を停滞させる恐れがあります。

日本における労働力人口の推移と見通し

これまで説明してきたように、日本はもうすでに高齢化社会になっていますので、労働力人口減少による問題が顕著になるでしょう。

そこで、日本の労働力人口がどのように推移し、これからどのようになるのか、将来の見通しについてご紹介します。

労働力人口の推移

実は日本では、生産年齢人口が減少しているにも関わらず、労働力人口自体は増加してきました。それとは逆で、非労働力は人口減少の傾向にあります。

これは、女性の社会進出や高齢者の再雇用など、これまで働き手になっていなかった人たち(主婦や主夫、高齢者、学生など)が何かしらの仕事に就いたことを意味しています。

労働力人口の見通し

生産年齢の人口減少があるものの、2020年代前半から半ばぐらいまでは労働力人口減少はあまりないとされていますが、厚生労働省では、2030年には労働力人口が約204万人の人口減少を予想しています。

上述したように女性の社会進出や高齢者の雇用など、潜在的な労働力人口があるため、早急には労働力の人口減少には繋がらないとされています。しかし2030年以降は、労働力人口減少の問題に直面することになるでしょう。

あなたの会社に仕事の生産性をあげる「働き方改革」を起こしませんか?

名刺が多すぎて管理できない…社員が個人で管理していて有効活用ができていない…そんな悩みは「連絡とれるくん」で解決しましょう!まずはこちらからお気軽に資料請求してみてください。

労働力人口減少への対策4つ

前述したように、「働き手不足」「経済の停滞」などの労働力人口減少によってさまざまな問題が起こることが予想されていますが、どのような対策を取れば良いのかについて以下でご紹介します。

これらの対策は主に企業や国が行うべきことですが、労働者自身も生産性を上げる必要があります。これまで以上に、効率よく短時間で成果が出るような働き方を心がけましょう。

労働力人口減少への対策1:非労働力人口の労働力人口化を促進する

まずは、潜在的な労働力人口である非労働力人口に対して働くよう呼びかけることが大切です。家事や育児、介護、学業などのさまざまな理由により、働きたくても働けない層に対して、働けるようにするための対策、施策が必要になります。

まだまだ女性や高齢者には多くの潜在的な労働力人口がいるので、国と企業が率先して女性や高齢者が働きやすくなるための環境づくりをすることが大切です。

労働力人口減少への対策2:労働力人口の非労働力人口化を止める

現在、働き手である労働力人口が、仕事ができない非労働力人口へ移り変わることを防止することが大切です。

女性の結婚、出産、育児、介護などが原因で、本当は働きたいけど辞めざるを得ないという人もいますので、そういう方たちが退職するのを防ぐ対策を練らなければなりません。

結婚、出産、育児、介護などのライフイベントがあっても就業可能な規則にしたり、国が促進したりすることが必要です。

労働力人口減少への対策3:生産性を維持したまま労働時間を増加させる

短時間のパートやアルバイト、派遣社員を正規雇用にするなど、生産性を維持したまま労働時間を増加させる対策が必要です。

非正規雇用のパート従業員、アルバイト従業員、派遣社員を正規雇用することによって、企業側では安定した人材の確保と、労働投入量の増加が見込まれます。

労働力人口減少への対策4:生産性を向上する

国や企業だけでなく、労働者にとっても生産性を向上させる努力は必要です。

このままいくと働き手不足に陥るため、今と同じ働き方をしていては仕事が時間内に終わらなくなるので、より一層の無駄を省き、効率を上げ、短い時間と少ない人材で成果を上げることが課題になります。

労働力人口減少について理解を深めよう!

労働力人口減少は、働き手が少なくなるだけでなく、経済が停滞する危険性があります。働き手が少なくなるということは、一人あたりの作業量が単純に増えますので、これまで以上の効率化が課題になります。

労働力人口減少によって起こる問題を把握し、そのための対策を今から考えておきましょう。

タイトルとURLをコピーしました