アウトソーシングとは
アウトソーシングとは一般的に業務請負や外部委託のことです。
アウト(外部)ソーシング(調達)は言葉のとおり外部から労働力を調達する手法のことです。従来会社内部で行われていた業務のうちの1つを、独立した外部組織(会社)などから労働サービスとして購入する手法のことをアウトソーシングと呼びます。
発注側企業(委託側)が業務内容や単価などを請負先(受託側)との契約によって取り決めているのが一般的です。
派遣との違い
アウトソーシングと労働者派遣の違いとはなんでしょうか。
アウトソーシングと派遣の違いは、業務指示についてです。派遣では派遣先がスタッフを派遣元より送っていただいている形態のため、派遣先で業務指示や安全教育が派遣先の社員とともに行われています。
アウトソーシングの場合、設備や場所を請負会社が委託側企業から借りていますが、スタッフは請負先で揃えますので、業務指示や安全教育は請負先が行うというのが大きな違いです。
派遣との違い 2つめ
派遣との違い2つ目は業務内容の制限についてです。労働者派遣事業では「港湾運送業務・建設業務・警備業務」という危険を伴う業務は、派遣スタッフを派遣してはならないという決まりがありますが、業務請負であるアウトソーシングではこのような決まりがありません。
アウトソーシングは業務のすべてを1つの仕事として業務指示も責任もまるごと請負するので、仕事内容に制限はありません。
アウトソーシングのメリット6つ
アウトソーシング導入によるメリットとは何でしょうか。業務請負と人材派遣については分かっていただけたのでここからはアウトソーシングの導入によるメリットを説明していきます。
メリットその1:業務の効率化
メリット1・アウトソーシングは組織のスリム化・最適化になります。
1つの会社内では賄いきれない業務を請負先に任せることで、会社にある業務が効率的に行われるようになります。会社は会社の強みである専門的な分野以外(事務や新たな事業)に時間や人員を割くことが多くなると、専門的な分野も効率がダウンします。
このため専門的なスタッフが揃っているアウトソーシング会社を選ぶことで、自社の専門分野に集中できるメリットがあります。
メリットその2:製品・サービスの向上
メリット2・アウトソーシングによって自社の製品やサービスが向上します。会社には製品を作る会社やサービスを提供する会社など色々な会社がありますが、製品やサービスを質の良いものに向上させるのに最適なのがアウトソーシングです。
事務作業などの元々従業員が行っていた業務の一部を独立した1つの企業に任せることで、自社の製品やサービスを競合他社に負けない質の高いものにする余裕が生まれるのもメリットの1つです。
メリットその3:外部の専門的ノウハウの活用ができる
メリット3・アウトソーシングによる外部からの専門的な手法などを自社ノウハウに活かせます。
単純作業だけでなく専門性が高い分野の専門業務もアウトソーシングに向いています。社員教育や研修といったものは、そのやり方が品質に大きな影響を与えるのでアウトソーシングによる外部専門家の知識や手法といったものを、自社の社員教育や研修に活かすことができるのもメリットの1つです。
メリットその4:技術の高度化・情報収集力強化への対応が容易になる
メリット4・アウトソーシングによって自社の技術の高度化と情報収集力強化を行いやすくなります。
自社の業務をアウトソーシングすることで自社の得意分野に集中できる面からみて、自社の得意とする技術も精度が上がり、結果として技術の高度化に欠かせない情報収集力も強化されていきます。
アウトソーシングを上手く活用すれば、競合他社に負けない製品やサービス作りを品質の高いまま維持できることがメリットになります。
メリットその5:コスト削減になる
メリット5・自社内で業務を行うよりアウトソーシングがコスト削減できます。専門的に業務を請負している企業はその業務に特化した集団ですので、効率性の面から自分の会社内でやったことのない人を集めてやらせるよりは、コストを抑えて業務を請け負っていただけるというメリットがあります。
アウトソーシングの導入が会社の不効率な業務の削減につながるメリットがありますので、まずは自社の不効率業務を探してみましょう。
メリットその6:人材の有効活用
メリット6・専門的な技術はその分野で活躍させる必要があります。アウトソーシング導入の最大のメリットは、自社の不効率業務を一括して請け負っていただくことで自社の強みを最大限に活かせることです。
外注する会社は自社の得意分野の人材を最大限に活かすことができ、請け負う企業は自分達の得意分野で最大限に人材を活用できますので、結果として両者ともに人材を有効活用できることが最大のメリットになります。
アウトソーシングのデメリット4つ
アウトソーシングのデメリットとは何でしょうか。アウトソーシングのメリットについては説明しましたので、ここからはアウトソーシングの導入によって起こるデメリットについてみていきましょう。
1:社内情報を外部に出す必要がある
社内の大事な情報が他人に知られてしまうおそれがあります。アウトソーシングという手法は、社内で行っている業務をそのままの状態で外部委託することになりますので、業務内容によっては顧客や社員の個人情報といった重要な社内の情報を他の企業に提供してしまうことになります。
アウトソーシングする種類にもよりますが、事務や経理などの会社情報が無いと業務が行えない業務については特に注意が必要です。
2:ノウハウが蓄積できない
業務指示が直接出せない外部先の持つノウハウは自社のものにはなりません。業務をこなすことで会社や企業は成長するものですが、アウトソーシング会社が持つノウハウはあくまでアウトソーシング先のものなので自社にそのノウハウは蓄積されません。
上手に業務を請け負いしてもらう関係が作れればいうことありませんが、業務のすべてを丸投げした状態が長く続けば、いざというときに自社で処理できなくなってしまう点は注意が必要です。
3:コストが高くなるリスク
コストダウンの手段として注目されていますがコスト高になるリスクも理解しておきましょう。自社の無駄をカットする手段として近年有名になってきているアウトソーシングですが、必ずコストカットにつながるわけではなく、逆に高くなってしまうリスクも存在します。
単純作業やルーティン作業の場合はコストカットになる場合が多いですが、専門的な業務を外注する場合は技術料が高くついてしまう場合があることも考えておきましょう。
4:ガバナンスが弱体化するリスク
請け負いばかりに頼ると企業内統治が作用しなくなります。ガバナンスは企業内での統治を表す言葉ですが、アウトソーシングは企業に属しているわけではなく、業務を契約で決められた金額で請け負い、スタッフへの指示や経費などは請負先が全て管理します。
アウトソーシングは使い方を誤ると、会社内でいくつもの独立した会社を作るリスクにもなりえますので、自社の成長のために利用するという前提を忘れないように気を付けましょう。
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アウトソーシングを行う時の注意点
しっかりと契約を確認し責任範囲を確認しておく
契約時に確認しておく責任範囲とはなんでしょうか。アウトソーシングの導入に際して確認しておく責任範囲は、文書や情報の保管義務責任、機密保持責任、それらに伴う損害賠償責任などが一般的です。
契約書には作業期間・内容、費用、成果物の帰属、支払いの条件、損害賠償の取り決め、機密保持について、契約解除の条件などが記載されますので、請け負い側も発注側も内容を精査し納得した上での契約をされるのが失敗しない第一歩となります。
偽装請負となっていないかどうか注意する
請け負い契約と人材派遣の契約を混同しないように注意が必要です。
偽装請負というのは請負契約を結んでいるのに、実際は人材派遣のように人材だけをスタッフとして行かせている場合や、請負業務を行っているスタッフへの業務指示を派遣社員と同じように現場社員が扱い指示している場合のことを言います。
業務の発注元企業は業務を行うスタッフに直接指示をしないことが請負契約の大前提なので、双方ともに気を付けなければなりません。