逆パワハラとは
逆パワハラとは、たとえば上司よりも若い部下の方がITやパソコンについての知識が豊富であったり、身体的能力や技術力が高いといった事実があったりした場合に、部下の方が上司よりも優位な立場になりパワハラを行うことです。
部下から上司への権力を行使した嫌がらせなどが逆パワハラと呼ばれる行為で、近年横行しています。離職率が高くなるなど、企業内の大きな問題となっています。
パワハラとは
逆パワハラの語源であるパワハラとは和製英語のパワーハラスメント(power harassment)のことで、社会的に強い立場にいる者が弱い立場の人間に嫌がらせをすることです。
パワハラとは労働者が業務の適正な範囲を超えて、いじめ・嫌がらせをする行為のことです。先輩・後輩間・同僚間、そして逆パワハラのように部下から上司に対して行われるものもあります。
逆パワハラの現状
ブラック企業が社会問題化して以降、労働者の権利が保証されたため、権利を主張する部下が台頭し、上司が委縮してしまうケースが頻発して逆パワハラが横行しています。
すぐにパワハラだと決めつける従業員が増えたため、上司が強く注意ができないなどの現象が起こり、味をしめた一部の社員が逆パワハラを行うケースが増えています。
逆パワハラは1対1ではなく上司1人に対して大勢の部下という構図が多く対処に困難を極めています。
逆パワハラの具体例6つ
逆パワハラがどのようなものなのかをイメージしやすくするために、その具体例を詳しく見ていきましょう。
逆パワハラは主に、部下が上司の知識・経験を上回る場合によく発生しています。最近は特に、急速に進歩しているAIやWeb関連などの新たな情報技術に関して、年配の上司がついていけずに若い部下から逆パワハラを受けるケースが増えています。
逆パワハラの具体例1:話しかけられても返事をしない
逆パワハラの具体例として話しかけられても返事をしないケースがあります。
上司を無視する行為も逆パワハラです。挨拶だけではなく、普段行われている業務指示に対しても返事をしない・無視し続けるなどのケースが出ています。悪質な逆パワハラの場合は、仕事そのものを無視してやらないケースもあります。
このような逆パワハラは注意をしても直らない場合が多く、解雇するにも理由が乏しいため、配置換えなどの処置が適切です。
逆パワハラの具体例2:パワハラだとしょっちゅう言う
逆パワハラの具体例として、下という立場を逆手に取り、パワハラだと過剰な権利主張をくりかえすケースがあります。
正当な注意や指導に対してパワハラだと言い募り、仕事を拒否したり上司の指示を無視する逆パワハラがあります。
逆パワハラの具体例3:冗談のふりで悪口を言う
逆パワハラの具体例として、冗談のふりで悪口を言うケースがあります。
1人の上司に対して大勢で、聞こえるように冗談めかして悪口を大声で言い合ったりする悪質な逆パワハラが存在しています。言われた本人はたいへん傷つき、かといって冗談や人物を特定できない発言のために反論もできず、心理的に追い詰められていきます。
1対1で行われるケースもあり、逆パワハラされた上司が辞めていくなどの深刻な社会現象になっています。
逆パワハラの具体例4:心的特徴を攻撃し精神的に追い込む
逆パワハラの具体例として、言葉や態度の暴力で相手を精神的に追い込み、退職や病気に追い込むケースがあります。
心的特徴を攻撃し精神的に追い込むケースの逆パワハラでは、1人の上司に対して大勢の部下が欠点やミスを大袈裟に言い募る・罵声を浴びせるなどの例がよくあります。たとえ小声でも、悪口を毎日言われるとその人は精神的に追い込まれてしまいます。陰湿な逆パワハラのケースです。
逆パワハラの具体例5:SNSで誹謗中傷する
逆パワハラの具体例として、SNSで誹謗中傷するケースがあります。
SNSやブログなどの媒体を使用して、上司などの実名を上げて誹謗中傷を書き込む逆パワハラがあります。現代社会ならではの逆パワハラは、SNS上で拡散してしまうため、削除依頼しても消しきれずにトラブルになってしまうケースも多く見られます。
「悪口を社内で言いふらす」「暴行に及ぶ」など、SNSに恐喝に近い書き込みをする悪質なケースも見られます。
逆パワハラの具体例6:集団で行われる
逆パワハラの具体例として集団で行われるケースがあります。
集団で行われる逆パワハラは恐怖と孤独感を伴います。部下多数と1人の上司の間で行われる逆パワハラは、パワハラがエスカレートする傾向がありたいへん危険です。
気に入らない上司にチームの部下たち全員でひどい言葉を投げかけて攻撃をしたり、反対に無視をしたりと、学校のいじめと同じ状況が作られてしまいます。力関係が逆転する可能性があるので気をつけましょう。
逆パワハラが起こる原因3つ
厚生労働省の調査によると、パワハラ全体のうちの4.7パーセントが逆パワハラに該当しています。逆パワハラは年々増加の傾向にあります。
ネットの普及によりモラルの低下が起こっていることが原因の一つとなっています。バブル崩壊とともに年功序列の精神が消え、ウェブ産業の発達により新技術についていけない世代が困惑しています。
ここでは、逆パワハラが発生している原因を探っていきましょう。
逆パワハラが起こる原因1:部下のほうが知識や技術がある
逆パワハラが起こる原因に部下のほうが知識や技術があるというケースがあります。
このケースの逆パワハラは、ウェブ産業が過渡期を迎えた現代社会では避けられない現象のひとつとなっています。現場を知らない上司が上になった場合や、ウェブを苦手とする世代が上司になった場合に逆パワハラが起きやすいといわれています。
技術や知識がある者が権限を持ちやすい現場では、逆パワハラにより立場が逆転するケースが増えています。
逆パワハラが起こる原因2:パワハラを間違って認識している
逆パワハラが起こる原因にパワハラを間違って認識しているというケースがあります。
パワハラが社会的に認知をされて、労働者にも権利があることや保護される法律があることが一般に知れ渡りました。それを知った部下たちがパワハラを過剰に主張したり、わかっていながらわざと悪用したりする逆パワハラのケースが増えています。
パワハラを怖がる上司が部下を注意しにくくなったことも、逆パワハラを助長させる原因になっています。
逆パワハラが起こる原因3:SNSなどの発達とモラルの低下
逆パワハラが起こる原因に、SNSなどの発達とモラルの低下というケースがあります。
ネットやSNSの普及により、モラルそのものが低下しています。パワハラ・逆パワハラの認識そのものが曖昧になってしまったため、悪口を実名で書き込むなどの無意識な逆パワハラが行われている可能性があります。
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逆パワハラへの対処法4つ
逆パワハラを受けて悩んでいるが、上司としての立場上、誰にも相談できずに困っている人が大勢います。逆パワハラを個人で解決することはたいへん難しいので、早急に対処法を実践してみることをおすすめします。
ここでは逆パワハラへの対処法4つをご紹介していきますので、悩んでいる方、または周りに悩んでいる人がいる方は参考にしてみてはいかがでしょうか。
逆パワハラへの対処法1:証拠を集める
逆パワハラへの対処法として、証拠を集めるということがあります。
会社や労働基準監督署へ相談をする前に、逆パワハラの証拠をつかんでおきましょう。たとえば店舗であれば、防犯カメラ映像などが証拠になります。ボイスレコーダーも有効です。逆パワハラの起きた日付や状況、詳しい内容や発言をメモした物なども証拠になります。
逆パワハラへの対処法2:別の部署も巻き込んで適切な指導をする
逆パワハラへの対処法として、別の部署も巻き込んで適切な指導をする方法があります。
上司は部下に対して指導・監督ができる権限を持っています。それに反する逆パワハラを受けた場合は、上司や人事担当者へ報告・相談を行うことができます。逆パワハラをする者に対して、別の部署も巻き込んで社内での罰則を与えることも、適切な処置になります。
逆パワハラへの対処法3:会社へ報告
逆パワハラへの対処法として、会社へ報告という方法があります。
逆パワハラは内容が悪質であれば、人権侵害や労働基準法違反などに値します。個人レベルの問題にせず、会社全体の労働問題として訴え出ることができます。逆パワハラを会社へ報告することで、社内全体のモラルや決まりを改善できる可能性があるからです。
まずは会社の相談室へ、設置されていない場合は上司へ、逆パワハラを報告することをおすすめします。
逆パワハラへの対処法4:労働基準監督署に相談
逆パワハラへの対処法として、労働基準監督署に相談という方法があります。
会社側へ相談・報告をしたにも関わらず会社が動いてくれない・反対に異動や転勤をさせられた・降格させられたなどといったケースが起きた場合は、労働基準監督署に相談をしましょう。
逆パワハラなどの違反が発覚した場合は、労働基準監督署から直接会社へ指導がきたり、悪質な場合は尋問・逮捕などの処置をしてもらえるからです。
逆パワハラが起きたらすぐに対処しよう
逆パワハラは人格否定の最たるものです。そのまま我慢したり見過ごしたりせずに、なるべく早い段階で会社や相談窓口へ報告してください。
逆パワハラを1人で解決することはできません。取り返しがつかなくなる前に、会社や労働基準監督署に相談をしましょう。