退職金の計算時に休職期間はどのように扱われる?退職金計算時のポイント6つ

組織・人材

退職金制度とは

退職金制度とは正しくは「退職給付制度」といい、雇用確保を目的とし多くの企業が取り入れている制度です。しかし、近年では退職金制度を採り入れない企業もあり、定年まで働いたからといってもらえない人も多いです。

また、退職金制度そのものを廃止して確定拠出年金にシフトする企業なども出てきています。ここでは退職金制度とはどんな制度なのか、また休職期間はどう退職金に影響するのかについてご紹介します。

退職金制度は会社によって様々

退職金制度は会社によってさまざまな形態で制定されています。退職金の支給形態によって「退職年金制度」と「退職一時金制度」の二つに分かれます。退職金制度で退職金が給付されるのは自己都合退職のほか定年や解雇などの場合があります。

ただし、退職金制度は法律上の制度導入の義務はなく、退職金制度がない会社の場合は事業主は退職金を支払う義務はありません。そのため、退職金制度は会社によって違います。

休職期間の扱いも会社によって異なる

退職金規定は法令で支給条件が定められたものではなく、各会社が任意で制定しています。そのため、休職期間の扱いもどう退職金に反映するかは会社によって異なります。

退職金規定に制定していれば、休職期間も退職金の計算期間に入れることも可能ですし、休職期間は退職金算出の対象期間に入れないということも可能です。ただし、あまりに長期の休職期間の場合はほぼ退職金支給に影響があると考えて良いでしょう。

自身の退職金を計算する際の6つのポイント

退職金制度が各会社ごとに制定されていることがわかりましたが、では自身の退職金がいくらもらえるのか、どうすれば算出できるのでしょうか。ここでは自身の退職金を計算する際の6つのポイントについてご紹介します。

退職金を算定する場合に休職期間は勤続期間に含まれるかもみていきますので、これから退職する方はぜひ参考にしてみてください。

ポイント1:社内規定を確認する

自身の退職金を計算する場合には社内規定を確認しましょう。なぜなら退職金は法律で決められたものではなく、企業ごとに有無や支払い基準や休職期間の取り扱いが違うからです。

一般的には従業員1,000人以上の会社では約90%以上退職金制度を導入していますので、退職金制度は企業規模の大きければ大きいほど導入率が高いといえます。社内規定には退職金算出の内容も記載されていますのでそれをもとに計算してみましょう。

ポイント2:産前産後休職期間の扱い

退職金を算出する場合に、休職期間は退職金算定の期間に含めないことなどを退職金規定に定めることは可能です。そのため、休職期間がある場合に退職金算定の期間に休職期間が含まれるか否かを知るには社内規定を確認しましょう。

また産前産後の休職期間についても、一般的には民法の公序に反するという見方もありますが、退職金算定の基礎となる勤続年数から単純に差し引くことは特に問題はありません。

ポイント3:育児・介護休職期間の扱い

退職金を計算する場合に、育児・介護休職期間をその算定期間に含まないことは、認めらます。育児・介護休業法においては、事業主は育児休業を申し出たことを理由に解雇やその他不利益な扱いをしてはいけません。

しかし、退職金算定の期間に育児・介護休職期間を入れなくても、ノーワーク・ノーペイの原則によって特に問題はありません。ただし、そのように休職期間を含まず算出することは社内規定に記載する必要があります。

ポイント4:退職金の相場

退職金の相場は定年退職と自己都合で違いますが、大企業における定年による退職金は大卒で約2,400万円で高卒で約2,200万円ほどです。退職金は勤続年数や学歴、企業規模により金額に違いがあります。

対して中小企業の定年による退職金は大卒で約1,100万円で高卒で約1,000万円です。自己都合退職の場合には勤続年数によって大きく異なります。ただし、会社都合では一般的に通常よりも割増の退職金が支給されます。

ポイント5:退職金を受け取れるタイミング

退職金を受け取れるタイミングは、企業ごとに異なりますが、一般的には退職後1~6か月以内にはほとんど支給されています。退職金支給日に関する法律の定めがなく、その企業の社内規定にある退職金の手続きに則って支給されるからです。

退職金は退職すると決まったからといってすぐに支給できるわけではなく、規定に従って掛け金を計算したり必要な書類を作成しなくてはならず、時間がかかります。

ポイント6:退職金にかかる税金

退職金には受け取る金額が大きければ相当額の税金が徴収されます。ただし、退職金には税金の負担が軽くなるような退職金控除という制度が設けられており、勤続年数によって控除額が上がっていきます。

この退職金控除を受けるためには所得税法に定められた「退職所得申告書」を会社に提出する必要があります。そして、この申告書を会社が手続きすることによって退職金控除を受けることができます。

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退職金をもらったら

退職金を受け取った場合、一度に大きなお金が手元にあるためちょっと浮かれてしまう方も多いでしょう。しかし、退職金を受け取る場合には必ず確認しておくことや心に留めておくべきことがあります。

ここでは退職金を受け取った場合に気をつけること、心がけることをご紹介します。これから退職金を受け取るという方はぜひご参照ください。

勤続期間に間違いがないか確認する

退職金を受け取った場合には勤続期間に間違いがないかを確認します。退職金が支給された場合は、勤続期間や退職金控除など明細に記載された内容をしっかり確認することが重要です。

勤続期間が間違っていると、本来貰える退職金よりも少ない場合もありますし、また間違って多くもらっていた場合、既に使ってから訂正され返還しなければならないこともあり得ます。まず退職金を受け取ったら必ず勤続期間を確認しましょう。

事前に計画を立てておく

退職金を受け取る場合は事前に計画を立てておくことが重要です。いきなり大金を手にするのですから舞い上がって無駄遣いをしてしまう人もいるからです。あらかじめ、どのくらいの退職金がもらえるかは会社の規定を確認すればわかります。

その金額を何に使うのか、きちんと事前に計画を立てておけば無駄なことにお金を使う心配がありません。不思議なものでお金の使い道がはっきりしていると変に無駄遣いをしないで済みます。

大きい買い物は控えるか充分に検討を

退職金を受け取った場合には、大きな買い物を控えるか充分に検討するようにしましょう。いままでにないくらいの大金を手にすると、人はいままでどうしても欲しかった大きな買い物をしてしまいがちです。

しかし、勢いで大きな買い物をすると後で後悔することも多く、また取り返しがつきません。退職金を受け取る場合には、大きな買い物は控えて充分検討した上で使い道を検討するようにしましょう。

元気なうちは働くことも検討する

退職金を受け取った場合でも、すぐに仕事をリタイヤするのではなく元気なうちは働くことを検討することも重要です。年金を受け取ることができる年齢は年々上がっていっています。

退職金という大金が入ったことで仕事をリタイヤする人も多いでしょうが、いったんリタイヤすると後で復帰するのは難しくなります。人生100年時代に突入しようとする昨今、元気なうちは働けるだけ働くということがとても重要になってきています。

働かせてもらった会社・同僚に感謝

退職金を受け取った場合には、それまで働かせてもらった会社や同僚に感謝することは大事です。退職金はどの企業でも支給されるわけではなく、企業規定によります。

退職金を無事に貰うことができたのは自分が頑張ったことももちろんですが、会社のおかげであり、同僚や上司の支えがあったおかげです。次のステップに進むためにも退職金をもらったときには会社や同僚に感謝するように心がけましょう。

退職金制度は会社次第

いかがでしたか。退職金制度は法律で定められておらず、企業ごとに定めた社内規定によるもので会社次第です。また、通常の休職期間のほかに、産前産後の休職期間や育児介護の休職期間が退職金算定の勤続期間に含まれるかも会社の社内規定によります。

退職金は必ずしも貰えるものではありませんので、必ず社内規定を確認することが必要です。また、もらえた場合にも一度に大きな金額を使わずに計画的に使うようにしましょう。

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