ホールディングスのメリット5つ|ホールディングス設立手法とは?

組織・人材

ホールディングスとは?

会社員であれば、ホールディングスという言葉を見聞きする機会は多いでしょう。会社名などを示す時に使われる言葉ですが、その意味をご存じでしょうか。

今回はホールディングスのメリットとデメリットをメインにご紹介していきますが、その前にホールディングの意味を知らないことには始まりません。そこで、まずはホールディングスの特徴についてをご紹介していきます。

ホールディングスの特徴

ホールディングス(holdings)の和訳は「株式会社」であり、支配する会社(子会社)が持つ株式の保有と支配をする会社(親会社)のことを言います。あるいは、その形態を指す言葉です。

株式会社でも、ホールディングスや株式会社と言った言葉が社名に付かないこともあります。ホールディングスの収益方法は、子会社の収益に応じた配当金や、親会社が持つブランドなどの権利を子会社に使用させることで発生する使用料です。

持株会社の種類3つ

持株会社には、3つの種類があります。それは、純粋持株会社・事業持株会社・金融持株株式会社です。それそれで形態が違うため、ホールディングスの話をする上では欠かせない知識となります。

自分がホールディングで働く側になる時も、外部として関わることになる時にも必要となる基本的な情報ですのでしっかり覚えておきましょう。それでは、以下に持株会社の種類についてをご紹介していきます。

持株会社の種類1:純粋持株会社

純粋持株会社とは、子会社の管理のみを行う親会社のことです。ホールディングス(株式会社)となる親会社は事業を行わず、事業を行う子会社の管理および支配を役割とします。

一般的にホールディングスと言えば、この純粋持株会社のことを指します。親会社は事業を行わないため、子会社の利益に応じた配当金や、ブランドの使用量徴収することが主な収益になります。

持株会社の種類2:事業持株会社

事業持株会社とは、子会社と同様に事業を行う親会社のことです。ホールディングスと言えば純粋持株会社ですが、子会社の管理をしながら事業を行う親会社も存在します。そういった形態にあるホールディングスを事業持株会社と呼びます。

事業株持会社は親会社も事業を行うため、子会社からの配当金にプラスして自社の利益もあります。ブランドを使用させるなら使用料も入るため、純粋持株会社より収益総額が多くなることが多いです。

持株会社の種類3:金融持株会社

金融持株会社とは、子会社にあたる会社の大半が金融系事業である親会社のことです。子会社が5つあるとして、そのうちの3つ4つ以上が金融系事業を行なっている場合は親会社を金融持株会社と呼ぶことになります。

ホールディングスのメリット5つ

ホールディングについて説明したところで、次にメリットを見ていきましょう。1つの会社でたくさんの事業を展開することもできる中、事業ごとに会社を分けることを不思議に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、事業ごと会社を分けることで得られるリスク回避や効率UPなどのメリットがあります。それでは、ホールディングスのメリットをご紹介していきます。

ホールディングスのメリット1:意思決定が迅速になる

ホールディングスのメリット一つ目は、意思決定が迅速になる点です。事業ごとに会社を分けて各社長に権限移譲することで、事業に対する意思決定を速やかに行えるようになります。

1人の社長があらゆる事業の決定権を持つよりも、決定権を事業ごとに分けた方が経営負担が明確化するため、計画や戦略の組み立てがしやすくなるということです。競合する他社よりも早めに事業の行動が行えるため、企業競争に勝てる可能性が上がります。

ホールディングスのメリット2:事業ごとのリスクの分散

ホールディングスのメリットその2は、事業ごとにリスク分散ができる点です。事業で会社を分けることで、1つの事業が大きな損失を出しても他の事業にかかる影響を抑えることができます。

あらゆる事業を1つの会社で行うと、1つの事業が多額損失を出した場合には他の事業にかかる経営負担も大きくなります。事業ごとに会社が違えば、1つの事業が多額の損失を出しても他の事業にかかる経営負担は多くなりません。

ホールディングスのメリット3:各事業の実情に応じた人事制度の導入

ホールディングスのメリットその3は、各事業に応じた人事制度にしやすくなるという点です。人事評価や給与制度は事業によって異なるため、事業ごとに会社を分けることで事業形態に沿う人事制度を設けやすくなります。

そうすることで、適切な人事評価や給与設定が行えるというメリットを得られます。人事は会社の利益・損失に関係するため、事業形態に沿う人事を得やすくなる環境は管理側にとっての大きなメリットになります。

ホールディングスのメリット4:M&Aの防衛や迅速な対応が可能

ホールディングスのメリットその4は、会社の合併・買収での防衛や対応が速やかに行えるようになるという点です。M&Aというのは、企業の合併や買収の総称です。多額損失を出した子会社は親会社の判断によって売却されることがあります。

損失のある会社をM&Aをすることで、他の子会社にかかる負担を最小限にできます。多額損失などによる買収や合併の際に親会社と子会社で分けてあれば、事業全てを買収・合併せずに済みます。

ホールディングスのメリット5:損金算入限度額がトータルで増える

ホールディングスのメリットその5は、損金算入限度額が増えるという点です。親会社は子会社からの配当金を不算入にできるため、税法上の所得計上を少なくすることができます。

損失算入限度額には、交際費・減価償却費・法人税などが対象となります。交際費に関しては、年間800万円まで不算入にすることが可能です。つまり、税金対策になるというメリットです。

ホールディングスのデメリット3つ

メリットが分かったところで、デメリットの方も確認しておきましょう。物事にはメリットもあればデメリットもあるため、特にビジネスに関したことではちゃんと把握しておく必要があります。

また、デメリットも踏まえておかないと、メリットを得るための方法も考えにくくなります。それでは、メリットと同じように目を通し頭に入れておく必要のあるホールディングスのデメリットをご紹介していきます。

ホールディングスデメリット1:事業会社が都合の悪い情報を親会社に隠す可能性がある

ホールディングスのデメリットその1は、子会社が親会社に都合の悪い情報を隠すことがあるという点です。子会社は多額損失や不祥事などがあると、親会社の判断により売却に出される可能性があります。

売却されることは会社が無くなることを意味するため、そこで働いている人達は職を失うことになります。特に社長や上官に当たる人たちに「不利益なことを伝えると職を失う」という不安感と悪心が強いほど、親会社に情報を隠す傾向が目立ちます。

ホールディングスデメリット2:グループ全体の方針に事業会社間で対立が起こる場合がある

ホールディングスのデメリットその2は、グループ全体が掲げる方針に対して子会社が反発を起こす可能性がある点です。多くあるわけではありませんが、事業会社の間で対立が起こった事例はいくつかあります。

反発が起きる理由は色々ありますが、子会社が不利益・不当だと感じるような方針などを掲げ続けたからなどがあります。親会社と子会社の社員が連帯することは実質困難であるため、子会社の中で反発が起きると親会社と子会社全体を巻き込む対立になり得ます。

ホールディングスデメリット3:会社間で部門等が重複し全社コストが増加してしまう

ホールディングスのデメリットその3は、親会社と子会社を繋ぐ部門が各会社で生じるために各会社のコストが増加するという点です。親会社と子会社が存在するホールディングスでは、親会社が子会社を管理するため間接部門が必要になります。

間接部門にいるのは総務や経理などで、親会社と各子会社に置く必要があります。そうなると人件費・作業場・事務用品・パソコンソフトなど重複が起き、管理にかかる必要が増すことになります。

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ホールディングス設立手法3つ

ホールディングスを「立ち上げたい」と思ったり「いざ立ち上げよう」と考えた場合、設立方法は3つあります。抜殻方式・株式移転方式・株式交換方式といったものがあり、それぞれ手続きの方法が違い、必要になるものやメリットも違ってきます。

ホールディングスを設立するにあたっては、ちゃんと各設立方法にある特徴を知っておく必要があります。それでは以下にご紹介していきますので、ホールディングスを設立する際の参考にご覧ください。

ホールディングス設立手法1:抜殻方式

ホールディングスの設立手法、1つ目は「抜殻方式」です。抜殻方式は純粋持株会社を設立する際に用いられる手続き方法で、子会社に対して既存会社(親会社)が現物で事業や出資の譲渡などを行います。

抜殻方式メリットは、費用と手続きの面です。既存会社が子会社に事業と資産を移動する方法なので、株式移動が要らず、その手続きも不要です。費用の面でも親会社の事業や資産を子会社に移動するだけなので、大きくかかりません。

ホールディングス設立手法2:株式移転方式

ホールディングスの設立手法、2つ目は「株式移転方式」です。別グループが経営統合を行った後、新しく親会社となると会社を設立し、既存会社の株主が新会社の株主になる手続きを行います。

株式移転方式のメリットは、既存会社が無くならないこと・少ない資金調達・事業に必要な許認可移転手続きが不要な点です。既存会社が残るため、取引先や従業員への影響が少なく済みます。経営を統合するため、許認可の移転手続きも不要です。

ホールディングス設立手法3:株式交換方式

ホールディングスの設立手法、3つ目は「株式交換方式」です。別の既存会社同士が株式交換をする方法で、一方が親会社、一方が完全なる子会社になります。株式交換手続きの前までに、交換価格や手順の打ち合わせを要します。

株式交換方式のメリットは、現金の調達が少ない・強制的に少数の株主の交換が可能・新しい株主や会社資産運用の経営参加により事業が活発化する点などがあります。少し複雑ですが、M&Aではよく用います。

ホールディングスのメリットデメリットを知ろう!

ホールディングスにはホールディングスのメリットがあり、もちろんそれなりのデメリットも存在します。また、ホールディングスには種類があるため、種類によってもメリット・デメリットや設立方式が異なります。

親会社として子会社を翼下におくことには、それなりの責任も発生し、事業を上手く伸ばしていくための知識も必要になります。ホールディングスを設立する時にはあらゆる項目を考慮し、メリットとデメリットを良く知ったうえで行動に移しましょう。

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