経営理念
企業の活動方針の基となる経営理念は、企業全体に広く行き渡るべきものと考えられています。すべての社員が理念を言葉として知っているだけでなく、行動にも反映されるようになることが理想です。
また経営理念とは、企業内だけでなく、顧客や取引先など、企業の外側の社会に広く知られるものでもあります。
経営理念は社会の風潮や時代の流れに合ったものを選ぶので、時代のニーズに合わせて変更することもあります。
経営理念は実体験から生まれる
経営者の企業に対する思いは実体験から生まれると言えるのではないでしょうか。なぜこの事業をやっているのかを経営者が答えることができなければ、経営理念を作ることができません。企業の使命や存在価値を感じてもらうためにも、実体験が必要と言えます。
こうした経営理念だからこそ、周囲からの共感を呼び、賛同してもらうことができるのでしょう。また実体験に裏付けられていることで、浸透させられるのではないでしょうか。
経営理念を浸透させるポイント5つ
社員の意識向上にもつながる経営理念は、社員のみでなく、顧客や取引先など、広く社会全体に浸透させることが大切です。
経営理念は、会社の看板としての役割を持っているため、幅広く周知してもらい、会社の方針を理解してもらう必要があります。経営理念に対する会社の理解が深まることで、信頼関係も築きやすくなると言えるでしょう。
ここでは経営理念を周りに浸透させるためのポイント5つをご紹介します。
経営理念を浸透させるポイント1:経営理念に関する物語を伝える
経営理念は経営者だけでなく、近頃は社員も共に考えて作成する場合もあるといいます。経営理念が生まれた背景には数々の物語が存在しています。
そうした物語を伝えることによって、社員や周囲の人の心を動かし、経営理念に対する親しみや感動・共感を呼び、経営理念が周囲に浸透しやすくなると考えられています。
経営理念がどう生まれたのかを伝えることで、企業に対する深い理解と信頼を得られるのではないでしょうか。
経営理念を浸透させるポイント2:経営理念を経営者が率先垂範する
まずは経営者が経営理念を言葉にして伝えたり、行動に表して、率先垂範することが大切です。社員の先頭に立って模範を見せることにより共感を呼び、浸透させることができるでしょう。
経営理念の良さを言動や行動で自ら示していくことによって、自然に社員も見習って言葉や言動で表現することができるようになり、経営理念が浸透すると考えられます。
経営理念を浸透させるポイント3:経営理念に接する機会を増やす
経営理念を浸透させるのに必要なのは、まず使い慣れるということではないでしょうか。経営理念に接する機会を増やして、自然に馴染ませていく方法もおすすめです。
繰り返し耳にしたり、行動で示し続けることで徐々に周囲に浸透し、習慣的なものに変わっていくでしょう。言葉や行動で表すためにも経営理念に親しみを持ってもらい、愛社精神のような気持が伴うことで、社員に浸透させることが可能になります。
経営理念を浸透させるポイント4:人事評価制度に経営理念の観点を盛り込む
経営理念に則って行動したのに、結果的に評価されない仕組みになっていれば、社員は次第に経営理念に沿った行動をしようとは思わなくなっていくことでしょう。
この場合、経営理念は浸透することはなく、形だけのものになってしまいます。経営理念を浸透させるためには、人事評価制度を売り上げなどの業績だけでなく、経営理念の観点から行う必要があると言えます。
経営理念を浸透させるポイント5:経営理念を身体で覚える
経営理念を浸透させるためには、頭だけで理解するのではなく、実際に行動をすることによって身体で覚えるような感覚になることが必要です。
経営者が率先して、口先だけでなく心の底から実践することが、まさに経営理念を実行していることになります。こうした言動が社員の心を動かし、行動を伴わせ、経営理念が浸透することにつながるでしょう。
経営理念を浸透させるメリット3つ
色々な方法を使って周囲に浸透させることのできる経営理念ですが、実際、経営理念を浸透させたときに得られるメリットとはどんなものがあるのでしょうか。ここでは経営理念を企業に浸透させることができた場合のメリット3つをご紹介します。
経営理念を浸透させるメリット1:マニュアルやルールが少なくなる
経営理念とは、企業にとっての軸であり、社員が共有している統一された価値観と言えます。いちいち細かいマニュアルやルールが設定されなくても、行動指針となる経営理念があれば、社員がそれぞれ自分で考えて行動することができるようになります。
言動に迷った時も経営理念が念頭にあれば、経営理念に沿って行動することが可能になります。
経営理念を浸透させるメリット2:社員が生き生きと働く
社員は顧客対応や取引先との交渉事など、業務の中で日々迷いが生じます。判断基準となる良い経営理念があれば、こうした迷いや不安も解消され、行動軸として常に参照することができます。
その結果、業務に対する悩みや不安が少なくなり、生き生きと働くことが可能になります。社員の心の持ち方がお客様や取引先にも伝わり、双方に良い循環が生まれるでしょう。
経営理念を浸透させるメリット3:経営理念は事業を存続させるためにある
売り上げ規模や経常利益率が高い会社は経営理念を持っていることが多いと言われています。このことから、経営理念の存在が事業の存続に与える影響は、少なからずあると考えられるのではないでしょうか。
社員一人一人が経営者の起業に対する想いを受け止めて日々行動することが経営理念の存在意義になっていますが、その意味でも経営理念は事業を存続させるためにあると言えるでしょう。
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経営理念の要素を理解する
良い経営理念を作りたいと思うなら、経営理念が持つ重要な要素を理解する必要があります。外せないポイントを経営理念に盛り込むことで、その会社が何を大切にしているのかを経営理念によって知らせることができます。
会社の成長や、社会への貢献を感じさせる、ポジティブなメッセージを社会に発信できる経営理念の要素をお伝えしていきます。
経営理念の要素1:ミッション&バリュー
自分の会社が何を成し遂げるのか、その存在を問う姿勢はどの企業にも必要です。その意味でミッション=使命を明確にしておく必要があります。
そしてその使命を社会で実現するためにどんな存在価値=バリューを企業が持っている必要があるかも問われることになるでしょう。
使命と存在価値の双方を明確にして経営理念を作ることがポイントになります。
経営理念の要素2:ビジョン
企業のビジョンは経営理念がベースとなって考えられます。日々企業全体が前進していく中で、中長期的にその理念の実現を目指すために必要な、組織像と社会像がビジョンになります。
山登りを経営に例えてみると、山の頂上から見ようとしている景色がビジョンになります。そして山登りするときの心構えが経営理念になると言えるでしょう。
哲学的な意味を持つ経営理念を持ちながら、ビジョンを目指して前進するイメージです。
経営理念の要素3:スタイル
経営理念を考えるときの、最も基盤になる考え方として、どんな行動をとることによって上記に挙げた使命と存在価値、ビジョンの要素を実現することができるのかを考えることも必要です。
そのため、ビジョンのような抽象的なものではなく、より具体的な行動スタイルを考えることになるでしょう。ビジョンや使命、価値観を体現するために必要な行動規範を示す必要があります。
経営理念を浸透させる方法について理解を深めよう!
経営の神様と呼ばれる松下幸之助氏は、経営するに当たって、まず始めに経営理念を作ることに取り組むべきだと語っています。経営理念を作ることによって、会社は命を与えられると言っても過言ではないでしょう。
そして経営理念を社員や社会に広く知らしめることで、よりその存在意義を感じられるのではないでしょうか。記事を参考に、経営理念を浸透させる方法についての理解をさらに深めてみましょう。