世界でも活躍する日本企業
製造業は、日本企業の中でも世界の中で大活躍しています。
日本企業が作り出す製品の品質は、世界の中でも一目置かれています。「ものづくり大国ニッポン」と呼ばれるほど日本企業の製造業は、日本にとって強みとなっています。
高度経済成長期からバブルとよばれた1980年代にかけて、日本企業は世界に向けて大きく成長、躍進しました。1980年、日本の自動車生産量は、アメリカをぬいて世界で有数位でした。
日本企業の現状
では、日本企業の現状はどうでしょうか。高度経済成長の時期やバブルの頃と比べると、大きな躍進はないものの、依然、品質における絶対的な信頼は厚く、競争が激化する世界の中で健闘しつづけています。
しかし、現在、日本企業の強みである品質を持ってしても、世界の中で、価格競争で群を抜く中国製品や、ヨーロッパ、アメリカの技術力に対抗する日本企業が、以前のように一人勝ちという状況ではありません。
日本企業の7つの強み
資源に乏しい国である日本は、その分ものづくりやサービスにおいて世界で活躍しており、そんな日本企業が武器にしている強みは、どんなものがあるでしょうか。
日本の周囲は海に囲まれ、陸続きの隣国はありません。そのため、歴史的にも日本独自の文化をはぐくんできました。そのような日本の体質が、日本企業の強みを生み出すことにも大きな影響を及ぼしているといえるでしょう。
それでは、日本企業の強みを7つ紹介します。
日本企業の強み1:完璧を追求する
日本企業は、あらゆる事柄において完璧を追及します。それは、日本企業の強みの一つです。
完璧を追及する姿勢は、日本製品の品質の良さ、不良品の少なさ、製品の多機能性、行き届いたサービスなどに結び付いており、確実に日本企業の強みとなっています。
日本企業の強み2:おもてなしの姿勢
日本にはおもてなしの姿勢があるといいます。おもてなしとは、心のこもったサービスのことです。これは日本独特の考え方で、日本企業の強みと言えるでしょう。
日本人は、海外の人に比べ、空気を読むのが得意です。どうしたら相手が喜ぶか、気持ちよく過ごせるか、口に出さない相手の望みは何かを考え、行動に繋げます。
このおもてなしの姿勢は、リピーターを生み出します。そのため、日本企業の大きな強みとなっています。
日本企業の強み3:質のよさ
日本企業の強みとして、一番挙げられる内容は、品質の良さです。
世界の中で、「Made in Japan」と言えば高品質においては絶対の信頼を得ています。日本企業は、自社の商品の品質を守るために何段階にも渡って徹底的な検査を行ことは有名です。
また、手先が器用な日本人の職人技も日本製品の質の良さの一因となっています。これは、他の国では真似できない技術がたくさんあり、日本企業の強みのひとつです。
日本企業の強み4:環境適応能力
あまり知られてはいませんが、日本企業の強みの一つに、環境適応能力が挙げられます。
日本企業は、品質を保つために「改善」を重ねます。この「改善」は、品質以外のビジネスシーンにも生きています。「改善」を重ねることで、さまざまな環境の変化にも適応してくことができます。これは大きな強みです。
逆説的に言えば、進出した海外の環境や、時代の変化にすぐさま適応できる企業こそが、世界の中で生き残ることができます。
日本企業の強み5:実行力と継続力
日本企業の強みに、「実行力」と「継続力」が挙げられます。
日本語には「有限実行」、そして「継続は力なり」という言葉があります。日本企業の中には、これらの言葉を、経営理念や社是に入れている企業もあります。
やると決めたことを社員全員が同じ方向を向いてとことん実行できるチームワークと、途中で投げ出さない粘り強い国民性を持つ社員が、この強みを支えています。
日本企業の強み6:機械メーカーのシェア率
一般にはあまり知られていませんが、日本の工作機械メーカーの中には、シェア率が世界で有数クラスの企業があります。工作機械と言って、工業製品をつくるための金属の加工などを行うための機械や産業用ロボットを作っている企業です。
製造業が経済の中心である日本において、商品を製造するための機械を、日本企業が高品質で、要望を聞きながら作っているということが、大きな強みとなっています。
日本企業の強み7:職人技術の高さ
日本人は手先が器用と言われています。日本の職人の技術力は、世界でも一目置かれておます。手作業で作る製品でも、寸分の狂いなく仕上げることができます。この職人技術の高さは、簡単には真似することはできず、日本企業の強みの一つです。
この職人技術の高さが日本製品の品質の高さに繋がっています。ものづくり大国ニッポンを支えているのは、職人さんひとりひとりと言っても過言ではありません。
日本企業の5つの弱み
日本企業の強みを7つ紹介しましたが、日本企業にも弱点があります。日本企業が今後、さらに成長し、世界の中でもより存在感を示していくには、強みを生かし続けることも重要ですが、弱みとなっている要素を克服していくことも大切です。
それでは、日本企業の弱みはどんなものでしょうか。5つ紹介しますので、内容をひとつひとつ確認していきましょう。
日本企業の弱み1:閉鎖的である
日本は周囲を海に囲まれた島国です。そのため、企業風土が閉鎖的である企業が多いです。
グローバルにビジネスを展開していくうえでは、日本企業の外からきたモノや人、仕組みを受け付けない閉鎖的な部分が、弱みとなってしまうことがあります。
世界を市場とするビジネスを展開するうえでは、グローバルな国際感覚は重要です。近年では、外国人を経営陣に加えるなど、閉鎖的な雰囲気を打開する取り組みを行っている企業もあります。
日本企業の弱み2:英語への苦手意識
日本人は英語ができないと言われています。日本人の中には、英語への苦手意識が強くある人が多いです。特に英会話ができません。
世界を市場としてビジネスを展開するうえで、言語の問題は、大きな足かせとなっています。
しかし、近年では、以前よりも話せる英語教育に力を入れて、英語ができることを強みとしている人材を積極採用するなど、英語力を重視することで、この弱みを克服しようとしています。
日本企業の弱み3:伝統的なものを失いつつある
急速な国際化や時代の流れに対応し、適応してきたがために、日本の伝統的なものを失いつつある点が、日本企業の弱みのひとつとして挙げられます。
日本的な伝統の良さが日本企業の強みとなっていたことを、日本企業は気が付いておらず、結果、失ってしまうという状況です。
しかし近年、日本の伝統を海外から再評価されることで、日本企業もそのことに気が付き、再び強みにしていけるよう伝統や日本文化を見直して行くことができます。
日本企業の弱み4:労働生産性
日本人は勤勉でよく働くと言われています。労働時間も長く、残業時間も長いです。しかし、その分、労働生産性は悪いです。それは日本企業の弱みです。
先進国の中でも、日本の労働生産性は最下位です。アメリカと比べると、日本の労働生産性は3分の2ほどしかありません。
日本は現在、少子高齢化で労働人口の減少から労働力不足が問題となっています。そのため、労働生産性の低下は、人手不足の日本企業において、最大の弱みです。
日本企業の弱み5:女性管理職が少ない
日本企業は長く男性社会でした。男女雇用機会均等法をはじめとする法律の整備やさまざまな取り組みにより、近年は女性の社会進出は格段に進んでいます。今や、共働き世帯は半数を超えました。
それでも、女性管理職の数となると、日本は少ないです。現在、日本企業における課長職以上の女性管理職の割合は1割ほどです。
人手不足で、かつ、労働生産性の低い日本において、まだまだ女性の能力を活用しきれていないのが現状です。
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日本企業の売上高ランキングTOP10
日本企業の中で、強みを生かし、弱みの改善に取り組んでいる企業が、世界の中で大活躍をしていたり、売上高の上位に入ってきています。
それでは、どんな企業が日本企業の売上高ランキングTOP10をみていきましょう。どんなことを強みとしているのかも確認していきましょう。
日本企業の売上高ランキング10位:イオン
日本企業の売上高ランキング10位はイオン株式会社です。
イオンは、日本の小売業の中での売上高が第1位の企業です。全国にスーパーやショッピングセンターを展開しているため、一般の人にもよく知られた企業です。自社ブランドである有数バリュに力を入れており、その収益性が強みとなっています。
小売業だけでなく、イオン銀行をはじめとする金融業やイオンモールなどを手掛ける不動産開発事業も強みとなっています。
日本企業の売上高ランキング9位:ソニー
日本企業の売上高ランキング9位は、ソニー株式会社です。
ソニーは、テレビやビデオ、オーディオやデジタルカメラ、スマートフォンやゲーム機などの電化製品の製造業として有名なソニーは、品質を強みとして世界で活躍しています。
日本企業の売上高ランキング8位:ソフトバンクグループ
日本企業の売上高ランキング8位は、ソフトバンクグループです。
ソフトバンクグループは、現在も拡大を続けており、さまざまな事業に広がっています。国内、国外に渡り、通信事業やインターネット事業など、たくさんの子会社を持っています。また、日本のプロ野球「福岡ソフトバンクホークス」も持っています。
ソフトバンクループの創業者である孫正義氏は、日本国内でも有名な実業家です。
日本企業の売上高ランキング7位:日立製作所
日本企業の売上高ランキング7位は、株式会社日立製作所です。
株式会社日立製作所は、日本最大規模の総合電機メーカーであり、世界有数の大手電機メーカーです。日本国内の従業員巣は、日本企業の売上高ランキング1位のトヨタ自動車に次ぎ、2番目の従業員数です。
全世界に、製造・販売拠点を持つ企業であり、売り上げの半分以上が海外からもたらされます。
日本企業の売上高ランキング6位:JXTGホールディングス
日本企業の売上高ランキング6位は、JXTGホールディングス株式会社です。
JXTGホールディングス株式会社は、石油精製や販売を手掛ける新日本石油株式会社と、新日鉱ホールディングスが経営統合するために設立された会社です。ガソリンスタンドの数や、燃料油販売量の国内占有率も圧倒的なシェアを誇ります。
エネルギー業界でも、売上高は世界で第6位の位置におり、世界で活躍をしています。
日本企業の売上高ランキング5位:日本電信電話
日本の売上高ランキング5位は日本電信電話株式会社です。
日本電信電話株式会社は、NTTグループの持ち株会社です。NTTと言えば、日本の通信事業の最大手の企業です。
以前は固定電話事業が中心でしたが、現在はNTTドコモを中心に、携帯電話の事業を主軸としています。インターネット事業も行っています。
現代では、通信事業はなくてはならない業種です。家計における通信費の割合も、30年前と比べ、格段に増えています。
日本企業の売上高ランキング4位:日産自動車
日本企業の売上高ランキング4位は、日産自動車株式会社です。
日産の自動車は、日本だけでなく、北アメリカやヨーロッパ、そして新興国など世界で販売されています。
日産と三菱自動車工業、そしてフランスのルノーでアライアンスを形成、このグループで世界首位の販売台数を誇っています。
日本企業の売上高ランキング3位:日本郵政
日本企業の売上高ランキング3位は、日本郵政です。
日本郵政グループは、日本電信電話株式会社(NTT)と同様、もともとは国営企業でした。2007年に民営化した企業です。
郵便局の運営や郵便、ゆうパックなどの郵便事業、ゆうちょ銀行を運営する金融事業、かんぽ生命という呼び方の保険事業などの事業があります。
日本企業の売上高ランキング2位:本田技研工業
日本の売上高ランキング2位は、本田技研工業株式会社です。
ホンダと言えば、自動車やオートバイでメーカーとしてよく知られていますが、それだけではなく、航空機や発電機の製造、そしてASIMOのようなロボットの開発も手掛けています。
ホンダの社長は技術者出身であることを条件としており、縁故採用や世襲はしない方針です。そのため、優れた技術者が経営者になります。
日本企業の売上高ランキング1位:トヨタ自動車
日本企業の売上高ランキング第1位は、トヨタ自動車株式会社です。
トヨタ自動車株式会社は、日本で一番大手の自動車メーカーであり、世界でも大活躍している企業です。トヨタ自動車は、たびたび世界第一位の販売台数を記録しています。
トヨタの強みは、故障や不具合の少なさです。品質の良さは、世界の中でも一目置かれています。日本だけでなく、世界中に工場があるため、工場がある地域の雇用も生み出しています。
日本企業は技術の高さから世界からの信頼が厚い
日本企業は、技術の高さから、世界からの信頼が厚いです。それが、日本製品の高品質を維持しています。そのことこそが、最大の日本企業の強みと言えるでしょう。
しかし、課題もあります。労働人口の減少、競合する海外製品の品質の向上や価格競争など、日本企業が取り組んでいかなくてはなりません。
また、高い技術、品質、職人技を継承、維持していくことで、日本ブランドは守られていくでしょう。