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2019年08月07日

選択と集中のメリット・デメリット6つ|選択と集中の成功企業事例3つ

「選択と集中」とは、多くの事業を手掛けている企業が、資源の分散をやめ、得意分野のみに経営資源を集中投下するという経営戦略です。ここでは選択と集中を採用することによるメリットやデメリット、選択と集中の成功企業事例などをご紹介します。

選択と集中のメリット・デメリット6つ|選択と集中の成功企業事例3つ

選択と集中とは

選択と集中とは、企業において中核である分野に経営資源を集中的に投下することで業績を上げる経営戦略です。

1980年代にアメリカのゼネラル・エレクトリックのCEOであるジャック・ウェルチが実践しました。日本では1990年代半ば以降に注目されるようになった経営戦略です。

具体的には、資源の分散をやめて余計な事業や人員を削減し、自社の得意分野に資源を集中することによって競合差別化を行う手法となります。

選択と集中の例

選択と集中を実行した例としては日立やシャープが挙げられます。

複数の事業を行う多角経営企業やさまざまな製品を取り扱っている企業が、自社の営業活動の中心となる分野を選択し、そこに力を入れることによって経営の効率化や業績向上を目指す場合によく用いられます。

また、多くの企業はリストラという形で事業整理や人員削減を行います。日本では日立が成功し、シャープは失敗して海外企業の傘下に入るという結果になりました。

選択と集中のメリット6つ

選択と集中を採用することのメリットは何でしょうか。

選択と集中を採用することの大きなメリットは、企業にとって必要不可欠な事業や商品、サービスなどを整理して分け、必要なところに経営資源を集中できることなどが挙げられます。

ここでは選択と集中のメリットを6つご紹介します。

選択と集中のメリット1:コストを大幅に削減できる

経営資源を特定分野に集中させることにより、経営コストの削減につながります。

業務プロセスの最適化を行うことができ、また不採算部門を整理することで組織構成がシンプルになります。さらに成長分野に特化することで、安定した利益を望めるようになるというメリットがあります。

また、元々得意な分野であるため、経営資源を投入するポイントが理解できており、投資対効果の高い企業活動が可能になります。

選択と集中のメリット2:事業価値を最大化できる

経営資源の一極集中や有効活用によって事業価値を最大化できます。

事業価値とは、投資している経営資源から得られる利益のことです。不採算部門を切り離すことで収益が改善し、さらに得意分野から多くの利益を得ることで事業価値が増大するというメリットがあります。

また、さらに黒字事業を伸ばすことを目的とした投資やマーケティング費用の投下が可能となるため、競合優位性や顧客満足度向上を図りやすくなります。

選択と集中のメリット3:イノベーションの創出につながる

選択と集中により新しい切り口での考え方が生まれ、イノベーションの創出へとつながります。

不採算部門は、概して企業にとっても苦手な分野であることがあります。つまりそれを切り離して得意な分野に特化することにより、社員も自分達の強みを活かしやすくなるというメリットがあります。

そして強み分野に時間やコストをしっかり割いて取り組むことで、創意工夫やイノベーションが生まれやすくなる環境が整います。

選択と集中のメリット4:得意分野において飛躍的な成長が期待できる

選択と集中により、得意分野のみに一極集中することができるため、飛躍的な成長が期待できます。

事業を1つに絞り込んだ企業であれば、その分野のみ特化したマーケティングを定期的に実施することができます。また、新商品の開発などに関しても多くの費用を投資することができるというメリットがあります。

そのため、顧客満足度の高い商品やサービスを次々に開発し、顧客に提供することができるということになります。

選択と集中のメリット5:コストリーダーシップ戦略を展開することができる

選択と集中によりコストリーダーシップ戦略を展開することで、市場の占有を狙うことができます。

コスト・リーダーシップ戦略とは、「コストの低さや価格の安さを最大の武器に集客を行うことで競争力を高める競争戦略」を意味します。

選択と集中により資源を集中的に投下することで、作業効率化が実現でき、結果的に大幅なコスト削減を図ることが可能です。さらに、削減されたコストを商材の価格に反映させることが可能となります。

選択と集中のメリット6:経営の安定性が高まる

選択と集中により赤字部門を縮小することで、経営の安定性が高まります。

赤字を出し続けている事業部門を放置してしまうと、経営の安定性を大きく損なわせてしまいます。しかし選択と集中で不採算部門を切り離すことは、組織の抱えるリスクを最小化し、リターンを最大化させるというメリットがあります。

つまり、選択と集中は組織の経営安定性を高めてくれるということになります。

選択と集中のデメリット6つ

選択と集中にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。

選択と集中にはさまざまなメリットがありましたが、選択と集中はどのようなケースにおいても有効というわけではありません。リターンがあればリスクもあり、そもそも選択と集中を行うこと自体にリスクが付いて回ります。

ここでは選択と集中を採用した場合のデメリットを6つご紹介します。

選択と集中のデメリット1:組織内の人材が減少してしまう可能性がある

選択と集中により、優秀な人材が人員整理を機に他社に流出してしまう可能性があります。

不採算部門を整理する場合、それまで当該部門で働いていた社員が人員整理の対象となってしまうというデメリットがあります。仮に他の部門に移籍した場合でも、退職してしまう可能性も否めません。

特に不採算部門で活躍していた社員はその分野に思い入れがあるケースが多く、部門縮小を機に退社してしまうケースは少なくないでしょう。

選択と集中のデメリット2:従業員や株主からの反発起きる可能性がある

特定分野に集中することにより、組織の成長可能性に制限がかかることに対して反発が起きる可能性があります。

経営資源を集中させるには、大規模な人員整理や組織変更、再配置が発生します。そのため社員のモチベーションの低下や不平不満を引き起こすというデメリットが存在します。

また、株主の中には組織の変化対応力が低下することに不安を覚える層もいるでしょう。そのため、理解を得るための説明が必要です。

選択と集中のデメリット3:変化の対応が難しく倒産のリスクが高まる

集中した分野で市場ニーズの変化が起こった場合、変化への対応が難しく、倒産のリスクが高まります。

選択と集中は、限られた経営資源を特定の分野に集中投入します。そのため、市場で破壊的イノベーションが起こった場合、事業そのものの存続が危ぶまれるというデメリットがあります。

さらに選択と集中によって変化対応力が大幅に低下した企業は、そのまま撤退や倒産にまで追い込まれてしまうというリスクもあります。

選択と集中のデメリット4:日本的雇用慣行との相性が悪い

選択と集中は、終身雇用制度や年功序列制度といった日本的雇用慣行と相性が良くありません。

終身雇用制度を採用している場合、選択と集中により解雇せざるを得なくなった場合でも、雇用者側から解雇権の濫用として解雇の無効を訴えられることがあります。

また、年功序列制度を採用している場合、人員の再配置で保有スキルと要求スキルの不一致が発生した場合にコストパフォーマンスが大幅に低下するというデメリットが発生します。

選択と集中のデメリット5:今の時代に合っていない

選択と集中は時代にあっていない戦略といえます。

選択と集中は日本ではバブル崩壊後に流行した経営戦略ですが、選択と集中において大切なのは、自社の得意事業の分析や時代のトレンドを掴むことといえます。

すなわち大切なのは、これからの市場を予想してポジショニングするための見極めということになります。ただし現在は利益を生み出すことができる市場が減っており、選択と集中によるメリットが少なくなっています。

選択と集中のデメリット6:組織の成長の可能性を狭めてしまう

選択と集中は組織の成長可能性を狭めてしまうリスクを含んでいます。

創業時とは異なる事業分野において発展し、成功を収めた企業は多く存在します。一方、集中と選択は余分な事業や人員を削減し、得意事業に集中的に投資する成長戦略です。

つまり選択と集中により事業分野を1つに絞ると、流行や市場ニーズの変化などの外部要因による主力外事業活性化の恩恵を一切受けられなくなってしまうというデメリットが存在します。

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選択と集中の成功企業事例3つ

どのような企業が選択と集中により成功をおさめたのでしょうか。

先述のとおり、多くのメリットとデメリットを内包しているのが選択と集中です。うまくいかずに破綻してしまった企業もありますが、経営効率を上げることができるため選択と集中を導入したことにより成功した企業も多くあります。

ここでは選択と集中による成功企業の具体的な事例を3つご紹介します。

選択と集中の成功企業事例1:General Electric Company

GEは世界に選択と集中の戦略を知らしめました。

GEは非常に多くの事業を手掛けていましたが、実際に売り上げを出していたのは一部の事業だけでした。そのため、それを問題視した元CEOのウェルチ氏が業界内で1位か2位の事業だけを残し、それ以外をすべて売却するという大規模な選択と集中戦略をとりました。

その結果、GEを立て直すことに成功し、選択と集中という経営戦略も世に広まりました。

選択と集中の成功企業事例2:キヤノン株式会社

キヤノンは「経営手法は世界共通だが雇用はローカルに徹する」という独自の経営哲学を生み出しました。

キヤノンは伝統的な終身雇用制を守りながら、パソコン事業など赤字部門を切り捨て、複写機やプリンターに使うインクカートリッジなどに経営資源を注力する選択と集中を実施しました。

また、社員を解雇しない代わりに年功序列は廃し、実力主義の賃金体系を組合に認めさせることで成功を収めました。

選択と集中の成功企業事例3:株式会社日立製作所

日立製作所は、絶大な強みを持っていた社会インフラ分野に経営資源を集中させることで成功を収めました。

日立製作所は電力、昇降機、鉄道などのインフラ、家電など幅広い事業を手掛けている総合電機メーカーです。

リーマンショックで大きな打撃を受け、それまでの不採算が続いていた家電事業から撤退し、情報通信と社会インフラを中心とした法人向けビジネスに経営資源を集中させることにより、収益を改善させることに成功しました。

選択と集中のメリット・デメリットを知ろう

企業戦略を考える上で選択と集中のメリットとデメリットについても知りましょう。

選択と集中は有効な戦略ではありますが、メリットとデメリットをしっかりと把握しておき、企業の目的や理念に沿った長期的な視点から戦略を考えることが重要です。

まずは経営資源の集中が自社にとって有効なのか、逆にリスク分散をすべきなのかをしっかりと判断し、企業に合った戦略を取るようにしましょう。

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