LLP(有限責任事業組合)とは|LLPのメリット6つとデメリット4つ

組織・人材

LLP(有限責任事業組合)とは

皆さんはLLP(有限責任事業組合)という言葉をご存じでしょうか。「Limited Liability Partnership」の略であるLLPは、経済産業省が2005年に創設した事業体のことを指しています。

もともとはイギリス、アメリカにあった事業体で、その仕組みが新事業の立ち上げなどがしやすいことから日本でも取り入れられるようになりました。

では、LLPとは今まであった事業体とは何が違うのでしょうか。

株式会社との違い

LLPと株式会社の違いは利益分配にあります。

株式会社は資金を出してくれる『投資家』に、出してもらった資金に応じて利益を分配していきます。

それに比べLLPは、出資率に対してではなく独自で利益配分を決める事ができます。

もともと、株式会社がお金を元に集まるのに対してLLPは人のアイディアや技術を元に集まります。LLPへの出資金が少なくても、優秀なアイディアなどを持っている人には利益配分が大きくなります。

LLCとの違い

LLCとLLPの大きな違いは、法人格があるかないかです。LLCには法人格があり、法人課税がかかります。

しかしLLPには法人格がないため、法人課税を払う必要がなく、利益分配の時のみ課税されます。

また他の違いとして、LLCは1人だけでも立ち上げる事が可能ですが、LLCは2人以上いなければ立ちあげられません。

LLPの設立方法

LLPの設立は、株式会社に比べるととても簡単に行えます。

LLP設立に当たり設立事項を決め組合契約書を準備して、出資金または現物出資をします。それが終わったら組合契約を法務局で行い、それが認められたら設立は終了です。

とは言っても、素人が0から作るにはそれなりの知識が必要になってきます。わからない場合や手間を取りたくない時は、税理士にお願いすればスムーズに行えるでしょう。

大見出し:ほかの法人よりメリットがあるLLP6つ

LLPはほかの法人に比べて良い点がいくつもあります。特にメリットとなる特徴が6つありますので、それをまとめてみました。

LLPについて興味ある人、これからLLPを本格的に調べてみようというう人は、ぜひ参考にしてみてください。

ほかの法人よりメリットがあるLLPの特徴1:会社設立にかかる費用が安い

会社の設立には、必ず費用が必要になってきます。株式会社とLLCの設立費用と比較をしていきながらLLPの設立費用を見ていきましょう。

株式会社を設立する場合、設立費用は24万円です。LLCの場合は、10万円かかります。

それに比べLLPの場合は、登録免許税のみの6万円で設立することが可能です。

LLPは印紙税や定款認証手数料が必要ないため、どの法人よりも会社設立費用が少なく済むというメリットがあります。

ほかの法人よりメリットがあるLLPの特徴2:構成員課税(パススルー課税)が認められている

LLPは法人格ではないため、法人税ではなく構成員課税(パススルー課税)が認められています。

構成員課税とはどういった税なのかというと、組織段階では法人税が課されずに利益分配ができるという物です。

つまりLLPの会社が法人の会社と同じ利益だった場合、法人税が課税されないので、手元に残る金額が多くなるということです。

また、万が一LLPが赤字の場合でも、組合員が他の事業で出た所得と損益通算することができます。

ほかの法人よりメリットがあるLLPの特徴3:有限責任

個人事業や株式会社が負債を負った場合、個人資産を手放してでも負債総額を支払う責任があります。これが無限責任です。

一方有限責任とは、出資の範囲でしか責任を負わなくて良いとされています。つまり会社が倒産した場合、出資したお金は消えてしまいますがそれ以上の責任は必要ないということです。

LLPは有限責任が認められている会社です。万が一のことを考えた場合でもリスクが少なくて済むようになっています。

ほかの法人よりメリットがあるLLPの特徴4:柔軟な損益や権限の分配が可能

ほかの法人は出資金などの比率によって利益分配は決められています。

それに比べ、LLPは独自で利益分配の比率や出資の割合などを決めることが可能です。

例え出資金が少なくても、優秀なアイディアや技術を提供している人には多く利益を分配できます。これにより、組合員のモチベーションアップや技術の向上などにつながり、利益を増やす良いサイクルが生まれます。

また、重要事項を決める際も株主総会を開かず自由に決められます。

ほかの法人よりメリットがあるLLPの特徴5:決算公告義務がない

株主会社は、株主に今の会社の状況などを決算書などを用いながら説明する決算公告義務があります。

対してLLPは株主が存在していないため、決算公告義務をする必要がありません。

決算公告義務を行うには相当な手間と時間がかかり、それにより本来の業務に支障をきたします。そういったコストを削減できるのが、株式がいないLLPの魅力でしょう。

ほかの法人よりメリットがあるLLPの特徴6:会社設立までの期間が短い

LLPを立ち上げる場合、株式会社などを設立するよりも安い費用で済むということがわかりました。それにプラスして、LLPはほかの法人よりも立ち上げ期間が短く済むというメリットがあります。

株式会社は、立ち上げまで1週間~1ヶ月ほど時間がかかります。それに比べLLPは、立ち上げまで数日か、長くても1週間程度で会社を設立することができます。

これは、登録審査が短いLLPだからこそ実現するスピードです。

LLPのデメリット4つ

LLPのメリットはたくさんありますが、デメリットも多少あります。

LLPの設立を考えているのなら、デメリットもしっかり把握しておかなくてはなりません。

LLPのデメリットをまとめてみましたので、今までご紹介してきたメリットと比較してみて、LPPが自分にとって有益なのかそうではないのかを考えてみてください。

LLPのデメリット1:法人格がない

LLPのデメリット1つ目は、法人格がないことです。法人格がないことで法人税をお払わなくて済むというメリットもありますが、ほかの部分でデメリットにもなりかねます。

LLPでの収益が多くなる事業の場合、法人である方が節税効果がある可能性があります。

また、法人でない分できることも限られてきます。法人会社でないと契約してくれない取引先とは、仕事をしたくてもできないという場面も出てくるでしょう。

LLPのデメリット2:株式会社に組織変更できない

LLPは組合であるため、株式会社などに組織変更することができません。ちなみに、似ている事業体のLLCは株式会社に組織変更が可能です。

事業が波に乗り株式会社に変更したい場合は、一度LLPを解散しなければなりません。そしてまた1から法人を設立する手間がかかります。

将来的に株式会社などに組織変更を考えている方は、LLPから事業を始めないほうが良いでしょう。

LLPのデメリット3:知名度が低い

LLPは社会的にまだまだ知名度が低いです。知名度が低いということは、取引先や他社から信用を得られにくいというデメリットがあります。

知名度が低い中で信頼を勝ち得るのはなかなか難しいことです。株式会社というのを重視している業界には、仕事の話しさえ通らない可能性もあります。

LLPは知名度・認知度が低い事業体だということを自覚した上で、どうやって仕事を広げていくかを考えておいたほうが良いでしょう。

LLPのデメリット4:会計処理が複雑

LLP最後のデメリットは、会計処理が複雑なことです。

LLPは組合ですので、組合員の一人一人に納税義務が与えられます。個人事業主と同じ考えで良いのですが、確定申告は個人事業主よりとても複雑です。

これはLLPのメリットでもあった構成員課税によるもので、確定申告について深い知識がないよう人が行うには無理があります。税理士の力を借りる必要がありますので、その分の費用がかかるということを知っておきましょう。

LLPの組織形態に求める事業に向いているかよく検討しよう

今回はLLPという組織形態についてご紹介しました。LLPにはメリットデメリットがあるということがわかっていただけたのではないでしょうか。

LLPのメリット・デメリットや特徴をしっかり理解して、LLPは自分が始めたい事業に向いているか向いていないか慎重に考える必要があります。

時には仲間と相談しながら、LLPについて検討してみてはいかがでしょうか。

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