標準報酬月額とは?|標準報酬月額の決め方4つと標準報酬月額の注意点2つ

組織・人材

標準報酬月額とは

標準報酬月額とは、報酬月額を保険料額表の等級に分け、その等級に該当した金額のことをいいます。等級は、届出書に基づき日本年金機構が決定します。

標準報酬月額の等級を決めるための報酬月額とは、基本給以外にも各種手当や交通費なども含まれた1ヶ月の総支給額です。ただし、年3回以下のボーナスや臨時に支払われるものは報酬月額には含まれません。

標準報酬月額は、社会保険料は年金や健康保険の手当の支給額を計算するために使用されます。

標準報酬月額の決め方4つ

標準報酬月額は、基本的に1年に1回決めたものを次の7月まで使用します。ただし、大幅な給料の増減があり、使用されている標準報酬月額と実際の報酬月額に大きな差がある場合、改定されることもあります。

標準報酬月額が変更されるのは、4つのタイミングです。具体的には、雇用契約時の資格取得時決定、1年に一度決まった時期に変更される定時決定、給料に大幅な増減があった時の随時改定、育休などの終了後に自分で届出を出して変更する育児休業等を終了した際の改定の4つです。

標準報酬月額の決め方1:資格取得時決定

資格取得時決定とは、雇用された時点で契約時の給料で、標準報酬月額を決めることです。会社、就業規則や労働契約に基づいた報酬月額を届け出て、決定します。
資格取得時決定で決めた標準報酬月額は、基本的にその年の8月まで使用します。ただし、6月1日〜12月31日までに雇用された人は、翌年の8月までここで決定された標準報酬月額を使用します。

標準報酬月額の決め方2:定時決定

定時決定とは、継続して雇用されている場合に、実際に支払われた給料で標準報酬月額を決めることです。7月1日になる前の3ヶ月間に支払われた給料を、月数で割った平均の金額を報酬月額として、標準報酬月額を決めます。

1年に1回変更され、大幅な給料の変動がなければ、その年の9月〜翌年の8月までの1年間使用します。

標準報酬月額の決め方3:随時改定

随時改定とは、報酬月額が大幅に変動した場合に標準報酬月額が変更されることです。継続した3ヶ月間に支払われた給料を月数で割った金額が、現在使用されている標準報酬月額と2等級以上の差が出た時に改定されます。

標準報酬月額の決め方4:育児休業等を終了した際の改定

育児休業等を終了した際の改定とは、育児休業等終了時報酬月額変更届を提出するこで標準報酬月額を変更することです。満3歳未満の子を養育している場合に、届出を会社に提出することで改定されます。

随時改定では2等級以上で変更されますが、この場合は1等級以上での改定が可能なので、育児時短などで給料が減ってしまう時に、社会保険料を早めに減らすことができます。

育児休業終了日の翌日の月から、3ヶ月間の給料の平均に基づき決定され、4ヶ月目から使用されます。

標準報酬月額の計算に含まれるもの6つの事項とは?

標準報酬月額の計算には、基本給や歩合給、各種手当なども含めた1ヶ月の総支給額が使用されます。歩合給や残業代などの定期的に支払われるわけではない手当もありますが、標準報酬月額の計算では定期収入扱いになり、計算の対象となります。

含まれる手当は主に、残業手当や役職手当、扶養手当や住宅手当、交通費などがあります。他にも、勤務地手当や日直手当、休職手当など会社ごとに定められているさまざまな手当も、労働の対償とみなされるものは、基本的に全部計算に含まれます。

標準報酬月額の計算に含まれるもの1:基本給

基本給とは、残業手当や役職手当などの各種手当や歩合給を除いた毎月固定の賃金のことです。 一般的には、勤続年数や職種、スキルなどを基準に決められています。 標準報酬月額の随時改定は、基本給などの固定給が大幅に変更された時に行われます。

標準報酬月額の計算に含まれるもの2:残業手当

残業手当とは、各会社で定められた所定労働時間を超えて働いた場合に支払われる手当のことです。法定労働時間を超えて働いた時には、支払われる賃金は1.25倍になります。

残業手当が極端に増減した場合でも、随時改定には反映されませんが、4月〜6月の報酬月額で決まる定時決定の計算では含まれます。

標準報酬月額の計算に含まれるもの3:役職手当

役職手当とは、管理職の人に支払われる手当です。役付手当、管理職手当と呼んでいる会社もあります。

管理職とは、部長や課長、係長などの一般社員とは違う役割や責任がある人たちです。その職務の困難度、責任の重さに対して支給される手当を役職手当と言います。

標準報酬月額の計算に含まれるもの4:扶養手当

扶養手当とは、家族や子供がいる社員に支払われる手当です。家族手当とも呼ばれています。会社が就業規則に定めて金額を決定し、支給します。

扶養家族の条件は、給与収入が103万以下の税法上の扶養配偶者を家族としている場合が多いです。また、社会保険の扶養の対象となる、130万以下としている会社もあります。

必ず支給しなければいけない決まりはないので、支給しないという会社も多くあります。

標準報酬月額の計算に含まれるもの5:住宅手当

住宅手当とは、住宅にかかる費用の一部を会社が負担するために支払われる手当です。住宅ローンや家賃に対して支払われます。対象が賃貸物件の場合は、家賃補助とも呼ばれることもあります。

社宅などで給料に手当として支給されていない場合には、現物給与として標準報酬月額の計算に含まれます。

標準報酬月額の計算に含まれるもの6:交通費

交通費とは、自宅〜会社までにかかる交通費を、会社が負担するために支払うお金です。通勤手当とも呼ばれています。定期券などの現物支給でも、標準報酬月額の計算には含まれます。

所得税では非課税ですが、交通費は労務の対償として受けるものであるとされているので、標準報酬月額の計算には含まれます。ただし、出張時の交通費などは含まれません。

標準報酬月額の注意点2つ

標準報酬月額は等級が上がると、その分社会保険料は高くなります。社会保険料が高くなると、手取りが減ってしまうので、標準報酬月額を減らしたいと思う方も少なくないでしょう。実際に減らしたい場合には、標準報酬月額が決定される時期に、働き方を気をつけることが必要です。

しかし、標準報酬月額を減らし、社会保険料を安くすることが必ずしも良いことではありません。標準報酬月額が決まる時期の働き方や、標準報酬月額を計算に使う手当での注意点をご紹介します。

標準報酬月額の注意点1:4〜6月の働き方次第でかわる

標準報酬月額を決めるための報酬月額は4月〜6月に支払われる給料の平均です。たまたま4月〜6月に残業が集中してしまうと、その分給料が増えるので報酬月額がアップし、標準報酬月額の等級が上がります。それ以外の月はあまり残業がなく、給料が減っても標準報酬月額は変わらず、社会保険料が高いままになってしまうので、社会保険料を抑えたい場合には注意が必要です。

社会保険料を減らしたい場合は、4月〜6月の残業を極力減らすなどして、これらの月に受け取る給料を少なくすれば、その年の8月〜翌年7月までの社会保険料を抑えることができます。

標準報酬月額の注意点2:傷病手当金や出産手当金は標準報酬月額をもとにする

標準報酬月額は、厚生年金の支給額を決める以外にも、傷病手当金や出産手当金の金額の計算にも使用されます。

傷病手当とは、健康保険の被保険者が病気やケガのために働くことができないときに、健康保険から休業4日目から支給されます。出産手当金とは、出産前後の産前産後休業期間中に、健康保険から支払われる手当です。

標準報酬月額を低くすると、これらの手当の金額も減ってしまうので、注意が必要です。

標準報酬月額とは何かを理解しよう

標準報酬月額とは、保険料の計算に使われるだけでなく、将来受け取る年金や健康保険の各種手当の計算にも使われる重要な金額です。標準報酬月額の計算には、時期や、含まれる給料や手当、含まれない給付金など、紛らわしい点もたくさんあります。

全て理解することはなかなか難しいですが、おおまかなことでも標準報酬月額がどんなものなのか理解しておくことは、とても大切です。

タイトルとURLをコピーしました