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2019年09月12日

前受金とは?条件と具体例|前受金と類似してる勘定科目4つを紹介

「前受金」は勘定科目の1つです。会社における経理業務の要となる仕訳処理は、基礎をしっかりと抑えることがポイントになります。勘定科目の内容や意味合いを理解し、正確な仕訳を行いましょう。本記事では、「前受金」の具体例や類似した勘定科目についてご説明します。

前受金とは?条件と具体例|前受金と類似してる勘定科目4つを紹介

前受金とは?

「前受金」とは、販売した商品やサービス(役務)を取引先へ提供する前に代金を受け取った場合に使用する勘定科目を指します。

前受金は後に商品や役務を提供するという義務が発生するため、「流動負債」に分類されます。

経理業務経験者や簿記を学んだことがある人には馴染みがあるでしょう。発生した取引を分類する「仕訳」に使うものです。

仕訳は、どのタイミングで計上するか、どの勘定科目を計上するかが重要になります。中には類似した勘定科目もあるため、それぞれの定義や違いを知ることがポイントです。

ここでは、前受金の具体的な内容、前受金と似ている勘定科目についてご説明します。

前受金の条件

前受金として計上するには条件があります。

通常、商品や役務を提供したときは「売上」を計上します。

商品や役務を販売した場合、①「取引先から代金を受け取る」、②「取引先への商品・役務の提供が完了する」という2つの事柄が発生します。

もし①のみが発生し、②の成立が後日になる場合は、売上の代わりに「前受金」を計上します。

下記2つの条件を満たす場合に、前受金が発生します。

1)商品・役務を取引先へ提供する前に代金の一部または全部を受け取った場合
2)代金受取後に商品・役務を取引先へ提供する義務が発生する場合

前受金は、代金受領、商品・役務の提供が完了して売上を計上できるようになるまでに、一時的に使用する勘定科目です。

「代金受け取り時」と「商品提供完了時」の2回にわたり仕訳が発生します。

前受金の具体例

前受金の具体例として、手付金が挙げられます。

手付金とは、売買された商品が引き渡される前に、買主が商品代金の一部を支払うものです。主に不動産売買契約にて発生するもので、契約のキャンセルを抑止する目的があります。

本来、代金を全額支払った際に手付金は返還されますが、代金の一部として充当するケースが多くみられます。

前受金の商品を売り上げた時の仕訳

前受金が発生したときの仕訳についてご説明します。

前述したように、前受金は代金を受け取ってから売上を計上するまでの間に一時的に使用する勘定科目です。

まず、代金の一部または全部を受け取ったときに前受金を計上します。その後、商品・役務の提供が完了したときは、前受金を売上に振替処理します。

そのため、前受金を使用した仕訳を2回行うことになります。

前受金を受け取った時

前受金を受け取ったときは、「前受金」という負債が増加するため貸方に仕訳します。

代金を受け取ると現金や普通預金などの資産が増加します。しかし、この時点では商品や役務を提供していない為、相手科目に売上を計上することはできません。

そこで、「前受金」を使用して仕訳することになります。

例)商品100,000円を売り上げ、手付金10,000円を現金で受け取ったとき
借方貸方
現金10,000前受金10,000

商品を引き渡したとき

商品や役務を提供したときは、「前受金」という負債が減少するため借方に計上します。

販売した商品や役務を引き渡すという条件が満たされるため、このときに初めて「売上」を計上することができます。

代金受取時には前受金を貸方に計上しましたが、今度は借方に振り替えることで相殺され、前受金の残高がゼロになります。

代金の一部を前受金として受け取っており、残金は商品の引き渡しと同時に現金で受け取った場合は、借方に「前受金」と「現金」を計上します。

例)商品を引き渡し、手付金10,000円を引いた残金90,000円を現金で受け取ったとき
借方貸方
前受金10,000
現金90,000
売上100,000

前受金と類似してる勘定科目4つ

勘定科目には様々な種類があり、前受金と類似しているものもあります。慣れない内はどの勘定科目を使ったら良いか迷ったり、混同してしまったりするかもしれません。

ここでは、前受金と類似した4つの勘定科目をご紹介します。それぞれの定義や違いについて理解していきましょう。

前受金と類似してる勘定科目1:仮受金

「仮受金」は、相手からの入金内容が不明な場合に使用する勘定科目です。

普通預金や当座預金に取引先から入金があったけれど何のお金なのか分からないといったときに仮受金勘定を使います。仮受金は流動負債に区分されます。

後にお金の内容や目的が判明した場合は、仮受金を本来の勘定科目に振り替えるというものです。

小見出し:仮受金の仕訳

仮受金は、「仮受金を受け取ったとき」、「仮受金を本来の勘定科目に振り替えるとき」の2回仕訳を行います。

仮受金を受け取った場合、「仮受金」という負債が増加するため貸方に計上します。また、仮受金を振替処理した場合は負債が減少するため、借方に計上します。

例1)取引先から当座預金へ内容不明の30,000円が入金されたとき
借方貸方
当座預金30,000仮受金30,000
例2)内容不明の30,000円が売掛金と判明したとき
借方貸方
仮受金30,000売掛金30,000

前受金と類似してる勘定科目2:前払金

「前払金」は、商品を受け取る前に代金の一部または全部を支払ったときに使用する勘定科目です。

代金の授受が商品・役務の授受より先に発生する点は「前受金」と同じです。

2つの勘定科目の違いは、前受金は自分が代金を受け取る側(売主)であるのに対し、前払金は自分が代金を支払う側(買主)である点です。

通常は商品などを購入した際は「仕入」勘定を計上します。

しかし、この場合は代金を支払った時点ではまだ商品・役務の引き渡しを受けていないため、一時的に「前払金」を計上し、引渡しを受けたときに仕入に振替を行います。

前払金は後に商品・役務の提供を受けられる権利が発生するため、流動資産に区分されます。

小見出し:前払金の仕訳

前払金は、「前払金を受け取ったとき」、「前払金を仕入に振り替えるとき」の2回仕訳を行います。


前払金を受け取った場合、「前払金」という資産が増加するため借方に計上します。また、前払金を振替処理した場合は資産が減少するため、貸方に計上します。

例1)商品50,000円を購入し、先に代金全額を現金で支払ったとき
借方貸方
前払金50,000現金50,000
例2)商品の引き渡しを受けたとき
借方貸方
仕入50,000前払金50,000

前受金と類似してる勘定科目3:預り金

「預り金」は従業員や取引先が負担すべき金銭を一時的に預る場合に使用する勘定科目です。

預り金は本人に返還される場合もありますが、第三者の支払いに充てられるケースが多いでしょう。いずれ支払うものなので、流動負債に分類されます。

預り金は主に給料計算において使用されます。従業員の給料から天引きした「源泉所得税」や「住民税」を預り金として計上し、第三者へ支払うというものです。

小見出し:預り金の仕訳

預り金は、「お金を預かったとき」、「預ったお金を支払ったとき」の2回仕訳を行います。

預り金が発生した場合、「預り金」という負債が増加するため貸方に計上します。また、預り金を支払った場合は負債が減少するため、借方に計上します。

例1)従業員の給料200,0000円から源泉所得税10,000円を差し引き、残りを当座預金口座から支払ったとき
借方貸方
給料200,000預り金10,000
当座預金190,000
2)従業員から預かった源泉所得税10,000円を税務署に現金で納付したとき
借方貸方
預り金10,000現金10,000

前受金と類似してる勘定科目4:売掛金

「売掛金」は、代金が支払われる前に商品・役務を提供した場合に使用する勘定科目です。

売掛金が発生する取引は、「掛取引」とも呼ばれています。前受金との違いは、代金の授受、商品・役務の授受のタイミングが逆であることです。

前受金は代金を先に受け取っているのに対し、売掛金は商品・役務の提供が完了した後に代金を受け取る場合に使われます。

売掛金は代金を受け取る権利が発生するため、流動資産に分類されます。

小見出し:売掛金の仕訳

売掛金は、「代金受取前に商品を提供したとき」、「売掛金を回収したとき」の2回仕訳を行います。

売掛金が発生した場合、「売掛金」という資産が増加するため借方に計上します。また、売掛金を回収した場合は資産が減少するため、貸方に計上します。

例1)商品50,000円を販売し、掛取引(代金後払い)としたとき
借方貸方
売掛金50,000売上50,000
例2)売掛金50,000円を現金で回収したとき
借方貸方
現金50,000売掛金50,000

大見出し:前受金をしっかり理解しよう

いかがでしたでしょうか。前受金やその他の類似する勘定科目についてご紹介してきました。

前受金かどうかを見極めるには、「代金および商品の受け渡し時期はどちらが先か」、「自分が代金を受け取る側か支払う側か」の2点を抑えることがポイントです。

取引が発生した時期や内容をしっかりと確認し、仕訳をマスターしましょう。

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