- フォロワーシップとは
- フォロワーシップが組織へ及ぼす8つの効果
- フォロワーシップをもったフォロワー自身の8つの効果
- フォロワーシップをもったフォロワー自身の効果1:自律的な姿勢を養える
- フォロワーシップをもったフォロワー自身の効果2:集団という単位で動くのに必要な思考が身に付く
- フォロワーシップをもったフォロワー自身の効果3:キャリアアップにつながる
- フォロワーシップをもったフォロワー自身の効果4:リーダーシップも養える
- フォロワーシップをもったフォロワー自身の効果5:仕事に対する意欲が向上する
- フォロワーシップをもったフォロワー自身の効果6:リーダーを動かす力が養われる
- フォロワーシップをもったフォロワー自身の効果7:フォロワーを動かす力が養われる
- フォロワーシップをもったフォロワー自身の効果8:組織を変える影響力が身につく
- フォロワーシップをもったフォロワーはリーダーとメンバーをつなぐ重要な役割
フォロワーシップとは
フォロワーシップとは、組織が目的の達成や結果を出すためには、リーダーと同様にリーダーを補佐する役であるフォロワーの存在が重要であるという考えをもとに、フォロワーが能動的かつ自律的に行動を起こし、リーダーの補佐役として組織に貢献することを言います。
わかりやすくいえば、リーダーを支える力のことをフォロワーシップといい、組織が出す結果に及ぼす影響の8割から9割はフォロワーによるものと言われています。
リーダーシップとの違い
リーダーとフォロワーでは組織内での役割が違います。リーダーの役割は、組織にビジョンを示し、目的達成に向けてフォロワーの意欲を高め、引っ張っていくことであり、フォロワーの役割は、リーダーのビジョンや組織の目的をしっかりと理解し実現していくことにあります。
フォロワーシップでは、リーダーが示すビジョンや組織の目的を深く理解し、完遂のためにリーダーやフォロワーに働きかける自律性や能動性が求められます。
メンバーシップとの違い
メンバーシップとは、組織に所属するメンバーが組織全体に貢献することを指し、組織に対して能動的に行動することをいいます。組織がうまく機能するためにはメンバーシップが非常に重要だと考えられています。
具体的には、チームメイトへの理解や協力、個人の仕事を確実に終える、個人の生産性を上げる努力をし組織に貢献する、などのことです。
リーダーシップやフォロワーシップもメンバーシップの一形態と位置付けられています。
フォロワーシップが組織へ及ぼす8つの効果
フォロワーシップが組織へ及ぼす効果1:目的を共有し円滑に実行に移すことができる
リーダーが掲げたビジョンをフォロワーがしっかりと理解、認識し、能動的に行動できる組織であった場合、フォロワー間でのコミュニケーションがしっかりとおこなわれ、ビジョンの共有や目的の共有が円滑におこなわれるようになります。
フォロワー間でビジョンの理解が深まると、その仕事の目的が明確になっていくので、それにともない比例する形で組織全体の目的に対する実行力、生産性が上がり、よりよい結果が期待できます。
フォロワーシップが組織へ及ぼす効果2:現場の情報をボトムアップすることができる
フォロワーシップをもったメンバーで組織が構成されている場合、フォロワーがリーダーに対して積極的にコミュニケーションをとるなど能動的な働きかけがあります。
仕事の進み具合や現場の雰囲気、問題点など、リーダーが気づけなかったことも、リーダーの耳に入り、リーダーは組織や仕事の効率性の問題点をしっかりと認識することができます。
フォロワーシップが発揮された組織は現場の情報がボトムアップされやすくなります。
フォロワーシップが組織へ及ぼす効果3:チームとしての一体感を作りやすい
リーダーのビジョンや組織の目的の共有が、リーダーとフォロワーの間で、フォロワー同士の間でスムーズに行われる環境になると、組織の風通しが良くなります。そして、フォロワー1人1人のモチベーションが上がりやすい環境が生まれます。
よって目的の完遂に向けて、各々のフォロワーが共通したビジョンをもち、ポジティブな気持ちで、自律的、能動的に行動を起こすようになり、チームの一体感が自然と高まる環境が生まれます。
フォロワーシップが組織へ及ぼす効果4:リーダーの負担が減る
フォロワーシップをもったフォロワーで組織が構成されていくと、フォロワーの自律性や能動性、向上心を伴った行動により、リーダーの負担が圧倒的に軽くなります。
質の高いフォロワーシップを発揮できるフォロワーで組織が形成された場合、仮にリーダーが不在の状況でも仕事が確実に円滑に進んでいくという状況すら生まれます。
このような組織の確立は多くのリーダーが目指しているところであり、フォロワーシップの究極の形です。
フォロワーシップが組織へ及ぼす効果5:意見の多様化により組織の視野が広がる
リーダーとフォロワーの関係が良好でコミュニケーションが円滑にとれ、意見が出しやすい環境ができあがると、目的の完遂に向けて、リーダーが思いつかなかったよりよいアイディアの提案がフォロワーからおこなわれたり、新しいプランや可能性が示されたりします。
リーダーシップのみで構成されたワンマンな組織よりも、広い視野をもって目的に向かうことができ、仕事の生産性の向上やよりよい結果が期待できる組織になります。
フォロワーシップが組織へ及ぼす効果6:組織の柔軟性や強度が上がり組織力が向上する
フォロワーシップをもったフォロワーが多く存在する組織は、それぞれが自律性と向上心を備えており能動的に行動できるために、リーダーが不在の状況でも仕事を円滑に進めることができます。
リーダーシップのみで構成された組織に比べ、思いもよらぬアクシデントに対しての対応力も高いです。
想定外の問題や困難が仮に訪れても、それらに対して強くいられるということが質の高いフォロワーシップが発揮されている組織の強みです。
フォロワーシップが組織へ及ぼす効果7:個々の仕事力が高まり組織の生産性が上がる
個々の仕事力が高まるというと個人のことのように思えますが、その影響は個人にとどまらず組織に良い影響を与えます。
フォロワーシップをもつフォロワーで構成された組織ではフォロワー同士が互いに良い影響を与え合う環境ができ、個人の仕事に対する姿勢や生産性の向上が見込めます。
結果的にこのポジティブな刺激は組織全体の活性化し、組織全体の仕事力の向上につながり、高い生産性を発揮できる組織になっていきます。
フォロワーシップが組織へ及ぼす効果8:組織の強みが増える
ひとくちにフォロワーシップといっても、フォロワーの気質や強み、得意なことにより影響力の発揮の仕方は違います。
フォロワーシップがうまく作用している組織ではリーダーとのコミュニケーションや目的の共有が円滑に行われているうえ、チームとして一体感がありながらも、個人の自律性や能動性により個々の強みがうまく発揮できます。
そのため自然と適材適所で強みを発揮できるので、組織としての強みが増える形になります。
フォロワーシップをもったフォロワー自身の8つの効果
フォロワーシップをもったフォロワー自身の効果1:自律的な姿勢を養える
フォロワーシップを発揮するには、フォロワーはリーダーが示したビジョンや目的に沿うために、リーダーの思考や評価基準などの理解を深める努力をする必要があります。
理解が深まると組織においてどのような行動をとることが適切であるのかがわかってくるので、自然と自信をもって能動的に動けるようになります。
このようにリーダーやビジョン、目的の理解を深める努力をしていく過程で自律的な姿勢を養うことができます。
フォロワーシップをもったフォロワー自身の効果2:集団という単位で動くのに必要な思考が身に付く
フォロワーシップを発揮して、リーダーのビジョンや考え方、組織の目的について考えながら動くことが身につくと、その在り方はリーダーだけでなく、組織内、他のフォロワーに対しても機能するようになっていきます。
すると、集団の中でどのように立ち回るべきなのか、状況に応じて、自然と適切な行動がとれるようになっていきます。
集団という単位で動くのに必要な協調性もフォロワーシップを意識すると徐々に養われていきます。
フォロワーシップをもったフォロワー自身の効果3:キャリアアップにつながる
リーダーのビジョンを汲み取りコミュニケーションが取れ、自律性をもって組織内で適切な行動を能動的にとれるようになると、組織内での評価が上がり昇進につながることがあります。
また自律性をもって能動的に仕事に取り組むことで、言われた通りの仕事だけをこなす場合に比べ成長スピードが早まります。
効率的に仕事をこなす方法の発見などもあり、一目置かれる生産性を発揮できる人材になれ、キャリアアップにつながります。
フォロワーシップをもったフォロワー自身の効果4:リーダーシップも養える
フォロワーシップを意識し、リーダーの働き方や考え方に寄り添うことはリーダーとしての振る舞いについての理解を深め、リーダーとはなにか学ぶきっかけになります。
フォロワーシップを発揮する対象である組織のリーダーが、人格者であったり、優れたリーダーシップを発揮していたり、尊敬できる人物であると、フォロワーシップをもったフォロワーにとっても大きな学びとなり、人間性やリーダーシップが養われていきます。
フォロワーシップをもったフォロワー自身の効果5:仕事に対する意欲が向上する
フォロワーシップを発揮し自律性や能動性をもって行動すると、向かっている仕事や達成すべき目的に対してのスキルや知識の吸収が早まり、自分なりの気づきが増えるなど、成長スピードが高まります。
自身もその成長を日々、実感することができるので、仕事や達成すべき目的についてポジティブに捉えられるようになり、前向きに挑めるようになります。
このようにフォロワーシップの発揮は仕事の意欲の向上につながります。
フォロワーシップをもったフォロワー自身の効果6:リーダーを動かす力が養われる
優れたフォロワーシップを発揮できるようになるとリーダーや自分以外の組織のフォロワーからの信頼を少しずつ獲得していくことができます。
組織内でリーダーや自分以外のフォロワーに仕事面や人間性で一目置かれるようになると支持が増えるので、リーダーとのコミュニケーションがより生産的で円滑なものとなります。
リーダーに意見や提案をする際にも支持や検討をしてもらえることが多くなり、自分の考えがとおりやすくなります。
フォロワーシップをもったフォロワー自身の効果7:フォロワーを動かす力が養われる
優れたフォロワーシップを発揮していると、リーダーだけでなく自分以外の組織内のフォロワーにも一目置かれるようになります。
フォロワーに信頼や支持をされることが増えるため、自然と組織内で意見を通しやすくなります。また、組織内のフォロワーに対して提案や指導、教育が必要な場合もスムーズに進むことが多くなっていきます。
このような過程を経てフォロワーを動かす力は養われていき、組織の一体感を促せるようになります。
フォロワーシップをもったフォロワー自身の効果8:組織を変える影響力が身につく
質の高いフォロワーシップが発揮できると、リーダーや自分以外のフォロワーから信頼され支持を得やすくなるといいましたが、言い換えれば、組織を変える影響力をもった人物になれるということです。
リーダーの考えが常に正しいわけではありませんし、フォロワーが必ずしも同じビジョンに沿って意欲的に動けているとも限りません。
質の高いフォロワーシップを発揮できると組織の違和感に効果的なアプローチができるようになります。
フォロワーシップをもったフォロワーはリーダーとメンバーをつなぐ重要な役割
これまでフォロワーシップとはなにか。フォロワーシップが組織に及ぼす影響から、自身に対する影響について書いてきました。
フォロワーシップとは人を思いやる気持ちに通ずる部分があります。質の高いフォロワーシップとは、リーダーを思いやり、フォロワーを思いやり、組織を思いやることです。
そして、ビジョンや目的を達成し、喜びを共有することでもあります。
フォロワーシップを意識し意欲的に仕事に向かうことで、日々自身の成長を実感できるようになるとともに、多くの人を笑顔にすることができるでしょう。