企業理念の作り方・有名企業の理念例・浸透させる方法

組織・人材

企業理念とは

企業理念とは、会社の目的や存在意義を言葉にして表したものです。企業は社会に対して何らかの価値を創造していき、その対価として利益を得ます。そうした根本的なことの上で企業の根本的な考え方をどうするかを定めたのが企業理念であり、企業にとってとても大事な精神的支柱となりうるものでもあります。

なぜ大事なのかは大別すると三つあります。

仕事の完遂目標を明確にする

まず第一に、企業を運営していく上での軸となるということです。企業は先述の通り、社会に対して何らかの価値を生み出していく存在です。そして、そういった価値を生みだす方向性や自分の存在価値をはっきりとしておくことで資本主義社会の荒波をうまく航海するための指標となってくれます。

社員を団結させる

第二に、企業理念は組織の結束を強く、固いものとします。仕事をする上での基盤として働くことによって社員が自信をもって、且つ、自分の頭で考えながら行動できるようになるからです。つまり、企業理念というのは父親や母親が幼い頃に教えてくれた大切な言葉となりうる存在であるということです。また、意義深く、人の心を魅了するような企業理念であるとその崇高な考え方に賛同し、その理念を深く信じる優秀な人材が集まりやすくなるという場合もあります。

社会的信用を担保する

第三に、企業理念は社会的信用を得るために存在するという側面があります。企業理念があまりにもお粗末だと社会はその企業を信用することができなくなります。そのため、社会に対して信用を得られるような企業理念にする必要があるということです。

この3つが主に企業理念が必要であるという理由であり、これから企業を興そうと考えている方はこのことをしっかりと理解して企業理念を作っていく必要があります。また、企業理念は誰の目にもつくところに掲示しておく必要があることも理解しておきましょう。

例えば、会社のホームページに訪れた人が企業理念をすぐ確認できるようにしておくことが必要です。なぜなら、企業理念があったとしてもそれを誰も目につかないとこに掲示してしまうと全く意味をなさないからです。こうした企業理念というのは、いわば経営を上手にするための一つの手段です。そのため、企業理念を作るときは手を抜くことなく考え、自分の納得のいくものを作るとよいでしょう。

企業理念の作り方

企業理念は心に響くことが大前提としてあります。まったく心に響かない企業理念などあるだけでマイナスの側面が大きいからです。ですので、まずは心に響くような企業理念を考えることが大切です。では、人の心に響く言葉とはどういったものでしょうか。

ポジティブな言葉を選ぶ

まず、人の心に響くとは人の行動を変える言葉のことを指します。そのため、まずはポジティブな言葉を選ぶようにしましょう。ポジティブな言葉は人の心に活力を与え、行動を変化させます。もし、ネガティブな言葉で書かれている企業理念があったとしたら、それは人の心に響かせるのは一般的に言って難しいといえます。たとえ、ネガティブに見える企業理念があったとしても反語法などを巧みに使ったポジティブな意味が含まれているはずです。ですので、企業理念はできるだけ前向きな言葉を選ぶように心がけましょう。

企業理念でどんな効果を生み出したいか考える

次に、企業理念を考えるときに重要なことはその企業理念があることによって、どういった効果が発生するのかということを明確にしておくことです。

例えば、体育会系のノリの企業理念があったとします。当然、それをみた人はここはとてもアクティブな企業なんだろうなと想像します。それと同時に、上下関係に厳しそうとかネガティブなイメージを受ける方もいるかもしれません。そのため、自分の企業がどんな組織であるかを把握し、企業理念によってどういったイメージを植え付けたいのかを考えることはとても重要なことであるといえます。

企業理念を考える手順はこうです。まずはくつろげる環境で頭を空っぽにします。そして、自らに問いかけます。自分はどういった企業を作りたいのか、どういったことを実現したいのか、あなたの夢は、あなたはどういった性格なのか、仲間の想いは、こうしたことを自問自答します。そうすると自ずとコンセプトが出てきます。コンセプトがでてきたら実際にそれを言葉にしてみましょう。言葉に出てきたら、良さそうな言葉をいくつかピックアップしていきます。その作業の繰り返しです。次第に洗練されたこれしかないという言葉がでてくるでしょう。

企業理念というものは企業と共に成長していくものです。そのため、いつでも変更することができます。絶対にこうでなければならないということではないのです。だから、自分の思いを前述したことに注意しながら素直にぶつけると良いでしょう。

有名な企業理念の例

有名な企業理念の例としてツイッター社の企業理念があります。それは「全ての人が、障害なく、瞬時にアイデアや情報を作成、共有できるようにする」というものです。まさにツイッターというプロダクトそのものを端的に表した企業理念であるといえます。

共感する企業理念とは

共感する企業理念を作りたいと考えたときはいわゆる普遍性を求める必要があります。

誰にでも分かる言葉を使う

誰もが考えていないようなことでは共感なんてそもそも得られない。そして、大事なことはその普遍性を自分の意見として明確に主張することが必要です。何が言いたいのかよくわからないような中途半端な理念だとそれに賛同する人も少なくなってしまいます。そのため、はっきりとした言葉で、ある程度の普遍性を持った企業理念ならば共感を得やすくなるといえるでしょう。

自分の経験でオリジナリティーを出す

次に、共感を与え方として他の企業と同じことを言わないという方法があります。人間はそこら中に溢れている言っていることではなく、少し違ったことを言っていることを信じる傾向にあります。そのため、他の企業と全く同じような企業理念にするべきではなく、オリジナリティが必要になります。

オリジナリティを出すために気をつけることはただひとつ。「体験」を言葉に含めることです。あなたの体験はあなただけのものであり、オリジナリティに溢れています。そうした体験をうまく企業理念に含めつつ、根底にある普遍的な倫理観は損なわないで、わかりやすくつくることが共感する企業理念の作り方です。つまり、企業理念をつくるときには独自性を持ったバランス感覚が必要ということになります。

浸透させる方法と浸透事例

浸透させる方法はいくつかあります。

まず、目につく場所に企業理念を掲げることです。企業理念をよく目につかせることで頭の中にインプットされてきます。これはどの組織でも同じように企業理念をわかりやすい場所に掲げています。次に、繰り返し企業理念を口に出させるという方法があります。

浸透事例の一つとして、仕事が始まる前の朝礼で毎日企業理念を皆で口に出していたという企業があります。このことによって、社員全員に企業理念が浸透し、一体感が生まれました。結果として、その会社は社員一丸となって利益を伸ばすことに成功しました。

次に、企業理念を浸透させる方法は社員が企業理念を元に行動するように教育することです。辛いときや困ったときに企業理念を思い出させるなど、仕事の苦難を乗り越えるために企業理念を使わせることによって社員全員が企業理念を大事にするようになってきます。これは先輩が責任をもって企業理念を教え込むとよいでしょう。

このように、企業理念を浸透させるためには、「繰り返しの力」と「組織の教育」が必要になってきます。そのため、繰り返し企業理念を体に浸透させるような方法が必要になってくるでしょう。

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