経営戦略とは自社の強みを生かして戦う方法を考えること
経営戦略と聞くと、あまりな馴染みがないと思います。
多くの方に関わりがある経営戦略というと、中期経営計画が、経営戦略と分類されます。
経営戦略は、自社の強みを生かして、自社のポジションをどう定めていくかや顧客をどう獲得するかなどを中長期的に考えていくことを指します。
そのため、経営戦略と聞くと、利益を挙げることを目標とした戦略を考えると思いがちですが、実は、利益は最終的な結果としてあらわれるものであって、経営戦略の目標とはなりません。
経営戦略の目標となるのは、どのようにして、競合他社と差別化し自社が売りたい顧客に自社の価値を分かってもらって、自社と顧客を繋いでいくかが本質的な目標となるのです。
経営戦略の本質は自社の強みと顧客を結ぶこと
経営戦略の本質を突くと、自社の強みを売りたい顧客に売っていく方法を考えていくことです。
例えば、あなたの会社が小麦の輸入に大きなパイプがあり強みとしましょう。そして、それを製麺所に売っていきたいと考えたとします。
その際に、製麺所にどのようにして売り込むか、製麺所に売り込む競合他社とどのように差別化を図り、顧客を獲得するか。
それを考えることが、経営戦略の本質的なものになります。
経営戦略を学ぶ上でお勧めの本
経営戦略についてのアウトラインと大まかな意味や意義について、説明をしました。
ここでは、経営戦略を学ぶ際に、初めて経営戦略について触れる人でも、読みやすいおすすめの本をいくつかご紹介いたします。
図解 あなたの会社の「経営戦略」がわかる本
初めての方でも、分かりやすいように図表や図解などを多様に使いイメージをしやすいように、執筆されている本のため、初めて読む人でもとても、読みやすい本です。
いろいろな会社のケースをみながら、失敗事例などを分析していく、ケースワークで失敗の要因分析などを行いながら経営戦略を学べます。
また、あなたの会社の経営戦略についてもあてはめながら考えていけるため、あなたの会社の現状や今後のビジョンについても考えながら読むこともできます。
道を開く
パナソニックの創業者でもある、松下幸之助が書いたこの本は、経営戦略について説明する本ではありませんが、経営者の心構えや哲学などを学ぶことができるため、経営戦略の前に経営とは何かについて、考えることができるため、ぜひおすすめしたい本の一つです。
また、初学者でなく実務で経営戦略を行っている方にも、ぜひ一度読んで欲しい本です。
経営戦略全史
様々な経営戦略の手法の成り立ちから学んでいくことのできる本です。
ビジネスについて、科学的にとらえながら、事象を分析していき普遍化していくための経営戦略についての成り立ちなどを理解していける本なので、経営戦略の本質そして、手法について理解していくことができます。
MBAの院生向けの本で、少し難しい内容の本ですが、これ一つで経営戦略を学ぶ上では、十分すぎる内容が含まれているため、ぜひとも読んで欲しい一冊です。
事象分析をするための経営戦略のフレームワーク
ここでは、経営戦略を行う上で根底ともなる、事象分析のためのフレームワークについてご紹介いたします。
PEST分析
PEST分析は、政治、経済、社会、技術の頭文字をとったものです。
この分析は、主に企業の外部的要因について、マクロ経済学的な要素で分析するフレームワークです。
この分析は、企業の外部要因が企業に対してどのように影響を及ぼすのかについて分析します。
アクションマトリックス
これは、メジャーな戦略であブルーオーシャン戦略のフレームワークの一つです。
まず、ブルーオーシャン戦略とは、大きな利益を見込める、未開拓の市場に対してどのように、競合他社よりも先に参入し、開拓をしていくかについての戦略です。
アクションマトリックスは、現状の業界の中に、新たな価値を生み出すための4つのアクションについて考えるフレームワークです。
①取り除く
今の業界に備わっているものを取り除けるものを考える
例:業界標準の余剰機能を減らして、更なるコスト削減を図る
②増やす
業界標準のものをさらに増やせるかについて考える
例:業界標準の効果よりも更なる効果を増大させる
③減らす
業界標準のものよりもさらに減らす
例:業界標準の負の要素を減らす
④付け加える
これまで業界に添わっていなかった機能等を付け加えて新たな付加価値をつけて新たな市場を開拓する
これら4つのアクションで市場を開拓について考えるのが、アクションマトリックスです。
PPM((プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)
これは、事業などの方向性を決めるためのフレームワークで、コンサルティング会社ボストン・コンサルティング・グループが考案したものです。
このフレームワークは、2つの2つの主軸を取り、縦軸に市場の成長性、横軸にマーケットのシェアを取り、4つの象限に事業を分類します。
①問題児
これは、その事業自体の収入はまだ低く投資が多く必要であるが、今後の市場の成長性が見込める事業です。
②花形事業
事業自体の収入も良く、投資は必要であるが、市場成長性もありマーケットシェアも高い事業のことで、今後も投資を行うことでさらに成長の見込める事業です。
③金の生る木
マーケットのシェアは高いが、今後の事業の成長性も少ない事業です。投資の必要も少なく、投資の資金を回収するべき時期の事業です。
④負け犬
マーケットシェアも低く、市場成長性も少ない事業のため、今後投資の拡大も必要なく、今後の経営の上では、切り離すべきか検討すべき事業です。
これら4つの分類をすることにより、今後の事業の方向性を考えていきます。
企業における経営戦略の事例
ここれは、有名企業がどのような経営戦略を取りながら、業界優位に立って行ったのかについて事例をもとに紹介いたします。
コストで優位性を取ったユニクロ
ユニクロは、まず高品質低価格路線を追及することによって、コストで優位に立つ戦略を取りました。
これを実現するために、通常メーカーであれば、商社や卸など多くの会社が仲立ちを行い中間マージンがかかります。これらを省き、川上から川下まですべて自社で行うことにより、コストを下げても高品質を保てるような戦略を取りました。
また、ブルーオーシャン戦略で、業界内の新たな需要を生み出しました。
例えば、ヒートテックやブラ有数など、衣料品にない機能性に付加価値を見出し、機能性衣料の新市場を開拓しました。
差別化戦略で小売店業界に切り込んだドン・キホーテ
常識を打ち破る価格の商品を多数販売するドン・キホーテは、価格という常識を破る低価格で他店よりも安く商品を提供することで、競合他社との差別化を図り、大きく成長していきました。
この差別化を図るために、店員の商品の陳列の手間を省くコスト削減や、買い物を一種のアミューズメント性を見出すための圧縮陳列や長崎屋を買収しメガドンキを開業し、今まで若者を主なターゲットにしていましたが、主婦層などをさらにターゲットとして囲い込みを行い、さらなる成長をしていきました。
集中化戦略で企業の強みを最大限の武器にしたシャープ
今は、少し下火の企業でありますが、シャープは、シャープペンから始まり、電卓や電磁レンジやテレビや太陽光などの技術の量産の先駆けとなる技術開発を多数行った企業です。
シャープの経営戦略は、一つの優れた技術に足して、集中的に投資を行い、量産を図り、市場の開拓と同時にシェアの確保を行う戦略です。
一番身近なものだと、液晶テレビなどは、シャープの集中化戦略の最たるものです。
経営戦略を学んで企業の方向性を決めることが可能
経営戦略について学ぶことで、あなたの企業が今後どうなっていくのかについて予想を行うことができ、そして、成功や失敗の要因の分析などを行い、今後の企業の方向性についても間得ることができます。
また、それらを元に、今いるあなたの部署やあなた自身がどう動いていくべきかの指針にもなります。