代表者印/社印/実印/角印の使い分け方・変更方法|登記時の代表者印

組織・人材

代表者印と社印,実印,角印の違い

日本のビジネスシーンの特徴的なものの一つとして印鑑の監修があります。海外ではあまり利用されることなくなった印鑑ですが、ビジネスシーンでの利便性があるため、日本では官公庁から一般企業まで幅広く使われています。

ビジネスで使う印鑑には、会社の代表者を表す「代表社印」の他にも、社印や実印、角印などといった様々な言葉がオフィスで見られます。 しかしそれらの意味についてきちんと理解しているでしょうか?お互いが意味をよく理解しないまま使っていることもあるのではないでしょうか?まずは会社の公式な書類に使われる印鑑を表現する言葉についてまとめてみたいと思います。

代表者印

代表者印とは、会社や団体などの代表者のことを表す印鑑で「丸印」などと呼ばれることもあります。これは会社設立の時に法務局などへの登記の際に登録を行なった印鑑のことです。会社としての不動産の売買や各種取引の他、公正文書などの公的な文書の作成などの際に使われる重要な印鑑です。法人や団体としての「実印」だと言えるでしょう。

代表社員といっても代表取締役社長の個人名が入るということではなく、 中央に「代表取締役印」という言葉が入り、 その周りに会社名が入るという形が多い様です。また有限会社などでは代表取締役印の他にも取締役印が、合名会社では代表者印の表記がされる事もあります。

社印

社印とは会社の正式名称を入れた印鑑のことで 注文書や見積書、発注書などの会社の日常業務や稟議書などの重要な社内文書などにも使われます

。一般的に四角形の形で作られることが多く大きさは代表社印よりも多少大きいことが多い様です。 会社名だけを入れるのが一般的ですが、文字数のバランスなどによっては「印」や「之印」といっと表記を加えることもあるようです。

実印

実印は法人や団体としての代表者印を指すものと、会社の代表者個人のことを指すものがあります。 ですから代表社印は 団体や法人の実印であると言えます。

会社の代表者の実印を法人や団体の実印として使用することも可能ですが、株主総会などの決定で会社の代表者が変更になった場合は、新たに実印を登録し直さなくてはいけないので、重複して使うのは避けたいものです。

角印

先ほどの会社での日常業務に主に使う 社印の別の呼び方が角印です。印鑑の形が四角形であることからこういった呼び名がされるようになったと言われています。

日常のビジネスの場では 社印と角印を別なものとして認識している人もいるようです。また会社により、社員であったり、角印であったりと社内業務上での呼び方が違ってると混乱しますので、 どちらも同じことを指しているという知識は持っておきましょう。

使い分け

代表者印が会社としての外部との交渉や公的な届け出などの費用されるのに対して、 社印は会社での日常的な業務である見積書や納品書、発注書といった書類に使われます。代表者印は重要度も高い為、管理や使用には管理・監督者など、重要な役職の人間があたります。

印鑑の無い書類は?

代表社印や角印などが押印されていなくても、民法上は 問題がありません。また、海外の企業では書類へは、サインをすることが一般的ですし、本人確認として、指紋認証や生体認証などの技術が広まって来ています。

しかし大きな企業では、会社としての取引を複数の部署で同時に一日に何件を行うことも珍しくありません。そういった場合代表者が出向いてサインを行ったり、認証作業を行ったりというのは現実的ではありません。

海外の企業では、外部の公的な機関に出向いてサインの有効性を確認するということを合わせて行なっている様ですが、 公的に登録した印鑑に代表者としての意味を持たせる日本の印鑑のシステムはビジネス上から見て効率の良いシステムであると言えます。

代表社印の印鑑証明

代表者印の印鑑証明を取得するためには、 まず、代表社員の印鑑が法務局で登録されていなければなりません。法人や団体の本社の所在地を管轄する登記所で印鑑登録を行います。そして、印鑑証明の取得する際は、印鑑登録時に法務局で発行された 印鑑カードと代表者の生年月日の情報が必要です。

実際にに印鑑証明を取得する方法は「窓口」「郵送」の2つの方法で申請と受け取りをすることができます。また、申請だけであれば、法務局のサイトで、インターネットでの申請が出来ます。ただし、受け取りは窓口または郵送のどちらかになります。

窓口での申請・受け取り方法

窓口での申請には 印鑑カードを持参して、代表者の生年月日や会社名などの必要事項を「印鑑証明書交付申請書」に記入し、申請します。

郵送での申請・受け取り方法

郵送での申請にも同様に代表者の生年月日や会社名などの必要事項を「印鑑証明書交付申請書」に記入し、申請します。返信用の封筒を 印鑑カードが必要です。

代表者印を紛失したら

代表社印は企業や団体の実印です。もし紛失してしまった場合は、その印鑑の効力をなくすことと、悪用されないようにすることの手続きを行うことがまず重要です。警察署で紛失届を提出すると共に、法務局に連絡をして登録済みの印鑑を無効にしてもらわなければなりません。

印鑑を手に入れた人が印鑑を利用して作った書類で悪用する可能性を避けるためです 。
また契約書などの会社としての書類を送った取引先へは、必要であれば連絡をすることもしなければなりません。その上で新しい印鑑を作成し再度、法務局へ行き印鑑登録の手続きを行います。

代表者印の変更方法

「代表者印を紛失して新しく作り直した」「会社の商号が変更になった」「会社の代表者が交代になった」などの場合には代表社員の変更届を提出する必要があります。紛失による印鑑の作り直しなどで再度、代表者印を作り直す場合は新たな印鑑とともに、代表取締役者などの届出をする人の個人の印鑑証明(3カ月以内のもの)も提出する必要があります。

会社の商号変更での代表者印の変更は 印鑑(改印)届書を商号の変更登記と同じタイミングで行うと効率が良いでしょう。 またその際には印鑑カードを以前のものを引き継いで使うか新しく発行するかの選択ができます。会社の代表者が交代になった場合には、新しい代表者の名前で代表者印を登録し直す必要があります。その際、新たな印鑑を作り直していない場合は以前の印鑑を使用します。

登記の際の代表者印・社印

会社を新たに登記する場合は、会社の代表者印と、代表取締役車などの届出をする人の個人の印鑑証明を法務局に提出します。その際には社印(=角印)は特に必要ありません。

代表者印の一般的な大きさ

代表社印は、登記上「印鑑の大きさは、辺の長さが1センチメートルの正方形に収まるもの 又は辺の長さが3センチメートルの正方形に収まらないものであってはならない」と言う規定があります。一般的には2センチ程度の大きさが無難であるとされています。

代表者印は会社の実印

代表社印は会社や団体の実印としての役割を持っています。組織が対外的に行う交渉の場で発行する契約書や公的文書などの書類に使用される大切なものです。 社印やその他の印鑑とは違い、法務局に登録され使用されるものですから、その管理や使用については責任ある人間がしっかりと行うことが必要です。

印鑑制度は 今や世界でも行われることの少ない日本独自の慣習になりつつありますが、公的な役場での証明を必要とする欧米のサインの慣習に比べても、ビジネスの現場での効率と言う面で良いシステムだと言うことができます。 新卒や中途採用の人材などはもしかすると、でその重要性や意味合を認識していない人がいるかもしれません。 実際の 運用方法なども含めてしっかりと教えてあげましょう。

タイトルとURLをコピーしました