愛社精神とは?
愛社精神がないのはOK?
企業にとって、愛社精神を持っていない人は問題なのでしょうか?愛社精神がないことは、社会人として許されるものなのか、やはり気になりますよね。
基本的に、愛社精神は人によってそれぞれです。必ずしも愛社精神がなければ仕事が出来ないわけではありません。一方で、愛社精神によって生まれるメリットもあります。シチュエーションによっては、愛社精神が良い方向に働いて、個人のキャリアプランや、企業の業績そのものが大幅に底上げされる可能性もあるのです。大切なことは、個人と企業のスタンスによって、愛社精神の方針を決定することです。愛社精神を押し付けるだけでは、企業側による圧力にしかならないこともあり得ます。スタッフの士気をアップさせたり、業績向上の足掛かりにしたりすることが、愛社精神を上手に使いこなす方法なのです。
愛社精神のメリット
スタッフのモチベーションアップ
愛社精神を持つことは、企業で働くスタッフのモチベーションアップに大きな効果を発揮することもあります。自分が勤めている会社を慕い、尽くしたいという気持ちを生み出す概念だからです。スタッフのやる気は、そのまま業績に繋がることも少なくありません。
チームワークを生み出す
愛社精神は、スタッフの連帯感を強める働きを務めてくれることもあります。全員のモチベーションを統一し、やる気の根源を同一のものとすることが出来るわけですから、自然と仲間意識もわきやすくなるのです。同じ会社で働いているというだけでは、連帯感はなかなか生まれないこともあります。しかし、愛社精神を持つことによって、全員が勤務先の会社に対して愛情を持っているという状態になるのですから、チームワークを強くしやすくなるのです。
スタッフ同士の連携が取れると、業務効率はぐっとアップするでしょう。仲間意識が強いことで、教育制度の充実や、助け合いの活性化、ディスカッションなどのクオリティアップも望みやすくなります。職場の連帯感が、業績向上にも良い影響を与えてくれる可能性は低くありません。
スタッフの社外流出を防ぐ
愛社精神を持つことによって、スタッフが外部に流出してしまうことを防ぐことが出来ます。「より良い労働条件で働きたい」「今とは違う仕事がしたい」と思ったとき、転職や離職を目指してしまう可能性があります。業務内容の改善や待遇の見直しをすることによって、コストが発生し、企業としての基盤が揺らいでしまうこともあるでしょう。しかし、スタッフが愛社精神を持つことによって、こういったケースの離職をぐっと減らすことができるのです。たとえより良い待遇の企業がほかに存在していたとしても、愛社精神を持っていれば、転職を考えることはなかなかないからです。
愛社精神の育成方法~企業サイド~
いくつかのメリットを生み出すこともある愛社精神。具体的には、どのような方法で愛社精神を養っていけば良いのでしょうか?
企業理念をスタッフに身近なものにする
愛社精神を抱くためには、企業そのものをスタッフがより近しいものに感じられることが重要です。勤務先に対する親近感を抱かせることによって、愛社精神を養っていくことが出来るからです。そのために、企業理念は非常に大切な存在です。あまりに漠然としているものや、スタッフの日々の業務からは遠すぎる企業理念が設定されていると、どうしても勤務先が遠い存在になってしまいがちです。スタッフがリアルに感じられる企業理念や、共感を抱きやすい内容などを心がけるようにすると良いでしょう。
スタッフのケアが丁寧であること
「自分は自社に大切にされている」という気持ちを抱くことで、愛社精神は育ちやすくなります。逆に言うのであれば、「自社にとって自分はどうでも良い存在なのだ」と思ってしまうと、スタッフの心はどんどん勤務先から離れてしまい、転職や離職を考えるきっかけに至ってしまうことさえあるでしょう。
そのためには、スタッフのケアを丁寧かつこまめで、質の良いものにすることが大切です。定期的な面談に力を入りたり、評価制度を徹底したりすることによって、努力が認められ、個々人の資質をしっかり伸ばそうとしていることを感じてもらえます。人生の節目のイベントに対するケアや、体調や精神状態が悪いスタッフの対処が良いことも、愛社精神を培うきっかけになることは珍しくありません。
愛社精神の育成方法~スタッフサイド~
愛社精神があることで、スタッフが自身が働きやすくなることも少なくありません。実力アップで業績を良くして、キャリアアップを目指すこともできるでしょう。自分の愛社精神を育てるためには、どういった方法を取るのが良いのでしょうか?
企業の良いところを探すようにする
自身の愛社精神を育てるためには、自分が働いている企業の良いところを、積極的に見つけるようにすることが重要です。「この企業の良いところはここだ」と理解していくことで、懸命に務めるモチベーションをぐっと上げることが出来ます。特に、勤務先が自分に対してしてくれた良いことを探してみましょう。不調の際のケアや、実力アップのための指導など、自分が企業からしてもらったことを理解し、感謝する気持ちを持つようにすると、愛社精神は育ちやすい傾向にあります。
自社内におけるキャリアプランを設定する
愛社精神を養うためには、長い目で見て今の会社に貢献する方法を考えることが重要です。そのためには、現在の勤務先でどのようなキャリアプランを築いていくのかを明確にしておくことに繋がります。自分がどういった働き方をしたいのか、どんな進路でじんなポジションを狙いたいのか、そのためには今どのような努力やスキルアップを進めていくべきなのか、大まかでも設定しておくことで、長く会社で働くスタイルを描くことが出来ます。自分が構築すべきキャリアプランを理解して、勤めるべき自社への愛社精神を養っていくことが出来るでしょう。
愛社精神強要の対処法
愛社精神は、人によって受け止め方が様々です。必ずしも愛社精神を持たなければいけないわけではありませんし、上司から部下に対し、精神性を強要することは出来ません。それでも、会社のカラーや人のタイプによって、愛社精神を強いられてしまうことはあるでしょう。そんなとき、どういった対応をして乗り切れば良いのでしょうか?
安定した業績を出しておく
愛社精神を強要されるきっかけとして、スキル不底や業績不振に付け込まれるというパターンは非常に多いです。「愛社精神が足りないから」といった理由を出されてしまう可能性もゼロではありません。愛社精神に偏っていなくても、十分な実力を身に着けていることを証明することは大切です。
プライベートとの境目をきっちりつける
愛社精神は、休日の過ごし方や終業後の過ごし方に深く関係してくることもあります。会社の人間関係がプライベートにまで浸食してしまうと、強制を断れなくなってしまうケースも少なくありません。オンオフをしっかり切り替えて、プライベートは会社とは関係ないところで割り切って展開するようにしましょう。
コミュニケーションを安定させておく
愛社精神の強要が起きてしまうのは、良くも悪くも「この人は会社に対する愛情がない」とみなされてしまう場合です。これを防ぐためには、日ごろから社内のメンバーとコミュニケーションを円滑に行っておいて、無用なトラブルを避けるようにしておくことが効果的です。人間関係が円満であれば、上下関係も安定しやすく、愛社精神に対する不信感もそもそも抱かれにくいと言えるのです。
愛社精神は適度が一番
いかがでしたか?愛社精神とは、ここで挙げたもの以外にも、様々なメリットをもたらしてくれることがあります。うまく活用すれば、職場内の雰囲気を良くすることもできますし、大幅な業績アップを狙えることもあるでしょう。しかし、愛社精神の強要は、かえって職場内の士気を下げてしまったり、個人の自由を奪ってしまうことにも繋がります。相手の考え方や自身のスタンスを考慮した上で、愛社精神の適度な使いこなし方を実現していけるようにしましょう。