ベンチマークの意味
ベンチマークとは
ベンチマークというのは、本義でいえば測量において用いられている水準点を表す言葉になります。或いはその指標についてのことを指します。それが主に今現在使われている意味としては、金融、資産運用や株式投資などの用語になっています。それらのことを比較のために用いる指標を意味するようになっているのです。或いは、社会の物事のシステムの有り様や或いは規範となるべき水準や基準を指すこともあります。 様々な事柄に使われるようになっており、意味が非常に多様化しているのは確かであるといえるでしょう。それがこのベンチマークという用語の難しいところになっています。
多くの業界で利用されている
一つの基準としてベンチマークというのを設定することに利点があります。評価しやすくなる、ということであり、これが業界内で同じベンチマーク(基準)であるならばまさに統一された一つの規格ともいえる部分になります。しかし、業界によってベンチマークは使っているがそれは会社ごとにやっている、ということもあります。業界ごとに何がベンチマークとなるのか、というのには違いがありますから注意しましょう。
使い方別ベンチマークの意味(IT/投資信託・金融/測量/医療/経営など)
ITの用語としては
コンピュータの分野におけるベンチマークというのは、システムやソフト、或いはハードの性能を測定するために使う指標のことを指します。一つのプログラム、或いは複数のプログラムを実行したときの結果をベンチマークスコアと呼び、それを一つの基準として他の対象となるコンピュータの性能を相対的に測るために用いられています。
ベンチマークスコアを測定する為のプログラム自体のことをベンチマークと呼称して活用することもあります。コンピュータとは性能の比較が途轍目大事なことになります。ベンチマークによって、異なる部品構成となっているコンピュータ、スペックなどの性能比較ができるようになるのです。コンピュータの場合、直接的に比較できないこともありますから、このベンチマークというのは新システム開発などにおいても途轍もなく大事になっていることは確かであるといえるでしょう。
金融用語として
ベンチマークは今では多くの場合、金融用語として聞くことが多いでしょう。これは市場平均を表す指標、という意味になります。例えば、これによって投資信託の運用実績の良し悪しを判断できるようになります。
ベンチマークとは金融の用語として使われる場合は、投資信託などの実績評価に使うことが主となります。色々とベンチマークとなる指標が世界中の市場にあるのですが、日本の株式市場であるならば、日経225種平均株価や東証株価指数などががベンチマークに該当するといえるでしょう。
主に日本株をメインに取引をしている投資信託、ファンドの場合、これらの指標をベンチマークにして実績の判断をすることになります。どうしてこうしたことが投資信託に必要になるのか、といいますと問題となるのは市場の動きよりも実績がよかったのか、ということが大事になるからです。
例えば日経平均が10%値上がりしている状況下での5%の運用実績と日経平均が10%値下がりしているような状況下での5%のファンドの利益の実績では後者の方が評価が高くなるからです。実績の基準となるようなベンチマークがあってこそ、そのファンドの実績が正しく評価できるようになるのです。
測量の用語として
元々、測量の用語であったわけですから、当然、今でもその用語としても使われています。
設計図などにおいて、ベンチマークを略してBMと表記されることがあります。では、どんなことが測量におけるベンチマークなのか、といいますと建築物、構造物などの高さなどの水準点、或いは基準点のことをベンチマークとします。
当たり前ですが動くようなものではベンチマークにはならないので基本的に動くことがないマークポイントをベンチマークにします。測量で金属の鋲などが打ち込まれていることを見たことがある人もいるでしょうが、あれがベンチマークです。そして、設計、測量図などにはベンチマークポイントが必ず明記されるようになっています。そこを基準点にして、他の数値を測量していくことになります。
医療における用語
医療におけるベンチマークというのは、価格になります。医薬品もそうですし、医療機器というのもかなり値段がバラバラになります。その価格のベンチマークとして使うことがあります。また、病院の経営自体を比較する際にベンチマークを利用することがあります。他院と比較することによって、その病院の強みとなるようなところ、或いは脆弱といえるところも把握して、よりよい医療環境作りに用いることができるのです。
経営における用語
経営においては、一つの基準となることをベンチマークとして比較する、ということが行われています。
それによって自社の評価をする、或いは他社の評価から何か改善策を練る、という経営戦略に使われています。実際に何をベンチマークとするのか、というのはなかなか難しい問題ではありますが、経営においてもこれはふんだんに使われている考え方です。
そして、それを実際に手法かしたのが、ベンチマーキングという方法です。これは、自社よりも優れている他社の製品やサービス、経営手法、業務に関するプロセスなどの情報を集めて、それを一つのベンチマークとして、自社のそれと比べて域、改善できるところを見つけよう、というやり方になります。優れた競合他社というのは、ライバルであるわけですが、そこから学ぶことも多い、ということです。
それとなく意識している企業は多いでしょうが、これをもっと積極的に自社の部分と比較検討していこう、というのがベンチマーキングという手法になります。様々な業界で行われていることであり、端的にいってしまえば他社がよいサービスをやり始めて業績が上がっているから分析をしてうちでもやり始めよう、と考えているわけです。但し、このベンチーマーキングで測定する尺度というのが難点でもあります。
どこに狙いを定めるのか、というのが間違いなく経営判断に影響することであり、単に真似をすればよい、というわけではないところが難しいところでしょう。新サービスなどであれば実際に自分たちでそのサービスを受けてみて、まず表面的な部分を確認します。もちろん、内部のシステムや意思決定のプロセスなどは知ることができないですから、難しいのですが、それでもそのサービスの一部分を比較していき、徐々に自分たちのサービスとの相違点、相手の優位点を見つけ出し、改善していくわけです。或いは製造では、自社と他社のパフォーマンス測定とするのがよいです。
これは工場などにおける様々な単位のコストを確認していくのです。このときの相手のデータがまさにベンチマークとなるわけです。トレードオフの関係にある部分も製造にはありますから、総合的に判断する能力が求められることになります。
ベンチマークとは様々なところで利用されています
このようにベンチマークというのは、様々なところでその本来の意味からやや外れている形であることもありますが、とにかく活用されています。端的にいってしまえば要するに基準となる部分、水準点、というのがベンチマークになります。業界によって、或いはその会社が定めることによって、ベンチマークというのは、一定の基準点、水準点ではあるのですが、ある意味では一定しないといえます。
特にいえるのが、どこに基準を持っていくのか、ということによって、評価がガラリと変る、ということがある点でしょう。その点が実にベンチマークを経営で使う際の難しい点になります。金融、或いはITに関すること、さらには本来の意味で使われている測量という面では極めて有効的に、そして客観的に用いることができる指標となっているのは間違いないです。個人で設定できるベンチマークですが、みんなが使っているベンチマーク、というのであればこれは間違いなく、相対的にとても役に立つ指標になるのです。