起業準備の方法とチェックリスト・おすすめ本|失業保険はもらえる?

組織・人材

起業のイメージ

起業ときいた時に皆さんはどのような想像をしますか。具体的に何か職を思い浮かべようとしても何も浮かんでこない人もいるかもしれません。起業というととても範囲が広く漠然としているようにも思えます。そもそも起業には以下のような意味があります。

https://ja.wikipedia.org/wiki/起業

起業というと難しいイメージがあるかもしれません。しかし、実際にむずかしいことはありません。特に個人事業として起業をした場合は期限までに青色申告を行っていれば会計上の問題はありません。税金等の未払いが発生しないようにする必要があります。これと言って事前に個人で起業をする旨を公的機関に伝えたり、申請を行うという事は義務付けられていません。法人として会社を立てる場合には行政機関への申し出が必要になります。ただし、実際の起業ともなると、まず自分が考えている利益を上げるための仕組みが必要になります。たとえば、文化祭で喫茶店や露店を企画した場合を想定してみて下さい。どのくらいの収支が見込まれるのでしょうか。そこにかかる経費はどのくらいになるのでしょうか。自分はその中でどのくらい役に立つのでしょうか。こういったことを人に説明できるようにするための書類が大半は必要になります。これが創業計画書と呼ばれているものになります。事業計画書とも呼びます。

創業計画書・事業計画書の内容について

起業準備には創業計画書の準備が必要不可欠です。創業計画書は融資や助成金を受け取るためにも必要な書類として扱われています。自分が起業するための方針書類になります。具体的にその内容について説明します。

・まず、大まかな事業概要を説明する必要があります。読み手が理解できるような明確で分かりやすい事業であるかどうかということがポイントになります。また、同業者がいないかどうか、ユニークな発案であるかどうかについても見られます。

・次に会社概要です。自分が創業したいと考えている会社やビジネスが社会に対して何を実現し、提唱していくのかということを分かりやすく伝えます。相手に自分のコンテンツの魅力を伝えるために必要な項目になります。どのくらいの資本金があって今現在どのような状況であるかということについても簡潔にわかりやすくまとめます。製品とサービスについての項目も忘れないようにします。

・自分が今後起業するうえで取り扱う製品やサービスについて説明します。消費者がどのような観点でその商品を求めているのかということをここで魅せることができれば相手も評価してくれます。ニーズに答えた企業内容であるかどうかが問題なのです。

・市場内でどのような立ち位置にいるのかという市場調査結果も載せる必要があります。競合している会社があるのかどうかということや、具体的にどのような割合の人がその商品を求めているのかということなどを含めて説明します。ここでは具体的な数字やグラフを使って説明できるような準備があるとより説得力があります。

・売り上げを上げるための戦略やユニークな企画についての説明があると良いでしょう。また、その詳しい計画と必要な予算についての言及も必要です。その計画を実行することで得られるであろう成果についても記述します。

・経営概要として、今現在の経営の状態や今後の見通しについての説明が必要です。また、事業背景と経験概要等もここでは説明として加えます。

・製品の損益計算書というものや、現金出納帳、スケジュール等を最後に載せます。これは資金計画書にも記載する内容になりますので、別途に添付するなどして詳しい金額、予算についての説明をします。

・準備不足と言われてしまう項目がでないように万全の形で事前に調査を行い、書類を準備することが必要です。まだまだ先のことだと思わずにまずは創業計画書をかけるような準備をするようにしましょう。

起業の準備の方法

起業の準備をする際には人に相談することも必要です。また、本を読んで勉強するということも必要です。本は知識がわかりやすく集約されているので、情報収集がし易いです。インターネットを通じた情報収集も手段としては考えられますが、情報が多すぎて必要な情報が得られないという場合もあります。本で内容を確認することも必要でしょう。

起業の材料集め

近年ではソーシャルデザインという言葉が聞かれるようになりました。社会に無い仕組みを新しく提唱するという観点でビジネスを起こしていく考え方とも言えるでしょう。弱者のために行政が出来ないことを民間で行っていくためのプランを考えるのに必要な考え方やその方法についてまとまった本も何冊も出ています。今かつてなかった社会のあり方を見出し提唱して、誰かの役にたつ仕事で起業するのも良いかもしれません。

概念を変える

お金や仕事の仕方等自分の中にある固定概念を壊すのに有益な本をよむということは企業の前には必要不可欠なことです。自分の視野だけで起業をしようとしても困難なことが多くなります。多くの視野や考え方、その時代、時期だからこその話題やニーズもあります。常にアンテナを貼って情報を入手するようにすることが大切です。

先輩経営者の本

実際に起業して経営者となったひとの本をよむということは自分のモチベーションを維持するにも良いでしょう。起業するというイメージが付いていないという人も実際に起業した人の本をよむことによって自分自身のビジョンを見直すことができるようになるでしょう。

マーケティングに関わる本

相手の心をつかむための広告やセンスを獲得するため、または相手のニーズや市場調査を行うことはマーケティングに関わります。マーケティングとは、顧客、社会全体にとって価値のある物を創造・伝達・交換するための活動です。そのための制度やプロセス、システムについてマーケティングと呼ばれています。マーケティング力をつけるためにも様々な本が販売されています。一度読んでおくことで、会社を経営する上で重要なポイントがつかめると思います。また、創業計画書でも確認される先の見通しのことを考える上でも大切な着眼点になります。自分に足りない知識を補ってよりよい創業計画が立てられるようにしましょう。

起業準備のチェックリスト項目

1資金運用のための準備

まず、資金を運用するためのクレジットカードを作成しましょう。利益が増えたり、契約をする際にクレジットカードを使用する場面が増えてきます。資金の運用にクレジットカードがあることで大きな買い物もしやすくなります。また、退職した後だとカードの審査が通らないことがあります。在職中に審査を通過しておいてクレジットカードを手元に準備しておくようにすることは必要不可欠でしょう。

2貯蓄をある程度行う

貯蓄をある程度行いましょう。貯蓄がない状態でいきなり起業をしようとしても無理があります。最低で無収入でも3ヶ月以上暮らせるような貯蓄の準備が必要です。また、借金等をしている場合は、仕事をやめる際にはリスクが伴います。起業ですぐに成功できれば借金を返済することは出来ますが、そうではない可能性も十分にありえます。どのくらいの借金があるのかということを視野に入れて起業する必要があります。

3人脈を広げる

起業において、人脈作りは非常に重要なポイントになります。起業するために様々なセミナーに参加したり、商工会議所に足を運んで創業に必要な話をきいておくということも一つの方法と言えます。起業するといっても規模は様々です。実際に起業している人の話をきいて人脈を広げておくと、何かあったときに、アドバイスを貰うことも可能です。起業する前に人脈を広げておくことは最重要課題といえます。

また、コワーキングスペースに赴いて同じような活動をしている人がいないかということをリサーチしてみるのもよいかもしれません。コワーキングスペースにも様々あり、月額の会員になることによって様々なサポートを得ることが出来る場合もあります。金額体もまちまちで、地域によっても特色があります。目的が同じならば力を合わせてさらに大きな波を起こすような企画を立てることも可能かもしれません。必ずしもライバルとは言い難いので、一度話してみることで活路が見えるという場合もあります。恐れずに人脈を広げてみることも大切でしょう。

4引っ越しや事務所の確保

もしも、引っ越しや事務所を持つ事を考えているのであればその契約も早めにしてしまうとよいでしょう。法人として起業することが事前に決まっている場合には、特に事務所の所在に関して問われる場合があります。自宅を事務所の代わりにする場合も、経費として使用している部屋の面積で家賃を割って、自分の仕事スペースを経費で落とすという方向も視野にいれることも考えましょう。

5退職後の社会保険

退職後に社会保険や税金のことについては調べておきましょう。場合によっては税金が免除されたりする場合があります。雇用保険に加入していたことがある場合には、失業保険等も出る場合があります。ただし、起業を理由にして離職、退職した場合には失業保険が適応されない場合があります。気をつけましょう。

6起業内容の明確化

起業する場合に、その起業の内容を明確化する必要があります。起業しても内容が枚角でない場合、全く利益が上がらない可能性があります。自分が誰をターゲットにしてどのような事をしていくのかということを明確化する必要があります。マーケティングについての知識も増やして、起業前から自分から動いていくことが必要になります。これは創業計画書を書く際にも非常に大切な項目です。起業準備の段階で創業計画書が完成していると融資や補助金も受けやすくなるだけでなく、自分自身の行動指針もはっきりとするため実行に移しやすくなります。

7自分のスキルを磨く

セミナー参加もさることながら、自分の技能をどのようなものであるのかということを把握して、どのように起業に活かすのかということを考える必要があります。起業準備に伴って自分のメンタルメンテナンスや、モチベーション管理は最需要課題ともいえます。どれほどやりたいことがあったとしても、自分自身のスキルが不足していたりビジョンが見通せていない場合に仕事を辞めて起業をしようというのは無理があります。より良いスタートがきれるように自身の準備も万全にしましょう。

8いつ退職するのかを判断する

いつ退職するのかということを判断しましょう。適切なタイミングで退職しなければ、雇用保険が適応されない場合があります。また、貯蓄が十分にない状態で退職するのも難しいでしょう。起業をする上で、退職するタイミングは大変重要になります。適切なタイミングを見計らって退職するようにしましょう。

支援の活用

起業の準備に伴って様々な支援を受ける場合も多くなるでしょう。融資や投資、出資、補助金、助成金という金銭的な支援の他にも、コワーキングスペースやセミナーと言った人的支援もあることでしょう。それぞれに共通して大切なのは人と人との信頼関係です。起業準備中だからと自宅に閉じこもっていたり、準備に明け暮れ、自分の事で精一杯になっているとせっかく受けられる支援も無駄になってしまうこともあります。自分がしたいことが明確になっている場合には特に、支援を受けることが出来るのかということについての情報収集は早めに行うようにします。また、人脈作りも必要です。自分一人では出来ないことも、人脈を頼りにすることによって解決することも可能です。頼りすぎたり、依存したりすることは好ましくありませんが、活用できる範囲で活用し、困ったときは1人で抱え込まずに周囲に相談することも必要です。

起業準備中の名刺

起業準備中だからと言って名刺を準備しなくても良いということではありません。名刺は自分のことを説明するための簡単な身分証だともいえます。自分がどのような事業をして、どのような肩書で起業したいのかということを具体的にイメージをしながら名刺を作成するとよいでしょう。

名刺に載せる情報は役職、氏名、住所、独自のメールアドレス、固定電話番号、ロゴ、になります。メールアドレスはドメインを取得して他のフリーのアドレスは避けたほうが体裁が整います。また、携帯の電話番号を載せることも視野に入れても良いですが、固定電話がある場合には固定電話の番号も名刺には記載するようにしましょう。

起業前に名刺を準備するのは気がひけるかもしれませんが、事前に営業や、セミナー等に参加する場合、名刺があることで人脈を作りやすくなります。事前に簡単なものでも良いので名刺を作成しておくと良いでしょう。

起業準備中は失業保険はもらえる?

雇用保険は失業状態となった時に受給できます。前職で雇用保険を支払っていた場合、退職後に雇用保険を受給できますが、1年以上雇用保険に加入してしていたかどうかが問われます。また、働く意志の有無によって判断されるため、起業の準備のために失業保険を得たいといった場合でも、失業保険が出る場合と出ない場合に分かれてしまうこともあります。実際、ハローワークにいって手続きをする必要があるため問い合わせる必要があります。

雇用保険に加入していなかった、または加入していたが条件に当てはまらなかったという場合でも受けられる支援もあります。こちらもハローワークで具体的な相談をすることが可能です。

起業準備の取捨選択

自分がどのような事業を展開するのかにもよりますが、例えば資格を取ろうと考えている人もいるかもしれません。例を挙げれば簿記のように経理にかかわるような資格です。しかし、経理に関わることは税理士や会計士が仕事を請け負うという考え方もできます。もちろん自分で出来ることにこしたことはありません。自分自身が理解していれば、起業した後の資金運用もどのように行ったら良いのかということの検討がつきやすくなります。

しかし、資格を取ることだけに気を取られていると、自分が本当にしたいことが後回しになってしまい起業するのに時間もお金もかかってしまうということにもなりかねません。自分が取得した資格で起業しようと考えていない限りでは無理に資格を取ろうとする必要はありません。

セミナーについても参加すれば良いと言う考えは浅はかです。実際に参加しても自分と同業種の人に合うことも少ないということもあるかもしれませんし、自分の実力不足を感じてしまい逆に現在のモチベーションがさがってしまうということも十分に考えられます。自分に適したセミナーに参加して、必要な情報と必要な人脈を獲得するという事が必要になります。

また、人脈を広げても周りの意見を聞きすぎてしまい自分の考えや本当にやりたいことが見えなくなってしまったという人も少なくありません。周りの意見を聞きすぎることで自分の軸がブレるようであれば無理に人脈を広げる必要はありません。

起業準備で必要なのは取捨選択する能力を養うということでもあります。起業後に重大な選択、重要な選択に迫られるような場面も増えてきます。そうした中で、適した選択ができる能力は必要不可欠です。周りに流されること無く自分にとって正しい選択が取れるような経営者になれるよう、起業準備の段階から一つ一つの判断を真剣に行うようにすると良いでしょう。

起業準備に必要なこと

市場調査

起業の準備として市場調査を行いましょう。自分が展開しようとしている事業と同じものはないかという事を確認します。競合する企業がある場合にはどのような反省点が見られるのかということや、自分がしようとしている事業との差別化を図るためにどうしたらよいのかということを考える必要があります。この分析は創業計画書にも関わります。競合市場を確認しておくことで自分がどのように企画を計画すると良いのかという見通しもたちやすくなります。

資金調達

資金調達は起業準備に必要なことです。融資や出資、投資、補助金助成金等様々な方法で資金調達をすることが出来ます。また、自分の身内からの支援が受けられるという場合もあるでしょう。始めのうちは何かと資金がかかる事が多いでしょう。自分の起業した事業を展開していくためにどのくらいの資金を確保可能かどうかということや必要な部分に資金をどのくらい分配することが出来るかということが問題になります。活用できる支援は惜しみなく使って事業を気持ちよく展開できるようにしたいです。

戦略をたてる

起業準備では何よりも戦略をたてるということが創業計画書にも関わる大切なことになります。戦略を立てるために必要なのはSWOT分析と呼ばれているものです。これは強みや弱み、機会、脅威を整理するために使われる分析方法です。それぞれを書き出してみて、自分自身、自社についての現状を考えてみましょう。

また、4C分析と呼ばれている分析も効果的です。自社、競合、顧客、協力者の4つの視点から現状と改善策を分析します。そのうえで、長期的なプランを見通して、売上や利益、資産や負債など経営に関わる様々な観点から現状と目標を整理していきます。特に、今現在の会社への影響やどういう会社にしたいか、自分はどうなりたいのかということについては現状と目標を明確化することによって自分の方向性を見直す良いきっかけになるでしょう。

起業準備を怠らない

起業の準備はやることが多すぎて抜け漏れが起こったりすることもあります。起業準備を怠らないようにリストなどにまとめることで準備の抜け漏れが少なくなります。また、準備に伴って、自分自身のメンテナンスが後回しになってしまいがちになる場合もあります。起業は自分の体やメンタルが保たれていなければ実行に移すことが出来ません。起業準備には自分のメンテナンスも含まれていることも忘れないようにしましょう。

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