イカの数え方って?
水族館やスーパーの鮮魚売り場に行くとイカを見かけることがありますが、みなさんはイカを数えるとなると、どんな単位を付けて数えているでしょうか。魚を一匹二匹と数えるので、イカも一匹、二匹と数えるのではないか、と頭の中で思い浮かぶ人が多いでしょう。ここではよく使われるイカの数え方や由来、そのほかの関連がある海の生き物の数え方について紹介します。
「匹」
海の中や水槽の中で生き生きと泳ぐイカに付けて数えます。イカを含めた水中のの生きている生き物に対して、イヌやネコなどの陸上の小動物に対しても使われるオーソドックスな数え方ではないでしょうか。
「杯」「枚」「本」
水揚げされて商品となって市場やスーパーなどの小売店で売られているイカの数え方は「杯」、干物になったイカの数え方は「枚」が一般的です。居酒屋やお祭りの屋台にあるイカの串焼きの数え方は「本」が使われることが多いです。
数える単位がたくさんある
私たちの身の周りには無数の物に満ち溢れており、適切な単位を付けて数えています。例えば服を数えるときには、「着」を付けて一着の服、木を数えるときには「本」を付けて三本の木、二つで一組の靴は一足と言った数え方をします。
イカに関しても同じようなことが言えます。スーパーに並べられたイカやお祭りの屋台で見かけるイカの串焼きでは見た目も形も違い、数え方も変わります。それぞれの物に対して、場合や状況に合わせて適切な単位を付けることが日本語の特徴ですので、単位が複数あるという結果になっているのです。
イカの数え方の由来や理由
イカの数え方が複数あるのが分かりましたが、どうして数ある単位のなかで「杯」や「枚」が使われているのか疑問に思った方はいないでしょうか。
「杯」はイカの胴体に理由があります。ふっくらとした胴体、イカ飯のようにお米が詰めることができるような筒状な形が湯のみやお猪口の液体を入れる器に似ている、優勝杯の丸みを帯びた器に似ていることが由来です。お茶や飲み物を飲むときにも一杯、二杯と数えます。
「枚」は干物が紙のように、平らで薄っぺらい状態であることから使われるようになったのが由来です。ヒラメやカレイも同様に身体が薄っぺらくて平らですので「枚」と同じ数え方です。
英語での数え方は?
英語での物の数え方のルール
英語での物の数え方には名詞が数えられるか、数えられないかで決まります。イカやりんごのような数えられる名詞には「an apple」のように数字+可算名詞を直接繋げて表します。2つ以上の場合には可算名詞に「s」あるいは「es」を付けることを忘れてはいけません。
※たいていの複数形には「s」をつけるのが一般的ですが、名詞の語尾がs、sh、ch、x、yで終わる複数形の名詞には「es」をつけるルールがあります。
一方で水やコーヒーなどの液体のような数えられない名詞には「a glass of water」(一杯の水)や「two cups of coffee」(二杯のコーヒー)など液体を入れる器を数えるという特殊な表現になります。
海の中のイカや商品になったイカの場合
英語での数え方は日本語の特徴である場合や状況に合わせて「匹」や「杯」のような適切な単位を付けて数えると言ったようなことはたいていはありません。英語でイカは「squid」と書き、数えられる名詞(可算名詞)ですので、a squid , two squids と表すことが一般的です。海の中で泳いでるときもスーパーで商品となって売られているときも数え方は同じです。
干物のイカや串焼きの場合
イカの串焼きなどの棒に刺さった食べ物には串を意味する「skewer(スキュアー)」を付けて数えるとよいでしょう。例えば、イカの串焼きを一本くださいは「a squid skewer, please.」と表現し、二本の場合には「two squid skewers, please.と表現します。
干物のイカの数え方は「干された」「乾燥した」という意味の形容詞である「dried(ドライド)」を付けくわえて a dried squid, two dried squidsと数えるのがよいでしょう。
タコの数え方はどうなの?
タコの数え方はイカと同様に「匹」や「杯」と数えるのが一般的です。イカとタコには複数の足や軟体生物といった共通点が見られるという理由から数え方も同じなのです。
一方、干物のイカは「枚」と数えますが干物のタコは「連」と数えることが多いです。どうして違うのでしょうか?理由はタコの干される姿が、いくつもの凧が等間隔に連なって揚がる凧あげの姿に似ていることが由来とされているからです。そのほかにタコの脚は「本」を付けて数えます。
ちなみに、タコは英語で「octopus」と書き可算名詞ですので、英語での数え方はイカと同じです。「two octopuses」などと数字を付けて数えましょう。
蟹の数え方は?
蟹の数え方は生きている状態の蟹は「匹」を使って数えます。水揚げされて商品となった状態の蟹は「杯」あるいは「尾」を使って数えることが多いようです。甲羅が膨らみのある器に似ているからです。
『数え方辞典』(小学館)には、「主として、釣りの獲物や、鮮魚店等で商品として取引される魚、料理の材料となる魚を『尾』で数える」とあり、高級魚や料理の材料として伝えるときに主に使われます。
https://www.nhk.or.jp/bunken/research/kotoba/20160301_2.html
商品になった蟹のなかにはスーパーなどでパック詰めにされた蟹の脚が販売されていますが、この際には「肩」を使って数えることが多いようです。大型の蟹から頭や胴体を切り取られて脚だけになったり、甲羅を外された状態の蟹には「肩」を使って数えます。脚だけであるのに肩を付けて数えると戸惑う方がいらっしゃるでしょう。単位としての「肩」には身体の部位を示す意味は込められていません。
英語で蟹は「crab」、蟹の足は「crab leg」であり、どちらも可算名詞ですので数字を付けて数えましょう。
日常生活のなかで数え方をマスターしよう
身の周りの物の数え方を調べてみる
この記事を読んでイカの数え方やタコの数え方、蟹の数え方がそれぞれ複数あることが分かりました。そして、私たちの周りには物で溢れかえっています。身の周りにあるあらゆる物、普段から使っている物の数え方をインターネットや辞典で調べみると、普段使っている数え方以外にも数える単位が実は他にもあった、複数あったという発見をするでしょう。
由来や理由を理解しながら数える単位を知ることで、買い物や家事などの日常生活で、その場の状況に応じて数える単位を正しく使い分けることができ、知識の幅が広がるでしょう。
共通性を見つけることが大事
例えば、「本」と言う単位の数え方がどんな物に使われているか考えてみてください。三本の鉛筆、一本のホームラン、電車を一本逃した。電話が一本かかってきたなどさまざまな事柄に「本」が付いていますが、どんな物に使われるかを説明するとなるとどうやって説明すればよいのか難しくて分からないという方がいるでしょう。
分かりやすく説明するには「共通性を見い出す」ことが鍵です。この場合は、物の形やボールの軌跡、電話線などの「細長い」というところが共通性にあたります。この記事を読んだ時に、イカと飲み物の数え方がどちらも「杯」であるのは、イカの胴体と飲み物を注ぐ器が筒状になっていること、膨らみや丸みを帯びていることが共通性に当たるのです。
情報を共有して正しい数え方を覚えよう!
情報を共有したり、話の内容に組み込んで話をすることは大切なことです。なぜなら聞く側は話に興味を持ってくれたなら、話す側は気持ちよく説明したり話したりすることができる、聞く側は自分が知らなかった情報を簡単に知ることができてお互いプラスになるからです。
あなたが得た数え方の知識を自分の子供や友人などに話してみましょう。自分の子供を連れてスーパーで買い物をするとき、動物園や水族館に行くときに数え方を子供に伝えてみましょう。そうすると子供は数え方に興味を持ち、たくさんの数え方を知り、早い時期から知識の幅を広げるでしょう。