男性の結婚式の服装マナー
結婚式や披露宴にお呼ばれしたら、服装をどのようにしたら良いか悩むのは女性だけではありません。男性の場合は選べる服のバリエーションが少なく、おしゃれのセンスが試されるでしょう。
大切な人を祝福する場で、男性にはどのような服装がふさわしいのか、マナーに沿って選び方や着こなしを説明していきます。また、立場や会場によってどのような服装を選べば良いのかなど、役立つ情報をお伝えします。
ここでは男性の服装のアイテムごとに、結婚式にふさわしい着こなしやポイントを紹介します。ぜひ参考にしてください。
結婚式のスーツの色は?
結婚式の男性の服装で最も選ばれるのがスーツでしょう。フォーマルスーツがふさわしいため、ジャケット、ベスト、スラックスのセットであるスリーピースを選ぶと良いでしょう。
結婚式の男性の服装は、新郎の衣装と同じ色を選ぶことはタブーとされています。スーツの色は白やピンクなどの明るすぎるものは避けるようにしましょう。主役はあくまでも新郎新婦ですので、マナーを守って主役を引き立てましょう。
結婚式にふさわしいスーツの色は黒、グレー、ネイビーなどがありますが、派手になりすぎなければストライプのスーツでも問題ないとされています。
ブラックスーツは、あらゆる冠婚葬祭に着用できる準礼装なので、一つは持っておきたいスーツの一つと言えるでしょう。結婚式で着用する場合は、レギュラーカラーかウィングカラーのシャツにシルバーグレーのネクタイを合わせると華やかになります。
カジュアルな雰囲気の結婚式の場合は、グレーやネイビー、ストライプのスーツがおすすめです。ベストがセットのスリーピースなら、フォーマルとしてマナー違反にはなりません。また、普段使いにもおすすめのスーツで、レストランやカジュアルな外出でもスタイリッシュに着こなすことができるでしょう。
ネクタイの色や柄は?
結婚式の男性の服装ではスーツを着用することが多いですが、ネクタイの色や柄はどのようなものを選べば良いのでしょうか。基本的にはネクタイの色は白が良いとされていますが、シルバーグレーや白地に黒い柄が入ったものでもフォーマルであるとされています。
参列者の顔ぶれや立場などによっては、ピンクやブルーなどの明るめのネクタイを着用しても良いでしょう。しかし、黒色やキャラクターものは避けましょう。黒のネクタイは喪服をイメージさせ、縁起が悪いとされています。
また、アニマル柄は不幸や殺生をイメージさせるものなので、おめでたい席である結婚式にはふさわしくないとされているので注意しましょう。
蝶ネクタイやアスコットタイはOK?
パーティースタイルでは蝶ネクタイを着用している男性もいますが、基本的には蝶ネクタイは夜の式や披露宴での服装に適しています。親族が多く集まるなど、昼間の格式が高い結婚式にはマナー違反とされる場合もあるので注意しましょう。
おしゃれに決めたいという男性には、アスコットタイも人気があります。アスコットタイは昼の礼装と言われ、フォーマルの度合いに合わせて柄や結び方を変えて楽しめます。アスコットタイ種類は、スカーフのように首元で結ぶストールタイプや、タイリングでとめるリングタイタイプなどがあります。結婚式でおしゃれを楽しみたい男性におすすめのアイテムです。
おしゃれに差をつけるならネクタイピン
結婚式の男性の服装は、スーツ、シャツ、ネクタイの色や柄に制限があるため、個性が出しづらい難点があります。しかし、おしゃれな小物を使えばワンランクアップのスーツスタイルができるでしょう。
なかでも手軽に取り入れられる小物がネクタイピンです。ネクタイピンには結婚式の服装の決まりが特に制限されておらず、選びやすいところもおすすめです。スーツやネクタイに合うものをチョイスすると良いでしょう。
ネクタイピンのなかにはシンプルなタイプのものや、ワンポイントが入ったもの、個性的なデザインのものまでさまざまな種類があります。男性の正装ではアクセサリーを取り入れることは難しいですが、ネクタイピンならチャレンジしやすいでしょう。さりげなくおしゃれ感をアピールしてみてはいかがでしょうか。
男性の礼服とは?
礼服の基本的な色は黒です。黒が濃いほど良いとされていて、何度も染め直された礼服は深い黒色になり、高級品とされています。安物ではいけないという決まりはありませんが、たくさんの人が集まる冠婚葬祭の席で恥をかかないようにしましょう。
礼服が必要な場面では、男性は黒色のビジネススーツでも良いと思われがちですが、実はマナー違反になることもあります。結婚式などの冠婚葬祭、正式な催事のときには礼服を身に付けるのが正しい選択と言えるでしょう。
礼服にはいくつかの種類があり、シーンに合わせて使い分けるのがマナーとされています。日本の正装には、略礼装、準礼装、正礼装があります。それぞれどのような違いがあるのかを説明します。
略礼装とは?
男性の略礼装は、本来の定義では濃いネイビーやグレーのダークスーツの装いのことです。結婚式、パーティー、式典などで着ることができます。招待された際に「平服で」と断りがあった場合には略礼装が基準となります。
また、ブラックスーツは以前は略式とされていましたが、現在ではほとんどのフォーマルシーンに対応できます。幅広いシーンで活躍するため、ブラックスーツは男性として1着は持っておきたい正装と言えるでしょう。
準礼装とは?
男性の準礼装には、ディレクターズスーツと呼ばれるスーツを着用することが基本とされています。その名のとおりディレクター、つまり重役クラスの人が着用する格調高いフォーマルスタイルです。
ディレクターズスーツは、礼服のパンツを黒ではなくグレーのストライプパンツにした物です。結婚式の主賓やスピーチ担当者向きとされていますが、新郎新婦の父親がこの服装の場合もあるため、立場によってはブラックスーツが無難と言えるでしょう。
また、ディレクターズスーツは、昼間の結婚式で男性が着用するものとされています。結婚式が夜の場合には避けましょう。
正礼装とは?
正礼装は、フォーマルウェアの中でもっとも格式が高い服装とされています。結婚式では新郎新婦のご両親の定番衣装です。男性の正礼装は、モーニングとタキシードがあり、結婚式の時間帯によって使い分けることが必要になります。
モーニングは昼間の結婚式の場合に男性が着用する礼服です。ジャケットのフロント部分がウエストから裾にかけて曲線的に大きくカットされているのが特徴です。それに対し、タキシードは夕方以降の結婚式や披露宴で男性が着用する礼服となります。白と黒のみを使うことがスタイリングの基本とされていて、蝶ネクタイを使用することが一般的です。
男性の結婚式のシャツ
結婚式はフォーマルな場なので、シャツは白色で柄のついていないものを選ぶことをおすすめします。無地の白なら、どんなスーツにも合わせやすいという利点もあります。
しかし、カジュアルな結婚式の場合には淡い色のカラーシャツでも良いでしょう。薄い黄色、水色、ピンクなどでネクタイやスーツに合うものを選びましょう。また、柄は遠目では見えないくらいのものであれば、許容範囲です。お祝いの席なので、黒いシャツは暗いイメージになるので避けましょう。
結婚式で男性が着用するシャツの注意しなければならない点は、色や柄意外にもあります。例えば襟のタイプです。シャツの襟にはさまざまな種類がありますが、結婚式にはレギュラーカラーやワイドカラーがベターです。襟を留めるボタンダウンやショートポイントカラーなどはカジュアルなイメージがあるため着用は避けましょう。
袖口につけるカフスボタンについてはお好みでつけて構いません。男性が身につけられる数少ないアクセサリーの一つなので、おしゃれのために活用しても良いでしょう。ダブルカフスのシャツの場合にカフスボタンをつける際は、シンプルで派手過ぎないものを選びましょう。
コートは着て行ってもOK?どんなコート?
冬場などの寒い日にはスーツだけで出向くのは大変でしょう。式場に着くまでの防寒着としてコートを着用して行っても問題はありません。式場に着いたら受付の際クロークに預けましょう。それではどんなコートを着ていけば良いのでしょうか。
男性が結婚式に着ていくコートの色は、ブラック、ネイビー、グレーなどの比較的地味な色が無難でしょう。特にブラックは慶事でも弔事でも使えるため便利です。コートの種類は、ステンカラーコート、チェスターフィールドコート、トレンチコートなどがおすすめです。
凝ったデザインのものよりシンプルなもののほうがきちんとした印象になります。新郎新婦や親族の目に留まることはなくても、フォーマル感を損ねない服装を心がけましょう。
素材はカシミヤ、アンゴラ混、ウールなどがおすすめです。素材やブランドにこだわると高額になりますが、結婚式以外の催事や普段でも着用できるアイテムなので、きちんとしたものを選ぶと重宝するでしょう。
カジュアルコートはNG?
セレモニーに出席する際はカジュアルな服装は基本的に避けることをおすすめします。そのため、トレンチコートやミリタリーコート、ダウンジャケットなどのカジュアルコートはマナー違反とされています。
また、ファーが着いているモッズコートなどもフォーマルな場には不向きと言えます。ファーは、フェイクであっても殺生をイメージさせるアイテムなので、冠婚葬祭での使用は避けましょう。
ベストは着用しないといけないの?
男性の正装の場合のスーツスタイルでは、ベストを着用するのが正しい着こなしとされています。正式にはグレーベスト、共地の黒ベストに白襟付きのものが良いとされています。黒色のスーツの場合は、黒色のベストを合わせると暗い印象になってしまうため、避けた方が無難でしょう。
また、フォーマルの場のマナーでは、ベストを着ていれば上着を脱いでも良いとされています。夏場などの暑い日の結婚式にはベストを着たくないという男性もいますが、ベスト着て出席した方が上着を脱ぐことができるので、涼しく過ごすことができるでしょう。
どんな靴を履けば良いの?
結婚式の男性の服装は、靴にもマナーがあります。男性のフォーマルな靴と言えば、ひも付きのストレートチップやプレーントゥとされています。素材は牛革やエナメルのものを選びましょう。また、さまざまな色の商品が販売されていますが、黒を使用することがマナーとされています。
一方で、カジュアルな結婚式ではブラウンでも良いとする場合もあります。しかし、ローファーやスニーカーなどはマナー違反です。また、クロコダイルの型押しやスエードなど、殺生をイメージするものは避けましょう。たとえフェイクでも縁起が悪いとされているため、履かないようにしましょう。
ストレートチップとプレーントゥとはどんな靴?
男性のフォーマル靴の基本と言われるストレートチップやプレーントゥとはどのような靴なのかを説明します。
ストレートチップは、つま先の部分に横に一文字飾りの縫い目が入っているのが特徴の靴です。モーニングを着用する場面では、内羽根というタイプを選びましょう。内羽根とは、ひもを通す部分が外に出ません。外羽根のタイプは内羽根よりもカジュアルになります。
プレーントゥは、つま先部分に装飾がなくプレーンなデザインの靴です。フォーマルな装いで使用できる靴ですが、ストレートチップよりもカジュアルになります。結婚式などの主賓以外のゲストとして参列するときに向いていると言えるでしょう。
男性でもカバンは必要?
結婚式では女性はバッグを持つのが一般的です。では、男性はどうでしょうか。男性の場合はスーツのポケットがあるため、カバンを持たない人が多いでしょう。しかし、バッグを持つことはマナー違反ではありません。荷物が多いなどで必要な場合は、ポケットをパンパンに膨らませるよりはカバンを持つ方がスマートと言えるでしょう。
結婚式で男性が使うのにおすすめのカバンは、クラッチバッグです。クラッチバッグとは、肩ひもがなく、手で掴んで持つタイプの小さめのハンドバッグです。使い勝手が良いからと言って、トートバッグやリュック、ビジネスバッグなどのカジュアルバッグを使用することはマナー違反となるので注意しましょう。
おすすめのクラッチバッグは?
男性が結婚式で持つクラッチバッグは、スーツや靴の色と合わせると良いでしょう。黒や濃いめの茶色など落ち着いた色合いのものがおすすめです。素材は革製のものを使いましょう。布製やビニールなどのカジュアルな素材は結婚式にはふさわしくありません。
デザインは、無地などのシンプルなものが無難です。派手な飾りや大きなロゴなどが入ったものは避けましょう。サイズはA4サイズくらいの大きさにしましょう。クラッチバッグのサイズには小さいものもありますが、男性が持つ場合はA4サイズくらいがちょうど良いサイズ感と言えるでしょう。
クラッチバッグに入りきらない場合は?
男性が結婚式でバッグを持つ場合はクラッチバッグがおすすめですが、クラッチバッグに入りきらないほどの荷物がある場合もあるでしょう。そのようなときには、大きなバッグに入れて会場まで運び、クロークに預けましょう。大きな荷物を会場に持ち込むことはマナー違反となるので、必要最低限のものだけ手元に置いておきましょう。
チーフはフォーマルウェアには必須?選び方と折り方
男性の結婚式におけるフォーマルスタイルでは、スーツの胸ポケットにチーフを入れることが望ましいと言われています。このポケットチーフは、お祝いの席の装いに品格や華やかさをプラスしてくれるでしょう。結婚式では白色を選ぶことがベターですが、ネクタイと合わせるとよりおしゃれになります。
ポケットチーフの素材はリネンやシルクが使われますが、結婚式にはリネンがおすすめです。折り方にはTVホールド、パフ、クラッシュ、トライアングラー、スリーピークスなどがありますが、結婚式ではスリーピークスという折り方がフォーマルとされています。
スリーピークスの折り方は、まずポケットチーフを広げ、三角に折ります。さらに三角に折り、頂点の角を少しずらします。もう一度三角に折り、頂点の角を均等にずらします。ポケットに収まるよう、下部を少し居れば完成です。
ポケットから出る角の間隔をバランス良く整えることがポイントです。覚えれば簡単にできるので覚えておくと良いでしょう。
男性の結婚式の靴下は?
結婚式では男性ゲストの靴下は黒色がマナーとされています。白色の靴下は白いタキシードを着用した際の新郎用とされているため、かぶらないようにしましょう。靴下の長さは、ミドル丈やロング丈がおすすめです。アンクル丈やショート丈だと、肌が露出してしまう可能性があるため避けましょう。
柄は無地のものが良いですが、男性のフォーマル用の靴下には白黒のストライプのものもあります。これはモーニングコートやディレクターズスーツに合わせる靴下なので、装いに合った靴下を選ぶことが重要です。
立場別男性の結婚式服装マナー
結婚式での男性の服装のアイテムを紹介してきました。さまざまなマナーがありますが、立場により多少の違いがあります。それぞれの男性の立場に合った服装のポイントを説明します。あなただけでなく親族や友人にも服装についてアドバイスできるように、ポイントをしっかり押さえておきましょう。
親族の服装
親族は新郎新婦の身内なので、参列者をお迎えする立場にあります。挙式のホスト側の男性に当たる場合の服装は、正礼装であるモーニングやタキシードが一般的とされます。ただし、新郎新婦の服装より格上の装いはマナー違反となるため、一概には言えません。
もし、新郎新婦が準礼装にするならば、親族の服装も準礼装に合わせましょう。結婚式には両親との打ち合わせをすることがほとんどですが、ほかの親族にもきちんと伝え、相談し合うことが大切でしょう。
友人の服装
友人の立場である男性の服装は、略礼装で参列することが多いでしょう。カジュアルな結婚式ではグレースーツなどでも良いですが、ブラックスーツならばどのような結婚式でも合わせやすいと言えるでしょう。
友人代表としてスピーチをする立場の男性の服装は、準礼装を着用することがマナーとされています。準礼装ではブラックスーツが基本とされています。カジュアルな結婚式ではダークグレーのスーツでも良いとされますが、新郎のスーツの色とかぶらないものを事前に確認しておきましょう。
代表の立場の男性ならば、服装マナーに一段と気をつけることが新郎新婦や参列者に祝福の気持ちを表すことになるでしょう。スーツやシャツのシワなどの身だしなみにも気を配りましょう。
父親の服装
新婦側の父親であれば挙式のエスコート、新婦側の父親であれば披露宴の謝辞など、父親の立場での役割はたくさんあります。また、親族代表となるため服装マナーに気を配ることも大切です。
結婚式に父親の立場で参加する場合の服装は、正礼装がふさわしいとされています。しかし、結婚式のスタイルや新郎新婦の装いに合わせて準礼装、略礼装が適している場合もあります。
正礼装の場合、結婚式が昼間であればモーニングが正式と言われています。新郎新婦が準礼装ならばタキシードがふさわしいでしょう。また、和装の結婚式の場合は紋付羽織袴が良いでしょう。
夕方から夜にかけての時間であれば燕尾服(えんびふく)がふさわしいでしょう。燕尾服とは、読んで字のごとく、背面の裾がツバメの尾のように割れているためそのような名前になっています。白のベストと蝶ネクタイを着用するのが基本とされています。
兄弟の服装
男性の兄弟の場合は、未婚か既婚か、または年齢などによって服装のポイントが異なります。未婚男性であればブラックスーツ、既婚男性であればディレクターズスーツやタキシードが基本とされています。モーニングを着用する場合は細めのストライプを選ぶなどして新郎より目立たないように心がけると良いでしょう。
男性の兄弟で高校生以下の場合の服装は、スーツを用意しなくても問題ありません。制服を着用しましょう。
上司の服装
新郎、もしくは新婦の上司として参列する場合は、その立場に応じた服装を考える必要があります。スピーチなどを担当する主賓の場合には、ディレクタースーツやブラックスーツなどの準礼装がふさわしいでしょう。新郎や親族よりも控えめで、主賓として品格のある服装が好印象です。
一方、いちゲストとしての参加であれば、ダークスーツで問題ないでしょう。スピーチを担当する男性よりも目立たない装いがふさわしいでしょう。
季節別男性の結婚式服装
結婚式には季節を問わずお呼ばれされます。式場内は快適に過ごせるよう空調完備がされていますが、暑がり、または寒がりの男性には服装に工夫が必要でしょう。季節によってどのような服装が過ごしやすいのかを紹介します。また、季節ごとの結婚式に合った男性の服装のポイントも紹介しますので参考にしてみてください。
春
春は、1年の中で結婚式を挙げる割合が多いと言われる季節です。暖かい春になってくると、暑がりの男性にはもう夏のように感じる人もいるでしょう。しかし、フォーマルな場では基本的にジャケットを脱ぐことはマナー違反です。
しかし、ベストを着用していればジャケットを脱いでも構いません。ベストは男性のフォーマルスーツとして必須アイテムなので、必ず着用しましょう。ジャケットを脱いでも暑さを感じるようであれば、夏用のインナーで対応して快適に過ごせるよう工夫しましょう。
また、春になると景色が色づき始め、服装も明るめのものをチョイスしたくなる男性もいるでしょう。しかし、結婚式では白やピンクなどの明るい色のスーツは新郎とかぶってしまう可能性があるため、マナー違反とされています。ブラックスーツやグレースーツが一般的です。
少しでも春らしい装いにしたい場合は、ポケットチーフやネクタイで春カラーを取り入れてみてはいかがでしょうか。淡いピンクやグリーン、イエローなど、春らしいパステルカラーのものがおすすめです。ポケットチーフとネクタイの色は合わせると統一感が出ておしゃれに見えるでしょう。
夏
夏になると暑がりの男性にとっては過酷な季節でしょう。そのため、いくら式場の空調が効いているからと言っても、長袖を着ることは考えられないという男性も多いでしょう。しかし、結婚式の服装はフォーマルが基本となっているため、長袖シャツにベスト、ジャケットの着用がマナーとされています。
「ジャケットを脱いではいけないのだから下に着るシャツは半袖でも良いのでは?」と疑問に感じる男性もいるでしょう。長袖のシャツでなくてはならない理由は、ジャケットからシャツの袖口が出なくてはならないからです。このような着こなしがスーツの基本とされています。
また、ベストの着用もマナーとされています。ベストを着用していればジャケットを脱いでも問題ないとされています。もし暑がりの男性ならば、暑くてもベストを着用していた方がジャケットをいつでも脱げるため快適に過ごせるでしょう。
それでも暑さに耐えられそうにないという男性は、インナーで対応したり、スーツやベストの素材をリネンやコットンにするなど、できるだけ蒸れを防ぐように工夫しましょう。
秋
秋は春に次いで結婚式を挙げることが多いと言われる季節です。真夏よりは涼しくなる時期ですが、初秋ではまだまだ暑い日が続くという場合もあります。そのようなときの男性の服装は、夏と同じような対策で暑さを防ぐと良いでしょう。
冬に近い秋になると寒さが感じられることもあるでしょう。式場内は空調を快適にコントロールしてくれていますが、ガーデンウェディングなどの場合は直接外気に触れることになります。しかし、いくら寒くても挙式中や披露宴の最中にコートを着ることはマナー違反です。
どうしても寒いという男性は、インナーを厚手のものにして対応しましょう。また、スーツには夏用、冬用に適した素材で作られているものもあるので、素材選びも大切です。秋は気候に応じてスーツを変えてみてはいかがでしょうか。
また、秋は少しずつ冬に近づいていくため、暖色系の服装がトレンディです。ネクタイやポケットチーフを淡いピンク色やパープルなど、暖色系のパステルカラーにして季節感を演出した服装にしてみるのもおしゃれのポイントです。
冬
冬の結婚式では、寒さ対策は必ずしておきたいポイントです。会場に向かう際の服装にはコートの着用をおすすめします。男性のフォーマルな服装でのコートは、シンプルで落ち着いた色合いのものを選びましょう。ダウンジャケットなどのカジュアルすぎるコートはフォーマルにはふさわしくありません。ステンカラーコートなどのフォーマルに合うコートで会場に向かいましょう。
ただし、式場内でのコート着用はマナー違反とされています。コートは式場内では必ずクロークに預けましょう。式場内の暖房は快適に過ごせるよう調整していますが、寒がりの男性は厚手のインナーを着用して対応すると良いでしょう。
ロング丈の靴下もおすすめです。カシミヤやアンゴラ混などの熱を逃さない素材を選びましょう。また、冬用のフォーマルスーツを用意しておけば寒い時期に使えるため重宝するでしょう。このように快適に過ごせるよう、服装の工夫をしておくことをおすすめします。
会場別結婚式の男性の服装
結婚式を行う会場には、ホテルやゲストハウス、レストランなどさまざまあります。結婚式に臨む際の男性の服装は、この会場によって変えることをおすすめします。その理由は、会場によって適した正装の種類が異なるからです。
招待状を受け取ったら、どのような会場かを把握し、服装選びをすると良いでしょう。では、結婚式の会場の種類によって男性の服装にどのような違いがあるのかを説明します。
格式あるホテルなどでおすすめの男性の服装
格式あるホテルでの結婚式では、落ち着いた服装をするのがマナーです。新郎新婦や親族が正礼装を着用する場合が多いため、ゲストは準礼装か上品な略礼装を着用すると良いでしょう。また、伝統的な神社や有名結婚式場などの格式高い場所でも同じような服装を選びましょう。
このような場合の男性の服装は、ディレクターズスーツ、もしくはブラックスーツに無地の白シャツとシルバーグレーのネクタイを合わせましょう。控えめなコーディネートですが、格式あるホテルなどではカラーシャツやダークスーツはふさわしくないため避けましょう。
レストランウェディングでおすすめの男性の服装
少人数で挙式をしたいという新郎新婦が増えてきている中、人気のある会場がレストランです。レストランウェディングは、比較的カジュアルな雰囲気のなか執り行われることが多いため、服装は略礼装がおすすめです。
レストランでの結婚式の男性の服装は、ダークスーツやグレースーツを取り入れるとカジュアルで個性を出しやすいでしょう。シルバーグレーのネクタイやポケットチーフは定番ですが、パステルカラーのピンクやブルーなどもおすすめです。アスコットタイなどでおしゃれにコーディネートを楽しんでみても良いでしょう。
しかし、会場や参列者の顔ぶれによってはおしゃれを取り入れた服装は雰囲気を壊してしまうことになりかねないので、お店の雰囲気や席次表を確認しておくと良いでしょう。
1.5次会でおすすめの男性の服装
カジュアルウェディングと言われる1.5次会は、主にレストランで開催されることが多いパーティーです。結婚式披露宴ほどフォーマルではなく、二次会ほどカジュアルではないというスタイルで、気軽に結婚式をしたい新郎新婦に人気があります。
レストランウェディングとの違いは、会場がレストランだけではないというところです。カフェや結婚式場を借りて行うこともあります。しかし、パーティー形式なのでカジュアルダウンした服装がふさわしいと言えるでしょう。
1.5次会での男性の服装は、ダークスーツやグレースーツにカラーシャツなどを合わせてカジュアルダウンすると良いでしょう。また、会場によってはカジュアルなジャケットとパンツスタイルでも良いとされる場合もあります。
柄物のネクタイや伊達メガネなどを使って男性がおしゃれを演出できるところもカジュアルウェディングの特徴です。普段は挑戦できないアスコットタイにおしゃれなリングを使ってみるなど、さまざまなおしゃれを楽しんでみてはいかがでしょうか。
ナイトウェディングにおすすめ結婚式の男性の服装
夜の雰囲気を味わえるナイトウェディングも人気があります。会場はホテルやレストランが多いですが、格式のあるホテルなどで執り行う場合もあれば、カジュアルな服装でも参加できるレストランの場合もあります。
夕方から挙式を行う場合のナイトウェディングには、夜会やパーティー感が出る華やかな服装がおすすめです。格式あるホテルでの男性の服装は、タキシードに蝶ネクタイで白と黒に統一したものを選びましょう。靴はエナメルで華やかさをプラスすると良いでしょう。
レストランで行う場合は、お店の雰囲気に合わせてカジュアルダウンした服装を選びましょう。この場合の男性の服装は、ブラックスーツやグレースーツに白の無地のシャツとシルバーグレーのネクタイを合わせるのが基本的となるでしょう。夜の正装として使われる蝶ネクタイもおすすめです。
さらにカジュアルで良ければカラーシャツや淡い色のネクタイやチーフで華やかさを添えましょう。光沢のある素材で夜会感を出すと良いでしょう。ただし、ナイトウェディングではゲストの服装がばらけることがあるため、あらかじめ話し合っておくことをおすすめします。
海外挙式におすすめの男性の服装
一生に一度の挙式は海外で執り行いたいという新郎新婦も多いのではないでしょうか。海外挙式にはハワイやグアムが人気があります。日本での結婚式の服装と違う点もあるため、よく確認しておきましょう。
ハワイやグアムでの結婚式の男性の服装は、アロハシャツが一般的と言われています。アロハシャツにベージュや白などのチノパンや綿のパンツ、夏用スラックスなどを合わせましょう。アロハシャツは、ハワイでは花柄やウミガメなどのハワイアンモチーフがおすすめです。
グアムではヤシの木やパイナップル柄なども良いでしょう。夫婦やカップルで参列する場合は、お揃いの柄にすると統一感が出ます。スーツの場合は、上下ともに明るめの色を合わせましょう。明るめのベージュなどがおすすめです。
靴は、茶色や白、キャメルなどの明るい色の革靴を選びましょう。ビーチでの記念撮影などがある場合は、歩きやすいデッキシューズを用意しておくと良いでしょう。このとき、サンダルやスニーカーはカジュアルすぎてしまうため避けましょう。
結婚式二次会の男性の服装
結婚式のあとに二次会に参加する場合は、結婚式や披露宴よりもカジュアルダウンした服装を選びましょう。ポイントは、新郎新婦より目立たないもので、明るい色や小物、アクセサリーで遊び心をプラスすることです。おしゃれさをアピールできる場でもありますが、主役はあくまでも新郎新婦なので、おしゃれを楽しみつつも目立ちすぎない服装がおすすめです。
ここでは、二次会の会場ごとのおすすめスタイルや、男性の服装におすすめのアクセサリーを紹介していきます。おしゃれな服装にチェンジして二次会を楽しみましょう。
ホテルの二次会
結婚式場、披露宴と同じホテル会場で行う場合は、そのままのフォーマルな服装で参加する人が多いでしょう。そのため、男性の服装はスーツにネクタイが一般的と言えるでしょう。可能であれば明るい色のネクタイやチーフに付け替えたり、アクセサリーをプラスしてみてはいかがでしょうか。
レストランの二次会
会場になるレストランの雰囲気によっては、ネクタイなしのスタイルでも良いでしょう。明るい色や柄物のシャツに着替えたり、靴下の色を派手なものにしてさりげないおしゃれを楽しんでみるのもおすすめです。
居酒屋の二次会
居酒屋やカラオケなどでカジュアルな二次会を楽しむ場合もあるでしょう。この場合の男性の服装はスーツスタイルは堅苦しい雰囲気があるため、カジュアルダウンしたものを選びましょう。
しかし、ジーパンにスニーカーなどはカジュアルすぎてしまうため避けましょう。チノパンにシャツやシンプルなカットソーを合わせたり、普段より少々きちんと感がある服装がおすすめです。
結婚式の二次会はアクセサリーでおしゃれに
男性は、結婚式や披露宴ではアクセサリーをあまり身につけられません。しかし、二次会では男性でも気軽にアクセサリーを身につけておしゃれを楽しめます。ここでは、結婚式の二次会に簡単に取り入れることができるアクセサリーを紹介します。ぜひ参考にしてください。
ネクタイピン
ネクタイピンは、ネクタイをワイシャツに固定するためのアイテムです。男性の服装でできる数少ないアクセサリーの一つですが、取り入れやすいためおすすめです。
デザインがたくさんあるところもおすすめのポイントです。顔に近い位置にくるため、周囲から気づかれやすいおしゃれポイントでもあります。ユニークなデザインのネクタイピンを選んで話題作りをするのも楽しいでしょう。
ラペルピン
ラペルというのは襟の折り返し部分のことで、そこにつけるアクセサリーがラペルピンです。議員バッジや校章をつけて身分や所属を示すためにも用いられます。結婚式の二次会では、男性がスーツにつけるアクセサリーとしておすすめのアイテムです。
オーソドックスなスティックタイプやブローチタイプだけでなく、チェーンタイプなどもおしゃれです。服装や会場の雰囲気に合わせて選びましょう。
カフスボタン
カフスボタンとは、ワイシャツの袖口につけるアクセサリーです。二次会ではおしゃれとしてつける男性も少なくないでしょう。袖口から覗くカフスボタンは、さりげないおしゃれとして人気があります。エレガントでフォーマルな着こなしができるでしょう。
男性の結婚式の服装画像
ここでは結婚式、披露宴、二次会で男性が使えるアイテムの画像、服装の画像を紹介していきます。コーディネートの参考にしてください。
ストレートチップシューズ
男性のフォーマルな服装にマッチするストレートチップタイプの靴です。結婚式や披露宴で活躍します。
プレーントゥーシューズ
プレーントゥーはあらゆる冠婚葬祭の服装で使うことができる万能な靴なので、一つは持っておきたいアイテムです。
ネクタイピンを使ったコーディネート
ネクタイピンがあると落ち着いたスーツスタイルでもさりげないおしゃれができて、結婚式に華を添えられるでしょう。
ユニークなデザインのネクタイピン
このネクタイピンはテニスラケットとテニスボールがついたユニークなタイプです。テニス好きの新郎新婦へのお祝いの気持ちを込めて使用したり、カジュアルな二次会におすすめです。
アスコットタイを使ったコーディネート
さまざまな巻き方を楽しめるのがアスコットタイの魅力です。会場や立場にもよりますが、結婚式や二次会でも楽しめます。
蝶ネクタイは夜の結婚式におすすめ
結婚式が夕方から夜にかけてある場合は、会場に合わせて蝶ネクタイをチョイスしても良いでしょう。二次会にもおすすめです。
寒い冬はシンプルなコートを選ぼう
フォーマルな場ではカジュアルなものはマナー違反になります。シンプルで落ち着いた色のコートを選びましょう。
二次会のコーディネートはおしゃれに決めよう!
夕方や夜に行われることが多い二次会には、蝶ネクタイを使ったコーディネートがおすすめです。正礼装のように黒色にしなくても良いため、色や柄でおしゃれを楽しみましょう。
二次会では靴下の色もおしゃれにチェンジ!
二次会では服装のルールが緩くなるため、ある程度カジュアルダウンして構いません。写真のように靴下とセーターの色を統一するとおしゃれ感が増します。
おしゃれに着こなして新郎新婦に華を添えよう
いかがでしたか。結婚式の男性の服装にはさまざまなマナーがありますが、あらかじめ確認しておけば当日になって慌てることがないでしょう。新郎新婦に恥をかかせないためにも、服装のマナーに気を配ることが大切です。マナーを守ったおしゃれな服装で華を添えましょう。